ヤマザキマリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
リアルな変人を描かせれば世界一なヤマザキ先生によるスティーブ・ジョブズの自伝漫画。やはり普段変人に取り囲まれているヤマザキ先生はこういう人を描くのがうまいです。
あぁこいつは天才だ。スティーブ・ジョブズという男の印象は自分にとっては天才としか思っていませんでしたが、やはりこの作品を通しても天才ですね。自分のすべてが正しく、自分を疑わず、千の成功を掴んでいく。子供時代からそんなんだからそりゃすごいっすわ。他人からみれば偏屈、だけどそれで成功しているんだから天才なんですよねぇ。そして、この天才思考をうまく絵に反映しているところがヤマザキ先生のすごいところ。スティーブの「こいつ何言ってんだ、バカかよ」のときの真顔がなんとも雰囲気でていて良い。やっぱりリアルな変人を描けるヤマザキ先生もまた天才なのだ。
さすがの変人っぷりでしたがこの先もどんなことしていくのか楽しみではありますね。これ読み終わったら原作の自伝も読むかな~。 -
Posted by ブクログ
恋に、使命に、馬に翻弄される我らがルシウス。ローマ時代に帰れないという不安とあせりと、実際に帰ったときの「失ったもの」の大きさに涙する彼が印象的でした。彼の一途で真摯な姿を見習いたいと思います。
ローマ人と日本のお風呂文化をつなげて映画化までされた人気コミックスの第5巻です。ここでは、ルシウスが「ディアナ」と呼ぶ才媛。小達さつきとの恋や、伊藤買収計画をもくろむ不振な勢力との対立を中心に描かれます。
ここで印象に残る人物といえば、整体と鍼灸院を営み、若いころは相当鳴らしていた彼女の祖父がおります。彼は身持ちの固かった娘に好きな人ができたと町の魚屋に行って高級なタイを買ってきて、彼女と一緒に食べる場面は祖父と孫との絆を感じさせました。彼がルシウスの顔を拝みに彼と入浴する場面があるのですが、「フケ専枯れ専」を自認する筆者がまさに魂を込めて描いたド迫力の顔に気おされつつも、ローマ人であるルシウスが彼の鍼灸と整体を受けるシーンは、作者のエッセイからそれなりに重要な意味を持つシーンであることがわかりました。
事態は伊藤買収をもくろむ勢力と、それを阻む勢力とに別れる前に、ルシウスはローマに帰ってしまいます。しかし、彼がいない間に彼を引き立ててくれたハドリアヌス帝は目に見えて衰えていったことを知ってルシウスは衝撃を受けるのです。またも日本に帰ってきたルシウスは、さつきが誘拐されたときも、持ち前の操馬術を駆使して彼女を救い、めでたしめでたしか?というところでまたしても…というところでこの巻は終わってしまいます。今後の展開に注目しつつ、ルシウスとさつきの行方も見守っていこうと思います。