打海文三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
映画が好評だと聞き、まずは原作から。
映画はかなり大胆に改編されているそうだが。
読み始めてまず突きつけられたのは、あまりにも重く、そして簡単には答えを出せない哲学的な問いだった。
平成13年に刊行された作品ということもあり、障がい者に対する言葉や扱いには、今では到底そのまま使われないような直接的な表現も多い。
けれど、今の時代にはそぐわないと切り捨てるわけではない。言葉が変わったからといって、現実まで変わったわけではないからだ。
社会の中に確かに存在している偏見や戸惑い、残酷さ。それを綺麗な言葉で覆い隠すのではなく、剥き出しにされているからこそ、より現実味が増す。
これほど痛ましい -
Posted by ブクログ
ネタバレ胸に残る切なさが染み渡って薄まらない。
そんな物語だった。
印象深いシーンを付箋で留めながら読んでいたのだけど、序盤でリョウと李華が口喧嘩をしつつも次第に仲良くなっていったことを言及しているところを留めていた。そんなふうになんでも言い合える関係を築いたことがない自分にはとても眩しくみえた。
2人で東北へ出かけていた時間は端的に書かれていたけど、2人にはきっと忘れられない時間でその思い出を抱えて生きていくんだと思っていたけど、こんな寂しい結末だとは。
母の喪失からRの家を訪ねたが、母が生きておりもうすぐ会えるという真相と、Rの家で親しくなり、お互いを思い合っていた李花が亡くなったという事実 -
Posted by ブクログ
北関東を中心とした適度なスケール感と移動や時間経過などの緻密な構成。経済破綻から来る日本国内の内戦勃発と孤児の参戦。その有り得なくもないギリギリのリアリティに少し身震いしながら、不思議なくらい引き込まれた。
武器や軍隊構成単位など軍事知識が未熟であったことと、物語の中における各人や各部隊の思惑をもっと深く理解・共感したいとの思いから上下巻通して2回連続で読み返した。
上巻では、両親を奪われ兄妹弟の慎ましい生活さえも戦争に奪われながら、その妹弟と大切な仲間を守るために自ら戦争に身を投じていく海人が言った『三人が三人とも善人では生きていけない』は悲しいが、っその通りと思えた。それを自覚しながら戦争 -
Posted by ブクログ
上巻に続いて下巻も連続2回読破。
月田姉妹の一見破天荒な雰囲気も根底にある仲間や弱者を想う気持ちの強さの現われであり、それを持って強大な組織や力に臆することなく立ち向かう様は痛快でもあった。
非力を嘆きながらも己を曲げず突き進む月田姉妹は誰よりも強い。だからこそ、あらゆる差別の根絶の提唱に説得力があるんだろう。
『世界はとっくに狂っている』と理解し、ぶっ飛んだ感じでその狂気に“適応”しているように見えた姉妹ではあるが、最後に桜子を亡くした瞬間の椿子の悲しみは誰よりも正常に見え、悲しさを共感しながら『人間でいる限り狂気に適応するなんてできないんだ』と妙に納得できたような気がした。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに、読み終わってゲロりそうになった漫画です
もちろん、つまらなかったのでなく、ヤヴァいほどに面白かったからですが、こんな結末アリかよ、と喉が裂けるほど叫びたくなるほどでした。ある意味、外さないアンチハッピーエンド?
単に、戦争の悲惨さを描いているだけの、お約束の漫画じゃないですね、これは。「戦争はしちゃいけない」なんて、定番のメッセージすら感じられません
ともかく、生と死だけが、咽ぶほどに充満しています。命が散る表現と命を散らす描写がエグい。ジャンルこそ大きく違うが、『世界鬼』や『進撃の巨人』に匹敵するほどの凄惨さとやるせなさ、無情感がどのコマにも溢れ、詰め込まれていました
軽々しく扱