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月田椿子は亡くなった桜子を思って泣いたことは一度もなかった。爆弾テロの惨劇の映像が思い出され苦しめられるような経験もなく、そういう自分を責めたこともなかった。桜子の死を否認しているわけではなく、そもそも死んだのが桜子なのか椿子なのか、いまでもよくわからない。内乱16年目の夏、椿子が率いるパンプキン・ガールズは、今日も首都圏のアンダーグラウンドで進撃をつづけている――。
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Posted by ブクログ
「吸引と販売を禁じても、ドラッグ汚染の拡大を防ぐ有効な手段にはならない。なぜか。戦争は恐怖をもたらす。前線で砲弾にさらされ、街角で狙い撃ちされる兵士たちは、ドラッグの多幸感のなかで恐怖から逃れようとする。ドラッグは確実に捌けるってことさ。仕入れに困ることなんてこともない。国内生産は過剰気味だ。ようす...続きを読むるに、ドラッグの収益で戦争を継続する内乱の構造的な矛盾が、我々の勝利を約束してる。」 数々の矛盾を抱えながら、内乱は混迷していく。面白いな〜。でも、このシリーズ、作者の急逝で未完とのこと。ショック(~_~;)
「出たとこ勝負だ!」 と叫びながらキュートな女の子たちがAK片手に武装蜂起するなんて、最高にクレイジー。パンプキン! 文庫下巻の解説にて「打海さんにはまだまだ書かなければいけない物語があるんだよ、と」記されています。私も同感です。だからこそ、この作品で感じたものを汲み取れたらなと思います。 ...続きを読む時代がきっとこの作品を遠からず必要とする時がくるのではないかと思わずに入られない。
パンプキン! 結局、このシリーズは、性描写は過激で、暴力の場面はかなり残酷だったけども、全くいやらしさも陰湿さもなかった。 この後、海人は椿子はどうなったのだろうと想像を巡らすと、本当にこの物語が未完で閉じてしまったのが残念でならない。(6/26)
小説を読むときはだいたい俯瞰しているように世界に入り込むのだけど、 このシリーズはその世界に立っているような気分にたびたび陥る。 そしてよく置いてきぼりを食らう。 一言で言ってしまえば、リアルだ。
容赦ないな、次はだれが死んじゃうんだと思ってどきどきしながら読んでたけど、やっぱめちゃめちゃおもしろくて読み始めたら他のことできなくなる
「愚者と愚者」下巻。ジェンダー・ファッカー・シスターズ。 下巻は椿子率いる「パンプキンガールズ」と河野率いる「黒い旅団」との戦いが描かれる。女の子の自由を掲げるパンプキンと女性の戦闘参加を許さない黒い旅団の見解の相違から、複数の武力勢力に跨り戦いが繰り広げられる。。 今回も深いお話。万人に受け入れら...続きを読むれず、読者を選ぶ作品。数多くの武力勢力が登場し、名前と関係がわかりずらい。それでも椿子と周りの仲間の会話や気遣いにホッとし、続きが気になり一気読みしてしまう。そんな不思議な魅力を持った作品。読後「愚者と愚者」の表題が胸に響きます。今後の展開を期待し、次は未完の完結作「覇者と覇者」を読みます。
セックスマイノリティと戦争の話。 「暗い・気持ち悪い・残酷」そう感じるのに (性差別や偏見ではなく内容や全体の空気)、 不思議と爽快感が得られる。 読む人を選ぶかもしれないがけど、俺は好き。 この続編を永遠に読めない事は、心残り。
再び椿子に視点を変えた下巻。人種差別主義の軍隊の勢力が台頭する中で、パンプキン・ガールズは恐れることなく立ち向かっていく。 と言っても、家族を養うため・自分の食い扶持を稼ぐために戦う孤児部隊とは違って、椿子たちの戦争への参加のスタンスはあくまで自主的。暴力をふるえるという理由で終わりの見えない戦争に...続きを読む参加し続ける椿子。いつか海人が言っていた「戦闘もビジネスもセックスもあんなにでたらめなのに、あんなにみんなに好かれている女の子を、俺は知りません」という言葉を思い出した。 内戦の様子や細部が分かりにくかったりという悪いところもあるけれど、この作品を主に海人や椿子たちの成長を描いたものとして楽しんでいる自分には、海人や葉郎の成長がはっきりと分かる描写が見ていて嬉しく、あまり気にならない。本当に面白い小説だと思う。 どこまでも「出たとこ勝負だ!」と声を張り上げて戦うパンプキン・ガールズに最後に衝撃が…。そして、いよいよ戦争は終幕へ。 もう最終巻が出ているみたいなので楽しみ。未完であろうと、また海人や椿子に会えるのかと思うと今からわくわくしている自分がいる。
孤児たちの戦争シリーズ第2弾の下巻。パンプキンガールズを中心に、より差別と反差別に満ちた愚者が数多く登場します。市街戦で中心人物がまた何人も死んでいきますが、不思議と悲惨な空気が無いのは作者の狙いなのでしょう
「裸者と裸者」同様、下巻は椿子を中心として描かれている。 59歳という歳でなくなった打海氏の最後の作品。 残念ながら未完にしてこの夜を去ってしまった。 作品的には重く暗いイメージが付きまとうものの、 そこには打海ワールドならぬちょっとしたスパイスが入っている。 重いジャンルながらもちょっとしたところ...続きを読むに 垣間見ることのできるユーモアが 読んでいる読者の心を和ませてくれる。 本当に惜しい人が逝ってしまったなと感じた作品だった。
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愚者と愚者
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打海文三
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