チャールズ・ディケンズのレビュー一覧

  • 骨董屋(下)

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    最近映画になっているオリバー・トゥイストの作者、チャールズ・ディケンズの著書です。ディケンズの作品のなかでは、私はこの骨董屋が一番好きです!因みに筑摩書房も好きなんです・・・(関係ナイ(^^;)) 話は、お人よしのやさしいネル(ネリー)の話。ネルには博打好きのおじいちゃんがいて、ネルが一生懸命働いて稼いだお金も賭けに消えていってしまいます。でも、やさしいネルは頑張って稼いで日々やりくりする・・・と。次第にネルの人格に惹かれて色々な親切な人たちも登場して、ほんわかなごんだり、落ち込んだり。 この本をディケンズが執筆してた時代、アメリカに来たディケンズの見送りかなんかで、骨董屋大好きな読者が港まで

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    2009年10月04日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    孤児オリバー・ツイストは子どもだが、生い立ちのせいか、不遇な扱いを受けていた。実の親を亡くした彼は救貧院に預けられたが、お代わりを求めたことで追い出されてしまい、その後、フェイギンというユダヤ人に出会い、そのユダヤ人の仲間たちともに、悪事に加担したこともあった。そんな彼は、ブラウンローという紳士に出会い、彼との出会いから、オリバーの人生は一変する。このように、本作は、オリバーと関わった人たちの環境、社会に焦点を当てており、当時のイギリスの、特に貧困層の立場を詳細に描かれている。また、後半では、モンクスという青年の謎を追い、なぜ彼が執拗にオリバーを狙っているのかというサスペンス要素満載の話が展開

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    2025年07月05日
  • クリスマス・キャロル

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    強突く張りの因業爺スクルージが、過去・現在・未来に亘る三世のクリスマスの霊に連れられ様々な光景を目にする。そうしていく内に、「貧すれど鈍せず」な家族の様子や嫌っている自分のために健康を祈る者を見せられてクリスマスの尊さ、特別さを思い知るクリスマス文学の傑作
    精霊に連れられて目にするクリスマスの街などが鮮やかで瑞々しい様子で描かれ、皆が待ち望んで楽しんでいることがよく伝わってくる
    スクルージが単純すぎる気がしないでもないが、これもクリスマスの人心に作用する効力のお陰とも取れる
    結末も心温まるもので、毎年のクリスマスの時期に読んで噛み締めようと思った

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    2025年01月02日
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集

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    ネタバレ

    冒頭のディケンズはこういうのも書いてるんだなぁと思った幻想怪奇小説。
    クリスマスツリーの描写が凄く細かくて素敵でほの怖い。
    友人との約束で先に死んだ方がもう一人の元に姿を現すというのは、デカメロンにも類似の話があったのでふふっと。
    ・わが兄の幽霊譚
    泊まった宿でセントバーナードが寄ってきたシーンが好き。
    ・海岸屋敷のクリスマス・イヴ
    メアリさんの『自分としては、男と一緒になるならば、身の危険を感じることなく、その生き方を理解できる相手を選びたいのだ』が切実すぎて…。
    ・残酷な冗談
    あんまりですわぁ…。
    ・本物と偽物
    ケイトとの会話がほのぼのして小粋だったのになぁ。
    というか、別に自分に襲いかか

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    2024年09月05日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    あまりに悲惨なオリヴァーの人生に、涙なしには読めない。
    とにかく、この子には幸せになってほしいと願いながら読み進めた。
    翻訳ものにありがちな読みづらさはあるけれど(作者が伝記を書いている、という体で書いているのも、日本の小説にはあまりないので違和感がある)、物語が山あり谷ありで最後まで読み通せた。
    途中でつらさからやめたくなることもあったが、なんとか最後まで読み終えることをおすすめしたい。

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    2024年06月07日
  • クリスマス・キャロル

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    ネタバレ

    クリスマスを迎えた1830年代のイギリスが舞台。守銭奴の商売人スクルージは7年前に死んだ相棒マーレイの霊と出会う。生前キリスト教徒としての善行を積めなかったことを嘆くマーレイはこのあと3人のクリスマスの精霊が訪ねてくると告げる。クリスマスの精霊はスクルージに過去・現在・未来を見せる。そこで自分の過去、貧困にあえぐ中クリスマスを楽しむ部下、上限関係なく無礼講で楽しむ商売人、未来で自分が死んだあとに衣服が盗まれ誰もたずねるものも憐れむものもないままに放置される姿を見せられ、スクルージは改心する。

    日本昔話なみの教訓話でかなりの説教臭さを覚える。クリスマス・キャロルはクリスマスを代表する作品だとき

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    2024年04月02日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    オリヴァーからしたらハッピーエンドでも、ナンシーからしたらバッドエンド。小説でプラマイゼロにするの描くとかすごすぎ!

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    2024年02月04日
  • クリスマス・キャロル

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    守銭奴・金の亡者のドケチ強欲ジジイ・スクルージ。
    クリスマスを楽しく祝う心を持ち合わせていない彼は
    クリスマス・イブの夜に、亡くなった友人マーリーの亡霊と出会う。
    このままではいけないと忠告を受けるスクルージ。
    続いて過去・現在・未来を司る精霊と出会い、
    今までの、そしてこれからの自分と客観的に向き合う。この旅の果てに、ドケチジジイはどこへ辿り着くのか…。

    自分の事を客観的に見つめてみると、思ったよりまるでひどい人間だ、みたいな事があるかもな一冊。
    ひどいと感じられるうちは大丈夫なのかしら。
    改心、という言葉でまとめられがちな物語ですが、
    翻訳者の方のあとがきは少し異なる見解でした。

    古典

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    2024年02月03日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

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    貧しい少年が、思いがけなく得ることになる「大いなる遺産」とは……。

    『クリスマス・キャロル』に代表される、19世紀のイギリス人作家チャールズ・ディケンズの長編小説。

    アルソンフォ・キュアロン監督による同名の映画では、舞台を20世紀のアメリカに移してリメイクされているが、原作は当然に19世紀のイギリス・ロンドンとその郊外が舞台。

    本筋は主人公の成長物語ではあるが、小説では恋と富と挫折と後悔が様々な場面で様々な人物に見えたり隠れたりする。
    主人公ピップにエステラ以外の登場人物も魅力的で、ミス・ハヴィジャム、実の姉とその夫ジョー、囚人マグウィッチ、後見人ジャガーズなど、19世紀の風情のなかで映

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    2023年06月25日
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集

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    ヴィクトリア朝英国、クリスマス幽霊譚のアンソロジー。
    本邦初訳の作品を中心に13篇を収録。
    クリスマス・ツリー チャールズ・ディケンズ
      ・・・クリスマス・ツリーから拡がる空想と幽霊譚の散文。
    死者の怪談 ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル
      ・・・悪魔によって甦った男が会いにいった恋しい女の正体。
    わが兄の幽霊譚 アメリア・B・エドワーズ
      ・・・深夜、微風に乗って聴こえてきたのは、あの旋律。
    鋼の鏡、あるいは聖夜の夢 ウィリアム・ウィルシュー・フェン
      ・・・鋼の鏡に現れたのは我が妻。友との約束を違え、
        急遽帰宅した男の元に届いた知らせとは。
    海岸屋敷のクリスマス・イブ イラ

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    2023年03月28日
  • クリスマス・キャロル

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    すっかり光文社の手先…ってこのくだり何度目?

    ってことで数えてみました!
    ひまわりめろん出版社別既読数ベスト5!!(ドンドンドンパフー)

    既読746冊中(2023年3月20日現在)

    第5位 新潮社 61冊
    第4位 東京創元社 63冊
    第3位 早川書房 78冊
    第2位 講談社 80冊
    第1位 文藝春秋 85冊

    でした!ちなみに光文社は43冊で第6位でしたまあまあ多いですが手先感は今ひとつ
    なんかすんませんしたっ


    もちろんみんみんも集計(なにがもちろんなのか)
    ※ちょっとデータ取りが雑だっ

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    2023年03月20日
  • 大いなる遺産 下

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    「大いなる遺産」が誰からの贈り物なのか、物語が展開していく。

    友情、恋愛、ユーモア、ミステリなど、あらゆるテーマを内包していてかつ読みやすく、面白い。

    テーマの豊富さに加えて、掌を返す人と変わらない人、都会と田舎、金持ちと貧乏、さまざまな対比が織り込まれていて、何を軸に読み進めるかによっても感じ方が変わるように思う。

    あとはやっぱりキャラクターが立ってるなぁと思う。かなりの人数が登場するがみんなそれぞれに個性的で、好きな登場人物がわかれそうだなと思った。ウェミックが良い。


    345
    「今日は痛みはひどいですか?」
    「文句は言わねぇよ、ピップ」
    「ほんとに一度も言いませんね」

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    2022年12月21日
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集

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    ネタバレ

    ゴーストストーリーが13篇。アドベントカレンダーのように、クリスマスまでに毎日1話ずつ読む、というのはどうでしょう。

    どれもそれぞれに面白かった。

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    2022年12月14日
  • 大いなる遺産 上

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    序盤の純粋無垢なピップと、エステラに馬鹿にされて自分の生活を恥じるようになるピップ、莫大な遺産を手にして以前の生活環境を見下すピップの様子が描かれる。

    新しい世界を知って興味や憧れを持った時、自分の慣れ親しんできた世界を相対化して比較検討するための尺度を得る。これまでは測るという発想そのものがなかったが、突然自分の身の回りを測るようになる。(自分にとっては)新鮮な外部を基準にしているのでそれらはひどく下品で価値のないものに思える。憧れに向かっているというだけで自分がなんだか崇高に思えて、同時に周りの人がその尺度を持っていないことがもったいないと思うようになり、自分の尺度を押し付けようとしてし

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    2022年12月11日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    イギリス文学の傑作、ディケンズ読むならこれ! みたいな話を聞いたので読みました。
    確かに面白い。しかもエンタメ作品として。
    タイトルはオリヴァー・ツイストだが、オリヴァー以外の登場人物にもポンポン視点が移る群像劇。恩田陸並みに登場人物がたくさん出てくるのでメモ必須。
    文章はとにかく皮肉まみれで思わずニヤリとさせられる表現が多い。キャラはみんな個性が尖っていて特に悪人の描写が上手い。
    文学的にどうこうは置いといて、ヴィクトリア朝イギリスの風俗小説として、メロドラマとしてなどの俗っぽい楽しみ方もできることは特筆すべきである。
    ただし、ストーリーの構成がガタガタで最後の方などオリヴァーが出てこなくな

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    2022年08月28日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

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    さて下巻からは一気にストーリーが動き、上巻で謎に包まれたことが玉ねぎの皮を1枚1枚剥ぐようにクリアになっていく

    ピップに大いなる遺産を渡した人物は予想通りだったが、理由がわかりちょっと切なくなる
    さらに過去に登場した人物があれよあれよと繋がっていき、「ええそうだったの⁉︎」と何度も心で叫んだ(笑)

    紳士になるため、遺産とともにロンドンへ
    贅沢な暮らしを送りながらも、人様の勝手なエゴに翻弄されていく

    さらに美しさを増したエステラに再会したピップ
    彼女への愛に確信をもつものの、相変わらずの態度に愛が深まるほど虚しさは増す
    婚約者に裏切られた過去を持つハヴィシャムの差金でエステラの面倒を見るこ

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    2022年05月21日
  • クリスマス・キャロル

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    久しぶりにがっつり語彙力で描写してくる古典を読んだ気がする。きっと全ては理解できていない。
    けれど、スクルージに寄せた自分の心が確かにある。彼が打ちひしがれ、懇願する場面を見るたびに訳者あとがきにあった「本来の姿に返った」という部分が胸に響く。
    そう、読み始めと読み終わりで、全くスクルージの印象が変わるのだ。けれどそれは、決して納得のいかないものではない。なぜだろう、これがディケンズの力ということか?
    クリスマスを祝う喜びに溢れた描写が何ページも続いているところが本著のハイライト、作者が一番表したかったことなのだと私は思った。誰もが憧れ、幸せになる一夜。いいなぁぁぁ日本でもこんな風にクリスマス

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    2021年11月09日
  • 大いなる遺産 下

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    読者の予想を裏切る顛末で面白く読み進めることができた。
    生活している階層の違いや、より上流へのあこがれなど、現在においても相通ずるテーマが盛り込まれているように思う。

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    2021年09月06日
  • クリスマス・キャロル

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    村岡花子の訳に馴染めず、半ばにして訳者を変えてあらためて読みなおした。中身がぎっしり詰まった短編。描写が鮮明で幽霊が浮き立たない。幽霊と言えど怖くはない。主人公が自己を省みる道しるべの存在。スクルージは吝嗇だが悪人ではない。幼い頃の環境が生活において頑なな人物に仕上げた。家族を大切に思う気持ちを読者に深める名著。2021.5.16

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    2021年03月16日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

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    人はやはり失敗から多くを学ぶ生き物だと感じた。成功からも学びはあるけれど、失敗してどうしようもない不幸を感じる時こそ、本当に大切なモノが見えたり自分の言動を省みたりできて、それはいつの時代も変わらないのだと思った。下巻での伏線回収や謎が解けていく感覚がすごく快感で一気に読んでしまった。

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    2021年02月10日