伊坂幸太郎のレビュー一覧
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不可能犯罪ばかり起きる架空の街
「蝦蟇倉市」を舞台に、
五人の人気作家が書き下ろした短編集。
SFやファンタジーでは時々見受けられる
「シェアードワールド」というものらしい。
街のどこに何があって、市長はどんな人で、
という設定は作家陣がアイディアを持ち寄ったとか。
そのため作者が違っても、街の描写などは共通点があって
何というか「安心して読める」(^ ^
でもやはり作者によって切り取るポイントや目線、
事件の展開や「謎解き」のプロセスは違い、
何より文章の温度・湿度・テンポ感など
文体の違いも楽しめる(^ ^
しみじみとした余韻が残るもの、
「んなアホな」とツッコミたくなるもの、
ふわふわと人を食ったような作品などなど、
バラエティ豊かな作品が楽しめる(^ ^
続編を読み始めたので、こちらも楽しみである(^ ^ -
Posted by ブクログ
伊坂さん目当てで購入。
最初、どこか伊坂さんぽくないなぁと思ったのは、女性が主人公だからかな。何人かの語り手のなかに女性がいるパターンはあったけど、完全に女性が主人公と言うのは、伊坂さんでは珍しい気がします。設定もぶっ飛んでなくて、どうなのかなーと思い始めた頃に楽しませてくれるあたり、さすがですね。今回は他の作家さんの話とリンクしてたりして、この遊び心溢れるところが、やっぱりこの人が好きだと思わせてくれる。
他の作家さんもとても良かったです。皆さん職業のチョイスがいい。華やかさはないけど、裏方で大事な役割を果たしてるような、普段全く意識したことないような仕事が多くて。こんな仕事もあるのか、こういうとこが大変なんだってことが分かって、新鮮で面白かったです。
これを読んだら、世の中の見方が変わって、きっと楽しくなると思います。思いやりも持てそう。 -
Posted by ブクログ
がまくら市という架空都市の舞台を各作家たちがシェアして描かれた作品集
伊坂さん目当てで購入して読んだ。
想像以上におもしろかった。
道尾秀介さんの作品が最初でよかったと思う。
多視点で描かれていてミステリーとして楽しめたし、
伏線や環境設定も詳しく描かれていたので、その後の
ほかの作家の作品へのリンクが見つけやすくなっていたと思う。
伊坂作品も登場人物の少なさ、限定された環境の中でもさらに狭い環境でキャラを立たせてすごいと思った。
大山さんの密室ものも不可能犯罪係という部署を設けて真知博士という人物が登場し、その後にも顔を見せておもしろい。
福田さんの「大黒天」はそれの真実を求める姉弟の話でいまいち入り込めなかったが、最後にこれまでの話とのつながりが見えたのがうれしかった。
伯方さんの作品は、格闘技ということで正直興味をもてずにいたが、読み進めていくうちにミステリー感がでてきた。
ただ銅像を動かす方法の部分はこれしかないという力技だったのが、笑ってしまえた。
とにかくこのような設定の作品集は初めて読んだが、
とてもおもしろかった。
リレー連載なのか環境や物語の一部、キャラクターをシェアするというのがよかったと思う。
2作目を買って読もうか迷う。 -
Posted by ブクログ
架空の都市を舞台にした連作短編集。
章ごとに作者が違い、それぞれクセのある文章
なのに、違和感なく1冊の中に納まっていました。
道尾秀介さん:どちらにしてもバッドエンドな感じで、
うわぁ!と思いましたが、実際に事件として起きる
としたら、こういう風に解決しきる前にぷっつりと
途切れる終わり方をして、その後も人々の暮らしは
続いていくのかと考えさせられました。
伊坂幸太郎さん:インパクトはそれほどでもないかなと
思いました。世の中にはきっと、こういう職業で
生活している人もいらっしゃるだろうと思いつつ
読み終えました。
各作家さんがどういう順番で物語を仕上げたのは
不明ですが、道尾さんがトップだったらしいので
伊坂さんのストーリーの中に道尾さんの話の一部が
入っていて、より繋がりある印象でした。
大山誠一郎さん:ものすごく面白かった。ただし
ストーリーのヤマとなる謎解きより前までの部分が
読んでいてなぜだかワクワクしてきて面白かったです。
事件のカラクリ自体は、複雑すぎるのと環境の都合が
よすぎないとできない犯罪だったので、現実感は
感じられずエンタテイメントとして楽しみました。
福田栄一さん:身内に重点を置いた作品で、
お姉さんの心の優しさと、表立ってではなく
自然に甘えっ子な弟の存在がにじみ出る作品だと
思いました。表紙のイラストは、この兄弟なのかな?
身内のことでも、確かによく知らないなぁ、と思い、
私も親の若い頃のことなどもうちょっと聞き込んで
みようかと、物語につられている自分に気づきました。
伯方雪日さん:唯一、俺目線で語られるストーリー。
他の作品と比べると目線のせいか、学生さんが
目の前で語っている物語のようでした。
がまくら市、いろんな意味でぶっ飛んでいる都市だと
この作品を読んだ後改めて思いました。
もう1冊のほうも購入済みなので、
読んでみようと思います。 -
購入済み
面白くないわけじゃない
けれど、面白かったか⁇というとどうなんでしょう⁇
飽きずに最後まで読めましたけど、池井戸さんみたいな感じじゃ無いですね( ̄▽ ̄)
関係の無い描写がクドクド有るのは駄作‼︎と常々思って居るのですが伊坂さんにかんしてはそのような事はありませんので星4つです -
購入済み
スタイリッシュ
伊坂作品は当たりハズレが激しいので、読むのにすごく迷いましたが、面白かったので読んで損はなしです。
作者特有の言葉遊びというかセリフのひとつひとつがスタイリッシュな感じ。
結末は賛否両論あると思う。許されないことなんだけど、この兄弟ならアリなのかなと。違う終わりかただとあまりに普通すぎてつまらないかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ潤也編に入ってから薄々気づいてはいたけど、10巻の表紙見て確信しました。兄貴はやはりヒロインだったのだと。
潤也さんは本当になんていうか…いい変態だね!!最後まで「俺の兄貴世界一!!兄貴を否定した奴全員死ね!」というスタイルを崩さなかった。
潤也さんの怖いところは、現在生きてる人を守るためではなく、過去の兄貴の死を無意味なものにしないように、兄貴が何をしたかったのかも分からないくせにがむしゃらに戦っているところだよね。それが結果的に犬養を脅かしたり、令嬢という一大組織を壊滅させたりしている。口だけじゃなく本当に兄貴を否定した奴全員殺してるところが半端ない。
盗撮くさい兄貴の写真ばかり部屋に飾ってるところから見ても、潤也さんは近年見てきたキャラの中でも一・二を争う超ド級のブラコンですね。
「俺はただ好きな人達を守りたいだけだ。兄貴のやれなかったことを、やりたいだけだ!」っていうセリフがあるのだけど、どう考えても潤也さんがあそこまで闇に堕ちた理由は後者でしかないし、前者も「人達」っていうか兄貴一人だろ?みたいな…。つまり何から何まで兄貴なんだろ?
思えば、大須賀めぐみという無名の漫画家が、伊坂作品のコミカライズという限りなく成功率の低いテーマに挑んだ上、媒体はサンデーということで、最初はマジでないわーとか思ったものでした。
しかし、「魔王」の主人公を高校生に変え、他の伊坂作品からキャラを引っ張ってきて登場させるなど、古参の伊坂ファンも満足させた上で、完全に独自の演出で「魔王」を描き切った瑞々しい才能の開花。最終的に、少年漫画史上に残る究極最強のブラコン、安藤潤也というキャラクターを生み出したことで、めぐたん先生は巨匠としての地位を不動のものにしました。
それにしても、「たかだか死んだくらいで俺がお前を見放すもんか」ってすごい殺し文句。
一番怖いのはやっぱり、潤也さんをあそこまでにしてしまった兄貴なのですね。