あらすじ
激動の幕末維新、薩摩の島津家から徳川13代将軍家定に嫁いだ篤姫――しかしその結婚生活は、短く、そして常ならざるものであった……。2008年NHK大河ドラマ「篤姫」原作。
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これが宮尾先生の初歴史作品だったんですね。
ちょうど大河で『篤姫』の再放送をしているので、読み直しました。
篤姫の心の動きがわかって、せつなかったです。
Posted by ブクログ
2022/06/04 読み終わった
大河ドラマはあんまり見ないけど毎回主題曲だけよく聴いていて、中でも篤姫のOPテーマは好きだった。このたび機会が有ったので読んだ。
大変面白かった。間違いなく暫定で今年一番の読書体験だった。
歴史的にみれば倒幕側の生まれでありながら、徳川幕府の最期にその中枢にいてその終焉を目の当たりにしつつも、次の世代へと遺志を継ぐ。そんな篤姫の運命や生き方に、背筋をピンとしたり、涙をぐっとこらえたり…。
それと同時に、何もかも篤姫の思い通りにいかない幕内政治や世の趨勢を見て、世の中きれいごとだけでは動かないものだとも思った。女性だからなのか、それとも篤姫が高潔でありすぎたのか。
また、明治維新を倒幕側からしか今まで見たことが無かったので、幕府側の最期ってこんな感じだったんだという発見もあった。戊辰戦争で江戸に攻めてくる倒幕軍を待ち受ける江戸城内の戦々恐々とした状態や、その中で屋台骨として皆の支えになり続けた篤姫の強さを考えるとグッとくる。こちらも、今は江戸城無血開城とその後の徳川宗家のことも知っているけれども、当時の江戸城内はそんなこと知らないもんね。
巻末、歴史家の網淵謙錠さんと著者の宮尾さんの対談あり。こちらも、本作以前の篤姫観(和宮をいじめた姑、というイメージがあったそうだ)とそれに対して宮尾さんが違和感を覚えられていたということを聞き、なるほどねと。
2008年大河のイメージしかない自分としては、背景を知れたこともいい読書体験だった。
一人の女性の一生を描いた話として、山崎豊子さんの「花のれん」と同じくらい没入した。また読みたい。
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はなから世継を持てないと分かっていながら家定の正室を命ぜられたのは明らかに陰謀。女としての悦びを考える間もなく大奥の統括を任され、水戸と紀州の確執に翻弄され、ハリスからは矢のような通商要求。
かつて多くの女帝がいた。北条政子という将軍に代わって実権を握った女もいた。しかし篤姫ほど日本という国家の命運と哀しみを背負った女性はいただろうか?その思いを自分が知ってる幕末史に重ね合せると、下巻を読む前から涙が止まらない。
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大河ドラマの「篤姫」は、私の中では人生ベストドラマです。
とてもはまりました。
その原作を、時が満ちて、やっと読み始めました。
サントラを聞きながら読んでいるので、各シーンも思い出されて、感動!
「篤姫」素晴らしい女性です。
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大河の原作だが大河のノリで読んではいけない。
話の重厚さ、展開はやはり宮尾先生にはかなわない。とても読み応えのある話。
大河の脚本には怒っていいと思う。
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時代の割に自由奔放に生きていた少女が将軍の正室となり大奥へ。
そこでも自分を見失わず、江戸という大きな時代の終末を見届けた一女性の生き方に感動。
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薦められて一気に読破。手元に置いておきたくて購入。
歴史、それも江戸末期がこれほど面白いとは!とかく、男の視点で語られる歴史を、女の視点から見ると、こんなにも面白いのか!
宮尾登美子さんの筆の力も大きいのでしょう。読み応えがありました。
私の歴史スイッチを軽々とONにした作品です。
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長く積んでたけどしっかり読んでみると面白くてどんどん進む〜!!篤姫のこの時代の女性らしいところも少年のような目を輝かせるところも落ち着いた女主としての顔もまるで政治を担う大人の男のような顔も全部面白い……周りのキャラクターも篤姫のいろいろな魅力を描くためにすごく効果的なキャラクターとして描かれててすごい。あと単純に敬語がものすごく好きなのでそういう身分だからこその敬語でのやり取りうっとりする……。下巻も楽しみ!
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篤姫の出世から家定への三番目の御台所へ上がる経緯を上巻では描かれている。
篤姫のこころの動きを丁寧に描写し、島津今和泉家時代の奔放な女の子から、徐々に階段を上がるように境遇も思考も変わってくる様は、読者の興味を誘う。上巻の前半は少し退屈するが、後半から下巻まで一気に読み進みたくなる。
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なかなか幾島、家定との関係性が面白い。
多分映像で見たはずだけど、あれは役者の見栄えもあるだろうから幾島のコブに関しては無かったものとして役者がやってたような気がしたけど、これは結構物語に重要な要素だと思った。
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幕末の時代に翻弄された女性のイメージで読み始めたが、大河ドラマの配役もなんとなくイメージしつつ、楽しく読み進められた。上巻は、本家の養女になり、13代将軍御台所までの お話だが、自分の運命に逆らわず、その時の置かれた立場で力を発揮する。私はそういう生き方を尊敬する。
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面白かった
激動の幕末を生き抜いた十三代将軍家定の妻篤姫の生涯を描いた作品
上巻では
薩摩・の島津家の分家・今和泉家に武士の娘として生まれた篤姫は、18歳で島津家当主・斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて将軍家定に嫁ぎます。
しかし、家定は心身ともにとても病弱。
夫婦としての生活もままならない状況で、大奥の特殊な生活を送っていきます。
大奥三千人の女たちとの確執。
大奥のしきたり。
そんな中、慶喜との面会では、慶喜のあまりの態度にショックを受け、次期将軍に押すべきなのか?
結局、継嗣争いでは、破れてしまうことに。
しかし、下巻では、そんな慶喜との確執が..
徳川家に嫁いだ篤姫の想い、覚悟がひしひしと伝わってきます。
そして、下巻に続く
Posted by ブクログ
林真理子「正妻」からのリンクで本棚に入れる。
倒幕から明治維新、激動の時代を生きた13代将軍家定の妻篤姫。薩摩藩今和泉家に武士の娘として生まれ、18歳で藩主島津斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて江戸城に送り込まれる。公家にせよ武家にせよ、上流社会の結婚はほぼ政略婚。恋愛感情など感じるまもなく結婚させられ、婚家に入るともはや実父母に会うこともままならない。ましてや将軍の正室ともなると自分の時間などありもしない。トイレに行くとき寝るときにまで見張り番がついているそうな。男子禁制の大奥は女性ばかり3000人の大所帯。贅沢三昧の日々とはいえ、自分勝手にできる時間などかけらもない。部屋の端に寄って庭を眺めるとこともとがめられたとある。ほんと武士って上下関係やしきたりがめんどくさそう。
体とおつむが弱いという家定は「おわたり」も少なかったが、寝床を共にしても男女の行為に至ることは決してない。(そんな時にも控えの間にはおつきの者が…)そんな薄~い関係でも夫婦の絆はお互いに感じていたはず。同じ敷地内に居ながらにして病気の夫を見舞うことも、死に目に会わせてもらうこともできなかったのはさぞ無念なことだったかと思う。
そしてこの小説の見どころ(読みどころ)は十四代将軍家茂の正室和宮との確執。自分の実母を京都から江戸に連れてきて大奥内に住まわせているその甘ったれぶりと、何かにつけ公家流京都方式で生活しようとする和宮にきりきりする篤姫は大奥関連小説の大スターだ。
しかし、崩れかかっている徳川家をなんとかして守りたいという意気込みは男子以上だ。さすが武士の娘、根性が違う。天下を取った新政府の薩摩藩から戻ってこないかという誘いにも乗らず、お金に困ってるはずなのに島津家からの年三万両の申し出も断り、徳川をつぶした人たちの情けは受けないというまさに武士の中の武士。江戸城明け渡しと同時にさっさと京都へ戻った和宮とは根本が違う。
身も心も徳川に忠誠を尽くす篤姫にとって、部下を捨てて逃げてきた慶喜のことは相容れられないのでしょう。幕府を崩壊させたのは慶喜のせいだと思っているし、家茂は慶喜に暗殺されたと信じて疑わない。徳川宗家の人間は決して慶喜の一族と婚姻関係を結んではならぬとの遺言を残し、48歳でこの世を去る。
篤姫が亡くなった翌明治17年、家族令が定められ、日本の華族に公侯伯子男の称号が贈られた。徳川宗家は筆頭の公爵、三家(水戸、尾張、紀伊)三卿(田安、清水、一橋)もそれぞれ侯、伯を受け、慶喜の四男は男爵となった。…そして話は「元華族たちの戦後史」(戦後の華族没落史)へと流れていく。
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2015.2.7
大奥の政治介入。女性は怖いね。
徳川家と島津家の間で葛藤する篤姫。
日本の最高軍事責任者である家定の本音、弱さ。それを優しく包容する篤姫。
家定の弱さというか、女々しさが印象的だった。同情します。
Posted by ブクログ
江戸時代末期の徳川家。篤姫は九州薩摩の藩士の娘で、13代将軍家定に嫁ぎ、江戸城の3千人の女中を統べた。お姫様の言葉遣い、嫁入り道具や髪型や着物、娯楽やお手洗いなど、当時の文化がとても興味深かった。また、江戸末期の徳川幕府と天皇家との関係について読むのも面白かった。一番感心したのは、和宮のお嫁入りの道中で、同じサイズの鯛を毎日調達して食べさせたというくだり。
天皇の妹で京都の生活を忘れられない嫁との不仲があったようだが、明治維新後に和解し、ほんわりとしたラストになっている。
この本を読んだのが、大河ドラマの後だったので、主役の宮崎あおいさんの印象が強くて、常に彼女の顔が浮かんだ。
長い小説だが、読んでよかった。お勧めしたい。
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幕末の動乱の中を生き抜いた一人の女性「天璋院篤姫」。今で言えば高校生くらいの時に生家を離れ、養女として藩主斉彬の下で暮らし、江戸城へ嫁ぐ。
嫁ぐというよりは嫁がされたというのが正確かもしれない。篤姫自身も嫁いでから、江戸城に嫁ぐまでの出世が、どんな意味を持っていたのかを知る。
つまり…養父の斉彬の密命のために、形式的な結婚であった。篤姫は江戸城にスパイに入ったようなものだった。
この時代の女性は、旦那様と幸せに暮らし、特に子供をたくさんもうけ、子孫繁栄を願う人が多かったと思います。篤姫もこの時代としては非常に賢い女性だったが、幸せになりたい気持ちは、誰とも変わらないものを持っていたと思いました。スパイだと知った時の悲しさ、夫と交わりのない暮らし、御台所としての責任・・・
本当に篤姫にとって結婚して何が幸せだたのだろうかと、ホンのページをめくるたび思いながら読みすすめました。
上段は継子問題で苦しむ篤姫のところで終わりです。自分が後継を産めないことを心底悩む様子がひしひしと伝わってきました。
Posted by ブクログ
最近和宮の話を読んで、それが公家言葉で難しかったせいか、こちらはすごく分かりやすく感じる。もちろん完全に理解できてるわけじゃないけど。
篤姫は賢いばかりでなく気遣いの人なんだなあ。
家定の体調のことを知った上で斉彬がこの結婚をさせたのだとしたら、優しそうな笑みの裏に冷淡な顔があったのかなと思ってしまう。
女の使い道とはそういうものであったのかもしれないが。。
「この行列は陸続と続き、先頭が江戸城へ入ったあとでも、後尾はなお渋谷邸を出発しておらず、早朝から日没まで毎日毎日、人を送ったあとは調度品送りとなって、都合六十五日間続いたという」(P273)
どんだけすごいの!?
Posted by ブクログ
言わずと知れた2008年NHK大河ドラマの原作。
昭和59年の作とのことですから私が社会人になった年です。当時は会社に入って舞い上がっていたので小説などほとんど読んでなかったのでしょう、全然知りませんでした。
テレビ版の宮崎葵と堺雅人に惹かれて原作を読むというミーハーな流れではありますが、原作とは別の面白さがありました。
巻末に付いてる綱淵謙錠さんと宮尾登美子さんの対談を読むと、和宮との対比で「徳川の姑の立場」から宮尾さんが篤姫を描こうとされた事情が理解できます。天璋院の「強さと孤独」に惹かれて一気に読み通してしまいました。
昔、有吉佐和子さんの「和宮様御留」をとても面白く読んだ時には天璋院のことは全然意識に残っていませんでした。
歴史とは不思議なものです。さっきの対談には「あの当時、将軍さまが男女の語らいもできないということは、ほとんど下々まで知られていたようでして、・・・」と綱淵さんが話していて、それを宮尾登美子さんが「脚色」して、さらにNHK大河ドラマでは脚本の田淵久美子さんが思いっ切り現代風にアレンジしてあって、堺雅人の「うつけ」ぶりに僕らが感動しているっていうは、ほとんどこっけいでもあります。
books110
Posted by ブクログ
幕末頃が好きなので読んでみた。上巻では篤姫ご幼少頃から、将軍家定後嗣問題あたりまでを扱う。幕末好きと言う自分の観念と対話をする時間がとても気持ちよかった。幕末はくめどもくめども尽きない魅力があると思っている。いろいろ専門の方は僕みたいな意見を持たれてることだろう。家定が将軍なのにお菓子を作っていたなどマニアックな史実も知れて知的好奇心も満たせる。なお、本書の語彙レベルは比較的高めで、もっていた広辞苑を導入するほどだった。下巻に続く。
Posted by ブクログ
この春(2023年4月)からNHK BSプレミアムで2008年に放送された大河ドラマ「篤姫」が再放送されると云うことで読む。この時代、最近では「青天を衝け」で見たけど、描く視点が変われば当然ストーリーは変わるのね。その「青天を衝け」では萌音ちゃんだった篤姫。知ってたけど、あさの姉ちゃんがどう演じるのか楽しみ
Posted by ブクログ
今更ながら。もうずいぶん前から自室には積読かれていたんだけど。篤姫が鹿児島出身ということをガイドブックで知り、慌てて手にしたもの。最近、歴史小説がどうも自分の波長と合わなくて、本作も、ただ時系列で語られているだけという印象が拭えない。気が付いたらページだけ進んでた、みたいなこともしばしば。
Posted by ブクログ
大河ドラマ「西郷どん」に登場したのを見てどんな人か興味を持ったので読んでみた。
これ以上読むとドラマの進行を追い越してしまうので、とりあえず上巻でやめておこう。
Posted by ブクログ
大河ドラマは見ないので、真っ白な状態で読みました。
強い女性の話が読みたくて選んだんですが
読み進む内に気づいたんですが、賢く優しい
女性の話でしたね
どの人物も実によく作りこまれていて、特に母のお幸や
幾島が素敵です
家定との独特の関係に揺らぐ篤姫の無意識のうちの
度量の大きさゆえの優しさに感服。
我が身をふりかえり反省しきり…
篤姫のような人は本人は無言で何もしなくても
気づいたら中心にいたりする人物なんですよね
いつも可憐な宮崎あおいちゃんとイメージが正反対…。
あまり時代小説は読まず歴史エッセイばかり
読んできたので、人名でちょっと苦労しましたが
時代小説も面白いなあと気づかせてくれました
即下巻へGO!
Posted by ブクログ
外様大名の分家筋のお姫様が御台所として出世を果たし、大奥を統べ滅びゆく徳川幕府を賢明に支えていった篤姫の生涯の物語。こう書いてしまえば、至極あっさりであるが、なにせ権謀術策が複雑に絡み合う幕府中枢のお話であり、故に奥といえども簡単ではない。まずもって、何故島津の姫が御台所にというとこから何やらきな臭い。そして、へたな中小企業の社員数より多い大奥の女を統率することからして難問である。上巻は島津斉彬より受けた密命により世継を水戸藩の息がかかる慶喜にするのか、はたまた自分の直感を信じて幼少ではあるが家定とするか、出身母体と嫁ぎ先のそれぞれの理で揺れる話が印象的である。
Posted by ブクログ
最近、いろいろなジャンルの本を読んでいる。
一時期は、自己啓発本を中心にしていたけど、やっぱり、普通の
小説が面白い。
そこで、昔マイブームだった歴史小説。司馬遼太郎さんの
歴史小説が好きだった。
で、今回手に取ったのは、「天璋院篤姫」。
読み始めて、言い回し、方言?、昔言葉?が読みにくい。。。
でも、この本から得たのは、人の上に立つ人間は、男性でも、
女性でも、感情的になってはいけないんだなぁー思った。
また、人の上に立つえらい人だからこそ、人よりも人一倍
気がつく事が必要なんだとね。
あと、後半、読みにくさに負けず、がんばって読みきろう!
Posted by ブクログ
江戸時代末期。時代の変わり目に徳川へ嫁いだ篤姫の生き方。
上編は運命の導かれるままに生きる篤姫。
女性なのに男性と同じように学問をしていたことから、人間が磨かれていった。
Posted by ブクログ
今年の大河ですよね〜。
出演している役者さん(宮崎あおいちゃん、堺雅人さんなど)が結構好きな方々ばかりなので、初めから観ておけばよかったな〜と、今思っております。
「篤姫」と言われても「誰だそりゃ」という印象しかなかったのですが、ついこの間何かの番組(香取君が司会してるやつ)で篤姫のことをいろいろやっていて、とても魅力的な人物のようだったので興味を持ち、この本を買いました。
徳川家のことや、大奥のことがたくさん出てきますが、事前に新選組を見たり読んだり、大奥のこともこの間本でちょっと調べたりしていた甲斐あって、以前ならわからなかった語句(中臈とか、御錠口とか)もすんなりわかって読みやすかった。
最近、いろんな本を読んで思うことだけど、「現代に生まれてよかった〜!」とこの本を読んでも思った。
結婚も自分の自由にはならなくて、例え旦那が生理的に気に入らない相手でも、従わなくてはいけない……。
ゲー。
まあ、私が昔に生まれていたら、そんな政略結婚に利用されるような身分の高いお姫様なんかじゃないと思いますけど…。
それにしても、自分の夫が死んでるんだかどうだかも確認させてもらえないなんて……。
不自由な生活だなぁ。
下巻が楽しみ。