溝口敦のレビュー一覧
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決して反社会組織を肯定し賛美するような代物ではない。
溝口先生の書物を読むのは2冊目だが、あくまでも我々が知らない世界の事実だけを伝えるものである。
驚かされるのが、その取材量である。
生まれ故郷の旧友や恩師にまで取材しており、そこから起こされる文章はあたかも実際に見てきたかのような内容である。
とかく一般人とは縁のない世界の話、ここまでの取材と文章構成はさすが溝口先生としか言いようがない。
逆にいえば、任侠武勇伝を堪能したい方には、少々味気ないものかもしれない。
それは主人公の・・・言い方は悪いが「かっこわるい」部分も描写されているからでもある。
女性に対してシャイな人柄や、商売や博打 -
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作者の溝口敦さんの『暴力団』がとても面白かったので、この作品を手に取りました。
細木数子は、その言動の品のなさから大方予想はついていたが、とんでもない経歴だった。簡単に言うと、水商売~売春~ヤクザの流れ。
占いもなんの根拠もないインチキで、当時本買ったりテレビみて「大殺界だからマンション買うのやめよう」とか言ってた人達は、この本を読んだらどう思うのだろうか。
視聴率のためにこんなペテン師を担ぎ上げるテレビ局、そんな低俗な番組を見て喜んでる人達・・・。
テレビがいかに下らなくて害があるものなのかがよくわかる本だと思います。
今はマツコ・デラックスあたりがこの枠で活躍されています。
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細木数子を目の前にしたら、普通の人は、何も言えなくなってしまうだろう。
くぐってきた修羅馬が違うし、もはや、怪物と言っても過言ではないと思います。
普通の尺度で、この人を測ることはできないかもしれません。
もちろん、この本を見れば、細木氏を、悪人だと誰が読んでも、思いますが、
本人は、全く思ってないのでしょう。
金と性に対する執着心は、自分の想像を超えています。自分だったら、たぶん、頭がおかしくなっている
ような状況の中で、潰れない、そのタフさに、驚愕します。
読んでも、何か得られる本ではありませんが、日本を代表する極悪人の生き方を知るには、
もってこいの素材です。溝口氏は、怖いも -
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■覚醒剤の薬理作用には男女の違いがある。効果は女性の方により強く具体的な形で現れる。その差を自分の利益に結びつけようとする男がいる。覚醒剤を享楽目的で使うケースが増えてきた。
■依存性薬物の分類
①モルヒネ型(抑制作用,アヘン,モルヒネ,ヘロイン,コデイン)
②バルビツール酸系催眠剤及びアルコール型(抑制作用,バルビタール,フェノバルビタール,フルニトラゼバム,トリアゾラム,アルコール)
③コカイン型(興奮作用,コカイン)
④大麻型(抑制作用,マリファナ,大麻樹脂,ハシッシュオイル)
⑤覚醒剤型(興奮型,アンフェタミン,メタンフェタミン)
⑥カート型(興奮作用,カート,カチノン,カチン)
⑦幻 -
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妻妾同居の家に生まれ、中1でポン引きに立つ。青年俳優との恋に破れ、玉の輿婚家を3カ月で飛び出し、クラブのママ、暴力団総長の姐さん、負債歌手の後見人に。パクリ占術本で先生と呼ばれ、大物思想家の親族と婚姻訴訟。鑑定と墓石・仏壇販売で蓄財し、恫喝と罵倒で「視聴率の女王」となる。本書は、細木の絶頂期に「週刊現代」で連載、6億円の損害賠償訴訟を起こされながらテレビ降板へと追い込んだ渾身のルポルタージュである。
細木数子はイメージ通りの女ヤクザなんですが
これを書いてしまう溝口敦さんが凄い。
或る意味、戦場ジャーナリストと同じようなジャーナリスト魂ですね
ほんと、よく書いたわ。 -
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清原逮捕や少し前なら餃子の王将事件など、暴力団絡みの事件は多い。けれどもそもそも暴力団という組織がなぜ存在しているのか?彼らはどうやって食っていっているのか?よく「必要悪」などと言われるが、実際のところどうなのか?自分自身が暴力団とかけ離れたところにいるために彼らに対する知識は驚くほど少ない。本書は暴力団にとどまらず、暴力団に対する警察のあり方について知る上で良書である。
本書は「暴力団の存在は否定されるべきものだ」というスタンスを基本としている(当たり前といえばそれまでだが)。そのスタンスに立った上で法や警察のあり方にも踏み込んでいる。たとえば各地で制定されている暴力団排除条例。なんとこの -
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おれおれ詐欺など組織的な特殊詐欺犯罪組織の頂点に君臨していた男「本藤」の半生を描いたもの。裏世界の当事者へのインタビューを取ってくることで有名なノンフィクションライターの著者が、「本藤」本人の話を中心に構成したもの。
おれおれ詐欺の起源が、イベントサークルやヤミ金にあったとは驚きだ。しばらく前に世間を騒がせたスーフリ事件も、それが原因で本藤が会社を辞めるきっかけ(犯罪に手を染めるきっかけ)になっているというのも不思議な話だ。まあ、中身を読んでいただきたいが、とにかく驚くのはその金まわりの桁違いのよさだ。それだけの人がだまされていたということなのだが。
本藤は、自分のところに官憲の手が回る前