諫山創のレビュー一覧
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ネタバレ生まれてこない方が幸せと他者が決めるのは
とても傲慢だと思う。
町猫のTNRと同じ論理だ。
これ以上増えないように、死ぬまでは幸せなように
決められたルールの中で生きて死ぬ。
確かにハンジ達は、決定に時間をかけすぎた。
危機感がまったくないと思われても仕方ない。
土をこねて体を作ったという件は、聖書を彷彿とさせる。
コニーは、エレンは我を失ったのではと言ったが
ジャンはどう傷つけたのか話してくれと言い、
正気なら奴の真意はそこにあると言う。
やはり仲間を裏切ったのではないと思いたいところだ。
イェレナに感動したと言うアルミン。
これも、どういった真意がこめられているのか気になる。
「残 -
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ネタバレニコロは真っ当な人なのだろうなという印象で
どうも感情移入しがちだったので
ジャンからワインを取り上げるシーンも真意がわかる。
”いい人”なニコロだからこそ、怒りが相当なものであることも伝わるし
ガビをファルコが庇おうとするところも
その時点ではまだ正気に戻れないところもきつい。
「ブラウスさんどうぞ」と包丁渡すところも鬼気迫る。
それだけの怒りに溢れながら、仇を取りたいのは
自分よりサシャの父であると認識しているのだ。
人を喜ばせる料理を作るのが本当の俺だと教えてくれた
というニコロ。
サシャをそんなに愛してくれて嬉しいという
親のような気持ちになってしまった。
せめて子供達はこの森から -
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ネタバレヒストリアがミカサに対して、
「私たちは生まれのことで重い荷物を背負う者同士なんでしょ
ミカサが一緒ならこんなに頼もしい人いないよ」
と言うのは微笑ましいものがあった。
ジークは両親を憎み寝返る為に密告したのではなかった。
両親は正しかったしかし甘かった。
この島と世界には約100年の隔たりがある。
その遅れを埋めるのに50年は必要になる。
それはつまり、50年は地ならしが島を守るため機能しなければならないということ。
島国であるからこそどうしても日本の状況と
重ねて考えてしまう。
ハンジもアルミンもよくやっているとは思うのだが
やはりエルヴィンに比べて優しさが見える気はしてしまう。
そ -
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ネタバレ巨人が町の中で入り乱れる迫力の戦い。
ジャンは相変わらず冷徹になりきれていない感じが
人間らしく魅力のひとつとも言えるかもしれない。
屋根に光をつけていたのが滑走路の誘導灯替わりだったのは滾る展開。
戦鎚の巨人の水晶化を味方の巨人の顎で砕くとは
合理的なのだがえげつない展開過ぎる。
為す術もなくくるみ割り器のように使われては
立つ瀬がなかろう。
ライナーにまたな、と言う言葉がまた
複雑な気持ちになる。
新生エルディア帝国の初陣、という言葉もまた
この先激化しそうな戦いを予感させる。
エレンが出していた手紙はリヴァイたちに対してで
やはりみんなが来てくれるという確信が持てていたわけではな -
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ネタバレエレンが徹底して冷静な態度なのが、
成長と言いきって良いのかどうか。
心情がいまいち読みきれない。
手を怪我した状態の無言の脅しが恐ろしい。
もしかして何か対話で模索できるものがあるかと
微かに期待してしまったが、飽く迄も冷徹な兵士だった。
平和への反逆者その名はエレン・イェーガー。
凄い二つ名である。
今まで必死で駆除してきた巨人は人間で、
実は壁の外では自分たちこそが駆除すべき存在と思われているというこの世界。
本当に、「敵は世界」なのだ。
「一体何が出来たよ、子供だったお前がその歴史と環境を相手に」。
と言うエレンの台詞には憐憫を感じる。
自分が逆の立場でも同じことをするだろうと思って -
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ネタバレこの巻からマーレ編に突入する。
主人公から見た敵国の事情を書いていく手法は
よくあるものかもしれないが、
進撃の読者にとってはライナーの事情になるわけなので
冷静な気持ちではとても読めない。
しかも違う道を選択した同種族が敵というのが辛い。
悪魔だと思っていた敵国に侵入して
相手も同じ人だとわかってしまったライナーにとって
「あいつらは悪魔だったんだろ」と問われて
思い出すのは仲間たちとの日々。
「地獄だった」と返す言葉はある意味では真実なのだろう。
楽しかったこともあった。だからこそ地獄でしかなかった。
巨人の力が継承者を決めて継承されていく世界観や
獣の巨人であるジークはグリシャの息子 -
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ネタバレエレンのお母さんを食べた巨人がダイナだった
というのは衝撃の事実。ダイナとしては意識がないなりに
グリシャの血に反応しているのだろか。
巨人の脊髄液を吸収して化け物になるなんて同じ人間じゃない。
人は自分と違う物を嫌悪する。それは動物としての本能でもある。
だからこそなんとも言えない気持ちになる。
気になったのは3-4mの巨人に調整するからという台詞。
摂取量などで調整できるものなのだろうか。
フクロウの正体にも驚いた。
9つの巨人の力を継承したものは13年で死ぬというのも驚きの事実。
これが自由の代償だとわかっていたなら払わなかった、という台詞が悲しかった。
自由のために戦った進撃の巨 -
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ネタバレ父親に洗脳されてる
俺達はあの父親の被害者
いつかお前を救い出してやるからな
猿の巨人の人の気になる言葉。
ジャンがハンジさんを助けたけれど
ライナーは奪われてしまった。
猿の巨人を倒す為の突撃で倒れたエルヴィン。
団長を見つけたときは止めをさそうとした
でも生ぬるい、地獄が必要だと思った
という言葉が、酷いと言うのも違うし
ある意味で情なのかもしれない。
エレンは海を見に行こうという夢は
子供の頃のことで実は覚えていなくて、
憎むことしか頭になくなっていて、
でもアルミンは戦うだけじゃない、夢を見ている。
涙なしにこのあたりは読めなかった。
エルヴィンとアルミン、どちらを生き返すべきか -
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ネタバレ猿の巨人の投石がえげつない。
エレンが必死でくらいついても、軽く
ひょいと壁の上に蹴り上げられてしまう。
理屈ではわかってた誰かがやらなきゃ
勇敢な兵士は誰だってきかれて俺だって思った
でもそうやって死んでいくことが
こんなになんの意味もないものだと思いもしなかった
なんで自分だけは違うって思ったのか
この一連の台詞も読んでいてきつかった。
「俺は選ぶぞ 夢を諦めて死んでくれ
新兵たちを地獄にみちびけ
獣の巨人は俺が仕留める」
「どうせ死ぬのに人生に意味はあるのか
死んでいった兵士に意味を与えるのは我々だ」
リヴァイの言葉もエルビンの言葉も胸にくる。
壮絶な言葉たち。
ここまで苦労して相 -
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ネタバレ教官の回想、まさかこんな内容だとは。
生まれてきてくれただけで偉いとエレンを抱きしめる母の姿が切ない。
立体機動の訓練がうまくいかないエレンが
実はベルトが壊れていてのにあそこまで頑張った、
という表現かと思いきや
更に教官がベルトに細工していたという
事実が明かされるとは。
グリシャは壁の外からきた可能性があるという壮大さも凄い。
人が人と違うのはきっと
こういう時のためだったんだと言うアルミンの台詞は、素直に良いなと思える。
話をこっそり聞いてたリヴァイは何を思っていたのだろう。
調査兵団を街の人が見送ってくれるシーンは
胸が熱くなった。
アルミンの楽しそうな目を見てオレは不自由な -
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ネタバレオレをあの巨人に食わせれば良いと言うエレン。
ヒストリアが「選択肢はもう一つあります」
と言うところや
あなたのお父さんは初代王から私達人類を救おうとした、とエレンに言うところが良い。
本当にヒストリアは強くなった。
弱いのはオレだった、
どこかで自分は特別だと思ってた
だから他の兵士がオレのために死ぬことも仕方がないって受け入れた
というエレンのモノローグ、
しかしあんな状況に追い込まれたらそう思っても仕方ないだろう。
自分の肩に国民の命がかかっていると
あの時は『単純』にそう思っていたはずだ。
そんなプレッシャーの中で次々襲い来る状況の中
エレンに与えられた選択肢は本当に少なかった。
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ネタバレフリーダのことを思い出すヒストリア。
妻子はグリシャに五年前殺されたというのは衝撃の事実です。
アッカーマンという名字に親戚関係などなんらかの理由があるのか
と思っていたら、一族が都市部で迫害を受けていたという展開とは。
対人立体機動装置はアンカー射出機と散弾の射線が同じ方向なのが弱点で、
かつ銃に対して刀が有利になる距離での戦いも描かれたのは
刀好きとしてはおっと思いました。
折角の力もレイス王家の血を引くものでないと真の力が発揮されない
というのがまたなんとも言えない設定です。
かつてのアッカーマン家は王側近の武家だったということも明かされます。
王が記憶を改竄できるのは全員ではなく -
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ネタバレ初めて人を殺す描写がなんとも生々しい。
頭ではわかっていても、中々咄嗟に切り替えられないだろう。
リヴァイがアルミンに、もう汚れたんだ、以前のお前には戻れない
と言うのが厳しいようでいて相変わらず優しい。
もし今もお前の手が綺麗なままなら今ここにジャンはいない。
聡いからあの状況じゃ半端なことができないとよくわかっていた。
アルミン、お前が手を汚してくれたおかげで俺たちは助かった。
ありがとう。
リヴァイは常に対等というか、事実だけを伝えてくれていると思う。
ジャンが、人に手を下すのが怖かった、間違っていのいたのは自分でした
次は必ず撃ちますと言うのも立派なのだが、
リヴァイが
何が本当に正し -
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ネタバレエルヴィンの過去。父は王政に殺されたのだと言う。
私の人生の使命は父の仮説を表明すること。
そういった過去を背負っていたから、
ああした謎に挑む姿勢だったし、なにかヒントがあれば嬉しいということだったのか。
この壁に逃げ込んだ当時の人類は、
統治しやすいように記憶を改竄されたという仮説。
巨人についての知識が無い自分たちより、
知識を持つ王政サイドに託すという選択肢は
自分の中ではありえないものだった。
エルヴィンはそれも考えた上で、
王政に託してはならないと決意する。
なぜ父は真実に近づいただけで死ななければならなかったか、
王政の役人にも彼らなりの正義があるはずだと思っていたが
彼らが守 -
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ネタバレ戦の後の心理状態の描写もリアルだ。
エルヴィンが意識もなく重傷というのもショックである。
みんながボロボロになって、心と体に傷を負っている。
自分が攫われたから大半が死んだ。
最中に微かに見える希望、エレンが巨人を操ったかもしれない
という事実。
「お前を取り戻す為に死んだ人たちを活かすか殺すかは
お前次第」。ジャンは本当に成長したと思う。
図らずも今回で、一週間しか壁内の”最後の平和”はもたないことが
証明されてしまった形になった。
エルヴィンが部下を何百人と巨人に食わせてきたのだから
腕一本では足りないというのが気丈であるが
きつい台詞でもある。
判明する巨人の弱点の理由。
リヴァイの