打海文三のレビュー一覧

  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

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    前回に引き続き上巻はカイト視点。
    個人的にはカイト視点の方がおもしろいけど、
    もちろん椿子視点も面白い。
    作者がすでに他界してることに少し絶望しかけたけど、
    タイミングよく続刊がでるということで、期待。

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    2009年10月04日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    上巻と視点が変わったせいか、
    上巻ほどのおもしろさは感じられなかったものの、
    それでも十分面白く感じた。
    最後は不意打ちすぎる。

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    2009年10月04日
  • 時には懺悔を

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     この作品は映画化されていて、劇場で予告編を見てみたいと思ったので、あらかじめ原作を読んでおこうと思った。ポケットベルが登場するあたりなどは少し昔の小説なのだと感じさせられる。内容はあまり派手なアクションや盛り上がりなどがあるわけではなくて、私立探偵が淡々と調査を進めてゆく、ちょっと地味な雰囲気の小説。内容はミステリーであり、それから障害児の問題にも焦点を当てた社会派小説でもある。読みごたえはあった。ただ読み終えて、さあ映画を見に行きたいなと思ったらもう上映は終了していた。

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    2026年09月25日
  • 時には懺悔を

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    書かれたのが1994年ということで、微妙な時代感は感じたけど、胸を打つストーリーで読んでよかった。映画化されていなければ出会うこともなかったかもしれないと思うと感慨深い。

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    2026年09月24日
  • 時には懺悔を

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    障害児の前では、どれだけの悪人でも心を許すというか、ただの人になる。
    その姿を神様と称し、その存在に救われている人がいる。
    人は誰しも、後ろめたいことや罪を心の中に持っているものだ。
    1人の障害児の周りの人間たちが、自分の後ろめたさを、心の何処かで彼に救いを求めている。
    ありのままの自分として、(神のような)その子に対してひっそりと懺悔をしているのかも。
    目も当てられないくらい無様だと憐れんでいるこどもに対して頭を垂れるような姿は滑稽である。
    みないろいろと吹っ切れたり精算したりして、最後はポップな終わり方でよかった。

    普段本を読んでも言語化しないので稚拙な文章。他の方の感想を読んで味わい直そうと思う。

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    2026年09月23日
  • 時には懺悔を

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    映画化されたことに伴い拝読
    話の展開も読めず面白かったが、聡子の性格があまり好きになれず、佐竹との会話にも共感できず…
    ダウン症のお子さんの描写と明野の接し方に胸を打たれた
    最後のオチや上述した通り、主人公2人をあまり好きになることはできなかったけど、読んでよかったと思える一冊

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    2026年09月23日
  • 時には懺悔を

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    以下は、完全私の「妄想」です。

    映画「時には懺悔を」。どちらが最初に脚本を書いたかと言えば、共同脚本の門間宣裕だった。おそらく文庫本発行の2001年。それでも25年前だ。映画化には幾つもハードルがあった。ハードボイルドの形をした身体障害者告発映画。インディーズか、それでなければ有名俳優が何人も出てくる大作でないと成立しない。長いこと御蔵入りした。

    俳優とのトラブルで半分謹慎期間中だった中島哲也監督と門間は飲んでいる最中、この話で盛り上がる。身体障害者を正面から撮ろう。そこから始めよう。登場人物の入れ替え、エピソードの切り落とし、膨らまし、中島監督だから持ってこれる俳優たちの存在感。脚本を鍛え直すということが、ここまで楽しい作業は久しぶりだった。

    映画制作は、中島監督とトラブル中のA子と「完全和解」をすることを条件にゴーサインが出た。そのせいかもしれないが、結果的に「人のダーク面」をひたすら描いてきた中島監督の珍しくも「ダークの中の光」を描いた作品になった。

    ⸺⸺と、まぁ、このままだと完全映画レビューになるので、原作についても二言ばかし。

    映画観て、2つ疑問を持った。①あんな本格的な探偵調査、いったい金の出どころはリアルなのか?②佐竹の家庭環境はリアルなのか?①は、原作も寺西の一言、つまりは探偵社のポケットマネーで始まった。探偵殺しだったので、特別だったのだろう。寺西のの懐の深さは、役所広司の存在感だけで説得力を持たせた。②は、原作の複雑さを佐竹の家庭に置き換えたようだ。私は成功したとは言えないと思う。しかし、一方で原作の持つ、複雑な皺は伸ばされわかりやすくなった。どちらが悪いとも言えない。

    民恵が決意するに至った、明野の妻のノートは映画オリジナル。その他、ラストの改変含めて、映画の方が良い面が幾つかあった。しかし、改変は有るものの、驚くほどに映画は原作の「良いところ」を掬い出していた。

    「新を引き取って療育施設から帰る時に、タクシーに乗って運転手と新のことをいろいろしゃべってたら、その運転手がいうのさ」
    「なんてー」
    「その子は神様かもしれないから、大事にした方がいいですよ、って」
    「ああー」佐竹は思わず声をもらした。
    「障害の子を尊ぶという信仰があるのよ」
    「信仰なんてカケラもない感じの若い運転手だったぜ」
    「いいな」佐竹はちょっとした高揚感に衝き動かされていった。「そういうのがいい。宗教心など鼻で笑っている人間が、新の前では何か人間を超えた存在を感じるー」(307p)

    ←これは映画から削られた場面。おそらく泣く泣く削ったのだろう。

    幼児を抱いた初老の女が、コンニチハと寄ってきた。ひどく顔色の悪い幼児だった。明野はそっと車椅子を止めた。
    「新くん、頑張ってね」初老の女が新に声をかけた。
    明野は軽く会釈して、また車椅子を押した。
    「みんなが新を励ましてるようですね」佐竹がいった。
    「逆だよ」明野がぶっきらぼうにいった。「みんなが、新に励まされてるんだ。声をかけてる本人にも、そのことはよくわかってるさ」(325p)

    ←これはある意味、映画のクライマックス。ハードボイルド犯罪映画のはずが、人情感動映画になった瞬間である。

    結局は、20年をかけて、いく人かの無骨な男たちが、「何もしなかった」ことの後悔、懺悔を呼び起こしたのだ。門間宣裕から中島哲也へ。そして我々へ。そんな力を持った原作だったのである。

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    2026年09月16日
  • 時には懺悔を

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    障害児に関するお話。
    私は身近にこういう事例がなかったので読みながら色んな想像が及ぶ。
    SNSで色々調べやすくなったとはいえ、悩みとか辛さとかやりがいっていうのは結局当事者しか分からないんだよなと思った。
    現実にあるとしたらSNSで炎上しそうな感じがするが、何が良くて何がいけないのか、何とも分からないな…と。

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    2026年09月15日
  • 時には懺悔を

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    ミステリーとして読むと、誘拐事件のほうはかなり丁寧な描写ですが、探偵殺しの真相はかなりあっけなくて、えぇっ…!?となります。
    障害児と生きるということをテーマとして考えると、かなり重たい作品でした。

    私の従兄弟はかなり重い身体障害があり、脳性麻痺でした。新くんと変わらないぐらいの障害だったかと思います。
    おばさんがずっと介護をしており、食事シーンと重なって、思わず泣いてしまいました。
    でも、従兄弟は時々すごく良い顔で笑っていたので、親戚からはアイドルみたいな存在でしたね。

    「逆だよ。みんなが新に励まされているんだ。」という明野の台詞に大きく頷きました。

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    2026年09月11日
  • 時には懺悔を

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    ネタバレ

    映画をみる前に読みたくて、読んだ。
    先が気になり一気読み。

    米本殺しの理由は、本筋とは関係ないから一切触れられないのか?あの親子に何があったのか気になった。

    佐竹は結婚してるのに聡子へ好きだと。妻がかわいそうと思ってしまった。

    身体的特徴の強い新生児が誘拐されてからの警察の諦めが早くないか?9年後に病院探すくらいなら直後に探してすぐ特定できそう
    そこが疑問

    あと、誘拐犯が9年ずっと育て続けるというのも少し現実離れな気もした

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    2026年09月10日
  • 時には懺悔を

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    映画で喰らいまくったので、その足で書店に向かう。著者の作品は初めて読む。

    探偵の佐竹が探偵殺しの調査に関わる中で、二分脊椎症の子供とその父親についての秘密を解き明かしていくミステリー。血の繋がりについて、何組もの親子の姿から問いかけられていく。

    映画とはかなり設定が違う。それでも、作品の持つテーマ性はブレずに重くて暗い。女性描写や設定はちょっと古さを感じてしまうが、スラスラと読みやすい文体。著者の他の作品も読みたい。

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    2026年09月06日
  • 時には懺悔を

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    ネタバレ

    映画化されるということで。
    なんと、30年以上前の小説なのか。

    障がい者に対する、偏見ではないリアル。コンプラも何もない、ストレートな文章。読み応えあり、星4.3。

    盗聴しながら、聡子がのめり込んでいく様。
    誘拐した明野も同じ気持ちだったのか。
    目の前で、誰かの助けが必要な子どもがいる。
    考えるよりもまず、義務感や罪悪感、切迫感。
    そうこうしてるうちに、芽生えてくる感情。

    コンプラがちがちの今の時代に映画化、どんななってるんだろ、観てみたい。明野がクドカン、ぴったりかも。

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    2026年09月01日
  • 時には懺悔を

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    ミステリーを交えつつ障害と生命について書かれてる。みんないい人でいたいけど、最後の一歩は踏み出せないのがとてもリアル。最後の決断は正しいのかなって読み終わった後に考えるものだった。
    ただ殺人をメインとしたミステリーとして読むと、拍子抜けするので、親子のヒューマンドラマがメインでそこにミステリーが混じってると思って読んだ方がいい。

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    2026年08月12日
  • 時には懺悔を

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    過去の後悔や人生のしがらみを抱えた人たちが、重なり合う事件を紐解きながら、真実とささやかな赦しを探し求めていく。
    展開にスピード感があり、飽きさせない。

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    2026年06月04日
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    裸者と裸者上下巻、愚者と愚者上下巻に続く第三部(未完)。
    著者が亡くなっているため途中までであったが、完結編となるようだったようで、内容としてもかなり物語の進みが早かった印象です。ぜひ完成してほしかった作品です。

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    2025年11月16日
  • 時には懺悔を

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    ネタバレ

    良かった!

    必ずしも良い結末だったとは私は思えない。私個人の感覚は佐竹に近い。
    でも、聡子が無責任な善性ではなく「自分が引き取る」という覚悟を見せたこと、100%の大団円としては描かれなかったこと(佐竹は冷静な立場を先に示している、民恵が引き取ったことが必ずしも良かったかどうかわからない(民恵にとっても新にとっても))が良かったと思った。

    難しいね。考えさせられる。

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    2025年07月14日
  • 時には懺悔を

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    単行本刊行時に読んだ記憶があるので、30年ぶりの再読。こんな人情話だったかと驚く。そしてまさかの映画化と公開延期。

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    2025年05月06日
  • Memories of the never happened1 ロビンソンの家

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    塔が燐光を発しているように眼に映る アイボリー(象牙色) 大谷石の塀があった 浅黒い肌には艶があり 肥大した自己愛と鬱積した憎悪について 一種のマッチポンプ(自作自演行為)ね。詐欺同然よ。 我々は生身の人間に投影した自分の性幻想に欲情するんだ 「論理構成はわかります。タブーを侵犯すると自我が動揺するんです。自我の消滅。絶対的帰依。宗教のオーガズムと似てる」 制服で拘禁して すじょう素性の不明な 俺が窃視したというスタイルで 吃って あおは青灰色の海に着水した ぜんてい前庭 赤蜻蛉の群舞ぐんぶ 施主せしゅ しょうか商家あきんど 「僕達の欲望も挫折も、本に書いてある通りの道を辿る。残念ながらね」「本当にそうなら、生きてるのが、馬鹿馬鹿しくならない?」「だからこの世界を切断する」僕は言った。「意味の切断、時間の切断」李花が言った。 あのリベラル(自由主義)な男でも優生思想が一瞬頭を過ぎる 「濃淡の差はあるが、全ての人間関係は呪縛である、と言えなくもない」 そうがい窓外に視線をめぐらして言う 偉大な変態は現実の愚行を表現によって回避するんだ くつ沓脱ぎ 「アメリカの癒しが唯一の目的だからだ。傷つけられたベトナムは、製作所の関心の外にある」 「男と女は来賓各位を前に永遠の愛を誓う。新郎は自己のペニスを新婦のヴァギナに、新婦は自己のヴァギナを新郎のペニスに、永遠に、限定的に使用するものでありますと、男と女は厳かに宣言する」 むざむざ罠に嵌り、媚態を示して俺を籠絡することに熱中した過去を、順子は酷く悔やみはじめた 「禁欲的なやつって、自分をよくコントロールして最後まで徹底的に戦うだろ?そういうやつは『マイウェイ』を歌わない。人生に悔いなし、なんて甘っちょろいことは言わない」 「誰かのアフォリズム(箴言)にある。更年期は女性が美しく陰っていく人生の秋だ」 そして見かけ上はジェンダーバイアス満載のハードボイルドとする 滅茶苦茶周到且つ八方破れな代物なのだ つまるところ母によって家父長制を破壊された少年が、器のみを残した家を経て、漂流者=ロビンソンとしてあてどなく彷徨う、その流浪の物語なのである。

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    2023年02月09日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    ネタバレ

     舞台は西東京で双子の姉妹が主人公となった。上巻に比べると戦局の説明で済ます場面が多く、あまりぐっと来なかった。登場人物がすっかり大人になって上巻ほど健気さや切迫感がなくなってしまった。
     そうは言っても双子は魅力的で面白い場面もたくさんあった。上巻が面白すぎたせいで割りを食ったのかもしれない。

     続編は読もうかどうか迷う。

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    2017年11月19日
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    ネタバレ

    裸者と裸者、愚者と愚者に続く第3弾。

    日本で起きた内戦。
    妹と弟を守るため、兵士となり、時代を生き抜いていく孤児の少年。
    戦争で双子の片割れを失った、ギャングのボスの女の子。
    この2人を中心に話が進む。

    作者が亡くなったため、未完。

    これを読むために裸者と裸者から読み直したけど、面白いね。
    未完なのがほんとに残念。

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    2017年09月19日