鈴木恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『その雪と血を』と世界観を同じくする作品であり、一部の登場人物や組織が共通しているが、ストーリーとしては独立しているので、単発として読むことに何ら支障はない。
舞台はノルウェー。少数民族サーミ人が暮らす北部。夏の間は真夜中でも日が沈まない極北の地。ダークなヴェールの内側で、暴力と愛と信仰が語られ、ストーリーはある種の緊張感を持ちながら意表をついた展開を見せる。
『その雪と血を』にも通じる若干の緩さだったり抜け感はそのままに、見えない緊迫感の上でバランスを取ろうとする主人公の立ち位置が印象に残ったかな。さくっと読める死と再生と、そして<覚悟>の物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北欧ノアールでオモロ作品とどこかで紹介されていたので手に取ってみた。
想像してたのと全然ちゃう。まずそのボリューム、中編1作くらいしかないんじゃないかな?それくらい薄い本である。しかもポケミスなのに2段組みじゃなく1段組み。
解説まで読んで納得。なるほど70年代のパルプノアールを意識して描いたならこの分量でも雰囲気出るわな。活字量は少なくても、非常に徹しきれない三流殺し屋のぎこちない生き様が見事に描かれている。これは小説の体を装った詩やな。エルロイや馳星周やウィンズロウが描こうとした世界と同じ冷たくて痛くて美しい世界。
ミステリー要素もドンデン返しもあるんだが、この作品はそこを云々しても野 -
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Posted by ブクログ
あらすじを読むと殺し屋の禁断の恋のようにイメージしてしまうが、れっきとしたノワールです。そして拍子抜けするほど短い。
主人公の一人称でストーリーは進む。この主人公、殺しの腕はいいが欠点も多々あるという人物。そのひとつである惚れっぽさから始まって途中でボタンを掛け違えたことから、一気に転げ落ちていく。緊迫の中の緩さだったり、壮絶な過去を背負った不器用さだったり、暴力一色なのだがどことなく抜け感があるという不思議な世界観。
ラストは印象的。詩的で美しい。その時間、彼が脳裏に浮かべていた光景を思うと何も言えなくなる。短い頁数なのでその余白を活かして読後の余韻に浸るのがお勧め。終盤駆け足で読んだせ -
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Posted by ブクログ
苦手な翻訳ものなので、覚悟しながら読み始めたのですが、割と読みやすかったです。
あらすじを読んで想像していた感じと、だいぶ違いましたが……。
ブライアンとジェイムズがアルファベット・ハウスに行くまではドキドキでしたが、その後はちょっと盛上がりに欠けたかな~。
単調なような気がしました。
なんかもっと、ブライアンが八面六臂の大活躍!みたいな感じかと思ってましたけど、意外とそうでもなかったような。
第二部のジェイムズの状況には、「え、うそ~ん」ってなっちゃいました。
最後の方の、悪者と対決する場面は、少々長すぎたような気がします。
おもしろかったような気がするけど、あちこち長くて、ちょっと -
購入済み
読んだことある人は読むな
なんだこれ?訳が変わって面白さは半減以下!特に人物の魅力がまったく伝わらない。フェイ将軍なんてただの癇癪持ちのジジイになっちゃってる。前訳で読んだことある人は読まない方が良い。