北尾トロのレビュー一覧
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ヤンキーからレディース(女性のみの暴走族)の総長、覚醒剤所持で二度の服役、獄中出産、凄まじい人生を生きてきた女性が会社を興し、出所した元犯罪者を雇う現在までを描く。
私はこういう人と知り合う機会もなかったので、驚きの連続。
昔やったことは確かに悪い。
しかし、だからこそ肝を据えて、元犯罪者に付き合うことができる。対等な人間、大切な人間として扱われることのなかった彼らが、彼女のお陰で犯罪の繰り返しから抜け出ることができる。
普通の生活しかしていない人だと、入れ墨がびっしり入ってる、覚醒剤や傷害で服役と聞いただけで恐ろしくて、とてもこんな風にはつきあえない。
やったことは悪いが、彼女は償った以上の -
Posted by ブクログ
情け無い話しではあるがこの1月に初めて当事者として裁判所に行く事があった。勿論原告側ではあるのだが、しょうも無い詐欺事件に巻き込まれ、コロナによる延期が重なったせいもあるが、内容証明を送りつけてから約3年かかっての本人答弁の日を迎えた。被告人の顔を見たのも3年ぶり。何もかもが初体験の裁判で、あまりにも滑稽で情け無いやり取りが半日かけて行われた事を妻の友人に話したところ勧められたのがこの本である。
人間模様のるつぼである裁判所で日々行われているドラマの数々が非常に興味深く、傍聴初心者の筆者が紡ぎ出す言葉も共感が持てる。最後にある作家角田光代さんの解説が秀逸。
我が裁判の判決は4月まで出ないが、そ -
Posted by ブクログ
「事実は小説よりも奇なり」とは良く言ったもの。ビジネスマンが起こしたまさかまさかの事件に対する裁判傍聴記。
一見普通の人が起こした種々の事件。たいていは「そんなことをする人には見えなかった」という周囲の評。どのような動機から事件を起こし、また裁かれていったか。現実とは思えないような事件が多く出てくる。
前半はビジネスマン裁判傍聴記。
お金編、女・酒・クスリ編、小事件編、情欲編、被告人を助ける人々編。
後半は法廷の人に学ぶビジネスマン処世術。
好みの別れるところであろうが前半が絶品だっただけに後半はやや退屈。
情欲編4の「忖度夫婦だから専業主婦は援交に走った」が印象的。
リストラされた中小 -
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北尾トロさんと言えばサブカル系の一翼を担う人です。個人的にはさほど読んでいないのですが町中華という言葉を見た時、中身を読まなくてもどんな店を指しているのか頭に浮かびました。(そして大きなズレは無かった)
僕が今45才なので、子供の頃ラーメン屋さんと言えばどさんこ系か、この本で言及されている「町中華」と言われる店だったと思います。
ラーメン、餃子、チャーハン、丼もの、定食もの。そして本書で言われるまで違和感感じた事も無かった「かつ丼」「カレー」「オムライス」雑多極まりないメニュー構成だったし今でもそうです。
幼馴染のなみちゃんの家も思えば町中華だったし、何かというと出前取っていた店も町中華でした -
Posted by ブクログ
「ストレスがたまりすぎる→犯罪に走る」っていうパターンがかなり多いことに驚き。
ストレスをすべて発散させるなんてことはできないにしても、水際で犯罪を思いとどまれるほどには軽減できるものではないかと思ってしまうのはあまちゃんなんだろうか?
ストレス犯罪とはちがうけど、売春で捕まった主婦の話はオーヘンリーの『賢者の贈り物』をなぜか思い出した。あの話の結末とはまるで違うのに。
それぞれが相手を想うことは素敵なことだけど、本当に大事なことを見失っちゃダメだ。
第2章の処世術は、序盤は第1章の傍聴記とくらべて面白味がないな…と思いながら読んでいたけど、「お仕事あるある」がたくさんでてきて、役にたつこ