宮尾登美子のレビュー一覧
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ものすごく面白かった………。
随分昔から積んでいて、たぶんどこかの読書相談のコーナーで、女性のお話を読みたいとリクエストして教えてもらったものじゃなかったかなあ……立場は全然違うんだけど、シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』の近くに置いておきたくなりました。
描き方が上手すぎる………。
篤姫の態度が弱々しかったり態度がぶれていたら読み手は好ましく思えないし、かと言って何も揺らがずただ信じるのみだったらこれほど面白く読んだとは思えないし、これが細かい資料や取材のもとにあるとは承知の上で、それでも、というかだからこそ、こんなに魅力的なお話にできる力がものすごくて……。
武家とし -
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ネタバレ花子が生まれて、これだけ松恵の苦しい気持ちを読んだ後で、花子を嫌わずにいられるだろうか?と不安が過ぎった。だが杞憂だった。『鬼龍院花子の生涯』ではあるが終始松恵の目から見た花子であったから。タイトルは花子だけれど、主人公は松恵と言えるだろうから。
鬼政が権力を失っていく段階になるとページをめくる手が止まらない。子分にしても女にしても、意地でも死ぬまで関わりを切らさないのにも関わらず、実際はどんなに寄り添うたところで常に1人で、心から頼れる者もない虚しさ。
他に登場した女たちが心の中ではどう思っていたのかも、少し知りたい気もする。
この本の中で1番義理を通したのは、他ならぬ松恵だった。とにかく松 -
購入済み
何から何まで素敵な名作家
どこかで読んだ宮尾登美子さんの
対談で本人が仰っていた「私の本の
購入者は殆どが主婦とか女性です」
の意味がよく理解できる一冊でした
私自身もすっかり彼女の魅力に取り
憑かれてしまいましたから。動作の
一挙手一投足がしっとりと心地よく
優しい物腰でいつまでも読んでいた
くなります。時代が令和になろうと
も、世の中の女性を引き込んで止ま
ない国民的女流大作家 -
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面白かった
激動の幕末を生き抜いた十三代将軍家定の妻篤姫の生涯を描いた作品
下巻では、
将軍家定の急死。しかし、直接見舞うこともその死亡も確認することができないもどかしさ。
これが、大奥、将軍家ということでしょうか..
そして、天璋院として大奥を仕切っていくことに。
十四代将軍は家茂となり、その正室には天皇の妹の和宮。
しかし、この結婚にはさまざまな条件が..
公家方式で暮らそうとする和宮、徳川家としてふるまってほしいと願う天璋院。
身分の違いも絡んでどろどろに(笑)
この嫁姑の確執がとてもリアルに伝わってきます。
さらには大奥の中も公家派と徳川派
そんな中、徳川に尽くすという篤姫の幾 -
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面白かった
激動の幕末を生き抜いた十三代将軍家定の妻篤姫の生涯を描いた作品
上巻では
薩摩・の島津家の分家・今和泉家に武士の娘として生まれた篤姫は、18歳で島津家当主・斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて将軍家定に嫁ぎます。
しかし、家定は心身ともにとても病弱。
夫婦としての生活もままならない状況で、大奥の特殊な生活を送っていきます。
大奥三千人の女たちとの確執。
大奥のしきたり。
そんな中、慶喜との面会では、慶喜のあまりの態度にショックを受け、次期将軍に押すべきなのか?
結局、継嗣争いでは、破れてしまうことに。
しかし、下巻では、そんな慶喜との確執が..
徳川家に -
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東福門院に興味をもったのは2年前サントリー美術館の「寛永の雅」を観に行ったから。小堀遠州、狩野探幽、野々村仁清が活躍した時代。宮廷文化の中心となった後水尾天皇と東福門院和子。
前半は和子の母お江与の方の説明や、家康の天下取りについて長々語られている。この頃の歴史をざっと振り返るにはよいが、和子さんがなかなか出てこない。主題は孤立無援の宮中で和子さんが、どれだけ苦労し、涙を流し、それでも気高く生きたか、という事が江戸城から女中として一生奉公したゆきさんから語られる。宮尾さんだから仕方ないが「女」を前面に出した作品だった。和子さんの文化的貢献についてももう少し記述があるとよかった。出てくるのは雁金