あらすじ
大ベストセラー「暴力団」「続・暴力団」を手掛けた巨匠・溝口敦が齢70を超え、自身、「最後の闇モノ」として望む、「裏社会の今」を暴く決定版。衰退する暴力団の現状と今後、半グレ集団などの因習にとらわれない新たな暴力の実像と展望、そして、われわれ市民社会が、溶けるように私たちの生活に食い込んでくる暴力の兆候、背景をどう見抜き、どう対処すべきかを綿密な取材と、豊富な見識から説く。
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Posted by ブクログ
2013年に出版された本。2013年というと山口組分裂前になるが、この本に書かれた通りのことが起きている。ヤクザのシノギは先細り月々の会費にも苦労する始末。ところが組織のトップは危機感が薄く会費の取り立てをやめようとしない。外にシノギを求めることができないから組織内での利権の取り合い。よってもって分裂につぐ分裂。
暴対法によって、ヤクザはマフィア化するという声はあったが、実態はトップの危機感の薄さに由来する存在感の喪失。ヤクザが終わるのはもう遠い未来ではないんだろうな。
Posted by ブクログ
溶けていく暴力団。溝口敦先生の著書。暴力団や反社会的勢力の現状をわかりやすく解説した良書。溝口敦先生の取材力と文章力の高さには感嘆するばかり。
アングラ化する社会
暴力団が合法的な集団とされつつ、その社会的排除が顕在化した世の中で、暴力団としてこれからも存続できるのか?その答えがこの本で説明されている。一方で、マネーに隷属化し、どんな理由であろうと金儲けさえできれば良いという歪んだ意識は、暴力団ではない社会人詐欺集団の増加を招くとして問題提起している。
国が暗闇を持たずしてクリーンな社会を実現できるとは思わないが、誠実正直で、人情味のある人々が不幸な思いをする状況になることはよくない傾向であろう。本来の任侠とは何なのか、そして暴力団の消滅は人々の生活や犯罪の危険性にどのように影響してくるのかを考えなければならない時期にきている。