夏川草介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本を愛する作者が書く、本を愛する少女の冒険
「本を守ろうとする猫の話」から、数年後の新たな主人公のお話。
「本を守ろうとする猫の話」でも感じたが、作者の夏川草介さんの本に対する愛情が感じられる。
悪意なく本から離れる人の心を灰色の男と表現し、読書から離れる人への嘆きとも取れる物語と感じた。
夏川草介さんの表現が美しい。
『己の欲望を追求し、より多くの富を貯め、より多くの快楽を手に入れる。そんな風に欲望のままに生きることが「自由」と言われる時代だ。そうでない時代もあったのだよ。欲望をコントロールし、欲望から自由であることこそが、真の『自由』だと定義された時代もあった。』
ここは考えさせら -
Posted by ブクログ
多くの方がレビューを書かれているのを見て、昔読んで面白かった「神様のカルテ」の作者さんでもあり、買ってみることにした。
高名だが変わり者の民俗学者とその教え子がフィールドワークで日本各地を旅する物語。
二人は旅先で様々な風景に出会い、その美しさが描かれるとともに、あわせて、民俗学の意義、学問に対する姿勢、古来からある日本人の神や自然との付き合い方などが語られていく。
偏屈な先生と勝気な女子学生という組合せは、まあ、いいコンビだとは思うが、そのやり取りに新味はなく、そこにはあまり惹かれず。先生が自ら「障碍者」を連呼するのもいかがと思う。
民俗学について書かれた内容やそのあり様については知ら -
Posted by ブクログ
こちらも皆様の本棚から、評価が高かったので気になっていた一冊。神様のカルテの夏川先生。
大学の文学部で民俗学を学ぶ藤崎千佳は、指導教官の古屋についてフィールドワークへ出かける。
古屋は事故で脚に障碍がある為、千佳が荷物持ちなどをしながら旅をする。
偏屈な先生なのだが、どこか魅力的な存在。
先生との2人旅を通して、たくさんの気付きを得る千佳。
相変わらず夏川先生の作品は、上品で言葉の一つ一つが素敵で、本好きさんにはたまらないだろうなぁ。。。
私みたいな学のない物にはちょっと難しかったのだが、素敵なお話が一冊の中にギュッと詰め込まれていた。
日本の神様っていいな。。。
日本の八 -
Posted by ブクログ
栗原一止の務める本庄病院に、彼とともに大学時代を過ごした進藤辰也が着任することになります。しかし、栗原や砂山とともに理想を追っていたはずの彼は、かつての彼の姿からは信じられないような生気のない態度で仕事をし、悪評を受けることになります。やがて栗原は、進藤が結婚した如月千夏の身に起こったある出来事が、彼の変化の背景にあることを知るようになります。
さらに、大狸先生とともに本庄病院を支えてきた古狐先生が倒れ、深刻な病にむしばまれていることが明らかになります。栗原たちは、彼の命を支えようと一丸となって力を尽くします。
今回は、前巻よりもわかりやすいクライマックスをつくっていることもあって、エンタ -
購入済み
期待しすぎた。本を好きな人間が一度なら考えたであろう理不尽を湛えた迷宮に主人公は誘われ、それぞれの迷宮の主を説得していく、という趣旨の物語だが、結局この迷宮も、それぞれの主も、猫も、なんなのかはわからない。説得も、高校生の感情論の域を出ない。児童文学ならよかったかもしれないが、大人の、本を好きだと自覚があるだけの読み手に対する読み物としては非常に薄い。
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無料版購入済み
小説から漫画を見ました。小説とだいぶイメージが変わってしまい見た後は少し後悔が残りました。漫画から入る方はよろしいかと思いますが小説から漫画はちょっと抵抗があります。