打海文三のレビュー一覧

  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    ネタバレ

    途切れてしまった物語をずっと読むの怖くて読めなくて、やっとやっと読んだ。
    でも文章は途切れているけど、物語は途切れていなくて、打海先生がもういないのはすごく悲しいけど、もしかしたら結末を知らなくてよかったかもしれないとすこし思った。
    三部作、具体的な結末はないけど、私の中で脊髄まで染み込んでほんとうに大きな存在としてたぶん続いていく。
    海人幸せになってくれって、言いたい、言えない

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    2013年06月27日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    ネタバレ

    多分今までで最も衝撃を受けた本。
    なにより描写がものすごく美しいと思った。セックスも死についても。
    対してキャラクターの乾いた明るさもすごく魅力的で、みんな自分の足で立って生きているのを強く感じること。
    そしてこれはファンタジーではなく今も地球のどこかで起きているきっと現実の一部であるということ。
    わたしも海人に惚れています。

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    2013年06月27日
  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

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    「愚者と愚者」上巻。野蛮な飢えた神々の叛乱。今回は海人率いる孤児部隊がメインなお話。武力勢力「我らの祖国」「黒い旅団」の性的差別に対する戦いが繰り広げられるが、海人配下の孤児部隊にも陰謀が。。海人の戦友である孤児部隊との友情や、相変わらず女性にモテる海人の行動に惹きつけられる。たくさんの武力勢力が出てきて混乱することもあるけど、この独特な世界観は魅力的。下巻に進みます。

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    2013年03月24日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    「裸者と裸者」上巻。孤児部隊の世界永久戦争。
    近未来の日本「応化」と呼ばれる時代、北関東を舞台にした戦争小説。茨城県常陸市で育った佐々木海人は、七歳で両親を失い孤児となる。幼い妹「メグ」、弟「リュウ」を養うため、学業を断念し懸命に働くのだが。。
    前半は秩序が崩壊し、略奪、殺人がまかり通る世の中、主人公の海人、しっかり者のメグ、短気なリュウの3人が慎ましく生活する姿が描かれる。謎の武力勢力の登場から一気に物語が動き出し、目が離せない。上巻は心身ともに少しずつ大人になっていく海人の成長物語でもある。戦争と登場人物の行方を気にしつつ下巻へ突入。

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    2013年03月17日
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    ああ~!ついに読んでしまったぁ~!!続きが読みたいのに、未完のまま読めないなんて、残念過ぎる!身悶えして、叫びだしそう・・・! でも、この愛してやまない小説に出逢え、それが未完というのは、ある意味すごーく奥深い感慨を覚える。完結しないってことは、つまり永遠ってことで・・・海人にマジ惚れな私としては、それもまたロマンチックだなぁ~、なんてウットリしてみたりw

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    2013年01月27日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    上巻よりも戦争自体をクローズアップした印象。多分月田姉妹が海人くんより精神的に成熟していたからだと思う。月田姉妹はこれからどうなるのか、気になる。

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    2012年03月15日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    表紙で敬遠していたのが本当に悔やまれる。面白かったです。淡々とした文体だけれど、一気に読み終えてしまった。リアルにファンタジックでごりごりした少年の成長期。

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    2012年03月12日
  • ハルビン・カフェ

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    ネタバレ

    犯罪都市、海市。そこでうごめく犯罪組織と警察と警察の自警団。分厚い本をこれでもかと疾走する物語。物凄く、引きこまれた。これはもう、この人の本はすべて読まなければならないと思った。ほんとうに面白くて分厚さも忘れて一気に、とはいっても丸二日くらいかかった記憶があるけど、とにかく一気に読んだ。そして、読み終わった直後、著者のほかの本を物色にいった本屋のポップで著者の逝去を知った。あまりにショックで読まなければと思ったにも関わらず他の本に手を出せずに今日まで来てしまった。
    だが、これは本当に面白い。そして、著者のほかの作品も読みたいと今も思っている。

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    2011年12月17日
  • 愛と悔恨のカーニバル〈新装版〉

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    一般的に言う猟奇的殺人事件を扱った作品だが、
    何とも後味が良くてさわやかな作品である。

    本当に人間を描くのが巧い人だ。
    素晴らしい。

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    2011年11月20日
  • 覇者と覇者 歓喜、慙愧、紙吹雪

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    ネタバレ

    待ちわびた応化シリーズの最終巻。未完で終わってしまったために、上巻(海人編)と下巻(椿子編)の半分を纏めて一冊にしている。
    戦争の「終わり」を描いた上巻では、難民問題や戦後の復興へ向けての諸問題が次々と常陸軍と同盟軍を悩ませる。戦争を終わらせようと奮闘する海人たちが、途中でパンプキン・ガールズの面々と遊んでいる場面など、どこか明るいムードは健在。最終決戦の前でも相変わらず生き生きと動く登場人物たちの会話であったり、懐かしい人々の登場であったりと、終わりへ向けて熱い展開が続く。
    最後のあづみ救出の場面でようやく戦争が終わったんだなと実感できた。こういうところに描写の巧みさを感じる。
    下巻では、戦

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    2011年11月02日
  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

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    応化三部作の第二部。再び視点は海人。
    軍主導の選挙や軍内のゲイ兵士差別問題や戦友の離反など大きな問題が続々と起こる中、すっかり頼もしい司令官となった海人と同盟軍たちが立ち向かっていく。
    今巻は特に性差別・人種差別の問題に言及していて、いろいろと考えさせられる。作品内では性的マイノリティーや外国人や孤児の部隊が中心となって戦争を終わらせるために戦っていて、海人の所属する常陸軍は性差別も人種差別も禁止している軍隊なわけだけど、もし戦争が海人たちの勝利で終わったとしてもそういう問題が簡単になくなるわけではないだろう。残念ながらこの戦争がどういう終わりを迎えるかは想像に任せるしかないのだろうけど…。

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    2011年10月20日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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     作者が亡くなったために未完の大作。永遠に完結することはありませんが、それでも読む価値のあるシリーズです。

     装丁で誤解するかもしれませんが、ハードな戦争ものです。軽い気持ちで手を出すと火傷するエログロバイオレンス。だけど、希望のちりばめられた物語でもあります。

     少年兵と双子の少女が戦争をどうやって生き抜くかというストーリー。
     
     今も世界のどこかで戦っている少年兵がいて、彼らの気持ちは私には到底想像できないし、理解もできない。
     ただ、生まれた時から隣に死が寄り添っていて、当然のように戦いに身を投じた彼らは自分の意志というよりも環境に振り回されているだけな気がします。
     でも、いくら

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    2011年10月19日
  • ハルビン・カフェ

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    日本海に面した、架空の国際犯罪多発都市の警察とマフィアをめぐるクライムノベル。
    構造は難解だし、公安警察と下級警官のテロ組織とが、何重もの潜入捜査とスパイ合戦を繰り広げるので、人物相関も複雑。
    しかし、それを補って余りあるのが、魅力溢れる登場人物で、特にすべてを操る孤高の黒幕には、男も女も夢中になる。
    曰く、言葉、声、仕草、振る舞いにゾクッとくる色気があり、決断力と実行力は申し分なく、知性とユーモアがあり、
    意表をつく行動、奔放なイマジネーション、眠らないポテンシャル。
    映画化するなら大森南朋にやってほしいなあ、と当てながら読みました。

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    2011年10月16日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    未完の長編となった戦争小説の傑作。この作品は三部作の第一部に当たる。今月ついに「覇者と覇者」が文庫化されるということでもう一度読み返すことに。本当に何度読んでも面白い。

    日本国内で起こる内乱戦争が孤児兵の佐々木海人と、海人に助けられた双子の姉妹の月田桜子・椿子の視点で描かれる。上巻は妹と弟を守るために兵士になる海人の視点。
    戦争小説と言っても戦争の醜くて悲惨な所ばかりではなく、妹と弟を守るために戦い続ける海人の成長がしっかり描かれていて読み始めると止まらなくなる。厳しい戦争状態の中にあっても、自分を見失わずに前を見据え続ける海人のかっこいいこと。海人も含めて登場人物がいきいきと動いているし、

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    2011年10月13日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    やられた。久しぶりにこんなに面白い小説に出会ってしまいました。戦争、しかも内戦…日本でこんな設定が有りなんて…戦闘に次ぐ戦闘で重くなりそうだが、主人公たちがイキイキしてて気持ち悪さがない。素晴らしい作品だ

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    2011年10月01日
  • 愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

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    応化三部作…やられた。久しぶりにこんなに面白い小説に出会ってしまいました。戦争、しかも内戦…日本でこんな設定が有りなんて…戦闘に次ぐ戦闘で重くなりそうだが、主人公たちがイキイキしてて気持ち悪さがない。素晴らしい作品だ

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    2011年10月02日
  • 愚者と愚者(下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

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    「出たとこ勝負だ!」
    と叫びながらキュートな女の子たちがAK片手に武装蜂起するなんて、最高にクレイジー。パンプキン!

     文庫下巻の解説にて「打海さんにはまだまだ書かなければいけない物語があるんだよ、と」記されています。私も同感です。だからこそ、この作品で感じたものを汲み取れたらなと思います。

     時代がきっとこの作品を遠からず必要とする時がくるのではないかと思わずに入られない。

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    2010年04月22日
  • ハルビン・カフェ

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    様々な人種が入り交じる日本海の港湾都市が舞台。警察の殉職率が高い事で匿名の警察関係者が報復を目的とした組織を作る。
    この設定だけでもかなり興味を引く。

    物語はマフィア、警察、警察有志の地下組織の三つを軸に進む。登場人物が多いものの、文体がドライなので読みやすい。

    映像化は不可能かもしれないが、ぜひして欲しい。ケーブルテレビあたりで。

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    2010年04月10日
  • 裸者と裸者(下) 邪悪な許しがたい異端の

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    月田姉妹が主役に据えられた今作。戦争の中、無秩序な混沌と官能と破壊と死にあふれ、けれど彼女たちが潔いのは、蔑みや卑下に身を置かないからだ。多くの血と喪失を負い、そして“彼女”は何処へ向かうか。

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    2010年03月03日
  • 裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

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    むちゃくちゃな面白さ。何よりも優先してこの本を読んでいたいという感覚。弟妹を養育するため戦場という生死混沌の世界で生きる海人の、汚れなさと血の臭いを引き受ける覚悟。狂気に引きずられた方がラクになれる正気。きれいなカネなんかない中で、善人では生きられない中で。平仮名ばかりのその台詞の、何と重く惹きつけることか。

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    2010年03月03日