竹内久美子のレビュー一覧
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読書録「アタマはスローな方がいい!?」4
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
P236より引用
“それにしても世の中には……いかにも賢そうに見えるとか、い
かにも賢そうなしゃべり方をするという人がいますよね。私の経
験からすると、そういう人はたかが知れている。ある程度には賢
いかも知れないが、恐れるには当たらない。断言したっていいく
らいです。”
動物行動学者である著者による、生物についての素朴な疑問に
答える一冊。
体育会系男がモテることから手足の指の数についてまで、寄藤
文平氏のイラストを添えて答えられています。
上記の引用は、記憶力理解力など頭の良さについての質問につ
いて答 -
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読んでいて驚きの発見が連続して起きた本である。
愛くるしい仕草を見せて私達を和ませてくれる動物たちは、私達の想像を遥かに越えた子育てをしている。そして後半にかけては動物たちの子育てと、現代社会で暮らす我々の意外な共通点を見出し、論じている。
冒頭でまず驚いたのは、「もし種や集団のために尽くす個体がいるとしたら、自分の遺伝子を残していくという事が疎かになり、結果的に自分の遺伝子を残すことを優先する個体に負けてしまう。彼らはいかに効率よく遺伝子のコピーを残すかを極めているため」という点である。
その他にも、タガメは自身の遺伝子を残すために60回近くも交尾して献身的に卵に水をかけるも、他の -
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読書録「万世一系のひみつ」4
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
p43より引用
“そして!チョコレートの匂いは、男のペニスの血圧を増す”
動物行動学者である著者による、生物に関する読者からの疑問
や質問に答える一冊。
腰のクビレについてからうさぎの死んだふりについてまで、シ
リーズおなじみの楽しい挿画とともに答えられています。
上記の引用は、男女の甘い物の好き嫌いについて書かれた項で
の一文。ジョー・シュワルツ著「シュワルツ博士の「科学はこん
なに面白い」」を参照しての一文とのことですが、これは男性諸
氏にとってはありがたい情報なのでは?食べずに匂いを嗅ぐだけで
いいのなら、どん -
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久しぶりのレビュー。動物に見られる「子殺し」のメカニズムと、人間の児童虐待の関係について簡潔に述べられている。
生物に共通の「子孫繁栄」という目標を達成するためには、あえて子を殺すことも理に叶う場合がある。それは動物にとって、よくあるプログラムであるそうだ。そうすると「では人間は?」と考えてしまうのは避けられない心理だろう。今でも「子殺し」が社会的に認められている先住民族の例を挙げながら、人間にも潜在しているプログラムが現代社会において「虐待」として表見していると本書は指摘する。それは非常にショッキングである。
なぜ動物はあえて「子殺し」を行うのか。続きはこの本で。 -
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いきなり性の話で、しかも表紙がこんな感じなので、借りるのが若干恥ずかしかったけど…
生殖の話は生物学的に必ず通る道だし、女として生きていても大体通る道だし、やっぱり面白い。
遺伝的に適応してきた多様性の話も興味深い。
科学とは「その時点におけるもっともレヴェルの高いウソである」という見解もなるほどと思った。
日高先生の思想的にも哲学的にも非常にレヴェルの高い話を面白おかしくやるって、私は単純に面白いな。ありがたいな。って思うけど、
中途半端に科学をかじってる人(残念ながら中高の先生とか)は、面白いのは学問じゃないと信じ込んでることが多いらしい(*_*)
竹内先生は「私に対して意地悪をする -
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「遺伝子が解く!男の指のひみつ」4
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
p82より引用
“驚いたことにロッシは、日本の下駄や草履もプラットフォーム
・シューズ、つまり"厚底靴"だと言います。言われてみれば確か
にそうです。”
動物行動学者である著者による、Q&A形式の雑誌連載をまとめた
一冊。
マスターベーションの意味についてから離婚の遺伝についてまで、
動物行動学を元にした著者独自の理論で、一つ一つ丁寧に答えら
れています。
上記の引用は、女性が厚底靴を履くことに対する質問への、回
答の中の一文。厚底靴はプラットフォーム・シューズと分類され
る靴の一種だ -
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「浮気人類進化論」4
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
p188より引用
“こうなるとますますもって子の父親が誰であるかわからなくな
り、すべてのオスが父親としての責任を負わされる。要するにメ
スの狙いはそこなのである。”
動物行動学者である著者による、人類が人類になった理由など
を考察する一冊。
人間の起源についてからその他動物たちの社会についてまで、
気軽な文章で独自の理論が展開されています。
上記の引用は、ボノボという類人猿の生殖に関する項の一文。
こうしてメスの立場が強く維持されることで、その他の猿や類人
猿とは違い比較的穏やかな社会が築かれているそうです。
ニュースを -
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はじめの掴み方がよいです。
下ネタってか性の話って、やっぱり男女問わず興味のあることなんじゃないですかね?笑
もともと日高さんの研究分野も好きだし、本も読みやすいのでファンだったんです。
で、この本は日高さんとその教え子の竹内さんとの対談なんですね。
やっぱりお話も面白いと思ったし、考え方も素敵だと思いました。
科学ってこういう面白さがあるんだよって伝えてくれている。
別に絶対的なものでもないし、お堅いものでもない。
「これってもしかしたら、こうなんじゃないの?」っていう発想から生まれるある種のエンターテイメントが科学。
科学系の本を読んでいると(といっても、そんなに読まないですが…)ワ -
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「浮気で産みたい女たち」4
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
p21より引用
“(とはいえ人間の女にも多少その名残があって、
時に性交が引き金となって排卵が起きることがある。
オギノ式がなかなか完璧な避妊法とならない
理由の一つはここにある。)”
動物行動学者である著者による、
人間を含めた動物たちの生殖や繁殖行動について書かれた一冊。
睾丸の大きさに対する考察から浮気に関する話まで、
学術的でありながら読みやすい文章で書かれています。
上記の引用は、
動物たちのメスの排卵とオスの睾丸の発達に関する話の中の一文。
どんなに文明的な生活をしていても、
やはり私達の体は動物なんだなと