竹内久美子のレビュー一覧
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おもしろかった。
第1章「実はキビしい!社会の掟」
第2章「おかしな性行動」
第3章「悪魔の卵・生存競争」
第4章「恐怖の操りと寄生」
各章ごとに8~21の話題を各々数ページで紹介していて、気軽に読めて楽しいです。豊富なイラストはもじゃクッキーが描いています。
著者の著作は全部読んでるし、リチャードドーキンスの初期の主著も「祖先の物語」まで読んで、たいがいの話題は「知ってるはず」と思っていましたが、最新研究成果も盛り込んだ本書で、僕にとって「初耳」もありました。
例えば、ハダカデバネズミの長寿命(第1章の「恭順のポーズ」と糞尿で部下を従わせる)小さい動物ほど鼓動が早く、鼓動に比例して寿命がだい -
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■性行動について男性同性愛者は男性異性愛者と同じ傾向にある,どころか超男性とでもいうべき特徴を持っている。一方で女性同性愛者は女性異性愛者と同じ傾向にある。
・男性同性愛者が数打ちゃ当たる方式であるのに対し,女性同性愛者は慎重に相手選びをしている
・同性愛にしろ異性愛にしろ,それぞれの性に特徴的な行動パターンを示している
■カンペリオ=キアーニらの研究によれば,男性同性愛者には父方よりも母方に男性同性愛者が多い。
・男性同性愛者の母方,父方の血縁者に男性同性愛者が存在するケースは,母方:22/396,父方:12/593
・一方,男性異性愛者の母方,父方に男性同性愛者が存在するケースは,母方:0 -
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ネタバレすごく面白い本だった。
竹内さんが疑問を抱いているように、私も佐藤さんみたいな知性を持った人がキリスト教徒なのか不思議だった。
その点については、やっぱり分からなかったけど、(人の信仰は、理解できないものなのかも)「最初の一撃」という考え方が教養のない私にも分かりやすくて、なるほど!と思った。
後半の竹内さんの動物行動学の話も興味深かったし、読んでよかった。
「『聖書』には、到底できないことを基準として掲げることによって、全員がそれを守れない罪びとであることを認識させる。 」「神が人間をつくったんじゃなくて、人間が神をつくった」とまで言うのに、それでも信仰の揺るがない佐藤さんはすごいな。
表紙 -
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トラウマからの帰還 140611
一度依存・搾取・支配と言う甘い汁をおぼえると
それがどれほど致命的な危険だと気付いても
抜け出すことは非常に難しい
いざその危険で孤独で住みにくいにも関わらず
甘い汁を無くす危険が迫ると
パニックを起こすというトラウマにはまる
これは麻薬におかされた状態と同じである
つまりほかの物理的な危険におかされるという
更なる危険を通り抜けるか
同じ追体験をリアルにスローモーションによって
咀嚼し直すことで頭だけでなく無意味だという体感を
心でする狭き門を通る以外に抜け出す方法がない
この経験によってのみ無菌状態に戻ることができる
この世というパラドックス体感 -
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読書録「パラサイト日本人論」5
著者 竹内久美子
出版 文藝春秋
P170より引用
“そのために宿主には、ぜひとも元気で長生きをして欲しい。子
孫も増やして欲しい。逆説的に聞こえるかもしれないが、それが
彼ら本来の願いである。”
目次から抜粋引用
“二つのルーツを持つ日本人
男と女のパラサイト
日本人の死生観
ウイルスが作った日本のこころ”
動物行動学者である著者による、日本人の気質の形成について
記された一冊。
猫の尻尾の形の違いと分布についてから成人T細胞白血病ウイル
スと人間の関係についてまで、歴史背景やデータを元に記されて
います。
上記の引用は、ウイルスや他の -
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リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子(原題:『The Selfish Gene(セルフィッシュ・ジーン)』)」を中心に、生物の行動の不思議を解釈する。
柳田邦男の『犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 』に出てきた話題”遺伝子死”のところで、利己的な遺伝子(セルフィッシュ・ジーン)について述べてあり、気になっていた。
竹内氏の解説はコミカルではあるものの、生物の行動の意味や、生殖のあり方、文化などを利己的な遺伝子の視点から、”こう考えると都合良く納得できる”よう、やや冷徹な面もある。
『生物とはいったい何なのか。 生物は遺伝子が自らのコピーを増やすために作った生存機械にすぎ -
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ネタバレ目からウロコの面白さ。
最近社会では子供の虐待や殺人が問題になっているけれど、動物の世界ではよくある話なのだそう。
パンダは大概2頭の子供を出産し、大きい方だけ育ててもう一匹は育児放棄するらしい。
今動物園で何頭も育っているのは、飼育員さんが、子供をすり替えて上手く親パンダをだましているらしい。
どうも母乳の量だ足りなくなるのを見越しての行動ではないかという。
継子殺しもよくある話。
動物の行動を人間にあてはめればなんとなく理解出来る所は多い。
もちろん動物と人間は違うけれど。
一番興味深かったのは中国、四川省と雲南省の境にある高地に住むモソ人の結婚形態の話。
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「母親スイッチ」なんてない。そんなものは、たぶん誰かの(当事者じゃないだれか)の願望なのだ。
にも関わらず、それが実在していると信じられてしまっているために、「理想の母親」を演じられずに苦しむ女性のなんと多いことか。
少子化を憂いつつも、若年出産や未婚の母を蔑視し、差別する。一家の苗字がバラバラなだけで家庭が崩壊すると心配する。
「よりよく育てられない」という予測が出た時点で、次へ進むのは、動物としてはなんら間違っていないやり方なのだが、人間世界ではそれが通用しない。
「動物の愛情あふれる子育てを見習え」という人は、動物のシビアな選択もまた受け入れなければならないだろう。動物の生態のイイトコど -
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前の職場を去る時、餞別でいただいた本
ずっと積読していたが
文句なく、面白い!
「人間が子供が欲しくなるのは、利己的遺伝子が乗っている乗り物を早めに新しく活きの良いのにしておきたいから」
「親が子をしかるのは子に嫌われて自立を早く促すため、そうすれば節約できた資源を下の子供に使える」
「子を産みたくない、仕事が生きがい、特殊能力を持つ女性に”無理に”子供を産ませるのではなく、彼女の血縁者にもっと繁殖機会を与えるべき(一夫多妻)」
「姑が嫁をいびるのは、息子の遺伝子をもった子供をつれて嫁が出て行って欲しいから、そういう子供が増えていけば自分の遺伝子が増える!」 -
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薬指がすべて語っている。
女が「男の手が好き」というのには、こんな理由があったのか。
指や髪やしわにまで、いろいろサインは出ていた。
テレビの見方が変わりました。
是非一読を。
当時の手書きメモから追加します。
女は、いろいろな男の身体サインをもとに、好みの男性を選ぶことができます。目をこらしてよく見るべき。でも、本能で知っているかな。
薬指からは男らしさが分かります。
頭髪や、顔全体のくしゃっとしたようなしわ、頭髪、声、身長。
そこここに男性性は現れています。
男っぽさ、女っぽさは好み、個性かもしれませんが、それに病気への耐性なども関わってくるから侮れません。
日本人より西洋人の方が