あらすじ
佐竹は、数年前に退社した大手の探偵社アーバン・リサーチの元上司・寺西に頼まれ、探偵スクールのレディース一期生・中野聡子の代理教官をすることになる。その日の実習は、やはりかつての同僚・米本の探偵事務所に盗聴器を仕掛けることだったが、事務所に忍び込むと、そこには米本の死体が転がっていた。佐竹は中野を助手に、米本が殺された謎を調査していくが、やがて過去に起きた障害児の誘拐事件の真相に迫っていくことになる……。濃密な親子の絆を描く、感動の傑作ミステリー!
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2000年代、もしかしたらもう少し前、1990年代。子どもほしさに新生児を誘拐する事件が立て続けに起きた、気がする。よっぽど周囲の圧がすごくて耐えきれなかったんだろうなと若き私は思った。新生児が無事保護されて、その子がちゃんとケアされていた、という新聞記事を読んで悲しかった気がする。最近は、生殖医療が発達したし、人の生き方も家族の在り方も、夫婦の方針もいろいろだからそういう話は耳にしない、気がする。
きっとそんなのもモチーフになっているんだろうなと思いながら読んだ。
障碍者について語るべき知見も経験もないので、偉そうに語れない。だけど胸に来る作品でした。
どこだったか覚えていないけれど、そして明確な表現は覚えていないけれど、聡子が民恵に子どもを引き取るように説得したと説明する場面で、かんたんに言えないことだから、その後のことも引き受けるつもりで説得した。的な表現があって、そこは深く共感した。
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1ページに対する文字の多さ、細かさと、慣れ親しまない昔らしい文章が故に初めは読みづらさを感じていたけど、物語が動き始めた頃から一気に引き込まれた
ミステリーというか、考えさせられるヒューマンドラマというか、
自分ならどうするのか、というのがずっと残るようなものだった
私の今お腹にいる子が新のような子でも私は愛せるのか、それは実際にならないとわからないけど、この話を読んでしまった今は私ならどうするのか、夫ならどうするのか、を考えるのをやめれなくなる
他人だから言えるのかもしれないけれど、それでもやっぱり物語の中の新は何か惹かれるものがあり可愛らしかった
特別可愛く書いてるわけじゃないのになにか可愛かった
佐竹や聡子が惹かれていくのと同じように私も惹かれてしまっていたことを終盤に気づく
明野のさっぱりとしつつも新を愛している姿がとても印象的だった
はい、おりこうさん
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単純なミステリーかと思っていたがとても考えさせられる内容だった。
読み終わった後スッキリはしないがそれはそれで大切なんだろうなと思える本だった。
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映画が好評だと聞き、まずは原作から。
映画はかなり大胆に改編されているそうだが。
読み始めてまず突きつけられたのは、あまりにも重く、そして簡単には答えを出せない哲学的な問いだった。
平成13年に刊行された作品ということもあり、障がい者に対する言葉や扱いには、今では到底そのまま使われないような直接的な表現も多い。
けれど、今の時代にはそぐわないと切り捨てるわけではない。言葉が変わったからといって、現実まで変わったわけではないからだ。
社会の中に確かに存在している偏見や戸惑い、残酷さ。それを綺麗な言葉で覆い隠すのではなく、剥き出しにされているからこそ、より現実味が増す。
これほど痛ましい物語なのに、読み終えるころには不思議なほど心が温かくなっている。罪を罪と認めてしまうことへの躊躇いと、どうか救われてほしいと願う希望。
懸命に生きる姿には、人を癒やし、成長させる力があるのだ。
誰かの苦労を見て、自分の人生が恵まれていると確認するのではなく、困難があっても今日を生きる人の姿から、生きることそのものへの強さや、人間が持つ生命力を教えてもらう。
その生命力に心を震わせられるということは、私自身もまた、生きることの意味をどこかで探しているからなのかもしれない。
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障害をもつ子とその親だけでない人たちの葛藤がリアルに書かれている。子を持たない人は子を持ちたく思い、子がいる親は1人になりたいとも思う。子をもつ人ならどこかに刺さる言葉があるそんな作品
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『無力だってところが、人間の愛しいところなのよね。そうでしょ?誰だって悲哀に打ちのめされ経験を持つものよ。まったく人間は無力な生き物。だけど無力な人間が、痛ましい悲哀から癒されるプロセスにこそ、心をふるわせるものがあるわけでしょ。』
人が最後にいい人間になる物語は古今東西の多くの物語で描かれているが、納得感がないのは物語の物語性が現実を超えられていないのか、私の人間性が物語を越えられていないのか、分からない物語が多くある。本作は、そういった作品の一つになると思われる。
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この作品は映画化されていて、劇場で予告編を見てみたいと思ったので、あらかじめ原作を読んでおこうと思った。ポケットベルが登場するあたりなどは少し昔の小説なのだと感じさせられる。内容はあまり派手なアクションや盛り上がりなどがあるわけではなくて、私立探偵が淡々と調査を進めてゆく、ちょっと地味な雰囲気の小説。内容はミステリーであり、それから障害児の問題にも焦点を当てた社会派小説でもある。読みごたえはあった。ただ読み終えて、さあ映画を見に行きたいなと思ったらもう上映は終了していた。
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書かれたのが1994年ということで、微妙な時代感は感じたけど、胸を打つストーリーで読んでよかった。映画化されていなければ出会うこともなかったかもしれないと思うと感慨深い。
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障害児の前では、どれだけの悪人でも心を許すというか、ただの人になる。
その姿を神様と称し、その存在に救われている人がいる。
人は誰しも、後ろめたいことや罪を心の中に持っているものだ。
1人の障害児の周りの人間たちが、自分の後ろめたさを、心の何処かで彼に救いを求めている。
ありのままの自分として、(神のような)その子に対してひっそりと懺悔をしているのかも。
目も当てられないくらい無様だと憐れんでいるこどもに対して頭を垂れるような姿は滑稽である。
みないろいろと吹っ切れたり精算したりして、最後はポップな終わり方でよかった。
普段本を読んでも言語化しないので稚拙な文章。他の方の感想を読んで味わい直そうと思う。
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映画化されたことに伴い拝読
話の展開も読めず面白かったが、聡子の性格があまり好きになれず、佐竹との会話にも共感できず…
ダウン症のお子さんの描写と明野の接し方に胸を打たれた
最後のオチや上述した通り、主人公2人をあまり好きになることはできなかったけど、読んでよかったと思える一冊
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以下は、完全私の「妄想」です。
映画「時には懺悔を」。どちらが最初に脚本を書いたかと言えば、共同脚本の門間宣裕だった。おそらく文庫本発行の2001年。それでも25年前だ。映画化には幾つもハードルがあった。ハードボイルドの形をした身体障害者告発映画。インディーズか、それでなければ有名俳優が何人も出てくる大作でないと成立しない。長いこと御蔵入りした。
俳優とのトラブルで半分謹慎期間中だった中島哲也監督と門間は飲んでいる最中、この話で盛り上がる。身体障害者を正面から撮ろう。そこから始めよう。登場人物の入れ替え、エピソードの切り落とし、膨らまし、中島監督だから持ってこれる俳優たちの存在感。脚本を鍛え直すということが、ここまで楽しい作業は久しぶりだった。
映画制作は、中島監督とトラブル中のA子と「完全和解」をすることを条件にゴーサインが出た。そのせいかもしれないが、結果的に「人のダーク面」をひたすら描いてきた中島監督の珍しくも「ダークの中の光」を描いた作品になった。
⸺⸺と、まぁ、このままだと完全映画レビューになるので、原作についても二言ばかし。
映画観て、2つ疑問を持った。①あんな本格的な探偵調査、いったい金の出どころはリアルなのか?②佐竹の家庭環境はリアルなのか?①は、原作も寺西の一言、つまりは探偵社のポケットマネーで始まった。探偵殺しだったので、特別だったのだろう。寺西のの懐の深さは、役所広司の存在感だけで説得力を持たせた。②は、原作の複雑さを佐竹の家庭に置き換えたようだ。私は成功したとは言えないと思う。しかし、一方で原作の持つ、複雑な皺は伸ばされわかりやすくなった。どちらが悪いとも言えない。
民恵が決意するに至った、明野の妻のノートは映画オリジナル。その他、ラストの改変含めて、映画の方が良い面が幾つかあった。しかし、改変は有るものの、驚くほどに映画は原作の「良いところ」を掬い出していた。
「新を引き取って療育施設から帰る時に、タクシーに乗って運転手と新のことをいろいろしゃべってたら、その運転手がいうのさ」
「なんてー」
「その子は神様かもしれないから、大事にした方がいいですよ、って」
「ああー」佐竹は思わず声をもらした。
「障害の子を尊ぶという信仰があるのよ」
「信仰なんてカケラもない感じの若い運転手だったぜ」
「いいな」佐竹はちょっとした高揚感に衝き動かされていった。「そういうのがいい。宗教心など鼻で笑っている人間が、新の前では何か人間を超えた存在を感じるー」(307p)
←これは映画から削られた場面。おそらく泣く泣く削ったのだろう。
幼児を抱いた初老の女が、コンニチハと寄ってきた。ひどく顔色の悪い幼児だった。明野はそっと車椅子を止めた。
「新くん、頑張ってね」初老の女が新に声をかけた。
明野は軽く会釈して、また車椅子を押した。
「みんなが新を励ましてるようですね」佐竹がいった。
「逆だよ」明野がぶっきらぼうにいった。「みんなが、新に励まされてるんだ。声をかけてる本人にも、そのことはよくわかってるさ」(325p)
←これはある意味、映画のクライマックス。ハードボイルド犯罪映画のはずが、人情感動映画になった瞬間である。
結局は、20年をかけて、いく人かの無骨な男たちが、「何もしなかった」ことの後悔、懺悔を呼び起こしたのだ。門間宣裕から中島哲也へ。そして我々へ。そんな力を持った原作だったのである。
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障害児に関するお話。
私は身近にこういう事例がなかったので読みながら色んな想像が及ぶ。
SNSで色々調べやすくなったとはいえ、悩みとか辛さとかやりがいっていうのは結局当事者しか分からないんだよなと思った。
現実にあるとしたらSNSで炎上しそうな感じがするが、何が良くて何がいけないのか、何とも分からないな…と。
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ミステリーとして読むと、誘拐事件のほうはかなり丁寧な描写ですが、探偵殺しの真相はかなりあっけなくて、えぇっ…!?となります。
障害児と生きるということをテーマとして考えると、かなり重たい作品でした。
私の従兄弟はかなり重い身体障害があり、脳性麻痺でした。新くんと変わらないぐらいの障害だったかと思います。
おばさんがずっと介護をしており、食事シーンと重なって、思わず泣いてしまいました。
でも、従兄弟は時々すごく良い顔で笑っていたので、親戚からはアイドルみたいな存在でしたね。
「逆だよ。みんなが新に励まされているんだ。」という明野の台詞に大きく頷きました。
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映画をみる前に読みたくて、読んだ。
先が気になり一気読み。
米本殺しの理由は、本筋とは関係ないから一切触れられないのか?あの親子に何があったのか気になった。
佐竹は結婚してるのに聡子へ好きだと。妻がかわいそうと思ってしまった。
身体的特徴の強い新生児が誘拐されてからの警察の諦めが早くないか?9年後に病院探すくらいなら直後に探してすぐ特定できそう
そこが疑問
あと、誘拐犯が9年ずっと育て続けるというのも少し現実離れな気もした
Posted by ブクログ
映画で喰らいまくったので、その足で書店に向かう。著者の作品は初めて読む。
探偵の佐竹が探偵殺しの調査に関わる中で、二分脊椎症の子供とその父親についての秘密を解き明かしていくミステリー。血の繋がりについて、何組もの親子の姿から問いかけられていく。
映画とはかなり設定が違う。それでも、作品の持つテーマ性はブレずに重くて暗い。女性描写や設定はちょっと古さを感じてしまうが、スラスラと読みやすい文体。著者の他の作品も読みたい。
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映画化されるということで。
なんと、30年以上前の小説なのか。
障がい者に対する、偏見ではないリアル。コンプラも何もない、ストレートな文章。読み応えあり、星4.3。
盗聴しながら、聡子がのめり込んでいく様。
誘拐した明野も同じ気持ちだったのか。
目の前で、誰かの助けが必要な子どもがいる。
考えるよりもまず、義務感や罪悪感、切迫感。
そうこうしてるうちに、芽生えてくる感情。
コンプラがちがちの今の時代に映画化、どんななってるんだろ、観てみたい。明野がクドカン、ぴったりかも。
Posted by ブクログ
ミステリーを交えつつ障害と生命について書かれてる。みんないい人でいたいけど、最後の一歩は踏み出せないのがとてもリアル。最後の決断は正しいのかなって読み終わった後に考えるものだった。
ただ殺人をメインとしたミステリーとして読むと、拍子抜けするので、親子のヒューマンドラマがメインでそこにミステリーが混じってると思って読んだ方がいい。
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過去の後悔や人生のしがらみを抱えた人たちが、重なり合う事件を紐解きながら、真実とささやかな赦しを探し求めていく。
展開にスピード感があり、飽きさせない。
Posted by ブクログ
良かった!
必ずしも良い結末だったとは私は思えない。私個人の感覚は佐竹に近い。
でも、聡子が無責任な善性ではなく「自分が引き取る」という覚悟を見せたこと、100%の大団円としては描かれなかったこと(佐竹は冷静な立場を先に示している、民恵が引き取ったことが必ずしも良かったかどうかわからない(民恵にとっても新にとっても))が良かったと思った。
難しいね。考えさせられる。
Posted by ブクログ
映画化に先行して。社会派ミステリだった。
物語としての面白さというより、探偵が関係者をたどっていく様子や、障害児をとりまく大人たちの人間心理、探偵自身の家庭の問題など、そういった面がとてもよかった。
どのように映像化されるのか楽しみ。ただ、キャストを見たら、登場人物が変わっていてあの辺りは省略されるのかなと。
また、探偵のモラルといったくだりもあったが、戸籍取得にしても司法書士を通じたり、附票も使ったり、結構正確で感心。ミステリだと時折、現実的にはあり得ない記述もあってそこでガックリきてしまうこともあるけど、そこもよかった。
Posted by ブクログ
正直………重かった。。。
今年8月末に映画公開で観に行く前に読んどこうかと
(大好きな黒木華ちゃん含め豪華出演者ですよ)
幼児誘拐と探偵殺人の2つの事件が………
障害がある子供と親の抱える色々な問題。。。
周囲の人の視線や理不尽な扱いなんかも………
誰でも過ちや失敗あるなか………
そこから逃げ出す時も!向き合う時も!
重い重過ぎるテーマで消化しきれないんですけど
(−_−;)
映画公開は楽しみにしてます♪♪♪
Posted by ブクログ
2026年8月28日より劇場公開される
西島秀俊&満島ひかり ある事件の真相を追う探偵コンビ役で初共演 中島哲也監督「時には懺悔を」
佐竹は、数年前に退社した大手の探偵社アーバン・リサーチの元上司・寺西に頼まれ、探偵スクールのレディース一期生・中野聡子の代理教官をすることになる。その日の実習は、やはりかつての同僚・米本の探偵事務所に盗聴器を仕掛けることだったが、事務所に忍び込むと、そこには米本の死体が転がっていた。佐竹は中野を助手に、米本が殺された謎を調査していくが、やがて過去に起きた障害児の誘拐事件の真相に迫っていくことになる……。濃密な親子の絆を描く、感動の傑作ミステリー!
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単純にして明快な嘘に徹することにしたのだ 胸の内で沸々と発酵している思いに考えを巡らした 色んな喪の儀式を通じて癒されるらしいんだが 死への衝動 水頭症 肢体不自由養護学校 哀しみの底 感情が剥き出し 現状の把握も露骨なほどリアル 二分脊椎症 両下肢機能全廃りょうかしきのうぜんぱい 淡島通り 聡子の健啖ぶりを間近で眺めた 牛久駅 ひろつ尋津真一郎 稲城市 多摩丘陵きゅうりょう 稲城長沼駅 鶴川通り 川崎街道 日比谷公園の松本楼 謂れのない謗りそしりを受け 私刑リンチされた黒人の死体=ストレンジ・フルーツ 山葵わさび 牛蒡の間引き菜 水上勉《くるま椅子の歌》 ひらく拓 アイラ・レヴィン《ローズマリーの赤ちゃん》 民恵 と誰かの死を悼んでいるような嗚咽が聞こえた 激しい煩悶の果てに ションベン横丁 競艇場前駅から尾行されているような気がしてた 「将来使えるタマとは思えなかったが、赤飯炊いて、お祝いさたよ」 明野が新の尿道からシリコンの管を抜いた 引継ぎ ギリギリと骨が軋む音がするほど抱きしめた 一生つづくであろう《癒しのドラマ》がはじまったばかりであり 実際に刑の減軽嘆願書は 三島由紀夫『美しい星』 殲滅思想の一神教らに 大江健三郎『空の怪物アグイー』『個人的な体験』
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9年前の誘拐事件を追っていたと思われた探偵が惨殺され、その死を明らかにするため、探偵佐竹と見習い中の助手が、かすかな手がかりをたよりに解いていく。
重度の障害を持って生まれ誘拐された子供、子供の世話に追われて逃げようとしない誘拐犯、知っていて取り戻そうとしない元両親という、犯人側にも葛藤があるタイプの話。
調べる方もまったくもって完璧ではなく、子供に感情移入してしまったり、犯人を自首させようとヤキモキしたりと悩むポイントが多い。
文章も読みやすく、いわば「宮部みゆきタイプ」の社会的正義が簡単に適用できないシチュエーションで、読ませたいポイントがわかりやすいところは高く評価できるだろう。
しかし、時々バイクが転倒したりと、謎の描写が挟み込まれるのは何なのか。ストーリーと関係あるのかと引っかかってしまう。
また、いろんな世間の悩みを詰め込みたいがあまり、無闇に登場人物を増やしすぎたのもマイナスである。
力作では有るが、いろいろと人生のネガティブな部分に頼りすぎた作品である。
Posted by ブクログ
探偵殺しの落ちはひどいが、新の方は、新がどうなるのか聡子と一緒に心配になって急いで先を読んでしまった。
が、正直聡子がうっとおしくて好きになれなかった。移入し過ぎで探偵には向いていないのでは。
Posted by ブクログ
知り合いの探偵が死んだ。殺し。真実を探っていく探偵・佐竹。一人の障害児がクローズアップされる。
障害を持つ子を抱える家族の苦悩、ささやかな幸せ。それが軸となりミステリーとしてもぐんぐん引き込まれる。読後も余韻たっぷり。
とても良い本でした。