あらすじ
日本最大の流通グループを率いた「コンビニの父」が後進に伝えたかったことは?<
2016年5月26日、セブン&アイホールディングス会長兼CEOを辞し、60年にわたる現役生活にピリオドを打った鈴木敏文氏。
「未来に向かって敷かれたレールはない。道は自分でつくるもの」と語る「コンビニの父」は、日本初のコンビニエンスストアを創業。
コンビニ銀行ほか、数々のヒット商品やサービスを生み出してきた。
引退した今だからこそ、後進に伝えたかった真実を明らかにする。
【著者紹介】
鈴木敏文(すずき・としふみ)
セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問
1932年、長野県生まれ。
1956年、中央大学経済学部卒業後、書籍取次大手の東京出版販売(現・トーハン)に入社。
1963年、ヨーカ堂(現・イトーヨーカ堂)に移る。
1973年、セブン-イレブン・ジャパンを設立し、コンビニエンスストアを全国に広め、日本一の流通グループとして今日まで流通業界を牽引。
2003年、勲一等瑞宝章を受章。同年11月、中央大学名誉博士学位授与。経団連副会長、中央大学理事長などを歴任。
著書に『売る力――心をつかむ仕事術』『挑戦 わがロマン』などがある。
【目次より】
◆はじめに
◆第1章 懸命に「行き当たりばったり」に生きてきた
◆第2章 「無」から「有」を生むには「跳ぶ発想」を鍛える
◆第3章 「できない理由」をあげるより「実現する方法」を考えよう
◆第4章 「仕事の分母」には「売り手」ではなく常に「お客様」を置くと真実が見える
◆第5章 「判断の尺度」を「お客様」に合わせれば迷わず一秒で決断できる
◆第6章 ものごとの「本質」を見抜ければ仕事はうまくいく
◆おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
良書 分かりやすく、腑に落ちました。
これまで、セブンイレブンを描いた書籍を幾つか読んできましたが、どうも腑に落ちませんでした 。
だけどこの本は、途中で引っ掛からずに最後までに読み終えることができました。
お辞めになられてからでないと話せないことがあったのだと思います。
POSと単品管理、オムニチャネル、ストアATM、IT業界で、飯を食ってきたものとして、鈴木氏の未来を起点にした発想にあったのかなと考えてしまいます。
一時代を築かれた方の、伝記として読ませて頂きました。
Posted by ブクログ
"「未来を起点にした発想」を持ち、「お客様の立場で」考え、新しいものを生み出さなければならない。"
セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEOを務めた鈴木敏文氏の経験を元に、成功した要因や秘訣などを紹介した著書。
民間企業で主にBtoCを中心の業態であるからこそ「お客様の立場で」ということがよく出てくるものの、挑戦するための姿勢や気概、挑戦の足枷となってしまうことなど、どんな業態にも共通することが紹介されています。
もし何かに挑戦する際に立ち止まってしまった時などに、解決の糸口やヒントとなるかもしれません。
短く章が区切られているので読みやすいと思います。
Posted by ブクログ
若い方が読むとおじいさんの自慢話にしか聞こえないと思います。でもこの方の、この思考があったからこそ今のコンビニがあり、日本を代表するイノベーターであることに異論の余地がないことを感じられます。
でも一番の読みどころは最終章。目的と手段を混同しない、誰もが未来とお客様から宿題をもらっている。言葉に力があります。
今、何を思う、、、
Posted by ブクログ
さすが一つの時代を作った人。
至言の宝庫。
熱さはなく淡々としてるところが最初は物足りないですが、徐々に沁みてきます。
・みんなに反対されることはたいてい成功し、みんなに賛成されることはたいてい失敗する
・現代の消費社会は経済学だけでなく、心理学で考えなければならない
・これからの流通業はネットとリアルの融合へと進化する
・「無」から「有」を生むには「未来を起点にした発想」
・「お客様のために」ではなく「お客様の立場で」考える
・売り手にとって都合の良いことは、買い手にとっては不都合なことが多く、買い手にとって都合の良いことは、売り手にとって不都合なことが多い
・お客様の心理は「わがまま」です
・お客様の心理は「矛盾」しています
・「目的」と「手段」を混同してはならない
・人は手段が目的化すると必要以上のことをやり始める
Posted by ブクログ
コンビニで好きなのは、セブンイレブンです。お弁当美味しいし、高級感があるから。金の食パンが超絶好きです(是非食べてみて)。
いつだって判断の尺度を『お客様』に合わせる。
大切にしてきたことが明確だから、オンラインストアでマーケットを掴み、どんなときも求められているものを作り、ヒット商品を生み出してきた。
わたしの良いところは行動力があるとこる(自分で言っちゃった 笑)で、弱点は決断力が鈍い。超超超悩む。悩むのが趣味なのかってくらい。
でも、1番大切にしたいことは、生徒さんが何を求めていて、どうしたたら生徒さんが喜んでくれるのか。それだけは見失わないようにしてきました。
コンビニ最大手のセブンイレブンさんもそうだなんて、嬉しいですね♪
鈴木敏文さんの決して順調ではない半生もみどころ♪
Posted by ブクログ
言わずと知れた、7&iの鈴木元会長。
セブンを始める時に言われた事。
おにぎりや弁当について、「そういうのは家で作るのが常識だから売れるわけがない」と否定されたそうである。よく、マーケティングでリサーチの裏付けがないと新しい製品やサービスの開発が進められない事があるが、ソニーのウォークマンの例と並び、消費者は既存の理解でのみしか答えることができない例の典型であろう。最初は、1店舗で1日2,3個しか売れなったそうだが、今や年間17億個も売れるコンビニには欠かせない商品となっている。
衣料品の現金下取りセールについての記述も面白い。5000円のものを1000円ダイレクトに割引するよりも、同じ金額を下取りセールする方が好評だということだ。どちらも同じ2割り引きだが、通常の2割引きセールよりも売上2〜3割もアップしたそうである。なかなか捨てられない心理→たんすが空かないから買わないという心理を、下取りという形で解消してあげる事で、消費者の不満足を解消し、満足へと転換したのである。