北尾トロのレビュー一覧
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裁判傍聴記の第二弾である。
よくもこれだけのネタがあるものだと、本当に感心させられるくらいそれぞれ中身が詰まった一幕一幕で、笑いあり、不快あり、呆れあり、涙あり……本当に楽しい読書体験だった。
この手の第二弾というものは普通、トーンダウンしてしまうものだと思うのだけど、むしろ先の巻は導入だったのだと言わんばかりの充実ぶりであった。
私的なことだが、九幕では本当にボロボロと年甲斐もなく泣いてしまった。
年を食って涙もろくなったこともあるが、地獄にも蜘蛛の糸があるのかと思うと、その人情が深く胸に染みる。様々な被告人を描いた中のこの一幕は本当にお見事である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ裁判傍聴漫画を連載中に、実弟逮捕の知らせを受けた作者。
9ヶ月間に渡る全8回の公判と、その間の被告人の家族としての心情を描いた、渾身の作品。
いつもは傍聴する側だった作者が傍聴される側になる事で、常日頃題材にしている裁判というものの見つめ方に、より厚みが増して行く様がリアルです。
しかし、単に「実話だから」ではなく、「当事者の身内が描いたものだから」がこの作品の眼目。
新聞・テレビで連日報道されるような事件は、結局のところ他人事だと思うから、下された判決に対しても重いだの軽いだの言えてしまう。しかし証言台に立つ被告人が、物心つく前から一緒に育ってきた兄弟だったら……。
家族だからこそ口を突 -
Posted by ブクログ
前2作のような、くすっとほろりとほっこりな傍聴記ではなく、とても重い一冊でした。元は2009年ですので、裁判員制度施行を目前に控えた模試が題材となっています。その模試、様々なジャンルが出題されているのですが、その中でも重かったのは「死刑」という量刑を考えなくてはいけない、「問題」。
と、まずお伝えしておくと、私は「死刑制度」は必要(悪)だと考えています。
「将来、一瞬でも悔恨する可能性があるのならばそれを奪ってはならない」とか、「そもそも人が人を裁くのは傲慢だとか」といった死刑反対論も、理解はできます。
本書の中でも「欧米では軒並み死刑が廃止されている」ので「文明先進国」、その動 -
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Posted by ブクログ
どうでもいい店では、ある。ここ数年、いやおそらくもう20年以上行ってないはずだ。でも、就職を機に所沢から南浦和に引っ越し、仕事の営業エリアは埼玉の北の方中心だったからもう、ある時期は足繁く通っていた店なので、こんな歴史があったのか!カントリーラーメン確かにあったしかかしのラーメンも近くにあったし、そうかそこが埼玉たんめん山田太郎になったのか!とか色々発見があって面白かった。給食のうどん麺も確かに山田だったなあと、考えてみたらソウルフードの一つでは、確かにあるんだな。
山田太郎はそうじゃないかとは常に思っていたが、調べてみたらもう七店舗もあって驚いた! -
Posted by ブクログ
ものかきさんが、 ひょんなことから狩猟免許を取得して、猟師の面白さに目覚めていくエッセイ。
もしも、自分が猟師になったとしたら…と考えて読むことができ、狩猟免許取得から銃火器取得や手続きに費用諸々、肉処理方法と食べ方(味)猟友会や長年猟師を続け魅力にとりつかれている人など裏話も知れて役立つと思う。
今年は東北地方も熊が街にまで出たりと異常繁殖しており気になってこの本を借りた。
このような猟師をやってる(始めた)人のコラムが新聞に連載したら(長野の新聞に実際に連載)、若者も狩猟に興味を持ち害獣駆除要員が増えるだろうし、猟師にならなくても(私みたいに興味本位に)、皆で考えることでバランスのと