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徳川2代将軍の娘和子(まさこ)は、史上初めて、武家から朝廷に嫁ぎ、「稀なる福運の姫君」と称えられた。戦国を毅然として生きた女性・お市の方の血を引いて、自らの苦悩は決して語らない女性であったが、宮廷の冷たい仕打ちは、中宮の紅絹(もみ)の布が知っていた……。涙を秘めた慈愛の国母を描いて、深い感動をよぶ長編小説(講談社文庫)。
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Posted by ブクログ
日本史が大の苦手で、歴史小説を完読できたためしがないにもかかわらず、この本は頁をめくる手が止まらない勢いで読みすすむことができた。その意味で記念すべき☆5つ。 今まさに大河で上野樹里ちゃんが演じているお江の娘であり、徳川家から皇室に嫁いだ和子(まさこ)の生涯を、侍女であるゆきの語りとして描かれてい...続きを読むる。江戸と京都、武家と皇族という全く異なる文化の中で、時代に翻弄されながらも凛と生き抜く和子のすがすがしさ、そしてもちろんついてくるのは大奥系女性のドロドロ人間関係。先述したように、歴史が全く苦手でこの時代に関する知識が皆無に等しかったのだけれど、ゆきという個人の目から見た私小説の形をとっているとはいえ、当時の文化や風習、女性の生きざまなどがリアルに伝わってきてとっても興味深い、おもしろい。この時代の人たちは、歳幼くして自らのさだめを負い、責任感を持ってそれを果たそうとするのだなぁと感心してしまう。なかなかわからない言葉も時折あり、検索しながらも一気読みしてしまいました。歴史は苦手、歴史小説はちょっとね・・・という方にもぜひ手に取っていただきたい一冊。
史上初、武家から朝廷に入内した徳川家の和子姫の物語。和子姫はお市の方の孫にあたる。生涯姫に仕えた侍女の回顧して語る口調になっていて、ちょっと読みにくく感じたが、読み始めると面白くてどんどん入っていけた。姫は才能豊かで美しいにもかかわらず、帝付きの女房達には、女御扱いされず、侮られているところなど、む...続きを読むかっ腹が立つ。でも、徳川家の圧力も相当なものだったようなので、無理も無いかも・・。皇族側から見た話も読んでみたい。
解説にあるように、「天璋院篤姫」が江戸瓦解時の女性の生き方を描いたもので、これは江戸初期のそれを描いたもの。女性の生き方を通してその時代全体を捉える。 男社会で、女性が裏から活躍して動かした、みたいな本もあるけど、道具として強制的に参加させられ、その中で誇りや矜持をもってよく生きたというふうに思え...続きを読むる。教科書にある男性だけの歴史とは角度を変えて、歴史をみられると思う。 東福門院作の押し絵を検索して、見た。花を付けた桃の枝。きれい。
東福門院に興味をもったのは2年前サントリー美術館の「寛永の雅」を観に行ったから。小堀遠州、狩野探幽、野々村仁清が活躍した時代。宮廷文化の中心となった後水尾天皇と東福門院和子。 前半は和子の母お江与の方の説明や、家康の天下取りについて長々語られている。この頃の歴史をざっと振り返るにはよいが、和子さんが...続きを読むなかなか出てこない。主題は孤立無援の宮中で和子さんが、どれだけ苦労し、涙を流し、それでも気高く生きたか、という事が江戸城から女中として一生奉公したゆきさんから語られる。宮尾さんだから仕方ないが「女」を前面に出した作品だった。和子さんの文化的貢献についてももう少し記述があるとよかった。出てくるのは雁金屋くらい?
やっぱり宮尾さんはスゴイ!ぜひ大奥みたいにどろどろしたドラマとして観てみたいなと思いました。歴史の一部を覗かせてもらったようで、とても読み応えのある物語でした。女とは悲しくも強きもの、流れに身を任せながら人生を歩んでいくその端々で感じたものとは人それぞれに違うけれども、流した涙は同じようなものだった...続きを読むのかもしれません。
徳川幕府で唯一朝廷に嫁いだ和子。 その人生をえがいたものであるが、 感想。。。女って悲しいなあ、というのが一番。 篤姫でもそうだったけど、貴族と武士、というのは相容れないのかな、 と思った。
最初が全然進まず、入内からやっと面白くなる。 お江与の娘なので勝気かと思っていたらしおらしく柔和な方で、全然イメージが違っていた。 我慢の人でもあり、徳川からみた和子だけど、御所の人からみた和子はどんな人か知りたくなった。
二代将軍、徳川秀忠と江姫との間に産まれた「徳川和子」の一生を侍女の視点から描く。 当時は当たり前だったであろうお家の為の結婚、京都と江戸の価値観の違い、江戸期の朝廷の様子など、物語と合わせて時代背景を読み取るのも面白い。 武家から朝廷へ嫁ぐという前代未聞の結婚を静かに受け入れる和子姫。その強さ、...続きを読む健気さに涙が止まらない。
85 武家の子として禁中へ嫁ぐことは、男子以上に並々ならぬ覚悟が必要だった時代 和子姫はそれでも徳川のため、国のために、帝に尽くし、己の本分と重責を果たすべく、過酷な定めを生きるのである
「篤姫」を読んで俄然面白くなってきた江戸時代。幕末を生きた篤姫に対し、徳川幕府が開かれた頃は・・と選んだのが、この本。二代秀忠と江の間に生まれ、天皇家へと嫁いだ娘 和子の一生を、おつきの女性からの視点で語るというもの。 当時の文化、風習がよくわかり、読み応えがありました。自分の思いとは別のところ...続きを読むで決められた定め。それに身を任せることしかできなかった時代。それでも、凛として歩んでいった和子のことを思うと、小さなことでイライラしてたらいかんぜよ!と思うのです。やっぱり好きだな~この時代。
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東福門院和子の涙
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宮尾登美子
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