【感想・ネタバレ】イギリスの情報外交 インテリジェンスとは何かのレビュー

あらすじ

老練なイギリス外交の背後には、常にインテリジェンス活動があった。古くは16世紀のエリザベス王朝の時代からイギリスは秘密情報活動を続けており、映画「007」で有名なMI6は20世紀初頭に活動を開始し世界中に名を馳せた。そしてチャーチル首相は毎日のように届けられる暗号解読情報を「私の金の卵」と呼び重宝したのだ。本書は、近年公開された20世紀前半のイギリス情報関連史料をもとに、1940年代のイギリスが、対日極東政策を推し進めるにあたって、インテリジェンスをいかに活用し、外交成果に結実させたのかを明らかにする。1941年2月のイギリスでは、日本南進による「日英戦争」の可能性が大々的に報じられ、日英関係は一触即発の状況まで追い込まれる。そのときイギリスは、いかに日本の南進を抑止し、また極東問題に距離をおくアメリカを引き込むことに成功したのか?

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Posted by ブクログ

第二次世界大戦時のイギリスの対日情報活動に視点を当てて、イギリスのインテリジェンス機関やその意思決定プロセスに対する説明を織り交ぜながら、緻密に解説されている良書。
素晴らしい研究をされておりますね。
小谷さんの様な方が、ぜひ日本のインテリジェンス機関の第一線でご活躍頂きたいと願わずにはいられません

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2017年05月07日

Posted by ブクログ

第二次大戦直前のイギリス外交が、インテリジェンスをいかに利用し外交政策に反映させていたかが良く分かる良書。著者の博士論文が下敷きになっているだけに完成度が高い。

情報の入手過程よりも分析・評価・政策決定の描写に重点が置かれていたのが良かったと思う。政策決定者の視点の偏りによって獲得された情報の評価が大きく変わるというのが興味深かったが、情報が政策を決定するのでもなく、政策決定者が恣意的に情報を取捨選択するのでもないということ(どっちが先かという問題ではなく相互に影響しあっている)を忘れてはならない。

また、政府上層部での情報共有のあり方についても示唆的だった。重要な情報であればあるほど、機密漏えいのリスクを犯しセクショナリズムを無視してでも幅広く共有して意思決定に役立てようとしていたイギリスの制度には学ぶべきものがあると思う。

具体的な内容に関して言えば、「我々はこの時代の国際関係を日米関係、日英関係と二国間関係から定義しがちになるが、幅広く日英米関係を俯瞰した方がより理解が深まるのである。1940年からチャーチルが抱き続けた極東構想は、日英の対立にアメリカを巻き込むことであった。この大戦略が達成されれば、後の問題は全て解決したのである。」とあるように、三国関係の中でイギリスがいかに自己の利益をインテリジェンスを用いて最大化しようとしたかということが時系列的に述べられている。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

本書は戦前のイギリスの情報外交を分析した本である。日本帝国の南進をいかに食い止めるか。いかにアメリカを味方につけるか。当時、ドイツとの戦いにより、疲弊していたイギリスが唯一、情報を武器に生き抜く事が出来たのかをうかがいしる事が出来る。歴史を逆の立場からみる醍醐味が味わえて面白いです。

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2012年01月03日

Posted by ブクログ

イギリスがインテリジェンスをいかに国家戦略に活用したかを描いた良書。なぜイギリスがいまだに国際社会において重きをなしているかがよくわかる。

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2011年05月31日

Posted by ブクログ

イギリス外交がどのようにしてWW1・WW2で直面した危機的状況を乗り切ったのか。
主に日本・米国とのやり取りから考察している。

外交において情報がどのような役割を果たすのか、影響を与えていくのか、それを知り、活用できたことが、イギリスの強さですよね。
砲艦外交なんかが出来た強大な植民地帝国でしたが、世界大戦中・後と、帝国は衰退期に入りますもんね。
力で押すことができなくなった分、情報や策謀で優位を保つことが重要になります。
実は結構ギリギリな状況だったりしたようですが、そこも上手に立ち回り、優位をキープしていった技術は流石です。

時間がなくて流し読みになってしまったのが残念。

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2011年05月03日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦中、イギリスはいかにして窮地を脱したのか。そのキーワードは「情報」です。情報がいかに重要であるかが、よくわかる本です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

第二次大戦中のイギリスの状況をまとめてある。

どういう風に情報を収集して、
どういう風に政策に反映していたか、
そういう風に外交・戦争を優位に運ぼうとしていたか。

あえて抜き出すほどのものはないけれども、
著者はいろんな文献を読み込んでまとめてある。

情報の活かし方がどれだけ大切か
勉強にはなりました。

しかし、この本。
博士論文を加筆、修正したものって、
あとがきにあるんですけど。。。

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2009年10月04日

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