稲葉稔のレビュー一覧
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ネタバレなんともほのぼのとしたストーリー。
サラリーマンと置き換えてもいいかもしれない。
下士で、お城の門番が仕事という、お手先組の一員。
下男が一人いるが、そのものに、ちゃんとお給料を腹痛いと、女中も雇わないでいるくらい。
80人ぶちと、贅沢はできないが、家族が無事に食事をし、健康にいられることを、一番と考えるマイホームパパ。
若い頃は、それなりに剣術も嗜み、出られなくなった部下の代わりに剣術試合に出されたりもする。
結婚したときは、楚々として大人しく美しい妻、志乃も、二人子供を産んで、今では皮肉も言える妻になった。
少しぼうっとして見られ、軽んじられやすいのだが、偉い人にも、息子の一大事に -
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ネタバレ稲葉稔の2019年から始まった新シリーズ。
労咳かと思われる病に寝込み、私も覚悟。
自分が与力になった年齢の25才に、嫡男が至ったのを機に、一線を退いた桜木清兵衛。
療養の結果、労咳ではなかったが、
元には戻れずに、楽隠居となった。
剣の腕は立つし、人情の機微も知る人格者。
若い頃は名を変えて、無茶もし尽くした面白みのある男。
そんな隠居としての暮らしを住まいも変えて妻と二人で暮らす。
身近で起きた事件に黙って取り過ぎれないところが。。。
なんとも、面白い主人公が生まれた。
四角四面でな口とも良い隠居という立場、人生経験も長く、生き死にも見てきた男ならではの生き方、過ごし方、人生の楽し -
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山本長官について
山本長官がもしも東京裁判で裁かれていたら、確実に死刑にされていただろう。この作品では奇跡的に生きているが、米軍の復讐心は罪もない一般人を多数殺しても正当化してしまうのだから、本当に恐ろしい。
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下野国、江戸から33里、奥州道中20番目の喜連川宿
此処を治める藩主の石高は5000石
しかし官位は四品であり国主クラス、将軍にも単独でお目見えでき、家格は10万石とされている(松前公もそうです)
家康が新田の出自を称したが、足利の血筋である喜連川家はなお権威づけされねばならない
故に、藩主を「御所様」と呼び、将軍家の一部にしか名乗ることのない称号を使うことができるのだ。
(城はなく、通常陣屋と言われる屋敷は「御所」と呼ぶ)
この小さくも誉れ高い家であるが、上司がのんびりで不誠実な者が多く、中間管理職で手を抜くことなく仕事を誠実にこなす天野一角の苦労たるや・・・
そんな天野が切腹を賭けて百姓騒 -
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痛快時代小説の醍醐味
文章が簡明で読みやすかったので購入しました。読み始めて、部類の酒好きの主人公に魅かれて、一気に5冊分読んでしまいました。眠狂四郎の円月殺法ならぬ酔眼の剣術も、面白かったです。でもこんなにお酒を飲んでばかりいると、きっといつかは身体を壊すでしょう。定職の無い浪人者の悲哀も、ちょっぴり感じました。