飯田哲也のレビュー一覧
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ルポから思想まで豪華布陣だが、宮台さんの激憤しながらの筆致が鮮やか。『「ファストフードからスローフードへ」と同じく「原子力から自然エネルギーへ」も日本的に勘違いされるでしょう。〈食の共同体自治〉の問題が、食材選択の問題に短絡したように、〈エネルギーの共同体自治〉の問題が、電源選択の問題に短絡するでしょう。(略)原発災害からの学びがその程度で終わってしまうのですか。』pp.384-385. まさにそこなのだ。設計の悪い世論調査と内閣支持率に翻弄されて愚昧な二択に落とし込んではいけない。そこで一般意志2.0の登場なんだろうな。東さんと宮台さんと津田さんは全く方法論が違うけど、震災をきっかけに議論が
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市場をうまく導入することで、社会の流れも変わってくる可能性があるという話は、なるほどと思った。
制約を加えた上で、市場に任せることで変化は自然に起きる。エコだからお金の話が絡んじゃだめってことはないんだろうな。どうしても、一般の人間より、我慢して、無理してやっているってイメージがある。
自然エネルギーについては、真剣に考えてみようと思う。北海道に住んで、家の作りで(断熱性能で)暖房のあり方も、コストも全然違うことがよくわかったしなぁ。
もっと当事者の意識が必要なんだろう。いろんなものが拡大して、多くの人が分け前をもらえた時代は終わっちゃってるんだから。 -
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ネタバレ飯田哲也さんという半端なく頭の良い人の今までされて来られたこと、さらにはおいたち、さらに宮台真司さんという社会学者の一般人にも面白く分かり易い話で綴られた対談本。
勉強してなかった私なんかは、何かおかしいぞとまでは思うけど、それが何かがわからないでいた。今まで何だか疑問が残ったまま時が流れていたことの、答え合わせ本。自治体、個人個人がもっと勉強し責任感をもつこと。
三月の震災以降、始めて明るい未来が見えてきた。
東電をゾンビのように生かすのは、やはり変なんだ。東電や国の払うべき代償を国民に押し付けるなんてことはあってはいけない。
誰でも電気を作って都市ではそれを共有する。スエーデンの様に何発電 -
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一筋の希望の光とともに、この先のエネルギー問題について考えたいひと必読の一冊。
ここでは「3.11以後の日本」について、社会学者の宮台真司氏と環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏ふたりの対話を通じて、おもに「エネルギー」面から論じている。
宮台氏はここまで原発社会をつくってきた日本人の「心性」について、「《悪い共同体》とそれに結合した《悪い心の習慣》」「知識社会」「ガジェットの集積を尺度とした豊かさ」といったキーワードから語っているが、まさに核心をついている。
一方、もともと技術者として原発開発の現場に身を置き、原発行政にも深く関わってきた飯田氏の話も生々しく興味深い。その後訪れたス -
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ネタバレ各種dxプロジェクトにおける大事な考え方を整理してくれている良著。
メモ
・pmに求められる3つの行動
aiなど最新技術の使い方を理解する
競合類似事例を常に把握しておく
要求課題を積極的に整理提案する
・サービスの企画とは以下の3つを明確化すること
顧客は誰か、どんな課題を解決するか、何を使って解決するか
・アジャイル開発を成功させる条件
システム開発規模が大きくない
高品質が求められるシステムでない
プロダクトオーナーがいて意思決定できる
スキルの高いエンジニアが確保されている
・部分的なアジャイル
企画から要件定義、設計から実装は導入可能な部分。
・タスクフォー -
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東日本大震災、福島原発事故から2年を過ぎても、
いっこうに収束の行方が見えない…
本書は、震災事故1週間めの対談をもとに編まれた一冊。
肝心で不可避な問題点が明晰に言及されていると感じた。
著者の飯田哲也は「あとがき」でこう書いている…
―この国の「旧いシステム」は、あまりにも日本社会を構成する
大多数の善良な人々、とりわけて最底辺層や将来世代への
眼差しが欠けているだけでなく、その善良さを愚弄し、
見下し、しかもそこに付け込んで「寄生」しているとしか思えない。
しかし他方で、それを批判して理想像を美しい論文にまとめても、
どろどろした「現実」に手を突っ込まなければ、
それはエク -
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社会学者、宮台真司さんと環境学者?の飯田哲也さんの対談形式によって原発依存社会について言及された一冊。
全体としては飯田さんが環境的、エネルギー政策としての専門的な側面から論じ、宮台さんが(どちらかといえば)読者目線で的確な疑問を投げかける、といったような構成。宮台さんのコメントについては、読んでいて気になる部分を的確かつわかりやすい表現で突っ込んでくれたり、理解を促進する言い換えをしてくれたり、さすが宮台さんって感じでした。
個人的に一番面白かったのは第二章「変わらない社会、変わる現実」で、ここではなぜ日本社会が原発依存社会から抜けだせないでいるのかを、抜けだしたスウェーデン社会との比較か