【感想・ネタバレ】裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端ののレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

上巻に続いて下巻も連続2回読破。
月田姉妹の一見破天荒な雰囲気も根底にある仲間や弱者を想う気持ちの強さの現われであり、それを持って強大な組織や力に臆することなく立ち向かう様は痛快でもあった。
非力を嘆きながらも己を曲げず突き進む月田姉妹は誰よりも強い。だからこそ、あらゆる差別の根絶の提唱に説得力があるんだろう。
『世界はとっくに狂っている』と理解し、ぶっ飛んだ感じでその狂気に“適応”しているように見えた姉妹ではあるが、最後に桜子を亡くした瞬間の椿子の悲しみは誰よりも正常に見え、悲しさを共感しながら『人間でいる限り狂気に適応するなんてできないんだ』と妙に納得できたような気がした。

0
2018年11月11日

Posted by ブクログ

「旗をかかげる。異端分子を殲滅する。世界を浄化する。そういう政治主義はくそ食らえだ」姉妹は言った。
「世界を変えたいっていう欲望はないの?」
「ないね」姉妹は即答した。
「ないのか」森が残念そうに言った。
「戦争を継続させているシステムを破壊したいとは思っている」

マイノリティ解放軍、女の子マフィア、反政府軍の反司令軍の活躍。まじ面白い。

0
2013年12月29日

Posted by ブクログ

上巻と同じく一晩で、とはいかなかったけど、すごすぎて言葉がない!2013年途中でやめられなくなる本暫定1位

0
2013年08月14日

Posted by ブクログ

上巻よりも戦争自体をクローズアップした印象。多分月田姉妹が海人くんより精神的に成熟していたからだと思う。月田姉妹はこれからどうなるのか、気になる。

0
2012年03月15日

Posted by ブクログ

月田姉妹が主役に据えられた今作。戦争の中、無秩序な混沌と官能と破壊と死にあふれ、けれど彼女たちが潔いのは、蔑みや卑下に身を置かないからだ。多くの血と喪失を負い、そして“彼女”は何処へ向かうか。

0
2010年03月03日

Posted by ブクログ

海人の成長の話だった上巻に対し、下巻は上巻で海人に助けられ親しくしてきた月田姉妹の話。
しかし、スピンオフなどではなく完全に直列な話。

海人が孤児部隊の司令官として上り詰めていく一方で、狂った社会に「適応」する為、マリファナを吸いながら昏睡強盗をし、AK片手に長距離トラックの運転手を経て、軍隊に楯突いて女の子だけのマフィアを組織するに至る。
そう書くと冷静で冷徹な感情を動かさない人物像を想像してしまうが、佐々木兄弟やその仲間達と団欒して笑ったり、死者を想って泣いたり、義挙の為に自ら死地に飛び込んだりもする。
やはり海人の場合と同じ様な性格の素直さが、この混沌とした世界を舞台とした物語に後腐れのなさを与えていると思う。

内乱下の戦争孤児という決定的に不自由な立場にありながら、欲望の赴くままに徹底的に自由に生きている姉妹は実に格好良い。
桜子と椿子という二人を敢えて書き分けず、二人で一人であり続けたのも面白い。ちょっと、「暗黒館の殺人」の美鳥と美魚の姉妹を思い出した。今後どうなるのだろう。
(2/10)

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

上巻と視点が変わったせいか、
上巻ほどのおもしろさは感じられなかったものの、
それでも十分面白く感じた。
最後は不意打ちすぎる。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 舞台は西東京で双子の姉妹が主人公となった。上巻に比べると戦局の説明で済ます場面が多く、あまりぐっと来なかった。登場人物がすっかり大人になって上巻ほど健気さや切迫感がなくなってしまった。
 そうは言っても双子は魅力的で面白い場面もたくさんあった。上巻が面白すぎたせいで割りを食ったのかもしれない。

 続編は読もうかどうか迷う。

0
2017年11月19日

Posted by ブクログ

上巻ので主人公の少年が出会った、双子の女の子を中心に物語が進んでいく。
物語が進んでいく感じは、上巻とおんなじ感じ。
ぐわーっと押し寄せる感じではないけど、次が気になる感じ。

最後に一波乱あって、愚者と愚者(上)に続きます。

0
2017年09月17日

Posted by ブクログ

内戦でメチャクチャに狂ってる日本。
戦争ものはどうしても暗くなるキライがあるけど、何だろ…淡々としてるのかな?変に明るいのかな?そんな感じ。
各国で内戦が起こってる。それがなかなか止まないのはどうしてか。なんとなく分かった気がする。
大変な大長編です。

お願い、彼らを虐めないで、助けてあげて、幸せにしてあげて!って胸が痛くなります。

世界と一緒に狂ってしまおう。

0
2013年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

月田桜子、椿子(つきだ さくらこ、つばきこ)の双子の姉妹が下巻の主人公。栃木県宇都宮市で祖父母と母親と暮らしていたが戦争で同時に亡くす。
その時、海人と知り合い別れた後は昏睡強盗をして生活していた。海人の援助で編入した東京の私立校を退学になった後は、戦場輸送のトラック運転手を経て女の子だけのマフィア「パンプキン・ガールズ」を結成する。
いつも二人で行動しお互いに一身同体とみなしている。容姿は成人しても15歳くらいの女の子だがその行動は野放図で欲望のままに生きる。しかし、義理人情には厚く状況に応じて非情な決断を下すときもあるが非道な悪事は犯さない。

0
2013年06月29日

Posted by ブクログ

「裸者と裸者」下巻。邪悪な許しがたい異端の。本巻は佐々木海人と行動を供にした月田姉妹の物語。川崎市多摩区、九竜シティを舞台に女性の差別問題に立ち上がる。様々な人種が入り乱れ無法地帯と化した、この場所で月田姉妹が起こした行動とは。。利権の獲得、差別社会の撲滅、そして戦争終結のため、張り巡らされる策略は読みごたえたっぷり。ラストは衝撃的でした。

0
2013年03月17日

Posted by ブクログ

上巻とは視点を変えて、戦争を終わらせるために女の子のマフィア「パンプキン・ガールズ」を率いて戦う月田姉妹を描く。
海人のように軍隊の一兵隊として戦うわけではなく、あくまでもマフィアとして、他のマフィアや武装組織と闘うところが面白い。上巻よりも複雑に入り乱れた戦況ながら、時には放蕩の限りを自由気ままに楽しみ、またある時には勇猛果敢に戦う月田姉妹は自分にはあまり馴染まなかったものの、興味深いキャラクターだった。
最後の結末はかなりの衝撃を受けた。第二部も楽しみ。

0
2011年10月14日

Posted by ブクログ

上巻は、男の子を中心とした物語でしたが、下巻は上巻にも登場していた双子の姉妹を中心とした物語になっています。この上下の分け方は面白かったなぁ。クールなレディースギャングのボスとなった二人ですが、19ページのたった数行がものすごく切ないです。

0
2011年09月20日

Posted by ブクログ

この巻のラストはちょっと衝撃だった。
まだ続くシリーズですが、どうやら未完のまま作者が急逝してしまったようなので、続きを読もうかどうか迷ったまま先延ばし…
今のままでも半端だしなあ…

0
2010年02月17日

Posted by ブクログ

3部作の第1弾の下巻。双子の姉妹を主人公にした話。放蕩とか淫蕩とか内乱の中で本能に従って生き延びる人たちの物語。重要人物が容赦なく死んでいく様が圧巻

0
2009年11月15日

Posted by ブクログ

 双子といえば髪型を変えたり服の系統を変えたりするというのをよく聞くけど、彼女たち月田姉妹には、桜子と椿子の区別を必要としていない。最後までどっちがしゃべっているのかわからないまま。父親を殺すのもためらわない。でも、恩義は命懸けでもきっちり返す義理堅いとこがかっこいい。彼女等は、押し付けられた絆とか愛情とかいうものには興味がなくて、思うがままに生きている。
 そんな状況が一変する事態がおきてこの小説は終わるわけだけど、結局、戦争が終わったかといえば、そうでもない。
 その後どうなるのかは、続編「愚者と愚者」でということかな。たぶん、読むと思う。作者が亡くなって、シリーズが未完になってしまったというのは、たいへん残念なことだ。

0
2009年11月22日

Posted by ブクログ

裸者と裸者の下巻。
主に桜子と椿子の双子の姉妹を中心に描いた構成となっている。
双子はパンプキンガールズという女の子だけの軍隊を作る。
上巻の海人にくらべて、生きるすべを知っているような。
彼女たちらしい行動で生きていく。
性的表現、暴力表現あり。
戦場の厳しさを画いた作品。おすすめ

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

上巻で出てきた双子姉妹が主役です。上巻主役の少年も、さらに成長します。スケールのすごさは、さらに加速します。一気に最後まで読みました。続編の単行本上下巻、速攻で買いました。これから打海作品開拓するぞと思ったら、打海さん亡くなってたんですね。残念です。

0
2011年09月26日

Posted by ブクログ

上巻とは異なる破天荒な主人公が、苦しみながらも何とか現状を打破していく物語。
こちらも過激な描写は多いが、人権問題をテーマにしている節があり、ちょっとだけ考えさせられた。
こちらの戦場も個人的に良く知っている場所なので、リアルに感じられて楽しめた。
あまりオススメしません。

0
2015年08月18日

Posted by ブクログ

上巻はのめり込むように読んだが、下巻では少し戦闘場面に飽いたのか、それとも読んでいる自分自身の精神状態が影響したのか、上巻ほど引き込まれなかった。
スポットが当たる人物が上巻から下巻でガラッと変わったのも、その一因かも知れない。
ともあれ、果てしなくとすら思える内乱状態に陥った日本の姿を、圧倒的な迫力で描いていて、自分自身の平和ボケや甘さを思い知らされる。
目を背けたくなる反面、続きが気になってたまらない。
なんやかんや言いつつ、未完と知りつつ、続きを読んでしまうんやろうなと思う。

0
2014年04月22日

Posted by ブクログ

下巻は、上巻にも登場した双子の姉妹が主人公。
上巻同様、戦争の酷さ、権力争い、裏切り、報復、陰湿に暗くしようと思えばどこまででも出来そうなのに、何故かあっけらかんとした空気が漂ってるのは何故だろう。

双子の姉妹の持つ諦めのような潔さのせいかしら。

いろんな勢力が出てきて、複雑化しすぎて正直何がなんだか分からないけど、読みとばしちゃっても問題無し(笑)
敵か、味方か、それがわかれば大丈夫(笑)

登場する女の子達がみんなたくましくてかわいい。



読み易くはないかもしれないけど、内容は面白い。

続編、愚者と愚者も読もうかな。

0
2012年03月06日

Posted by ブクログ

上巻の主人公、海人が出合った双子の桜子、椿子がメインの話

上巻で莫大な金を手に入れた海人の手引きにより安全な学校に入った2人
ところが学校が肌に合わなかったのか長距離ドライバーになるのが上巻まで

軍に追われることになった2人が「シティ」と呼ばれる無国籍無法地帯で
マフィアになっていく苛烈な過程を描いた下巻です


上下巻あわせてもこの双子は結構、お気に入りのキャラです
次点はファンとイリイチでしょか

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

下巻に入ってマスマス、ディティールが甘くなってる気がする。スタバはあるのか?インフラはどの程度生きているのか?主人公達のドラックに対する嫌悪感は誰が教育するのか?スラムの詳細や混血達の書き分けも甘、甘です。
ただ、キャラ立ちは抜群に良い。正直、続巻「愚者と愚者」はどうする?よむゥゥ?と言った感じ。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

桜子と椿子の双子がまったく見分けがつきません。
そういう書き方なんだとはわかっていても!
そして衝撃のラスト。をぉ、そう来るのか。
文庫本の井坂幸太郎の解説で作者が未完のまま亡くなられたことを知り、
もう最終話は永遠に読めないのかと思うと残念でなりません。

0
2009年10月04日

「歴史・時代」ランキング