あらすじ
嫁と姑はなぜ憎み合わねばならないのか? 魅力的で性格もいい男がどうして浮気だけはおさまらないのか? 賭博と酒におぼれ、すってんてんになっても渡り歩く男がなぜ滅びないか。倹約にいそしみ、お金がたまると「うしし」とほくそえみたくなるのはなぜか。そもそも賢いはずの人間がときとしてアホなことをしでかすのはなぜなのか? この深遠なる人間行動の謎に「利己的遺伝子(セルフィッシュジーン)」という考え方から迫る“天才”竹内久美子の最高傑作。
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Posted by ブクログ
リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子(原題:『The Selfish Gene(セルフィッシュ・ジーン)』)」を中心に、生物の行動の不思議を解釈する。
柳田邦男の『犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 』に出てきた話題”遺伝子死”のところで、利己的な遺伝子(セルフィッシュ・ジーン)について述べてあり、気になっていた。
竹内氏の解説はコミカルではあるものの、生物の行動の意味や、生殖のあり方、文化などを利己的な遺伝子の視点から、”こう考えると都合良く納得できる”よう、やや冷徹な面もある。
『生物とはいったい何なのか。 生物は遺伝子が自らのコピーを増やすために作った生存機械にすぎない』
アリが戦う姿、母親が子どもを愛するために取る自己犠牲の行動、クジャクの雄の美しさの意味など...遺伝子の思うがままになっていると思うと、やや恐ろしくも感じるし、行動が遺伝子にコントロールされていると思うと、虚無感も感じる。
遺伝とのアナロージーが考えられている”文化”。
R・ドーキンスが提唱した”ミーム”・・・遺伝的伝達単位を遺伝子と呼ぶのに対し、文化的伝達単位をミーム”と呼ぶ。
人間は、遺伝子とミームという二種類の自己複製子の乗り物(ヴィークル)であるという観点で、さまざま語られていて、面白かった。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
嫁と姑はなぜ憎み合わねばならないのか?魅力的で性格もいい男がどうして浮気だけはおさまらないのか?そもそも賢いはずの人間がときとしてアホなことをしでかすのはなぜなのか?この深遠なる人間行動の謎に「利己的遺伝子」という考え方から迫る“天才”竹内久美子の最高傑作。新たに「美人論」を付す。
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【目次】
プロローグ
第1章 すべては遺伝子から始まった
・二人のキョウダイか八人のイトコ ~J・B・S・ホールデン
・働きバチはなぜ子を産まないのか? ~W・D・ハミルトン
・完全無欠のスーパースター ~R・ドーキンス
・自由な魂の遍歴 ~F・クリック
第2章 我々は乗り物である
・遺伝子が行動を支配する ~『衛生的』なミツバチ
・意地悪の実力のうち ~忙しいアオアズマヤドリ
・黒幕は誰だ!? ~土と唾液の建築家・シロアリ
・ミームという名の曲者 ~ニホンザルのイモ洗い文化
・個体の幸福は遺伝子の不幸 ~妊娠をめぐる戦い
第3章 利己的遺伝子の陰謀を暴く
・子どもは恐い ~ゼンソクで操作する
・ゲームの理論 ~タカ派とハト派
・自分の姿に気がつかない ~鬼の嫁姑戦争
・男の分類学 ~繁殖戦略としての離婚
・誰のための“しつけ”か ~親とても乗り物
・出生率は低下しない ~福祉のおとし穴
第4章 利己的遺伝子のさらなる陰謀
・アリの戦争と平和 ~ミツツボアリの竹馬歩行
・チンパンジーの仁義なき戦い ~タンザニアのヤマグチ組
・遺伝子が神をつくった ~血縁を超えたリーダー
・知らないあいだに武闘訓練 ~「鬼畜」のミーム
エピローグ
解説(柴門ふみ)
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Posted by ブクログ
前の職場を去る時、餞別でいただいた本
ずっと積読していたが
文句なく、面白い!
「人間が子供が欲しくなるのは、利己的遺伝子が乗っている乗り物を早めに新しく活きの良いのにしておきたいから」
「親が子をしかるのは子に嫌われて自立を早く促すため、そうすれば節約できた資源を下の子供に使える」
「子を産みたくない、仕事が生きがい、特殊能力を持つ女性に”無理に”子供を産ませるのではなく、彼女の血縁者にもっと繁殖機会を与えるべき(一夫多妻)」
「姑が嫁をいびるのは、息子の遺伝子をもった子供をつれて嫁が出て行って欲しいから、そういう子供が増えていけば自分の遺伝子が増える!」
Posted by ブクログ
単純な結論を難解な言葉で言い変えてケムに巻くのは意外と簡単だったりするけど(政治の世界なんかで多いような気がry・・・)、難解なロジックを誰にでも理解できるように明快にカミ砕いて説明するのは、よほど聡明な方じゃないとできないと思うんです。
竹内 久美子センセー、めちゃめちゃ敬愛しています!(関係ないですが、アナウンサーの池上彰さんも、同様の理由で人気がブレイクしてるんだと思いますv)
ちなみに、これを拝読してから改めてデズモンド・モリスの『裸のサル』を再読したら、さらに興味が尽きなかったです!
Posted by ブクログ
リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」の内容を、ものすごくわかりやすく面白い生物学的実例に基づいて教えてくれる本。
人間のことがよくわかるようになる。
生物のことがよくわかるようになる。
生きているってことがよくわかるようになる。
読んでいて、本当に面白い。
何年か前に読んだ本だけど、今また読み返したい。
竹内久美子の中でも特に内容が詰め込まれた名著だと思う。
Posted by ブクログ
そんなバカな!といいたくなる。
家族愛や兄弟愛が起こさせる行動なんて美しいお話は、
すべて計算された結果起こっていることだった。
誰の計算か?それは「利己的な遺伝子(セルフィッシュジーン)」の、だ。
人はセルフィッシュジーンにとってのビークルに過ぎず、
セルフィッシュジーンは古い乗り物(自分)から新しい乗り物(子供)に乗り換えて、
永遠に旅し続けるのだ。
嫁と姑のいさかい、男の浮気はなぜ起こるのか。
それは自己を効率的に複製しようとする遺伝子による操作だった。
姑は息子の嫁を追い出し、新たな嫁に子供を生ませるために、嫁をいびる。
男は外に多くの遺伝子を残すために浮気をする。
子供はなぜ発作で熱を出したり、ダダをこねるのか。
それは自分が多くの加護を受け生き延びるための、遺伝子による親(世話人)への脅迫行動だった。
「僕が僕であるため」にとはよくいいますが、
僕はとるどんな行動も遺伝子の意のままだったということです…
動物行動学に興味を持つのにはよかった。ここから掘り下げてみよう。
Posted by ブクログ
ありとあらゆる行動の意味と解き明かす本。おもしろいねー。いやほんとに。
利己的遺伝子の概論は高校のとき教えてもらって衝撃でしたね。ねっ方波見先生。
Posted by ブクログ
「遺伝子は自分の一生にどんな影響を与えるのか?」
遺伝子の解析が進んでいく中で疑問に思って手に取った本。
最初はリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読んだけど、私にはこちらのほうが読みやすく思いました。短いし。
専門書のようでいて文体が砕けていて読みやすく、本当に身近なところから遺伝子について考えられる本でした。「赤ちゃんを無条件にかわいく思ってしまうのには、こんな理由が…」なんて。
ただ、納得させられそうでしたくない内容。読んでみて最初の感想はやっぱり「そんなバカな!」でした。
Posted by ブクログ
ドーキンスの「利己的な遺伝子」を読む前に、導入として読み始めた。
どのエピソードも面白く興味深いもので、特に文化的な伝達単位である「ミーム」については興奮した。
作者の人間の愛情を徹底的に疑う姿勢は面白く、ニヤ...としながら読んだが、流石に嫁姑の話など全ての人間が不倫へと帰結するところは過言、冗談7割
Posted by ブクログ
人間は賢いが時としてバカな事をやるのはなぜ?素朴な疑問、人間の不思議な行動及び、動植物たちの不可解な行動を筆者が生物学的にシンプルに分かり易く解説したエンタメ色が強いサイエンス本。嫁姑の確執が本人たちも知らないところで、”黒幕”に操られている!?驚愕な仮説にも関わらず、自身が生物学者でもあるので、へ理屈にも妙に納得!動物行動学の権威であるドーキンスのベストセラー「利己的な遺伝子」をベースに筆者の生物学者としての知見をプラスした作品のようです。オリジナル本も読んでみたくなります。子供の躾に悩むあなた必読ですよ~。
Posted by ブクログ
遺伝子か環境か
永遠のテーマのように思う
どちらなのかわからない
人間は遺伝子を運ぶ器に過ぎない
遺伝子は
人から人に乗り移り
人を操り
行動を決定し
運命を支配している・・・
恋も愛も
浮気も
利己的遺伝子-セルフィッシュゾーンの
陰謀による・・・
そんなバカな!?
と思いつつも
ありえるかもしれない、と、考えた
Posted by ブクログ
購入済み
内容(「BOOK」データベースより)
嫁と姑はなぜ憎み合わねばならないのか?魅力的で性格もいい男がどうして浮気だけはおさまらないのか?そもそも賢いはずの人間がときとしてアホなことをしでかすのはなぜなのか?この深遠なる人間行動の謎に「利己的遺伝子」という考え方から迫る“天才”竹内久美子の最高傑作。新たに「美人論」を付す。
Posted by ブクログ
高校生のころ、夢中になって読みました。
自分の体に、「自分」以外の意志が宿るという発想が、それまではなかった。自分の体は自分の心のいれものだと思ってたけど、その自分の心すら、微細でかつ強靭な何かの入れ物かもしれない。私にとってはパラダイムをがしがしと揺さぶられた本です。
生き物への、「ほのぼの動物愛」のようなものを感じさせない、突き放した文体も読みやすい。
Posted by ブクログ
生物学に興味がある方。雑学を増やしたい方にオススメ。
「へぇ〜、そうなの!!」って思えることがたくさん書いてあります。しかもとっても読みやすい。
Posted by ブクログ
生物を、遺伝子の乗るための入れものだと断言して、人間や動物の行動理念をすべて遺伝子の戦略だと考えてしまう本。
自分の行動に意味付けをしたくなったり自分の行動を疑いたくなったら読むべきです。
Posted by ブクログ
ボクらはたんなるセルフィッシュジーン(利己的遺伝子)の乗り物(ヴィークル)にすぎない。より確実でより多くのコピーを作るためにボクらのセルフッシュジーンは今日もゆく。って。ああトンデモナイ。。女性に怒られっぞい。だが女性である著者はこうも言い放つ。姑は、わが息子の不貞に寛大だが嫁の不貞には容赦しない。息子は自分の遺伝子1/2を確実にのせた乗り物。嫁はまったく遺伝子とは関係のないアカの他人。養育費を払う息子が哀れでならない。姑嫁戦争が永遠のテーマであるゆえんはここにあるというのだ。そのほかぜーんぶセルフィッシュジーンで森羅万象片付けてしまう。いかがなもんか。そんな。バカな!しかし傲慢じゃのう。セルフィッシュジーン。
Posted by ブクログ
竹内久美子にはまるきっかけになった一冊。大胆かつ、斬新な切り口は素晴らしいと思います。こういう文章、こういう論点で物が書ける人間になりたいと憧れました。
Posted by ブクログ
生物の行動は全て遺伝子によって支配されている。生物の身体は遺伝子を複製させる為の乗り物に過ぎない。
蜂とか猿とか人間を例にとって、全ての現象は遺伝子が遺伝子を後世に遺す為のものだと説明。結構説得力があった。
伊坂幸太郎「重力ピエロ」はその辺の事を問題提起していた作品だったような…。殺人者の子は殺人をする。みたいな偏見で苦労をするドラマの主人公をよく見かけるが、遺伝子にとってその行動が遺伝子を遺すのに有利に働くのならば、やっぱり偏見ではなく、蛙の子は蛙なのだろうか。
人間たるものは所詮は利己的遺伝子と利己的ミームの乗り物なのである。
親にしたところで所詮は利己的遺伝子の乗り物で、無償の愛を注ぐ慈父や慈母などあるはずがない
Posted by ブクログ
遺伝子の話が主ですが、ただの遺伝子の話に留まらない話の展開はおもしろかったです。人間も生物なので、その持っている遺伝子の命令にはそむけない。そうできないようになっている。そこから親子の関係とか家族の枠組みとか、自分に置き換えてみるとおもしろい話が多かったかな。若干、数字の話とかがあって理解しきれなかったところもあったし腑に落ちない部分もあったけど、こういう見方もあるのかと参考になりました。
Posted by ブクログ
人間が理性では考えられないアホな行動をしてしまうのも、
遺伝子に操られているからかも、自分の意思ではどうしようもないのかも、
と思うと、世の中の理不尽がちっとはしのぎやすくなるかも!?
Posted by ブクログ
◆嫁と姑はなぜ憎み合わねばならないのか?魅力的で性格もいい男がどうして浮気だけはおさまらないのか?そもそも賢いはずの人間がときとしてアホなことをしでかすのはなぜなのか?この深遠なる人間行動の謎に「利己的遺伝子」という考え方から迫る“天才”竹内久美子の最高傑作。新たに「美人論」を付す。
◆専門書ではないので、軽く読むと面白いです。テーマへの関心というより、動物行動学に対する興味が喚起されます。
Posted by ブクログ
私もあの人も、みーんな「利己的な遺伝子の乗り物」にすぎない、というフレーズに
どきり!
題名通り、「そんなバカな!」と呟いてしまいそうになります。
理系に傾きたい気分の時に。
Posted by ブクログ
くだけていて分かりやすい、著者の本。しかし、乙女なら恥らうような単語もまじえつつ、薀蓄を語るという後遺症が出たりも(笑)。この本は利己的遺伝子についての理解を助けます。