宮尾登美子のレビュー一覧

  • 藏 (上)

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    脳内で方言が再生される。
    著者は新潟の方言について深く学んでおられ感心した。
    完璧に近いので、物語に深みのある情緒が生まれ、感情移入できた。
    普段小説を読まない母も読みふけり、涙を流していた。

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    2017年04月20日
  • 天璋院篤姫(下)

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    篤姫の激動の人生に、女性が内面に持つ2つの美しさを垣間見た。最後まで大奥を守り通そうとした徳川家の「嫁としての気丈さ」。晩年確執を乗り越えて宮と母娘仲睦まじく過ごした「人としての優しさ」。日本人がいつまでも忘れてはならない大切な美しさであることは言うまでもない。

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    2016年06月05日
  • 天璋院篤姫(上)

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    はなから世継を持てないと分かっていながら家定の正室を命ぜられたのは明らかに陰謀。女としての悦びを考える間もなく大奥の統括を任され、水戸と紀州の確執に翻弄され、ハリスからは矢のような通商要求。
    かつて多くの女帝がいた。北条政子という将軍に代わって実権を握った女もいた。しかし篤姫ほど日本という国家の命運と哀しみを背負った女性はいただろうか?その思いを自分が知ってる幕末史に重ね合せると、下巻を読む前から涙が止まらない。

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    2016年05月05日
  • 天璋院篤姫(下)

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    幕末の動乱を生き抜いた篤姫の生涯、大変読みごたえがありました。
    渦中の章は読んでいて胸が重くなるものでしたがその後の話は気持ちよく、読後感もよいものでした。

    大河ドラマの原作だったはずだけど、そちらも確か評判がよかったと聞いたので気になる。

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    2016年04月14日
  • 藏 (下)

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    ハイティーンになった烈が精神的成長をとげ、不幸がてんこ盛りだったのが一転、大団円超ハッピーエンドですっきりしますが、ちょっとラストがトップスピードで走り抜けた感がありまして、もうちょっとたっぷりゆっくり読みたかったような気もちがした。佐穂が北の対に住めなかった紫の上と重ねて読み進んでしまった。源氏というには全編とおしてちょっと色気がなさすぎるが。登場人物全員やたらと我慢が良いところが新潟らしく好ましい。

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    2016年03月15日
  • 藏 (上)

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    ネタバレ

    映画は1995年に公開されたらしい(見てません)。亀田の豪農が酒造をはじめるところから物語はスタートし、その息子意造の代で起こる不幸の数々、非常に鬱屈していて暗い話だが、基本性格のいい美男美女ばっかり(嫌な人は不細工)なので悲劇なれど美しさで悲壮感が薄皮一枚で鈍く感じるような印象を受けます(私比)。会話文は新潟弁そのままで、意味が解りにくい単語は括弧で説明がはいります。語尾の「だ」が「ら」になるので「〜寄るは視力を失うてたったんらろう」となるのを読むと、、梅図まことちゃんを思い出してしまい、まことちゃん発音で考えてしまう自分が悲しい。ものすごく良いリズムの会話文なのでほんまに発音がわからないの

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    2016年03月14日
  • 鬼龍院花子の生涯

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    鬼政の養女の松恵の視点から見る物語。
    しかしまあ、甘やかされ放題で育った花子と、学費すら出してもらえないヤクザの家の養女という肩書きのせいでの苦労人の松恵の対比はすごい。

    生活力のない花子を見捨てなかった松恵もすごいが、ヤクザの家もヤクザっぽくなくなれば、転落します。
    栄枯盛衰を全て見た松恵だから語れるそんな気がする。

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    2015年05月06日
  • 新装版 一絃の琴

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    宮尾登美子!高知を舞台に、武家出身の女性たちの生き様を鮮やかに描いた作品。慎み深くも、芯があり強い登場人物たち、古典芸能である一絃琴や明治の娘たちの生活と、五感に豊かに訴えてきて、明治を主な舞台にしていながらも昔話ではなく心に迫る。

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    2015年03月24日
  • 天璋院篤姫(下)

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    島津斉彬の養女として徳川十三代家定に嫁いだ天璋院篤姫の生涯。大奥ものってあまり好きじゃないから大河ドラマも観てなかったんだけど、読んだらまあ面白いこと。時代の流れに翻弄されながらも凛と生きる篤姫が格好いい名著。奥には表とまた違う戦いがあったんだなー、と食わず嫌いを反省。

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    2015年03月23日
  • 天璋院篤姫(下)

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    幕末の状況を大奥からの視点で描いてあり、とても勉強になりました。

    会話が少なく、なかなかボリュームがありましたが、後半はどんどん読み進められました。

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    2015年03月04日
  • 天璋院篤姫(下)

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    ドラマと比較しながらどんどん読めました。
    ドラマの中で印象に残っていて好きな大奥を閉めるときの
    篤姫の言葉は、小説にはないのですね。
    たくましく生き抜く信念の女性の物語は、
    読んでいて元気が出ます。

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    2014年09月09日
  • 天璋院篤姫(上)

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    大河ドラマの「篤姫」は、私の中では人生ベストドラマです。
    とてもはまりました。
    その原作を、時が満ちて、やっと読み始めました。
    サントラを聞きながら読んでいるので、各シーンも思い出されて、感動!
    「篤姫」素晴らしい女性です。

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    2014年09月07日
  • 鬼龍院花子の生涯

    購入済み

    んーー。凄い。

    映画は何度も見たが、原作は初めて読んだ。途中から自分の知っている「鬼龍院花子の生涯」とは違う話になってゆく。そうか、そういう話だったのか。と、今更ながら知った。すごい作品だ。とても感慨深い。

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    2014年08月22日
  • 藏 (上)

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    とにかく繰り返し読む。そんな種類の本になっている。
    特に好きなのは下巻ではあるが、やはり主人公烈の幼少期から読んでいくと下巻の読みごたえが違う。
    初めはなじめない越後なまりのセリフもす・・・っと入ってくるように、蔵の香りまで感じるように、世界に引き込まれてしまった本。

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    2014年04月26日
  • 天璋院篤姫(下)

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    すごく面白かった。
    運命に振り回されながら、でも徳川家の嫁として必死生きる篤姫。作中でも「一方だけを見て判断するな」というような言葉があったが、「和宮様御留」に続き今作を読んで両者の気持ちがどちらもわかるようで辛かった。(もっともあちらの和宮は替玉だったが。)

    開城前の天璋院の態度には感動した。大奥にいて、どこまで情報を得ての言動だったかはわからないけど、仕える女たちにとってはこれほど信頼できる人はいないだろうな。

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    2014年03月22日
  • 天璋院篤姫(下)

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    2
    大奥から激動の日本が移り行く様を切り取る視点は斬新。いや、私が知らないだけか。
    重厚な読み応えにも関わらず、一気に読んでしまった。
    初めての宮尾作品だっだが、別著も読んでみたいと思った。

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    2014年07月26日
  • 天璋院篤姫(下)

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    上巻では、政争の道具とされた養父斉彬への不信感や体の弱い夫家定に対する不安、また徳川の女になりきらない嫁・和宮への苛立ちなど、篤姫の苦悩ばかりが前面に出されていましたが、下巻の余生では和宮と和解し、家達の養育に尽力をつくす様は爽やかな読後感に導いてくれました。徳川家の繁栄のために尽くした篤姫の半生は、潔い侠気に満ちていた様に思えます。

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    2013年06月22日
  • 天璋院篤姫(上)

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    ネタバレ

    大河の原作だが大河のノリで読んではいけない。
    話の重厚さ、展開はやはり宮尾先生にはかなわない。とても読み応えのある話。
    大河の脚本には怒っていいと思う。

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    2013年10月05日
  • 天璋院篤姫(上)

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    時代の割に自由奔放に生きていた少女が将軍の正室となり大奥へ。
    そこでも自分を見失わず、江戸という大きな時代の終末を見届けた一女性の生き方に感動。

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    2013年02月09日
  • 東福門院和子の涙

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    日本史が大の苦手で、歴史小説を完読できたためしがないにもかかわらず、この本は頁をめくる手が止まらない勢いで読みすすむことができた。その意味で記念すべき☆5つ。

    今まさに大河で上野樹里ちゃんが演じているお江の娘であり、徳川家から皇室に嫁いだ和子(まさこ)の生涯を、侍女であるゆきの語りとして描かれている。江戸と京都、武家と皇族という全く異なる文化の中で、時代に翻弄されながらも凛と生き抜く和子のすがすがしさ、そしてもちろんついてくるのは大奥系女性のドロドロ人間関係。先述したように、歴史が全く苦手でこの時代に関する知識が皆無に等しかったのだけれど、ゆきという個人の目から見た私小説の形をとっているとは

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    2011年06月11日