あらすじ
【内容紹介】
▼人には誰にも「別の顔」がある――。善良な人が罪を犯しまさかの「転落」した切ない実話33。
月間5000万超PVのプレジデントオンライン超人気連載の書籍化。
▼「おにぎり35個万引き事件」の43歳被告人の逮捕時の所持金は147円。
3つの大学を卒業し公務員の職に就いたエリート男がなぜ……。
▼ほか、ふとした邪心や油断、運命の悪戯によって犯罪に手を染めた人たち、
「現在は無職」となった33人の被告人の物語を、法廷ウオッチ19年の著者が紡ぐ。
【著者紹介】
[著]北尾トロ(きたお・とろ)
1958(昭和33)年、福岡県生まれ。法政大学卒。フリーターなどを経てフリーライターとなり、2005年より裁判傍聴を定期的にスタート。2010年にノンフィクション専門誌『季刊レポ』を創刊し、15年まで編集長を務める。移住した長野県松本市で狩猟免許を取得。猟師としても活動中。主な著書に『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』『裁判長! おもいっきり悩んでもいいすか』などの「裁判長! 」シリーズ(文春文庫)、『ブラ男の気持ちがわかるかい?』(文春文庫)、『怪しいお仕事! 』(新潮文庫)、『もいちど修学旅行をしてみたいと思ったのだ』(小学館)、『山の近くで愉快にくらす』(信濃毎日新聞社)など多数。最新刊に2014年に結成した町中華探検隊のリーダーとして執筆した『町中華探検隊がゆく! 』(共著・交通新聞社)、『夕陽に赤い町中華』(集英社インターナショナル)がある。
【目次抜粋】
まえがき
第1章 ビジネスマン裁判傍聴記
お金編/女・酒・クスリ編/小事件編/情欲編/被告人を助ける人々編
第2章 法廷の人に学ぶビジネスマン処世術
被告人(表情・外見)編/被告人(言い訳・答弁)編/弁護士編/裁判長編/検察その他編
あとがき
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
法廷を通して、社会の関わりや人間の本質が描かれていて、それをビジネスコミュニケーションに活かす本。
一気に読んだ。
『冤罪でも、法廷に「職場仲間」は一人も来ない』という事実に考えさせられる。
Posted by ブクログ
「事実は小説よりも奇なり」とは良く言ったもの。ビジネスマンが起こしたまさかまさかの事件に対する裁判傍聴記。
一見普通の人が起こした種々の事件。たいていは「そんなことをする人には見えなかった」という周囲の評。どのような動機から事件を起こし、また裁かれていったか。現実とは思えないような事件が多く出てくる。
前半はビジネスマン裁判傍聴記。
お金編、女・酒・クスリ編、小事件編、情欲編、被告人を助ける人々編。
後半は法廷の人に学ぶビジネスマン処世術。
好みの別れるところであろうが前半が絶品だっただけに後半はやや退屈。
情欲編4の「忖度夫婦だから専業主婦は援交に走った」が印象的。
リストラされた中小企業の夫。妻にはそのことを言えない。出社を装い装い職探しの毎日。収入が無くなり給与が振り込まれないことに気づいた妻。夫の気持ちを慮り気付かぬふり。収入を得ようと妻が考えたのが援交、売春そして逮捕。夫婦がお互いの気持ちから遠慮が重なった悲劇。
それぞれのエピソードいずれかドラマ化したら面白いかも、と思ったが、よくよく考えると現実なのに現実離れした事件。あまりドラマ化にはそぐわないかも。
筆者は街中華のほか裁判傍聴関連の多くの著作に定評がある。なかなか日頃接することのない裁判な世界を堪能できる一冊でした。
Posted by ブクログ
「ストレスがたまりすぎる→犯罪に走る」っていうパターンがかなり多いことに驚き。
ストレスをすべて発散させるなんてことはできないにしても、水際で犯罪を思いとどまれるほどには軽減できるものではないかと思ってしまうのはあまちゃんなんだろうか?
ストレス犯罪とはちがうけど、売春で捕まった主婦の話はオーヘンリーの『賢者の贈り物』をなぜか思い出した。あの話の結末とはまるで違うのに。
それぞれが相手を想うことは素敵なことだけど、本当に大事なことを見失っちゃダメだ。
第2章の処世術は、序盤は第1章の傍聴記とくらべて面白味がないな…と思いながら読んでいたけど、「お仕事あるある」がたくさんでてきて、役にたつこともちょいちょい書かれてるのでオススメ!!