宮尾登美子のレビュー一覧

  • 天璋院篤姫(下)

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    天璋院の生涯を描いた物語。この江戸から明治の激動の時代に震源地ともいえる徳川の本拠地の大奥のトップとしての対応を描いた物語。 家持の御台所である和宮との対立もありながら、明治維新を迎え、きちんと大奥を整理して明治政府に明け渡し、淡々とその後生き抜くところは素晴らしい女性であった。島津から来たとはいえ、最後は徳川宗家の13台御台所として、家達を養育し、無事に世間に出しても恥ずかしくない徳川宗家の跡取りとしたところなどは素晴らしい。
    ただ情勢としてあの時代に表立っての足跡を残せなかったのは少し残念である。 

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    2020年03月28日
  • 天璋院篤姫(下)

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    幕末という激動の時代を徳川家の人間として生き抜いた篤姫の話。
    終始、自分は徳川家の人間だから、嫁ぎ先の家が終焉の地だから、と誰よりも徳川家を想い守ろうとする姿勢は武士よりも武士であると感じた。
    (京都に戻りたい和宮との対比でもあると思うけど)
    家を思うが故の和宮との確執にハラハラしたが、倒幕後は打ち解けたようでホッとしました。
    自分の意思を曲げず女だからと臆せず主張し、また周りへ気遣いもできるところから、いろんな人に慕われるのは確かに頷ける。
    篤姫の人生を篤姫の気持ちは状況含めて読んでいたので、波乱の人生だったなと感じるとともに倒幕後は篤姫と同じようにゆったりとした気持ちになれたし情景がよく浮

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    2019年08月01日
  • 天璋院篤姫(上)

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     林真理子「正妻」からのリンクで本棚に入れる。
     倒幕から明治維新、激動の時代を生きた13代将軍家定の妻篤姫。薩摩藩今和泉家に武士の娘として生まれ、18歳で藩主島津斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて江戸城に送り込まれる。公家にせよ武家にせよ、上流社会の結婚はほぼ政略婚。恋愛感情など感じるまもなく結婚させられ、婚家に入るともはや実父母に会うこともままならない。ましてや将軍の正室ともなると自分の時間などありもしない。トイレに行くとき寝るときにまで見張り番がついているそうな。男子禁制の大奥は女性ばかり3000人の大所帯。贅沢三昧の日々とはいえ、自分勝手にできる時間などかけらもな

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    2017年07月01日
  • 藏 (下)

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    映画から入った作品。
    宮尾氏の作品は映画から入るのが多い。多分戦前の日本のイメージが私に乏しいからだと思う。
    女が不遇であるのはわかるのだけど、慎重で賢いと思わせる意造が思いの外身勝手であった。

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    2016年09月08日
  • 天璋院篤姫(下)

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    大河ドラマの篤姫をあらためてみたので、原作もまた読み返してみました。ドラマ以上に、篤姫の苦悩を感じました。篤姫の慶喜嫌い。次は、最後の将軍をもう一度読みたくなりました。

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    2016年08月18日
  • 天璋院篤姫(下)

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    一本筋が通った女性、篤姫、本当にかっこいい。子として、妻として、母として、大奥の主として、姑として、いつも凛として背筋が伸びてる。飼い猫がよく部屋を間違えてて、「おまちがい、おまちがい」というエピソードは、その光景が目に浮かび、可愛かった。

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    2015年08月07日
  • 天璋院篤姫(上)

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    2015.2.7
    大奥の政治介入。女性は怖いね。
    徳川家と島津家の間で葛藤する篤姫。
    日本の最高軍事責任者である家定の本音、弱さ。それを優しく包容する篤姫。
    家定の弱さというか、女々しさが印象的だった。同情します。

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    2015年02月07日
  • 天璋院篤姫(上)

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    江戸時代末期の徳川家。篤姫は九州薩摩の藩士の娘で、13代将軍家定に嫁ぎ、江戸城の3千人の女中を統べた。お姫様の言葉遣い、嫁入り道具や髪型や着物、娯楽やお手洗いなど、当時の文化がとても興味深かった。また、江戸末期の徳川幕府と天皇家との関係について読むのも面白かった。一番感心したのは、和宮のお嫁入りの道中で、同じサイズの鯛を毎日調達して食べさせたというくだり。
    天皇の妹で京都の生活を忘れられない嫁との不仲があったようだが、明治維新後に和解し、ほんわりとしたラストになっている。
    この本を読んだのが、大河ドラマの後だったので、主役の宮崎あおいさんの印象が強くて、常に彼女の顔が浮かんだ。
    長い小説だが、

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    2014年10月21日
  • 天璋院篤姫(下)

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    下段は一般的に知られている「天璋院篤姫」のことが中心に書かれている部分です。しかし、読み進めていくと、大奥取締役として、和宮の姑として、そして徳川家落城の際の江戸城を守る人として、自分に厳しく周囲の状況を正確に判断し人や物事を采配してきた人ということがよくわかりました。厳しく怖い人というイメージだった天璋院だったが、下段を読んでイメージがかわりました。非常に悲しみに耐え、幸せに飢えた、優しく、そしてカッコイイ人でした。

    「男として生まれたら・・・」という言葉がありました。篤姫自身も思うほど、男だったら、この人が天下人だたかもしれないと思うほどの力量のある人でした。

    余生は、神様も篤姫に少し

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    2014年08月30日
  • 天璋院篤姫(上)

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    幕末の動乱の中を生き抜いた一人の女性「天璋院篤姫」。今で言えば高校生くらいの時に生家を離れ、養女として藩主斉彬の下で暮らし、江戸城へ嫁ぐ。
    嫁ぐというよりは嫁がされたというのが正確かもしれない。篤姫自身も嫁いでから、江戸城に嫁ぐまでの出世が、どんな意味を持っていたのかを知る。
    つまり…養父の斉彬の密命のために、形式的な結婚であった。篤姫は江戸城にスパイに入ったようなものだった。

    この時代の女性は、旦那様と幸せに暮らし、特に子供をたくさんもうけ、子孫繁栄を願う人が多かったと思います。篤姫もこの時代としては非常に賢い女性だったが、幸せになりたい気持ちは、誰とも変わらないものを持っていたと思いまし

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    2014年08月30日
  • 天璋院篤姫(上)

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    最近和宮の話を読んで、それが公家言葉で難しかったせいか、こちらはすごく分かりやすく感じる。もちろん完全に理解できてるわけじゃないけど。
    篤姫は賢いばかりでなく気遣いの人なんだなあ。
    家定の体調のことを知った上で斉彬がこの結婚をさせたのだとしたら、優しそうな笑みの裏に冷淡な顔があったのかなと思ってしまう。
    女の使い道とはそういうものであったのかもしれないが。。

    「この行列は陸続と続き、先頭が江戸城へ入ったあとでも、後尾はなお渋谷邸を出発しておらず、早朝から日没まで毎日毎日、人を送ったあとは調度品送りとなって、都合六十五日間続いたという」(P273)
    どんだけすごいの!?

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    2014年03月18日
  • 鬼龍院花子の生涯

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    読み進める途中、何度か「花子の生涯」ではなく鬼政、あるいは松恵の生涯に思う。
    でも読み終わって思った。
    宮尾氏が書いたのは「花子の生涯」ではなく「(松恵が語る)鬼龍院花子の生涯」なんだと。

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    2013年08月14日
  • 天璋院篤姫(下)

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    読んでいると宮崎あおいの顔がチラチラします。
    滝山役は稲森いずみさんでしたが、本のイメージとは違いますね…
    田渕シナリオとNHKキャストに少し疑問を感じましたが、わかりやすい本ですね。

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    2013年06月29日
  • 天璋院篤姫(下)

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    一本芯の通った女、というのがよく表されていると思う。
    あの時代の、自分の感情だけでなく立場とか周囲を考えて生きねばならなかった苦悩は現代人には分からないけど、それ故に天璋院の良さが光っている。
    多少堅苦しくはあったが天璋院について知りたいなら一度読んでおくといいかもしれない。

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    2013年04月28日
  • 天璋院篤姫(上)

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     薦められて一気に読破。手元に置いておきたくて購入。
     歴史、それも江戸末期がこれほど面白いとは!とかく、男の視点で語られる歴史を、女の視点から見ると、こんなにも面白いのか!
     宮尾登美子さんの筆の力も大きいのでしょう。読み応えがありました。
     私の歴史スイッチを軽々とONにした作品です。

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    2012年12月04日
  • 天璋院篤姫(上)

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    言わずと知れた2008年NHK大河ドラマの原作。
    昭和59年の作とのことですから私が社会人になった年です。当時は会社に入って舞い上がっていたので小説などほとんど読んでなかったのでしょう、全然知りませんでした。
    テレビ版の宮崎葵と堺雅人に惹かれて原作を読むというミーハーな流れではありますが、原作とは別の面白さがありました。
    巻末に付いてる綱淵謙錠さんと宮尾登美子さんの対談を読むと、和宮との対比で「徳川の姑の立場」から宮尾さんが篤姫を描こうとされた事情が理解できます。天璋院の「強さと孤独」に惹かれて一気に読み通してしまいました。
    昔、有吉佐和子さんの「和宮様御留」をとても面白く読んだ時には天璋院の

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    2012年08月15日
  • 天璋院篤姫(上)

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    ネタバレ

    十八歳で藩主斉彬の養女となった篤姫は薩摩島津家分家に生まれた学問好きな姫であった。その才覚、器量を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を十三代将軍家定の正室として江戸城に送り込んだ。形ばかりの結婚に耐え、病弱な夫を支え将軍御台所として大奥三千人を見事に統べる篤姫には、養父斉彬の密命が…。2008年大河ドラマ原作。

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    2012年07月22日
  • 新装版 一絃の琴

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     NHKの篤姫からひかれて読んだ本です。 ちゃんとされた直木賞のいい本です。何度かうまく行かなくて宮尾さんが書き直しされているそうです。
     初さんやお手伝いのおばあさんが印象に残ります。
     パワーを感じる必読の本。
     いいほんです。

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    2012年06月20日
  • 東福門院和子の涙

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    やっぱり宮尾さんはスゴイ!ぜひ大奥みたいにどろどろしたドラマとして観てみたいなと思いました。歴史の一部を覗かせてもらったようで、とても読み応えのある物語でした。女とは悲しくも強きもの、流れに身を任せながら人生を歩んでいくその端々で感じたものとは人それぞれに違うけれども、流した涙は同じようなものだったのかもしれません。

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    2012年04月04日
  • 新装版 一絃の琴

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    友人の「2011年に読んだ本リスト」からのおすすめで。

    苗と蘭子、一弦琴に魅せられたふたりの女の生き様。

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    2012年01月22日