小坂恵理のレビュー一覧
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最近、ChatGPTや画像生成AIなどがめまぐるしい勢いで進化し、将来は頭脳労働までもAIに奪われるのではないかという不安が高まっている。だが本書は、AIを労働代替の脅威ではなく、予測にかかるコストを劇的に下げる存在として捉え、そのインパクトをビジネス視点で冷静に分析している。予測が安価かつ高精度になるほど、組織の競争力は意思決定の質に移行し、人間の判断がますます重要になるという指摘は示唆に富み、希望が持てる。経営戦略の観点でも、AIが生み出す情報をどこまで活用し、どう組織全体を変革するかが大きな鍵となる。恐れよりもチャンスとしてのAI活用に焦点を当て、人間がどこで価値を発揮するかを鮮明に示し
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Posted by ブクログ
思う事が沢山ありすぎて文章にならない。
脳のリソースを使わない様にするためにはバチバチに規則に縛られるのが良い。計測、数値化できる事によって規則が定量化される。
バイアスすらも統計データなどの数字によって左右される。
再現性を求めるとやはり精緻な尺度が必要。
その計測の歴史を見てみると、「制度(計測)のハック」とその対策だよなぁ。
現在でも制度のハックは合法だし、知らないのが悪い、やらないのが悪いと言う風潮まである。
「いたちごっこ」と纏められるウイルス、ピッキング、落書き…があるからこそ抑止の為の技術が発展しはするけど、知らず知らずCPUのリソースにウイルス駆除ソフトの負担があるみた -
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度量衡の統一が商業的、政治的、科学的にも重要なのは理解できる。メートルやキログラム、秒がどのように定義されたのか、その必要性や背後にある政治的な話まで含めて解説している。なんとなく知っていることもあるが、詳細を知れたのが良い。度量衡は全世界で統一されるのが望ましいが、米国などはまだ完全にメートルなどの単位に移行しきれていない現状がある。英国のEU離脱が取り扱う単位にまで影響を及ぼしたことが驚きであるとともに自然発生的に便利に使えている単位が根付いている現状も分かった。では、どうすればグローバルで日常生活を含めて度量衡統一ができるのかの考察がなかったのが残念なところだ。
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権力による暴力がどのように監視・隔離されて社会の中に存在しうるのか、ということを知りたくて読んだ。
そしたら冒頭いっぱつめから屠殺場の事細かな工程と見取り図が出てきて、出鼻を挫かれた。私は屠殺反対論者としてこの本を読むのではないんだ…。
だが、読み進めていくと、作業工程がどのように分断されているのかがよくわかるし、それゆえ死への一撃を食らわせる担当者以外は屠殺に加担している意識がとても低くなってしまうメカニズムもよく描かれていて興味深かった。
フーコーをちゃんと読めば、この辺の論理をもっとクリアに理解できるのだろうなと思う。
今の私のレベルではざっくりレベルの理解。
そして、自分がこの本を -
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「〇〇は捨てなさい」的なタイトルはあまり好きじゃないけど、本書はとても気になったので購入してみた。
しょっぱなから出てきた空軍のコックピット問題についての記述は、私の中で大ヒットだった「多様性の科学」でも出てきたやつだったので、かなり期待して読み始めた。
まず、平均というものが社会に出てきて、多用されるようになった歴史から。とても興味深かった。私にとって、「平均」は「平均」であって、「平均」についてそれ以上のこともそれ以下のことも考えたことがなかったので、「平均」が登場したころの「平均が完璧である」という考え方には逆に新鮮さを感じた。平均な人間が問題のない人間であって、そこから外れると劣っ -
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いまのところ今年いちばん面白かった本。タイトルが軽薄なビジネス書のように思われるが、出典明示度が高く骨太。原題はTHE END OF AVERAGE How We Succeed in a World that Values Samenessなのでビジネス書感はある。単純な平均だけでは物事は測れない、環境(コンテクスト)で事象の起こりやすさが変わる。そもそも平均して人間の特質を評価しようとすること自体が発明であり、企業が利益を追うことに適合していたのでそのまま広く使われるようになった。学習においての偏差値が使われるのも、差を見出したいからであってそれが本質かどうかは別の問題である。テストの成績
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ネタバレこの本のテーマは3つ。
1。手付かずの荒地(Wilerness)があることの重要性について。
2。9億年以上の前も現在と同じように大陸の移動を説明できるのであろうか?
3。人の感覚は信じていいのか。
である。
1。については建物を建て、道路を舗装し、森林をきりひららき、海岸を御願することにより自然の営みを離れて生きるようになった私たちには、だれも何を手をつけていないそのままの自然なんて存在価値がないようにおもわれるが、それは違うという。数十億年という地殻変動の影響下で我々はいきており、謙虚に自然に耳をかたむけるべきだと。
2についてはこの本の調査で初めて明らかになったようだ。グリーランドにかつ -
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ネタバレ「気候変動への、私たちのこれから」
殺人事件の犠牲者は世界で年間50万人、戦争による死者は5万人、
自殺者は80万人、うちアメリカは5万人。
病死は毎年人口75億の1%だが、50年前に比べ、貧困国の死亡率は半減した。
200年前は都会に住む人は3%、今は半数。80年後、世界人口は100億人になる。
肉の生産量3億トン
50年前の3倍、50年前より少ない個体から。
10億トンの穀物を人が食べるが、同じ量を家畜が食べ、1億トンの肉が手に入る。
魚の半数が養殖
1ポンド(450g)のサーモンを育てるには3ポンドの魚肉、
そのために15ポンドの魚採餌。
魚3000トンまでは食物連鎖は崩 -
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ネタバレ欧州の共産主義化や全体主義化、社会主義化を阻止するため、米国は主導しマーシャル・プランを通じて欧州に資本供与することで欧州内の商業的なつながりを復活させた。今ではピンとこないが、各国の国内で共産党が草の根的な活動していた時代である。そして、西ドイツと欧州各国の繋がりを強化し西ドイツの市場経済を発展させた。
一方、市場経済の発展を背景に、ドイツをめぐる米国とソ連の綱引きはNATO同盟とワルシャワ条約機構の対立となるが、東西ドイツの統一に向かう時代の流れがつくられ、1989年のベルリンの壁の崩壊、そしてワルシャワ条約機構の解体、そしてソ連の崩壊へとつながった。
冷戦時の緊張感がよく伝わってく -
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Posted by ブクログ
人間には様々なバイアスが潜んでいて、統計的にもの事を予測することがとても苦手てある。
そこで、AIを予測するマシンと定義して、需要の予測や費用対効果の予測などを行えるこれからのビジネスに欠かせないものとして、人間とマシンの分業を提唱してます。
また、ワークフローを「予測」、「入力」、「判断」、「訓練」、「行動」、「結果」、「フィードバック」七つに分解することで、AIの能力を最大限に引き出すことができるとして、「AIキャンバス」という思考ツールを紹介してます。
終章では、生産性と分配、独占への懸念、プライバシー問題などが国家の課題として締めくくっている。
主題はとても勉強になりますが、全体に冗長