中野翠のレビュー一覧
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ネタバレこれは小説ではありません。
著者・中野翠が父親の遺品整理をしていて見つけた曾祖母の手記。
そこに記された維新前後の一族の人生。
関宿藩の江戸家老の家に生まれた曾祖母。
生まれた場所は桜田門外。
佐幕派だった父親は幼い主君を連れて身を隠し、戊辰戦争後は静岡で教育者として生きる。
歴史に翻弄され、住まいも名前すら転々と変えながら生きた高祖父(曾祖母の父)。
その人生は歴史小説を読むように面白い。
そして歴史小説並みに有名人が顔を出すのである。
「いちまき」というのは血族の一団という意味なんだそうだけど、血族の親族もまた血族だと言わんばかりに繋がっていく縁。
まあ昔は子だくさんでもありましたか -
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この人が褒めるんなら見てみようというオピニオンリーダー的人って少なくなったなと思う。中野さんは年齢的には近いので共感するところは多いが女性ならでは、東京人ならではのところがあってぴったりハマるわけではない。それでもまだらに共感し、感心し、勉強になる。
ジェームス・コバーンがいいなんてのは、歳が近いからでしょう。そういうばもう亡くなってますね。タイトル「この素晴らしき世界」がいいというのも同じ気持だ。
奥田英朗がいいと言われると、まだあまり読んでないけど、やっぱいいんだと思いますね。
「ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館」が好きで、登場人物が「メロドラマにするな!」と言ったりするのはワタシ -
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中野翠著『千円贅沢』(講談社)を読みました。
「自分を潤わせる小っちゃなムダづかい」。さぁ、みなさんは何を買いますか?
ふだんからチョロチョロと、意味のない細かい買い物を楽しむ著者の、生活を潤す戦利品にまつわるエッセイです。
それがどれも¥1,000くらいの、かわいらしいものばかり。
読んでいてとても楽しくなってきます。
それなのに書いていること、買うものが若い、若い。驚きました。
ところどころに「年だから…」という描写があって、最初は不機嫌になったのですが、このお年なら「そらぁ失礼しました」です(^^ゞ。私もこんなふうに元気に明るく楽しく年を -
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学生運動。聞いたことはあるし、テレビなどでどんなものだったのか見たことはあるけれど、実際にその当時大学生だった方のエッセイを読めるとは!
学生運動が行われていた時ってすごく過激なイメージがあるけど、このエッセイからはあまりそういった感じは伝わってきませんでした。
学生運動に参加していた人が書いていたらすごく過激なものになっていたのかな。
1960年代前半のことがプロローグで少し触れられているのだけど、今の日本からは想像できないほど、過激な時代だったんだなとも思うし、国民が政治に対して興味・関心もあったんだなということがわかります。暗殺とかストライキとか怖すぎる。 -
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中野翠のエッセイ集『ほいきた、トシヨリ生活』を読みました。
中野翠の作品は、先週読んだ『コラムニストになりたかった』以来ですね。
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「おひとりさま」の大先輩。あこがれのジジ・ババ道!
オシャレで粋な「おひとりさま」の先駆者、中野翠さんは、70代でひとり暮らし歴40年以上!
「サンデー毎日」の連載コラムも「週刊文春」の映画評も30年以上のご長寿連載を誇る、日本を代表する名コラム二ストです。ひとり暮らしもいつも楽しそう。
「トシヨリ」なんて言葉が似合わない中野さんいわく、「気づいたらいつの間にか私もトシヨリになっていた」。
そんな中野さんならではの、老後を愉しく過ごすヒントが満載の -
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中野翠のエッセイ集『コラムニストになりたかった』を読みました。
ここのところミステリ作品が続いているので、少し軽めの読み物を選択しました。
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就職に失敗した早稲田卒の女の子が名コラムニストに!
流行と文化と思い出のクロニクル。
私がほんとうにやりたいことって、なんだろう!
早稲田大学を卒業するも就職に失敗。
父の勤める読売新聞社でのアルバイトを経て、主婦の友社でコピーライターに。
退職してヨーロッパを放浪し、ついに気持ちは定まった。フリーランスで、雑誌業界で働きたい――。
雑誌『アンアン』に衝撃を受け、仏映画『どん底』にシビレた女の子がコラムニストになるまでを綴る、流行と文 -
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Posted by ブクログ
女性作家やエッセイストが綴る、お酒にまつわるアンソロジーエッセイ。
泥酔懺悔、という名に恥じず、お酒での失敗を赤裸々に語る人もいれば、全く逆で下戸だという人や別にそこまでお酒が好きではないという人まで様々。
お酒との付き合い方にもそれぞれスタイルがあり面白いです。
個人的におもしろいなと思ったのは、西加奈子さんの書く『名女優』の中の一説。「酔い方は、初めて泥酔したときに決まる」という話。
私は割とお酒に強いので泥酔したことはないのですが、小さい頃にウイスキーボンボンやちょっとお高めなラムレーズンアイスを少しだけもらって食べた時の、気分が高揚して楽しくなって、贅沢なあの感じを今も覚えています