打海文三のレビュー一覧

  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    中学生のころに本屋で表紙絵に惹かれ購入、読みました。
    性的な描写も多く中学生向きではないなと今なら思います。ですが物語の設定、少年兵の主人公(上巻)と双子(下巻)のキャラに引き込まれていきます。

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    2025年11月16日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    中学生のころに本屋で表紙絵に惹かれ購入、読みました。
    性的な描写も多く中学生向きではないなと今なら思います。ですが物語の設定、少年兵の主人公(上巻)と双子(下巻)のキャラに引き込まれていきます。

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    2025年11月16日
  • ハルビン・カフェ

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    この作家は天才ではないか、と思った。「想像力」とそれを「文章に描く力」の両方がで優れている。ものすごいと思う。著作をほぼ全部読んだが輪郭が捉えられた気がしない。寡作であることが惜しまれる。大切に何回もこれからも読もうと思う。

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    2025年08月18日
  • Memories of the never happened1 ロビンソンの家

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    ネタバレ

    胸に残る切なさが染み渡って薄まらない。
    そんな物語だった。

    印象深いシーンを付箋で留めながら読んでいたのだけど、序盤でリョウと李華が口喧嘩をしつつも次第に仲良くなっていったことを言及しているところを留めていた。そんなふうになんでも言い合える関係を築いたことがない自分にはとても眩しくみえた。

    2人で東北へ出かけていた時間は端的に書かれていたけど、2人にはきっと忘れられない時間でその思い出を抱えて生きていくんだと思っていたけど、こんな寂しい結末だとは。

    母の喪失からRの家を訪ねたが、母が生きておりもうすぐ会えるという真相と、Rの家で親しくなり、お互いを思い合っていた李花が亡くなったという事実

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    2024年08月01日
  • ぼくが愛したゴウスト

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    2年半くらい経っての再読。人間は、愛されないと生きていけない。他人の自我など感じられない世界で、この世界とは自分の脳が作り出した幻想なのか、そうでないのかと悩まされる少年の姿は、あぐりの指摘するように小学生の脳に処理できるようなものではなく納得しがたい。が、この物語のなかで、特にポピーでの生活から感じられる、愛のはかなさ、つくられる愛に、なんというか「愛の脆さ」を感じて、これは僕の心に深くとどまる作品となっている。

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    2024年07月15日
  • Memories of the never happened1 ロビンソンの家

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    ネタバレ

    なかなか猥談も多かったので、あまりうまく書く術を持ち合わせていないけれど、出てくる女性たちが徹頭徹尾の姿勢を貫いていてそれがどんな形であれ、強いなと思うし、重かった。色んなテーマが織り込まれていて、とても好きな小説だった。冗長ではない短めの章に、モチーフにどんな意味があるのか考えるのはとても楽しい。解説にもあったけど、小説っぽいと思う。ラストシーンも含めて闘っているようで、もっと打海さんの作品、読んでみたくなった。

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    2023年03月14日
  • ハルビン・カフェ

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    2回目。やっぱり骨太。読めば読むほどいろんな登場人物のエピソードのかけらが高密度で合体してすごい重量感になっていく。ハードボイルド?なんだろうか?打海さん独特の文体のせいか、2回目も一気読みしてしまった。骨太ハードボイルド読みたい方に一番にオススメしたい本。

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    2019年07月07日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    北関東を中心とした適度なスケール感と移動や時間経過などの緻密な構成。経済破綻から来る日本国内の内戦勃発と孤児の参戦。その有り得なくもないギリギリのリアリティに少し身震いしながら、不思議なくらい引き込まれた。
    武器や軍隊構成単位など軍事知識が未熟であったことと、物語の中における各人や各部隊の思惑をもっと深く理解・共感したいとの思いから上下巻通して2回連続で読み返した。
    上巻では、両親を奪われ兄妹弟の慎ましい生活さえも戦争に奪われながら、その妹弟と大切な仲間を守るために自ら戦争に身を投じていく海人が言った『三人が三人とも善人では生きていけない』は悲しいが、っその通りと思えた。それを自覚しながら戦争

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    2018年11月11日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    上巻に続いて下巻も連続2回読破。
    月田姉妹の一見破天荒な雰囲気も根底にある仲間や弱者を想う気持ちの強さの現われであり、それを持って強大な組織や力に臆することなく立ち向かう様は痛快でもあった。
    非力を嘆きながらも己を曲げず突き進む月田姉妹は誰よりも強い。だからこそ、あらゆる差別の根絶の提唱に説得力があるんだろう。
    『世界はとっくに狂っている』と理解し、ぶっ飛んだ感じでその狂気に“適応”しているように見えた姉妹ではあるが、最後に桜子を亡くした瞬間の椿子の悲しみは誰よりも正常に見え、悲しさを共感しながら『人間でいる限り狂気に適応するなんてできないんだ』と妙に納得できたような気がした。

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    2018年11月11日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    今の日本も今後こうなってもおかしくない。
    内戦状態の日本で、孤児の少年が、妹、弟を守るために力強く生きる。
    暗い時代背景で、置かれた状況は悪いけれど、なにか、わくわくさせてくれる主人公。
    いろんな人と出会って成長していく姿。
    良いですね。

    下巻がかなり気になる感じです。

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    2017年09月17日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    おもしろい。
    内乱の戦時下という日本で、少年少女たちが生き抜いていく。
    主人公の海人が、這い上がっていく中で様々な問題にぶつかり、時には残酷な決断も強いられる。性というテーマを戦時下の日本、少年少女たちを通して描いている。
    「裸者と裸者」「愚者と愚者」「覇者と覇者」とシリーズを通して◎
    作者の遺作となった「覇者と覇者」が未完なのが残念でならない>_<

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    2014年11月02日
  • 時には懺悔を

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    『無力だってところが、人間の愛しいところなのよね。そうでしょ?誰だって悲哀に打ちのめされ経験を持つものよ。まったく人間は無力な生き物。だけど無力な人間が、痛ましい悲哀から癒されるプロセスにこそ、心をふるわせるものがあるわけでしょ。』

    人が最後にいい人間になる物語は古今東西の多くの物語で描かれているが、納得感がないのは物語の物語性が現実を超えられていないのか、私の人間性が物語を越えられていないのか、分からない物語が多くある。本作は、そういった作品の一つになると思われる。

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    2014年08月03日
  • 裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の(3)

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    久しぶりに、読み終わってゲロりそうになった漫画です
    もちろん、つまらなかったのでなく、ヤヴァいほどに面白かったからですが、こんな結末アリかよ、と喉が裂けるほど叫びたくなるほどでした。ある意味、外さないアンチハッピーエンド?
    単に、戦争の悲惨さを描いているだけの、お約束の漫画じゃないですね、これは。「戦争はしちゃいけない」なんて、定番のメッセージすら感じられません
    ともかく、生と死だけが、咽ぶほどに充満しています。命が散る表現と命を散らす描写がエグい。ジャンルこそ大きく違うが、『世界鬼』や『進撃の巨人』に匹敵するほどの凄惨さとやるせなさ、無情感がどのコマにも溢れ、詰め込まれていました
    軽々しく扱

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    2014年03月10日
  • ハルビン・カフェ

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    これはいい作家と出会えました。

    全く伊坂幸太郎に感謝。



    単行本で592Pがあっという間です。

    というか一度に読んでしまいたい、読んでしまわないと理解できないんじゃないか。

    そんな風に思いました。



    舞台設定などからすれば村上龍の作品などとオーバーラップするところがあり、話の進め方からすれば伊坂幸太郎作品にも共通する箇所が見受けられます。

    ただインパクトの強烈さは先に挙げた両者を凌駕するものを感じます。

    序盤に発生した事件をきちんと把握・理解していないと度々ページを戻すことになります。

    無駄な文章は一切なし。

    作品の世界にのめり込んでしまい、読み終えた後はその重みでグ

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    2014年01月13日
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    「自分の口で夢を語るそばから、どこまでが本心なのか自分でもわからなくなる。夢はいつか叶うと無邪気に信じられた子供時代はおわっているのだ。殺戮と破壊と略奪の戦争の海にただよい出した孤児は、ふと気づくとずいぶん遠くまできてしまって、岸辺がどちらの方角にあるのかさえわからない。」

    作者の死により、和平構築プログラムの途中で物語は終了する。戦闘は終わっても戦争は終わらない。戦争を記録する団体が弾圧され、戦争責任が勝者側の論理で決定されていき、曖昧な処分で終わったことにされていく。反乱分子のテロは続き、武装解除は進まない。収束する場所が見えない中で本作は突如終わってしまうのは残念だ。
    たが、終わりがな

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    2014年01月05日
  • 愚者と愚者(下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

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    「吸引と販売を禁じても、ドラッグ汚染の拡大を防ぐ有効な手段にはならない。なぜか。戦争は恐怖をもたらす。前線で砲弾にさらされ、街角で狙い撃ちされる兵士たちは、ドラッグの多幸感のなかで恐怖から逃れようとする。ドラッグは確実に捌けるってことさ。仕入れに困ることなんてこともない。国内生産は過剰気味だ。ようするに、ドラッグの収益で戦争を継続する内乱の構造的な矛盾が、我々の勝利を約束してる。」

    数々の矛盾を抱えながら、内乱は混迷していく。面白いな〜。でも、このシリーズ、作者の急逝で未完とのこと。ショック(~_~;)

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    2014年01月04日
  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

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    「四百発」
    「そのミサイルを誰に打ち込むの?」マクギリスが訊いた。
    「正面の敵に」
    「正面の敵って誰?」
    「黒い旅団」
    「彼らはたぶん、孤児部隊を正面に押し立てて突撃してくると思う」
    「そのかのうせいはあります」
    「悪夢よ」
    「戦争です」

    最前線で人間の盾になる孤児部隊として育ち司令官となり、そして長くだらだらと続く戦争を終わらせるため指揮を執る中で、相対する敵の人間の盾である孤児部隊を殲滅しなければならない矛盾とどう折り合いをつけたのか?そこをもっと描いて欲しい。

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    2013年12月31日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    「旗をかかげる。異端分子を殲滅する。世界を浄化する。そういう政治主義はくそ食らえだ」姉妹は言った。
    「世界を変えたいっていう欲望はないの?」
    「ないね」姉妹は即答した。
    「ないのか」森が残念そうに言った。
    「戦争を継続させているシステムを破壊したいとは思っている」

    マイノリティ解放軍、女の子マフィア、反政府軍の反司令軍の活躍。まじ面白い。

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    2013年12月29日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    「十八人のうち男はたった二人だ。女の比率が異常に高いのはなぜだ」
    「構造的な差別の問題よ」金髪の女が言った。
    「おまえたちは抑圧された女の組織ということか」中尉が訊いた。
    「基本的にはそうです」黒髪の女が言った。
    「女の解放の彼方に、すべての抑圧された者の、解放を夢見ているのか」
    「理念としてはそのとおり」金髪の女が言った。

    ファルス中心主義的世界観から、徐々に女性の台頭、孤児軍の活躍、マイノリティー武装勢力の抵抗が起こってくる。かなり面白い。海人の活躍は、浅田次郎の『蒼穹の昴』のチュンルを彷彿させる。

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    2013年12月28日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    上巻と同じく一晩で、とはいかなかったけど、すごすぎて言葉がない!2013年途中でやめられなくなる本暫定1位

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    2013年08月14日