乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが・・・。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し――。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。
(裏表紙紹介文より)
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文庫2冊くらいになってもいいから、もっと登場人物たちのバックグラウンドを掘り下げられてたら★4つだったかなぁ。
すらすら読めたし、面白かったんだけど、今ひとつ物足りない感が拭えない。
いや、文庫2冊じゃさすがに長いか。
非日常的な(しかも悪い方面の)出来事に遭遇したとき、一緒にいるのが全く知らない人同士だったら、かなり苛々するだろうな。
リーダーシップ取りたがる人もいるだろうし、騒ぎ出す人もいるだろうし、協力的な人も、非協力的な人も・・・。
十人十色とはよく言ったもんだと思いました。
最後の方は目がうるっとしました。
再生できた人もできなかった人も、逆に落ちた感じな人もいたけれど、終わり方は爽やかでした。 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。私の仕事も順調だ。そして、恋も…。次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく、奔放な主人公を待ち構えていた運命は?表題作をはじめ、宝石にとり憑かれた女の破滅的生活を追う「魅惑の輝き」、少年の底知れぬ不可解さを描いた「デジ・ボウイ」など、日常に潜む狂気を抉った直木賞作家の傑作短編5編。
内容(「MARC」データベースより)
僕には緑色の血が流れてる…。救いようのない"時代の病理"ゆえの悲劇。「都会人の異常な心理」(アーバン・シンドローム)を巧みに描いたサスペンス。* --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。 -
Posted by ブクログ
【練習場で橋口に声をかけられた江本美和子は、その強引な誘い方に驚くが、結局デートに応じる。一方、阿久津らの捜査から松川と橋口が同一人物であることが判明した。だが被害者の中にかつての恋人、美和子がいるのを知り、阿久津は愕然とする。あのしっかり者の彼女がなぜ…。橋口と被害女性、そして阿久津の心模様を丹念に追い、現代の結婚観を浮き彫りにした傑作サスペンス】
そんなに先が気になる訳ではないのに、
読みやすくて飽きないので一気に読んでしまいました。
結婚詐欺師と刑事の両方の視点から見れるので、
双方の動きを知ることができ、
「どっちが早い!?」とドキドキしながら読む場面もあって楽しめました。
橋口はマメで慎重で勉強家。
そんなに頑張れるなら他で才能を発揮すればいいのに・・と思いましたが
入ってくる金額が半端じゃないですもんね。
真面目に働く気になれないのも分かるような気がします。
やっぱり大金って人を駄目にするよな・・・
騙されたのに騙されたと思いたくない気持ちは分かるが、
なんでそこまで信じるの!?と思いたくなる場面が多々ありました。
「私なら騙されない!」と思うのですが、
やはりプロの手にかかると騙されてしまうのだろうか?
騙されたくはないですが、ちょっと気になるところです。 -
Posted by ブクログ
39/100
88年 第一回 日本推理サスペンス大賞優秀作
過去堕胎した自分を責め続け、ヒステリー性の想像妊娠騒ぎを起こす。
そして、正常とはいえない言動と行動をとりはじめる志穂子。
後半もかなりの後半からの展開なんですけど、ラストを含めこのあたりのお話しが駆け足。
志穂子の男関係の多さにも辟易した。
同じ劇団員、ディレクター二人、マネージャー、俳優兼声優、退団した人形使い・・
どれもこれも己の都合からの関係。
自分の思い通りに行かない40手前の女性がヒステリーを起こし、挙句気がふれたってだけ。
これ読んでも志穂子がじぇんじぇん可愛そうに思えない。
身から出た錆。
有名な女優を陥れるあたりのトリックだって、特筆すべき内容でなし、
悲しくもなく、さほどの驚きもなし、 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
かつて妻の浮気という男にとって最も屈辱的な理由による
離婚を経験している夫。
母親に捨てられた経験を持ち、
いじめの標的が日々変わる教室の中で
なんとか標的にならないように過ごす15歳の息子。
気を遣いながらも15歳の連れ子と
良好な関係を築く妊娠中の妻。
それぞれにナイーブな部分を抱えながらも互いに支え合って
新興住宅地で幸福に過ごす夫婦と息子一人の3人家族。
しかし夫が痴漢冤罪事件に巻き込まれたことから
幸せな日常の歯車は狂い始める…。
家族3人が、会社・学校・地域とそれぞれ逃げ場がない状況で、無責任な噂に追い詰められ、それが原因でお互いを信じる心すら失って家庭が崩壊してゆく様がこれでもかと描かれる。元々不安や疑心といった人のネガティブな面とか、人がどうしようもない環境で追い詰められてゆく様を描くのが抜群に巧い作者だけに、事態が悪い方へ転がり出した時の圧迫感・気鬱さは半端ではない。しかも誰かの明確な悪意が原因ならば「こいつをなんとかすれば」というストーリー上の解決の道も見えるのに、他人の無責任な噂という実体のないものが原因だけに、解決のために進むべき道すら見えず、負のスパイラルを止める術が見つからないのである。
これが辻村深月とかならまだ最後はハッピーエンドだって安心して読んでいられるけど、刑事もの以外は高確率でバッドエンドで終わる乃南アサだから、どうなってしまうのか本当に予断を許さない。リアルにハラハラしてしまう。読み進めててホンット心臓に悪いというか、鳩尾がグゥゥって下から圧迫される感じだった。
精神的にキツい状態にある人には
読むことはオススメしません。
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Posted by ブクログ
上下巻なので、下巻にレビューを。
携帯小説として連載されていた作品の書籍化。「携帯小説であれば、ホラーがいいと思った」ということでこの形になったというが、うまいなぁ、と唸らされる。携帯で読んでいたら、これは夢中になるだろうなぁ。媒体を考えた小説を書ける才能。
主人公を「あなた」と呼んでつきまとう視点がだれのものなのかがわからず、それを探りながらも恐怖心にあおられる。乃南アサ独特のねっとりとした女性性、最後まで息つかせない読ませる力。ちなみに、その正体がピンときたのは上巻の最後。それがほんとうなのかを確かめる作業もたのしい。が、オチがひどすぎる。もうちょっと違えば、すごくいい作品なのになぁ。
ただ、書籍としては2度たのしめない感じがしてしまう読後感も、携帯小説だったらよかったのかもしれない。たぶん中高生がターゲットなのだと考えれば、こういうオチもむしろわかりやすくてありで、その層が活字に流れてくれるのであれば、業界的には万々歳なんじゃなかろうか。(夢)