溝口敦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
梟雄=残忍で強く荒々しいこと。また、その人。悪者などの首領。
目次
第1章 横井英樹―時代に乗り遅れた“乗っ取り王”
第2章 岡田茂―三越、窮極の私物化は「なぜだっ!」
第3章 豊田章一郎―版籍奉還するトヨタ武士団の血
第4章 若狭得治―人心収攬の凄みで全日空に君臨
第5章 永野一男―老人の命金まで詐取した果てに
第6章 中川一郎―ポキッと中折れする血筋なのか
第7章 矢野絢也―「公明」政治でカネを貯め込む
第8章 山崎正友―トリックスターは正義をもたらす
第9章 池田大作―地味で悲しい少年の「今に見ていろ」
その内容のせいであろう、極めて抑制された筆運びで、ぼくとしてはもう少し煽っても良いのではないかと若干物足りなさを感じるが、どれもこれも実に興味深い対象が選ばれており、その切り込みの深さに感心する。
豊田家の質素倹約振りは家康由来のものであろうか。章一郎が頂いたものは倍にして返しなさいと家族に教えていたことを以て、著者は単なるケチではなかったと書いているが、むしろ借りを作らないという姿勢の表れであろう。サッカー場を始め数々の立派なスポーツ施設を豊田市内に有しながら、名古屋オリンピックが取りざたされた頃「施設を使わせて欲しいと頼まれたらどうするか」との問いに、「あれは名古屋のことだろう」とにべもなく断ったという視野の狭さに驚かされた。
(車のトヨタとは無関係の)豊田商事。永野一男は破綻という終末を全く見ない振りで突き進んでいったのか。
中川一郎は殺されたのだとぼくは信じていたが、鈴木宗男に資金集めの根っこを掴まれており、遂に自殺せざるを得なかったのではないかとの説には驚いた。
創価学会関連に三本も割いているのがこれまた興味津々。創価学会の選挙集票能力を疑う日本人はいない。自前の候補を立てない地域では他の政党を単に応援しているだけなのだろうと実は信じていたのだが、この組織はそんな甘いものではなかった。票を売っているんだそうな。なるほどそういう集金ビジネスがあったのか。宗教法人というのは非課税組織なのだが、聖教新聞を初めとする出版やその他の事業の利益も非課税なのだろうか。
等々、なかなか考えさせられる力作である。 -
Posted by ブクログ
ほとんど黒に近いグレーなビジネスをやって儲けている人たちに取材し、どのようにそのビジネスにたどり着いて運営しているかを聞いてまとめたものである。したがって裏が取れてるものではないので、これでも都合の悪いことは省略され、おもしろく脚色されているおそれは十分にある。
それでも、こんなに儲かっているのか、と驚いてしまう。いずれにも共通していると思ったのは、素早い行動力と決断力というか思い切りの良さ、そして集中して(徹底的に)取り組み、状況が悪化したら思い切って撤退する、ことである。
真っ白なビジネスでも勝ち組になれる人たちばかりである。新書で9人も紹介しているから、一人ひとりの内容が薄いように感じるが、それでもいろいろと知恵を絞っているこんな人たちもこの社会にいることを改めて知れたのは良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
世間のイメージに反して「理」を大切にしていた。望まずして頂点を極めた、ある種時代遅れの男。
相変わらず、溝口御大の文章はうまくない。
というか、この業界で達者な文筆家に会ったことはない。
接続詞の使いかたも構成も雑だ。
ただ、彼の真骨頂は対象を(しかもアングラな)捉えて離さない
マングース的なところにある。
だから、四代目の生き様は活写されているのだろう。
特に、良き所も悪しきところもフラットな立場から書いたというのは勇気がある。
田岡親分の自伝は、自己顕示欲にまみれて、汚い話はできない酷いものだった。
せせこましい姿が見え隠れしていた。
それに比べ、竹中正久は「清貧」であり、「反警察」であり、「シャイ」であり、「仁義」を通した男。
ただ、やっぱりそこから惹かれるものは少ない。
竹中正久という男の一本筋が見えづらい。
たとえば、彼だったらこういう状況にこういう判断をするだろうな、
という基準が見えてこないのだ。
見えてきたとして、それはずいぶん底の浅いもの――利益や女など
に限られている。
堅苦しい世界で生きるカタギとして
ヤクザに憧憬を覚えることは少なくないが、
その実態はまた別の法が支配する世界であるのだ。