小谷賢のレビュー一覧

  • イギリスの情報外交 インテリジェンスとは何か

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    第二次世界大戦中、イギリスはいかにして窮地を脱したのか。そのキーワードは「情報」です。情報がいかに重要であるかが、よくわかる本です。

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    2009年10月04日
  • SNS時代の戦略兵器 陰謀論 民主主義をむしばむ認知戦の脅威

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    レビューを書く前にもう一度読書の内容を考える時間が自分には大切で。しかし、この“まとめ“の時間が主観的な解釈を許し勝手なストーリーを作り出す。水が流れやすい方向に引き寄せられるように、社会は複雑な真実よりも、より印象的で単純化された物語に吸い寄せられる。

    因果関係の解明こそ科学だとすれば、生け贄を焼き続けていたら雨が降ったという事象を安易に結びつけるのが信仰だ。カーゴカルトなんかもそうだ。テロリズムや地震、外国人の日本流入さえも、何かに結びつけて解釈する。その背後に巨悪がある、と考えたくなるのは本能的なものでもあるのだろう。

    この“巨“というのがミソで、自分の力が及ばない悲観的な何か。巨大

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    2025年11月22日
  • インテリジェンス ――国家・組織は情報をいかに扱うべきか

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    インテリジェンスの入門編。2025年、アメリカのトランプ大統領が全CIA職員を対象に早期退職を提案した。そもそもCIAはどのようにして誕生したのか?彼等は何をしており、何を求められているのか?等、CIAに関する知識の下地作りにちょうどよい内容。さらに著者が日本人読者を意識してなるべく日本の事例を取り上げてくれているため、欧米一色とならず、日本国民としての当事者意識を持ちながら読めた。

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    2025年09月17日
  • 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか

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    本書で指摘している日本インテリジェンスの問題の本質は2つあると感じる。一つは成功体験に溺れる。日露戦争やシベリア出兵で日本のインテリジェンスを支えたのは石光真清であり明石元二郎。つまり個の力。個人の力量で成功したがために組織として強化という概念がなかった。もう一つは価値判断の誤り。組織内で過小評価されていたということは、インテリジェンスのモチベーション激落ちではないか。どうだろう。これらってまさに現代日本企業の凋落構造と瓜二つでは?

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    2025年08月28日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    ネタバレ

    超伝奇モノとかちょっとアレな警察モノを読んできたならば、内調というコトバの響きに青春の輝きを思い出すんではなかろうか。

    現実はお寒いもので、戦後70年かけてようやく諜報組織の形が整ってきたというところらしい。仕方あるまい。建前上、軍隊を持たない日本では組織の取り付けも困難であろう。
    安倍元首相はある筋にめっぽう恨まれ、暗殺の直後から年をまたいでもねちこくその死を祝福されてきた。安倍政権で日本のインテリジェンス組織が一皮むけたことを知れば、ここにも理由があったかと首肯するしかない。

    ある読書体験から外務省()と思うようになったが、本書でその思いは強化された。
    本書は2022年刊行である。当時

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    2025年05月30日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    防衛関連の研究家であり、危機管理の専門家である著者による日本の「インテリジェンス・コミュニティ」の変遷について書かれた本。

    「インテリジェンス」とは国家の政策決定のために行われる情報分析や防諜活動を指す。普段表に出てくることは少ないが公安や外交、防衛を担う「国家の知性」である。
    このインテリジェンスを司る日本の組織が、WW2の敗戦後の解体・再組織されてからどのようにして現代に至ってきたかについてコンパクトにまとめられている。

    元々インテリジェンスについて関心があったわけではないが、サイバー攻撃や激変する国際情勢を受けて情報収集能力・解析能力の重要性は加速的に高まっている。その中で、なかなか

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    2023年04月02日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    戦後日本の情報収集活動について。
    戦後、日本は独自の安全保障外交方針を策定する必要がなかったこと、戦前の省庁縦割りを引き継いだことから、統合されたインテリジェンスコミュニティと呼べるような体制が形成されてこなかった。軍へのアレルギーから、情報収集体制を埋めてきたのは主に警察である。
    しかし、冷戦後の環境変化などから、徐々に機能強化が図られていった。第二次安倍政権で、秘密保護法制や国家安全保障会議が整備され、他国と同じスタートラインに立てる体制が整えられた。

    安倍政権は、成長戦略については無策だったと批判されるが、やはり安全保障の分野では一定の地歩を築いたのだと改めて感じた。

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    2023年03月12日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    冷戦期までは資料もしっかりしているのか、スリリングによめる。ただ安倍政権での動きなどは、著者の立場と主張が全面に出ており、やや辟易した。

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    2023年02月13日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    やっとここまで来たけど、ほんともう間に合わないんじゃ無いのかと思う。
    リベラル、自由はいいんだが、日本の場合は、それを神聖視し過ぎて、まさにやりたい放題です、誰でも入ってきてください、何を持って行っても何を持ち込んで来てもいですよって通ってきた。
    冷戦体制で、米国がいたから、さほどの危険に面していなかったから。
    その間に、浸透してきた物の害は大きいんだと思う。なんせ、日本が壊れたって構わないし、むしろ、壊したいという人たちが同じ顔をしているんだから。

    それにしても近視眼だよなあ、須く。
    日本という国を対局から俯瞰する目が全くない。去年の7月にほぼ壊滅した。

    間に合いますかね。

    薄い本だが

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    2023年01月22日
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで

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    読む世代によって感想は異なると思う。
    冷戦前に日本で起きていた事案。
    冷戦後に起きていても記憶に残ってない事案。
    国際関係で色々と知らない事案があったことを痛感。

    そして秘密保護の必要性も理解できた。
    開示されないこと、開示しない理由に納得できないこと。
    理解できるような説明ができていたなら漏洩なのかもしれない。

    インテリジェンスコミュニティについて本当に考える機会になった。

    ※評価はすべて3にしています

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    2022年09月01日
  • 日英インテリジェンス戦史 チャーチルと太平洋戦争

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    ネタバレ

    WW2の時にいかにして苦境にあった英国が対日戦回避策から米国の参戦を引き出すための外交努力を行ったかについての本。日本人から見るとWW2は対米戦、というイメージが強いけど、日英戦を避けるための時間稼ぎから、日米交渉を不調に至らしめるための干渉など「前面に出ない」英国の方針の巧妙さは「これは太平洋戦争も英国が起こしたといっても過言ではないのでは…?」と言う気になるには十分かも。いずれにせよ相手の状況の無理解や、理解するための諜報活動がかえって穏便にすませるための正式文書の軽視を招き、疑念と不信からそこになかったはずの危機を顕在化させた側面もあるかもな、などと思ったわけです。
    後世から見れば英国の

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    2022年07月24日
  • 特務(スペシャル・デューティー) 日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史

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    日本における諜報の変遷を、アメリカの立場で検証している一冊。
    現在アメリカにとっての極東地域同盟国の一つ日本ですが、戦前戦中のアジアでは全ての白人国家と渡り合える唯一の黄色人国家でした。
    それには諜報・防諜の技術が必要であり、日本でも活用されてきました。
    本書の焦点は戦後の日本に当てられています。
    戦後日本の情報の扱い方がどのようなものか、詳細に解説されています。
    どうしても難いものとなりますが最近の総理大臣や拉致問題など記憶に新しい話題も絡んできますので、多くの日本人が関心を持てる内容であると思います。
    情報を得て未来を予測し要領良く行動する術は個人でも重要ですが、国家規模となれば必要です。

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    2021年12月13日
  • インテリジェンス ――国家・組織は情報をいかに扱うべきか

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    出版が9年前なので、参考程度にと読んでみたが、インテリジェンスの入門としては現在(2021年)でも十分!各国では地政学、インテリジェンスと大学で学部が設置されているそうで、日本でもぜひ。

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    2021年08月10日
  • 特務(スペシャル・デューティー) 日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史

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    2021/03/06ジュンク堂
    検閲官の中で紹介されていた。
    参謀本部、有末、服部の身のこなし方がすげえ。
    有末に至っては、厚木にマッカーサー迎えに行って、ふんぞり返っている写真あり。
    やはり、情報は武器になるな。

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    2021年03月09日
  • モサド 暗躍と抗争の70年史

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    1948年に建国されたイスラエルという若い国家の存続のために活動する情報機関モサド。そのモサドの歴史を淡々とまとめている。モサドは組織を規定する根拠法を有していないが、自らを律して存続している。ユダヤ人の国家として、ナチス関係者の逮捕は最重要ミッションでとのことで、アイヒマン捕獲作戦が有名。

    ===

    第一章 創設の時代 (初代長官 シロアッフ)
    第二章 飛躍の時代 (ハルエル、アミット)
    ○ フルシチョフによるスターリン批判演説の内容を入手し、暴露
    ○ アイヒマン捕獲作戦に成功
    ○ ソ連の戦闘機ミグ21奪取に成功
    第三章 試練の時代 (ザミール)
    ○ ミュンヘンオリンピックで起こったテロ事

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    2020年08月22日
  • 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか

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    ○情報・データをインテリジェンスに加工する専門組織が必要
    ○インテリジェンスがあっても、計画に活かされない。
     インテリジェンスに基づかない計画は失敗する。

    ✖️情報畑以外の人間が情報分析・評価を行うと間違う
    ・三国同盟、外務省・陸軍・海軍の全てが雰囲気だけで調印
    ・ドイツの軍事力と工業力を過大評価
    ・下調べもせずに突き進む
    ・イタリアの国力も。
    ・独ソが険悪な状況にあるという情報も無視
    ・チャーチルの傾向も無視

    ✖️主観的情勢判断
    ・既定路線に合う生情報を入手しては都合の良い情勢判断
    ・作戦部門や政策決定者の分析判断は間違う
    ・過去の成功体験に基づく判断

    ◯情報部 情報の断片から有効な

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    2019年07月24日
  • CIAの秘密戦争 変貌する巨大情報機関

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    ネタバレ

    911のテロ以降、情勢を収集・分析し提供する組織から、暗殺リストを基にドローンでアメリカの敵を消す軍事組織に変貌を遂げるCIAを描いたノンフィクション。

    時系列ではなく、現場の工作員から大統領まで登場人物が多く読みづらい。
    しかし、軍隊を持つ国防総省と情報収集・分析から軍隊を持とうとするCIAの役所間の権力闘争は見どころ。本来のヒューミントを中心とした情報収集能力の低下もしかり。
    テロリストを擁護するつもりはないが、相手国家への主権侵害が恐ろし過ぎる。

    著者の暗殺に対する批判的な姿勢は、アメリカ人の良心が生きていると感じることができるのが唯一の救い。

    ティム・ワイナーの名作「CIA秘録」

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    2019年05月27日
  • CIAの秘密戦争 変貌する巨大情報機関

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    「CIA」と聞いてイメージするものの実体は現代では存在しないことがよくわかった。すでに軍と見分けがつかなくなりつつあり、単なる暗殺部隊のようにも描かれている。
    過去には「我々はモサドとは違う」組織だったが、すでにかこのものになりつつあることがよくわかる。

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    2018年02月25日
  • 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか

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    明治政府誕生から太平洋戦争にかけての日本の情報機関や情報収集に関してが書かれた本。外交に欠かせない情報収集がどのように行われ、分析されたのかが書かれています。よく日本は情報収集に負けたと書かれていましたがその詳細が詳しく書かれており、負けるべくして負けたのがわかります。そして現在の日本。まったくその敗戦の原因を見つめていないのがわかります。過去の日本の敗因を書きながら、現代にも通じる危機的状況も危惧しているそんな本ではないでしょうか。

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    2014年07月01日
  • インテリジェンス ――国家・組織は情報をいかに扱うべきか

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    インテリジェンスの総論についてまとめた文庫本。歴史と理論からはじまり、組織の作り方やヒュミントの育成、秘密工作、国家的情報の統制など、内容は幅広い。インテリジェンスの理論では、どの本を読んでも「インテリジェンス・サイクル」という概念が出てきて、これがCRISP-DMなどの「データマイニングのプロセス」と瓜二つなんだけど、どういうことなんだろう。「データマイニング」という分野を立ち上げた主要メンバーは、実は元々はインテリジェンス屋だったのではないかという仮説を持ち始めた今日この頃である。

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    2013年04月28日