岡嶋裕史のレビュー一覧
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Microsoft,Google,Appleがクラウドを牽引しようとしている3企業として書かれている。どれも何かで一山当てた企業で、潤沢な資源がある。
日本が追い付けていないといっても、それは仕方ない話だと思う。
基盤が無理なら、より上位レイヤーであるSaaSの部分でがんばればよいのではないか、とあったが、こちらもFacebookやInstagramなどなど、個人向けのWebアプリは外国企業に食いつぶされつつある感じがする。企業向けのWebアプリは詳しくないのでわからないが、どうなのだろう。
本書ではクラウドをめぐる企業間の駆け引きや思惑に言及してあって興味深かった。いつも社会から見て最適解を -
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IT業界を「つくる人」「つかう人」に分けるとして、本書は「つかう人」向けに書かれた本です。しかし、「つくる人」側の人間が読んでも得るところは大きいと思います。(私がそうでした^^;)全体的にユーモアのセンスを感じる文体なのも良いです。■第一部:SEという人々■第二部:SEと仕事をするということ「現代の陰陽師」という表現が微妙にツボにはまりました。ユーザ側がどのようなことを気をつけてSEに接するべきか、ということをターゲットにしているのですが、これはSEサイドの人間が読んでも非常に興味深い内容です。顧客サイドから見た自分はどういう立ち位置なのか、そしてこれからどうなっていくのだろうか。本筋とかけ
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ソフトと人間のバトルだが、チェスのIBMディープブルーVsカスパロフ戦のような企業による不透明感はない。
日本人同士、フェアプレーは当然で、お互いを尊敬し高め合おうという意図が伝わってくる。
おそらく技術者にとっては邪道であろう「作者の違うプログラムの合議制」を採用し、遮二無二勝ちに行くコンピュータ側と、それを堂々と受けて立つ女流王将。コンピュータの異色の打ち筋を「読んだ」彼女の「どれだけソフトのことを勉強したと思うのですか。(記憶なので不正確)」という言葉が印象的。
難をいえば、技術者たちが個々の人間として書き分けられていないことで、その点「科学史ドラマ」とはならず、解説書の域を出ない。 -
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去年実現した清水女流王将と「あから2010」の対局を中心に,コンピュータの棋力向上の歴史を概観。女流王将は敗れたが,これは一番勝負。でも,いずれは名人がコンピュータに歯が立たなくなる日も来るはずだ。
将棋とか囲碁,チェス,オセロなんかはゲーム理論でいう「二人零和有限確定完全情報ゲーム」。この種のゲームは先手か後手に必勝法があるか,そうでなければ引分になる。コンピュータが無限に計算できれば人間は絶対にかなわない。
しかし無限に速く計算することは不可能である。比較的分岐の数の少ないオセロでさえ完全解明はされていない。将棋は80手程度で勝負がつくが,数手先まで読むのも場合の数が多くなりすぎて, -
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副題にSEとユーザーの失敗学とある。
著者は現在は大学の準教授をしている方のようだ。
折しも昨日は大手都市銀行の統合したシステム障害発生。全国でATMの稼働が停止という事態の報道があった。
個人的には、今度の土日にこのIT関連の(ごく初歩的な内容だが)通信教育でのスクーリングを受けに行く予定あり。先日丸2日くらいかけてようやくA4版の紙3枚分の課題をまとめた。その関係もあるが、以前読んだSEの不思議な生態という本が面白かった記憶がある。
第1章の1行目から一体これは!と思わせる引き付けるフレーズがある。初めはこうだ。
・・SEにはしてやられたと思うことが多い・・・
著者は当然自らの体験も交え -
Posted by ブクログ
「暗証番号はなぜ4桁なのか?」というとても素朴な疑問を入り口として、技術やセキュリティの本質へ、ゆるーく迫った作品。セキュリティについてほとんど知らない方でも読めるくらいに分かりやすい記述ではあるところが立派。
大切なのは、物事の本質・構造を知ること。それを知った上で活用すること。便利であることは、何かを犠牲にしていること(トレードオフ)。それらを理解し、不安に対しては自分自身で対策をすることの大事さが書かれていて、とても良心的だと思った。
一方、モノを作る側、ルールを作る側は、使う側がそれらを意識しなくていいように作っているけど、、それは使う側にとって、果たしていいことなのだろうかと考えさ -
Posted by ブクログ
セキュリティの本質の理解とはほど遠いが、暗証番号がなぜ4桁なのか、ということはよーーく分かりました。これって、色々なことに応用できそうですよね。いわゆるトレードオフって奴。こちら立てれば、あちらが立たず、という。
私は理想家肌でこの歳(40)を迎えましたが、ようやくこのことに気付き、変革はカタツムリの速度で、というガンジーの言葉の意味、重みをようやく噛みしめています。
参考になったのは、
1.セキュリティ・ポリシーの原則(経営者が作る、罰則を盛り込む、見直し期間を定める、内部監査)
2.安全を意識化する(提供された仕組みを疑う。それを使う自分も疑う。資源の分散)
ってところでしょ -
Posted by ブクログ
読書時点で少し前の著作になるのだが、このジャンルでは週刊誌レベルの情報でないと追いつかない。多分、書いている人たちも時間に追われてヒーヒーだろう。日々情報が差し替わっていくのだから。
アップル・グーグル・マイクロソフトを「クラウド御三家」的に書いている。マイクロソフトのクラウド戦略は初めて読んだが、当然、なんの手も打っていない訳がないですわね。
SaaS PaaS IaaS (SaaSしか変換されない)の基本概念も勉強する必要あり。クラウドへの懐疑も押さえるべきか。
多少アップル寄りではあるが、アップルの弱点も抑えているので、良い。
言葉の使い方も適正であり、好感が持てる。ただ、全体的に