鈴木恵のレビュー一覧

  • すべてのドアを鎖せ

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    現代ニューヨークが舞台だけど、ガーゴイルつきの建物の謎なので、ゴシックロマンの趣も。
    高級マンションの「部屋番」に雇われた不幸極まる若い女性の10日間。セレブと知り合ったり、ハンサムな医師と恋におちたりキラキラ体験もしながら、だんだん恐怖が高まり謎が深まるさまが、なかなかジェットコースター。
    ラストな。なるほどなるほど、今後の世界の犯罪は、これをめぐって起きるんだろうなー。

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    2021年08月29日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    ネタバレ

    もしかしたら誘拐された娘が解放されて終わる第一部だけで物語を閉じてしまってもよかったかもしれません。強烈に後味の悪い話になるでしょうが。

    とはいえ第二部では、事件後の被害者であり加害者である主人公たちの精神的に疲弊していく様子、これからずっと不安や終わりのない閉塞感を抱えて生きていくこと、そこから脱却しようと行動する、それと交互に黒幕たちのエピソードがあり、短い場面展開でどんどん読ませていく手法にのせられて物語の先へ先へ。

    最後はハリウッドアクション映画みたいな展開でしたが、まあ満足。
    メキシコカルテルの人質制度とチェーンレターから着想を得たとのことに感心しました。

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    2021年08月28日
  • 第八の探偵

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    作中作はそれぞれ素直に納得できない作品ばかり。主人公の作家の過去作を振り返っていると思いきや、という流れだった。どんでん返しというよりは御苦労様でした、という感想。

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    2021年08月27日
  • 第八の探偵

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    数学者が独自の理論に基づいて書いたミステリ短編集。それを復刊するために作者の元にやってきた編集者が、その短編集の一作、一作を読み返し検討していくという話。ネットで書評を読んで、絶対好きな奴と思い喜び勇んで買ったもの。
    内容は巻末の解説にもあるように日本の新本格に近い。仕掛け先行の作品ではあるが、パズラーとしてはフェアではないし、結末はかなりとってつけた感じ。あと、数学だ理論だという割に、それがあまり巧くいっているようにも思えない。
    短編集をまるごと作中作としていれこむアイデアは面白いけど、手放しで喜べる内容かというと微妙なところ。

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    2021年05月31日
  • 第八の探偵

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    7つの短編と探偵小説の順列。数学的な理論をもとに探偵小説を定義して、それをもとに書かれた短編集。定義を聞くと確かになぁ、と。数学的理論とミステリについては、最近読んだ「文学少女対数学少女」もそうだったが。探偵小説の定義は、犯人、容疑者、被害者、探偵の4つ。それらのベン図が探偵小説の定義である(大意)。7つの短編はそれぞれその定義に極端に従う例を示している。 それとは別に現実でも謎があり…と。 本書もまた極端な探偵小説の定義であるなぁ、などと思いつつ、捻られていて面白かった。

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    2022年01月16日
  • 第八の探偵

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    ――

     ミステリという形式の上にミステリならざるものを描いたミステリ、という意味ではなるほど千街氏の解説にもあるように、新本格と比べて読んでもいいのかもしれないけれど…もっと裾野の広いエンタメ重視な仕掛けモノだなぁというのが正直な感想。
     一本の映画みたいに読めました。ふむ。


     にしてもまったくグラント・マカリスターひでぇやつだな…

     ☆3.4

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    2021年05月07日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    IRA全盛時代のかなり荒れた時代のアイルランドを舞台にした警察小説でかなり評価された作家なのだけど思ったような儲けが出ないということでUberのドライバーに転身していたというから驚き。大家のドン・ウィンズロウが才能を惜しんで自分のエージェントを紹介して書かせた作品、ということのようで興味津々で手にとってみた。本作の舞台は現代のアメリカでタイトルから想像できるとおり誘拐がテーマ。シングルマザーで癌闘病中の主人公の一人娘が拐われる。解放の条件は身代金を払うことと別の子供を攫って同じように身代金を払わせ別の子供を拐わせること。いわば被害者が加害者を兼ねる形になり苦悩も深まるのだが全体を監視しコントロ

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    2020年11月16日
  • 神と罌粟【けし】

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    ネタバレ

    八百人超えの女性強姦連続殺人っていったい…

    中南米の中ではまともだと思っていたメキシコは、かなりの闇だった。

    帯にスリラーとあるが、解説によるとリアルな現代メキシコとのことで、その事実こそスリラーということなのか。

    国も警察も腐りきった国では教会にすがるのだろうというぼんやりとした認識を持っていたが、この教会の姿を知ると、生きていくことが辛すぎる。

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    2020年09月23日
  • 深夜プラス1〔新訳版〕

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    ゴールデン街の故内藤陳さんの店、深夜プラス1はこの冒険小説(冒険小説!って最近聞かんよな)から取った店名。
    主人公のルイス・ケイン(キャントン)とその相棒?役のアル中のガンマン、ハーヴィ・ラヴェルのキャラクターが秀逸。これぞハードボイルド小説、という感じでとてもかっこいい。

    作者のギャビン・ライアルは他にも良い小説を書いているようだが、キンドル化はもちろん、ハヤカワ・ミステリになっていた邦訳もほぼすべて品切れ絶版状態のようで、手に入れるなら神保町のその手のミステリが積んである店で探すしかないようだ。とりあえず早川さんには過去の名作のキンドルでの復刊を望む。

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    2020年06月26日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    後半、怒涛のテンポで進んでいく。上巻のハラハラドキドキとは少しテイストが変わり、レイチェルのチェーンを断ち切る為に立ち上がる様子が丁寧に書かれていた。ラスト80ページ、悲鳴をあげた。

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    2020年06月01日
  • 拳銃使いの娘

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    ネタバレ

    強面のタフガイネイトが勢い余ってしでかした所業のつけを支払わされる事態を何とか乗り切ろうともがくありがちなクライムノベル。

    特徴的なのは命を守るために共に逃避行に連れ出した娘のポリーの存在。
    ”拳銃使いの眼”と評された青い眼を持つ若干11歳のポリーは始めこそ内気でびくびくしていたが、道中目にする父親の振る舞い、父親から教えられる心得を糧にその道の人間に目覚めていく。

    こざっぱりした文章で、TVドラマのプロデューサーが書いた物語だけあって、深みがあるというよりは次の展開をだしにテンポ良く読ませていくスピード感が売りの物語。

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    2020年05月18日
  • 宝島

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    子どもの頃、小学館の少年少女世界名作文学全集で読んだ。内容は最初の方だけ覚えてた。ピーターパンと記憶がごっちゃになってる。2020.5.3

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    2020年05月03日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 上

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    現代ネット社会の闇を映したミステリー小説の上巻。主人公・レイチェルの娘のカイリーが誘拐され、レイチェルは身代金&他の子供の誘拐を指示される、レイチェルは誘拐した子供の親に身代金&誘拐を指示し、被害者から加害者へと変わり、その後も誘拐はチェーンの様に連鎖していく。登場人物はSNSを使って他人の個人情報を把握し誘拐を企てる等、SNSによりすべての情報が筒抜けになる現代のネット社会を皮肉った側面もありつつ、展開もスピーディーで非常に面白い。絶妙なところで終わり、下巻へ続く。

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    2020年03月28日
  • ザ・チェーン 連鎖誘拐 下

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    下巻ではしょっぱなからギアあげつつ、途中からハリウッドライクな(FPSゲーム的な)アクションありのノンストップ展開でラストまで進行する。銃やらドラッグが日常化しているアメリカならではの展開かつ、アメリカ社会に蔓延するウーバーイーツなどのシェアリングビジネス&Facebookになどのソーシャルネットワークに警鐘を鳴らす作品でもある。あらゆることがネットで出来るようになったので便利な世の中になったが、我々が思っている以上に周囲に情報は筒抜けであると再認識させられた。

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    2020年03月28日
  • 深夜プラス1〔新訳版〕

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    ところどころで、ちょっと何言ってるか分からない部分があったけどテンポがよかった。

    そんな物語でした。

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    2019年12月10日
  • 拳銃使いの娘

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    ネタバレ

    簡にして要を得たそぎ落とされ方といい人物設定といい映像化向きのストーリーで,結局レオンじゃんという感想やもうちょっと背景を知りたいよという読後感になるように思うけど,ポリーが魅力的すぎて全くそうならない。チャイナな俳優さんも含め魅力的な人を揃えて映像化してもらえる気がする。

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    2019年11月18日
  • アルファベット・ハウス

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    ユッシ・エーズラ・オールスンのデビュー作。
    ナチスの精神病棟を描く前半は、結構しんどかったかな。
    第2部は1970年代になっての話だけど、
    すこーし粗いように思う。
    全体的に、も少し緻密に仕上げればよかったかな~と思う。

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    2019年11月05日
  • 拳銃使いの娘

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    ポリーが学校で自分はユダヤ教徒だと嘘を吐いたと知った時の、ポリーの母の反応が好きだ。いいお母さんだったのにね。ポリーの成長物語。ちょっと先行き恐ろしいが。ポリーこそ「恐ろしい子」by月影千草。大好きな『メンタリスト』の脚本家か。面白くて当然。

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    2019年06月25日
  • 拳銃使いの娘

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    とてもテンポの良いノワール。小学生の女の子が犯罪者の父親と逃亡するうちにどんどんアウトローに育っていくのだけど、落ち着いて考えれば、かなり無茶な話。でも、僕の場合はまあ気にせず軽く楽しめた。
    ハリウッドなら軽めのアクション映画にしてしまうのだろうが、希望はもっとハードが良いなぁ。例えば、ブラッドダイアモンドみたいな。ハッピーエンドじゃないとこちゃんと見せて欲しいかな。

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    2019年04月07日
  • 宝島

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    男心をくすぐるストーリーでした。冒険はいいものですね。
    シルヴァーの世渡り上手さがサラリーマンに必要なスキルだと思った。

    2019/2/9

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    2019年02月10日