小坂恵理のレビュー一覧

  • 計測の科学
    「計測」という独特なテーマを軸に、それが人間社会に与えてきた影響の歴史を追う本。

    本書で私が特に印象に残ったものの1つに「計測は抽象化のツール」であるという記述。それまで「腕の長さ」や「人の声が聞こえる距離」としてある意味、主観的に測っていたものをメートルなどの計測単位を置くことによって、一段高い...続きを読む
  • 平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学
    最初からびっくり。ちょっとFACTFULLNESを彷彿とさせる。
    学問ができたころの考え方は今の価値観で見ると気分が悪いが、いずれはきっと今主流の考えもおかしいとなっていくのだろうと思った。
    標準化した工場のパーツとして働けるように、画一化教育が行われているんだというのは陰謀論者が言いそうなことにも...続きを読む
  • [新訳]武士の娘
    江戸時代の武家の師弟に対する教えの厳しさを改めて思いました。
    家名を汚すこと無く人生をおくるための男子・女子を問わない決め事。
    それに理屈無く従うという厳正なルール。会津藩の「什の掟』の最後、「ならぬことはならぬ」を思いました。
    越後長岡藩は、徳川の三河以来の家来、牧野家であったということは、司馬遼...続きを読む
  • マーシャル・プラン――新世界秩序の誕生
    【スターリンにとって軍事化は、マーシャル・プランの副産物だったが、トルーマンにとってNATOは、計画実行に伴う予想外の悔やまれるコストだったのである】(文中より引用)

    アメリカ外交の成功譚として語られることも多いマーシャル・プラン。史上空前の「寛大な」外交政策はいかにして生まれ、対抗するソ連にはど...続きを読む
  • 予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済
    AIが社会に与える影響を「予測」「意思決定」「ツール」「戦略」「社会」の枠組みで段階的に因果を持って解説している。
    一見AIというと万能な魔法のツールのように聞こえるが、実は予測を担っているにすぎない。しかし、予測ができると意思決定が変わり、意思決定が変わると仕事のツールが変わる。仕事のツールが変わ...続きを読む
  • 地球を滅ぼす炭酸飲料
    この本を読もうと思ったきっかけは、ワシントン・インディペンデント・レビュー・ブックスの「もしも環境の現状について誰もが読むべき本を一冊選ぶとすれば、それは本書だ」という推奨文だった。しかも「感情に流されず、ユーモアを交えたわかりやすい文章で、気候変動について説明する偉業」とまで書かれている。こんな風...続きを読む
  • なぜ近代は繁栄したのか――草の根が生みだすイノベーション
    市場は現場の創意工夫を最大限に生かすシステムであると理解していたが、本書の主張はそれを裏付けると考えられる。
  • [新訳]武士の娘
    幕末の長岡藩と言えば河合継之助が有名だけれど、筆頭家老の稲垣家に生まれたお嬢さまが著者、杉本鉞(えつ)子だ。
    最も彼女が生まれたのは維新の後だけれど。

    しかし、戊辰戦争を捕虜としてではあるけれども武士として生き抜いた父と、万事に控えめで奥ゆかしいが芯の強さを持った母、武家の教示を最後まで持ち続け...続きを読む
  • 予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済
    AI(人工知能)の持つ根本的な役割は「予測」を安上がりに実行することであるとして、それが今後の社会に与える影響を解説した一冊。

    AIは、膨大な量のデータを様々に組合わせて瞬時に分析し、より精度の高い予測を実現することで、ビジネス上の不確実性を減少させ、様々なトレードオフを解決するため、企業の組織構...続きを読む
  • [新訳]武士の娘
    今の世の中、合理的が先行して意味なんか考える事もないけど全ての日常の行為に理由があり、えつ子はアメリカ人からの質問に当たり前にこたえます。 えつ子が飼い犬が弱って震えているのを見かねて自分の布団をかけたところ、分不相応な事をすると死後不幸になると母から叱られる話は現代では受け入れがたいものなのでしょ...続きを読む
  • 平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学
    私たちは生まれてから死ぬまで「平均」という言葉に一喜一憂している。しかし平均の値の人はいるのか?例えば身体サイズを測定しそれぞれの平均値を持つ人がいるのかといえばそれはNOである。ヒトはモノではない。バラツキがあり、それぞれ・その時のコンテキストがあり、ゴールへの道のりも各々違う。それを理解せずに、...続きを読む
  • 平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学
    軽々しく個性ということなかれ

    一つの基準で比較することを奨励したおかげで、一次元的思考に偏るようになってしまった。
    人間の才能にはばらつきがあるという事実を受け入れ、子供のそれぞれのプロファイルを評価し、長所を生かすための方法を探してあげる。
    行動は、特性、状況のどちらかで決まるわけではない。
    ...続きを読む
  • 平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学
    この本はすごい!!!
    目からうろこが落ちるどころが、うろこをひっぱがされる感じ!
    データをとって、「これが平均値」となると、それがマジョリティの中のマジョリティ、母集団を代表する存在である、と思うじゃないですか?
    でも平均に一致するものが何もなかったり、あるいはその+/-の範囲に入るものがすごく少な...続きを読む
  • 平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学
    平均より頭がいい、仕事が出来る、年収が良いなど、「平均」て言葉をよく使いますが、そもそも平均て何なのか?平均的な人間は一体どのぐらいいるのか?平均的思考とは何なのか?
    とても興味深い本です。
  • 貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで
    こんなに「買う価値のある本」に出会うのは久しぶり。素晴らしく地味な作業の積み重ねと、あらゆる視点からの考察が所狭しと羅列されている。
    お金に関わる方とそうでない方両方にオススメしたい本。
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    アメリカの建国から第一次世界大戦そして第二次世界大戦の経緯をオリバーストーン氏
    によって詳細に語られた良書です。
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    本著はアメリカ現代史を権力に対して批判的な観点で描いたもの。詰まり歴史を教科書的には触れられていない側面から考察しているところに面白さがある。
    特にアメリカという国は自由を標榜する啓蒙主義的な側面と産業資本・金融資本を背景とした実利主義的な側面の両面があり、それを意識しないと国家の在り方を正しく理解...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    「誰が儲かったのか?」「誰が得したのか?」

    というのが物差しになっています。
    イデオロギー、正義、悪、ではありません。
    こういう近現代史の本、読みたかったですね。
    読み物としても、とっても英語的なちょっとした皮肉を交えながら、実に滑らかによどみなく進みますし、ドラマチックに描かれていて、飽きさせま...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史2 ケネディと世界存亡の危機
    トルーマンからアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンまでの大統領によるアメリカの歴史が核の問題を中心に語られる。どのように冷戦が始まったか、ソ連との関係、軍産複合体の陰、アメリカの中南米、ベトナムへの介入などアメリカの帝国主義的、負の側面が暴かれる。ケネディとフルシチョフによるキューバ危機は...続きを読む
  • キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム
    ■キラー・クエスチョン

    A.あなたの顧客は「誰」か
    ・顧客が私たちの製品を選ぶ時の基準は何か?
    ・私の製品に不満を持っている相手は誰か?
    ・将来の顧客はどんな基準で購入を決めるか? など

    B.あなたは「何」を販売しているのか
    ・顧客の煩わしさを取り除き、ユニークな恩恵を新たに提供するためにはどう...続きを読む