チャールズ・ディケンズのレビュー一覧
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すごい展開の数々。ご都合主義のような側面もあるけれども、どんなあり得ない展開(実際、読んでいてどのような分岐もとりうると思った。)が来ても納得させられるような説得力をディケンズは持っている。ディケンズの丁寧で正確な描写だからこそ成せるわざなのだと思った。ミステリーの部分では、その点と点が勢いよく線で繋がっていく様は、競馬で例えるなら、さながら大外から一気に抜き去る追い込みのようだった。ミステリーあり、サスペンスあり、ユーモアありと、色々なものが詰まっていて、ほんと剛腕といった感じだ。プロットが非常に複雑で、よくもまあこんな代物を週刊連載で書き上げたものだと感心した。人生の期待や諦観、愛、悔恨が
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田舎の孤児ピップ少年が大富豪に見い出される物語。
話の大筋がしっかりしているうえに、サイドストーリーも丁寧に書かれていた。出来事のつなぎ方が自然で、巧妙で、しかも次々と起きるので読者を飽きさせない。さすが文豪というか、上品な文章だった。『高慢と偏見』を読んだときも上品な文章だと思ったが、古典の名作って別に凝った文体でもないのに、人物・風景・感情描写(要するに全部。笑)がしっかりしていて、その3つのバランスがいいからそう感じるのかもしれない。
大いなる遺産の前巻は子供時代の話が多めだった。なぜかわからないが、僕は子供時代というのが妙に好きで、色々な小説を読んでいても子供時代のパートを一番好き -
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これに満点以外を付ける人の気持ちがわからない。
それくらいには衝撃を受けた作品だった。
上巻の200ページくらいまではひたすらイングランドの田舎での貧乏な暮らしの細かな描写が続き、正直退屈していたが主人公がある人物の家に招かれてから興味を惹かれ出した。
そのまま導かれるように下巻を読み進めるとディケンズの魔力に取り憑かれることとなった。
上巻で描かれていた(私が退屈だと感じた箇所含め)ことが、見事な伏線となり丁寧に少しずつ回収されていく。こんなことされてはページを捲る手が止まらない。
本作は大きくミステリーとジャンル分けされているようだが、文学で表現出来る様々な要素が入り組んでおり、読み手によ -
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「人はみな、隣人、同胞と進んで深くかかわって、心を通わせなくてはいけない。そのためには、遠路をいとわずどこへでも出かけるようでなくてはだめだ。」
こんなに感情が溢れ、匂いがする物語だったとは。前回読んだ岩波文庫の訳は、感情移入できず、短いお話ながら何度も挫折しかけた。それに比べるとさすが新訳だけあって、人々の交わす表情が伝わってくる。単純明快な話だけど、クリスマスはキリスト教のお祭りであることを再認識させられる。日本にいると「誰と過ごすか」「何をあげるか」しか話題にならないけれど、貧しい人に寄付をし、キリストの誕生を家族みんなでお祝いしようという温かい心が根底にあることを改めて思いだすきっか -
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ディケンズのクリスマス小説「クリスマス・キャロル」と「鐘の音」の2篇を収めた本。
吝嗇家の金持ちであるスクルージを主人公にした「クリスマス・キャロル」、貧しい配達人であるトビー・ヴェックを主人公にした「鐘の音」、主人公はそれぞれ対照的ながら、富裕層に対する批判的な叙述は似通ったところがあります。特に「鐘の音」の方は風刺がきいており、「貧乏人の味方」を標榜する金持ちが貧しい人たちに労働の尊さを訴えるあたり、苦笑いがこみあげてきます。
この本を読む以前から「クリスマス・キャロル」の大筋は実は知っていました。というのも、ビル・マーレイ主演の「三人のゴースト」という映画を見ていたからです。この映画 -
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読み終わると、胸がいっぱいになった。
生きる活力、人生の寂しさ、人が人に与える幸福。
ディケンズが描く人々は、どれもはちきれんばかりにぎっしりと重たく、それでいて軽妙で、ぐいぐいと読者を引っ張ってくれる。
どのエピソードも素晴らしく、いちいち言っていてはキリがないが、私はやはり、主人公・ピップが寄せるエステラへの思いにもっとも打たれた。
望みのない、ひたすらにみじめな恋。相手は自分をないがしろにし、自分は相手をどこまでも敬う。こう言うとまるで「マゾ?」と思われるかもしれないが、それは違う。この二人の抱えるもの、それは意思の不通なのである。大切なものの違い、自分の生き方に対する価値観の違い、 -
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ネタバレ荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?
さ、3巻凄すぎ・・・!!
まさに山場につぐ山場(笑)。面白かった。エスタもなんとか==ネタバレのため割愛==だったし。**との再会も、**との再会もあって、まさに盛りだくさんのオールスター総出演。長編でしか出来ないエピソードがたっぷりだった。
しかしそれと対照的なのがリチャードだ。彼の転落っぷりは、かなり大げさに書かれているが、とても共感できる。最初からリチャードの陽気すぎる性格はどこか危ういところがあると思っていたが、まさかここまでなるとは・・ -
Posted by ブクログ
ネタバレ荒涼館に引き取られた、出自不明の少女エスタ。彼女をめぐる物語、そしていつまでも決着がつかないジャーンディス対ジャーンディス訴訟事件の結末は・・・?
おお、2巻面白い!!
1巻で山ほど出てきた登場人物たちの関係性がそれぞれ明るみに出てきたり、また新しく絡んできたり・・・。この上で更にか、と言いたくなるくらいまた新たな登場人物が出てくるのだが(笑)、それでも物語の面白さは損なわれず、むしろぐんぐん勢いを増していくようだ。
キャラクターや話の展開が大げさだなと感じるところは多いけれど、それが物語をくっきりとした大胆なものに見せていて、むしろ好印象。たまには力でねじ伏せられ、引っ張られるのもいいもの -
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