小谷賢のレビュー一覧

  • 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか
    旧軍のインテリジェンス能力は巷間で言われているほど低くなく、むしろ高かった。問題なのは情報を有効に使えなかった作戦部門にある。情報を有効に使えないのは今も昔も日本のデフォなのか…?
  • イギリスの情報外交 インテリジェンスとは何か
    第二次大戦直前のイギリス外交が、インテリジェンスをいかに利用し外交政策に反映させていたかが良く分かる良書。著者の博士論文が下敷きになっているだけに完成度が高い。

    情報の入手過程よりも分析・評価・政策決定の描写に重点が置かれていたのが良かったと思う。政策決定者の視点の偏りによって獲得された情報の評...続きを読む
  • 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか
    一般に「低レヴェル」と言われる戦前期日本軍のインテリジェンスの実力を再考。対象は太平洋戦争に限られるが、豊富な史料に基づき様々な事例を紹介している。
    日本軍のインテリジェンス入門書として最適のもの。
    2007年度山本七平賞奨励賞受賞。
  • 世界のインテリジェンス 21世紀の情報戦争を読む
    旧体制が崩壊するとき、情報組織の活動が活発になる。。。そんなこと関係ね〜などと寝ぼけている日本は亡国あるいは衰亡の危機でもある。諸外国の工作を防ぐ手立てがないのは、非常に馬鹿げている。
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
     日本におけるインテリジェンスの歴史を戦前から遡って見ていく。敗戦直後、旧日本軍は、暗号等の秘密事項を隠滅するために処分した。そうした中で、ある日本人女性のちょっとした会話によって、米兵にその存在がばれてしまう。その状況下で、有末精三、服部卓四郎といった一部将校たちが、インテリジェンス組織を創設しよ...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
    戦前は軍のインテリジェンスが強かったが、戦後は縦割りで強い中央情報機構がない状態が続く。1984年にはスパイ防止法案が廃案に。冷戦後は防衛省情報本部の創設や内調の格上げ、CTUーJの創設など改革が進んだ。
    ・大森「湾岸戦争により内調の仕事は変化し、政策のベースとなる情報を官邸に上げるように」
    ・日本...続きを読む
  • 日英インテリジェンス戦史 チャーチルと太平洋戦争
    太平洋戦争に至った経緯をイギリス視点、且つ諜報の点から考察した一冊。

    日本国内での開戦経緯については学生時代に触れる機会があったが、海外からの視点は然程触れなかったので新鮮だった。

    わかってはいたが、めちゃくちゃ暗号が漏れてて笑った(もちろん当時の日本にとっても笑い事ではない)

    本文中でも触れ...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
    日本の政治、安全保障、行政、インテリジェンスのいずれかに興味があれば読んだほうが良い一冊。単純に勉強になる。戦後の政治、インテリジェンスコミュニティのあり方から、冷戦や日米同盟の変化の影響を受けながら、国内外のあらゆる事件や事象も受けて、ゆっくりではあるがある意味で成長して、今の日本のインテリジェン...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
    我が国のインテリジェンス活動とは。

    保守派の人たちは、日本はスパイ天国でやられ放題、盗まれ放題だと憂いている。
    左派の人たちは、日本の官憲が諜報活動で市民のプライバシーを脅かしていると警戒している。
    本書はいずれにも汲みさず、冷静かつ詳細な分析で日本のインテリジェンス活動をフェアに論じている。

    ...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
     インテリジェンス専門家の小谷賢先生の新刊。余談だが、NHKを見てた時、同先生が戦国時代の戦術についても語っており、知識のカバーの広さに驚愕した。
     戦後日本のインテリジェンスについて日本語で読める概略史は、インテリジェンスの特性もあり、なかなかないため(おそらく本書が初)、大変参考になった。

     ...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
    内閣情報調査室(内調)、公安調査庁、外務省国際情報統括官組織、防衛省情報本部、警察庁外事情報部など、国家の政策決定や危機管理のための情報を扱う行政組織・機関であるインテリジェンス・コミュニティの戦後日本における変遷を辿り、①なぜ日本では戦後、インテリジェンス・コミュニティが拡大せず、他国並みに発展し...続きを読む
  • 日本インテリジェンス史 旧日本軍から公安、内調、NSCまで
    戦後日本の縦割りICの姿を描く。

    G2の支援を受けた旧日本軍諜報機関は軍復活を悟られ失敗。吉田茂/CIAの庇護下で外事公安警察と公安調査庁が対共産党/治安維持機関として分立する。

    緒方竹虎/村井順により内閣調査室が作られるが、外務省の横槍や不祥事で分立したままICは船出を迎える。その中心は警察だ...続きを読む
  • 特務(スペシャル・デューティー) 日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史
    多くの関係者インタビューをもとに、日本のインテリジェンスの歴史やその問題点を分析する良書。NSS立ち上げ後も内調とのアクセス争いがあることなど、収集・分析機関間の争いや政策との関係が引き続き問題であることがよく分かる。結局は、不確実性を含むインテリジェンスを政治家・政策部局がどれほど重視できるのかと...続きを読む
  • 特務(スペシャル・デューティー) 日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史
    日本の諜報防諜活動の通史。
    個人の視野ですが類書は未見。
    類書を日本人が書いてない所が謎と言うか戦後日本の精神の歪みだと軽く絶望。
    戦前の特務機関の活動から戦後細分化され再出発した各情報組織の活動や繋がりを整然と著述。
    玄洋社東亜同文書明石小野寺土肥原中野小平青桐三島金大中別室ムサシ別班拉致米国支配...続きを読む
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)
    まるで映画や小説のように思えるほど臨場感が溢れる内容。
    こんな世界があったのかと信じられない気持ちになり、でもそれが事実なのでとてもやるせない気持ちになる。
    明日、日本がなくなるなんて今の自分には想像つかないけれど、イスラエルには国の成り立ちからして闘わないいけないと思ってしまう理由がある。
    闘いを...続きを読む
  • モサド 暗躍と抗争の70年史
    イスラエルという国家と分かちがたく結びついたモサド。
    その成り立ちから今日までの歩みが並べられたのが本書。

    最初は慣れない固有名詞のオンパレードに面食らってしまうが、読み進めるためにはそれを頭の中に入れておくことが望ましい。
    漠然と「最強の諜報部隊」「非合法活動も厭わない」というイメージのみが先行...続きを読む
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)
    国家とユダヤ人を危害から守るためにあらゆる手段を講じるイスラエル。イスラエルの新聞記者が政府・軍関係者への膨大な聞き取り から明らかにした、イスラエルで特殊任務にあたるモサド、シン・ ベト、アマンの3機関による、諜報活動と要人暗殺作戦の初の通史。
    めちゃくちゃ面白そうだけど買う人少ないだろうな・・・...続きを読む
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)
    スパイやその所属する諜報機関の描写は映画や小説といったフィクションの世界ではよく見かけるが、この本には実際のところインテリジェンスの世界がどのようなものなのかが事細かに書かれている。そもそも諜報機関の内情をノンフィクションとして書くことなどできるのだろうかと思ったが、実際著者はこの本を書くのに並々な...続きを読む
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(下)
    上巻に続いてイスラエルの各情報機関の行動を描写しているが、完璧に成功した作戦があったかと思えば、その成功から生まれた過信のために手痛い失敗を引き起こすという流れが何回かあり、モサドほどの組織であっても人の集まりなのだと妙な感慨を覚えた。

    最後の章の、『イスラエルの情報機関の物語はさまざまな意味で、...続きを読む
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(下)
    次々と書かれている暗殺の経過は、いささかうんざりするところもあるが、これがイスラエル側からの見方なのだろう。
    ことの性格上、パレスチナ、アラブ側からの視点は反映されていないので、これを「事実」として一方的に受け容れるのは危険だろう。
    人種問題と宗教問題とが重なり合っていると、本当に血で血を洗う闘いに...続きを読む