竜徹のレビュー一覧
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(Ⅰ)さあ、始めよう。――戦争の時間だ(p.19)(Ⅱ)開戦。圧倒的な戦力な上ジャンが率いるキオカに対し苦戦必至のイクタは何を狙うか/トリスナイがいかにしてトリスナイになったか/終戦、そのときイクタがどう行動したか。(Ⅲ)読む前の予想では、イクタは自分が「敵」になることによって、シャミーユや仲間たちによりよい未来を作れる敗戦のしかたを探っていくのだろうと思っていた。少しだけズレはあったか・・・/このシリーズを読み始めた最初から予想はしてたけどせつない・・・。
■簡単な単語集
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。《どうじゃ、神とやら! この味はお前さんのレパートリーになかろう!》第七巻p.42。イクタ《最初に出会った日から。僕はずっと――あなたのような大人になりたかった》第十二巻p.325
【アリオ・キャクレイ】キオカ共和国主席執政官。要するに国のトップ。《もとより平等の概念は人間と折り合いが悪い。》第八巻p.98。アリオ《君たちは裏切りを仕事にするといい。》第十巻p.195。《俗に、人生にはふたつの悲劇があると言う。ひとつは夢が叶わないこと、もうひとつは夢が叶ってしまうこと。……前者は英雄を生む悲劇だが、後者は英雄を殺す悲劇だ。だから私は、前者を積極的に作り出し、後者だけは実現させないよう常に目を光らせている》第十二巻p.97
【アルデラ教】「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イェナーシィ・ラプテマス】アルデラ教皇。老女。イクタ《僕が苦手なのは宗教者というよりも思考の硬直で、あの教皇にそういう感じはなかった。》第十二巻p.18
【イクタ・ソローク】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165。《間違った怠け方――それは彼がもっとも戒めることのひとつだ。》p.250。ヴァッキエ《あの人はね――自分の目論見通りに事態が運ぶことが、必ずしも最良の結果になるとは思っていないんだ》第十三巻p.70
【イクタ・ドクトリン】イクタが立ち上げた兵員運用法。その内容は、拠点の防衛より部隊の生還を優先する、一定以上に疲労をためさせたまま兵を用いない、など人材の使い潰しを徹底的に否定する。
【イクタのお嫁さんになれなかった国】住民はシャミーユ、ハロ、ナナク。そして、トルウェイも。
【ヴァッキェ】ミルバキエ。アナライの弟子。イクタより年下の妹弟子。自分では「マィリゥウィーンヴァッキェン・シャットウィェッタニェルシスカッツ」と名乗った。略称「ヴァッキェ」。極論好き。《世界が難しいというなら簡単にしてやる》第十巻p.278。イクタが文官(劇薬)として登用。イクタ《友好国との会談には間違っても連れて行けないよ。》《社交の皮を剥ぎ取った純粋な国益の奪い合いなら、その手の喧嘩であいつの右に出る者はそうはいないさ》第十二巻p.36
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278。アナライ《観察すべき対象、解き明かすべき謎があれば、そこがすなわち科学の現場じゃ》第八巻p.87。《科学はここにあるのじゃよ。戦争亡き後も残るものとして、な》八巻p.94
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。複数の国家、民族が合併して作られた比較的新しい国。その内訳はガルーム王国、ニタグア公国、マムラン諸族連邦、バユシエ、ラオ、ヤポニク分立国の六つ。現在のトップ、執政官はアリオ・キャクレイ。ジャン・アルキネクスが属する。
【騎士団】シャミーユの信頼が厚い若い軍人たち。イクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの五人。シャミーユを救ったことによる褒章として「帝国騎士」の称号が与えられた。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【旭日連隊】バダ・サンクレイ率いる全域鎮台。要するに遊撃部隊で困ったことが起きたところに駆けつけた。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。普通の精霊よりも世慣れた、こなれた会話ができる。フリーの精霊だったときに行き倒れていたイクタを発見し孤児院に保護させた命の恩人でもある。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【サザルーフ】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。かつてイクタの父バダ・サンクレイの「旭日連隊」で「日輪の双璧」と呼ばれた。もう一人は亡きハザーフ・リカン。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。アナライはジャンの不眠体質の秘密をつきとめたがっている。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。どうやら人類を援助するためのシステムらしい。ということは、人工的なものかもしれない。というかそうとしか考えられない。はるか過去の遺物と思われるがこれを造り出した者がどういう存在で、なぜ滅びたかは不明。
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。思考の堂々巡りに陥りがちなのを副官のルシーカ・クルツクが元に戻してくれる。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも? 《イグセムを滅ぼしなさい。》第七巻p.97
【トルウェイ・レミオン】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。《ぼくにだけ厳しくて、ぼくにだけ素っ気なくて、ぼくにだけいじわるで。――そんなイッくんが、ぼくはずっと大好きだよ》第七巻p.337。ルシーカの墓に《ぼくはこれからも、臆病者のまま戦場に立ち続けると思います。》第十三巻p.76。《だからぼくは目指します。――誰も勇者にならなくて済む世界を。誰もが臆病者のままでいられる未来を。》第十三巻p.77
【ナナク・ダル】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。アナライとともに亡命した。主従のなかではほぼ唯一生活能力が高い。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。実はイクタの父。飄々としており真面目すぎるソルヴェナレス・イグセムやテルシンハ・レミオンの間を唯一取り持つことができた存在でもある。「旭日連隊」を指揮していた。その部下として「日輪の双璧」ハザーフ・リカンとクバルハ・シバがいた。《戦争ってのはね、軍師とか猛将とか天才とかがやるもんじゃなくて、みんなでやるもんなんだ》第七巻p.155。《全ての子供には、夢を見る権利があるんだ》第七巻p.205。
【パトレンシーナ】ハロの内なる人格。
【ハローマ・ベッケル】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。キオカのスパイの可能性がある。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。マシューと仲良くなる。
【マシュー・テトジリチ】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。騎士団の中では凡庸だが、それゆえに最もバランス感覚に優れている。実は彼がこの作品のキモだとも言える。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。サザルーフの副官となる。
【ヤトリシノ・イグセム】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが、逆にイクタを助けて死ぬという展開も予想できる(最初の方の巻での記述)。
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。現在の教皇はイェナーシィ・ラプテマス。
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。レミオンの反乱以降シャミーユを守護することになった。
【ルシーカ・クルツク】テルシンハ・レミオンの副官。「氷の女」の異称を持つ。内乱のときヤトリと対する。 -
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帝国、キオカ、アルデラ&アナライの会談開始。▷アリオ《そもそも、精霊とは何なのだろうね?》p.28。ついに話がそこに向かう/アリオ《断言するが、救われた人間ほどつまらないものはない》p.91。アリオの考え方を明らかにするのは最終巻の前の巻くらいかと思ってたけど、ここで/「神の試練」の過程でイクタとジャンは互いのことを概ね理解する/イクタの言葉、ミアラの心、ジャンの世界は揺らぐ/今明かされる「精霊」の、この世界の現在のありようの理由。▷『渚にて』な感じ。けっこう感動的。
イクタがシャミーユに《君は凍った時の中にいるべきじゃない。もしまだ凍っているのなら、それは僕が必ず溶かしてみせる》p.21
アナライがシャミーユに《イクタが君を愛しているのなら――それはすなわち、ヤトリ君もまた、同じだけ君を愛しているということなのじゃ》p.163
ミアラがジャンに《理想を目指して進むあなたの姿は眩しい。でも、そうやって頑張った分だけ幸せになって欲しいんです。》p.207
イクタがアナライに《最初に出会った日から。僕はずっと――あなたのような大人になりたかった》第十二巻p.325 -
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ハロだって悪いことくらいする!(p.245)
シャミーユ《露ほども考えていないのだ。――自分の命に他者を犠牲にして守られるだけの価値があるなどとは。》p.24
トルウェイ《「――恐れろ――」》p.27
ジャン《人間は本質的に集団行動を旨とする生き物さ。》p.31
パトレンシーナ《あなたが望み続けた破滅は、こんなところで始めちゃっていいほど安いものじゃないでしょう?》p.48
イクタ復活《僕は――この世のあらゆる悪意から、あなたを守ると誓うよ》p.71
サザルーフ《ふふふ……これからは情け容赦なく元帥閣下と呼んで苦労を押し付けてやる》p.177
トリスナイ《なぜ今さら帰ってきたのですか?》p.185
ハロ《…………望みは、たったいま、叶ったから…………》p.234
マシュー《どうやったらここまで人に残酷になれるんだ……》p.248
アリオ《これだけは――許すわけにはいかないな》p.267
イェナーシィ《飽かず倦まず、希望の欠片を拾い集めましょう。》p.269
ヨルガ《ボクは常に特別扱いしてもらえないとダメなんだ!》(p.276)
ヴァッキェ《世界が難しいというなら簡単にしてやる》p.278 -
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シャミーユは心を捨てて畏れられからっぽイクタだけを持ってる/キオカ主任執政官アリオ・キャクレイ《平等の概念は人間と折り合いが悪い。》p.98/シャミーユの恐怖政治。《そなたらの君主はとうの昔に正道を歩んでおらぬ。》p.152/トルウェイ《イグセムの代わりに、ヤトリさんの代わりに……!》p.219/サザルーフ准将《何も聞こえなーい!》p.220/ナナク《あては会いたい。》p.230/ポルミ《アンタの話を聞きに来たんだ、マシュー》p.239/シャミーユ《イクタ・ソロークは余のものだ。》p.243/マシュー《おまえらがいない戦場で、おれはひとりぼっちだ》p.253/ハロ《夢の時間はこれでおしまい》p.280
・あれから二年。
・イクタは本来アナライと一緒に亡命したかったのだろうがヤトリのため残ったと思われるだけにどう復活するのか? が今回の関心事のはずだけど? なかなか登場してくれない。
・多民族国家キオカもまた内に火ダネを抱えておりちょいちょい厄介事が起こり対応にジャンも駆り出されている。
・ジャンとアナライ。アナライ《科学はここにあるのじゃよ。戦争亡き後も残るものとして、な》p.94/ジャン《あの老人の存在を無視し続けられる気がしないんだ》p.95
・シャミーユは恐怖政治を敷き、皆に恐れられる存在となっていた。
・ついに帝国とキオカの戦争が本格的に始まりそうだ。 -
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あの時からずっと、僕は君のことを存在の片割れだと思っている。右手と左手のように、右脳と左脳のように、ふたつでひとつのものだと(p.265)/あんたは、約束を果たしたのよ(p.459)[内容]この巻はヤトリの話。ヤトリとイクタとの絆の蓄積/精霊という不可解な存在の意味と、殺せないトリスナイ/最後に現れるのはヤトリなのか、イグセムなのか。まずイクタが勝ってヤトリがイグセムでなくなりただのヤトリになるという形しかあり得なさそう/シャミーユに異変。[感想]おお、最悪や。実は…やったらええんやけど。
■この巻の簡単なメモ
・ちょっと昔の話から始まる。イクタの父、バダ・サンクレイ存命の頃、八歳のヤトリは旭日連隊に遊学、イクタと初めて出会う。そこにはアナライとその弟子たちがいた。
・イクタ&シャミーユ対やっかいなトリスナイ。
・「精霊」の存在する意味。トリスナイは殺せない。
・過去話。イクタ&ヤトリの試練と、vs飢えた狼たち。
・ある意味イクタをも上回るトリスナイの策謀。
・珍しく焦るイクタ。敵はヤトリなのだから。
・過去話。イクタとヤトリの学生時代の生活。
・イクタ対ヤトリの攻防戦。
・戦いの後に異変。
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■カトヴァーナ帝国についての簡単な単語集
【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。《どうじゃ、神とやら! この味はお前さんのレパートリーになかろう!》第七巻p.42
【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イグセム家】ソルヴェナレス・イグセム、ヤトリ・イグセム、ヨルンザフ・イグセム。
【イクタ・ソローク★】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
【イクタ陣営=旭日連隊】イクタ・ソローク=イクタ・サンクレイ、ヤトリシノ・イグセム、トルウェイ・レミオン、マシュー・テトジリチ、ハローマ・ベッケル、センパ・サザルーフ、シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク、クバルハ・シバ、スーヤ・ミットカリフ
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エボドルク州】帝国南西部の例外的な比較的湿潤で穏やかな気候の土地。グナ米の産地。
【エリーネフィン・ユルグス】海軍第一艦隊旗艦の黄竜号艦長。要するに、海軍の実戦部隊のトップ。ユルグス家の係累。男か女か不明だが副官によると「おカマ」らしい。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ海賊軍】カトヴァーナ海軍の異名。戦闘中に敵の艦を奪いそれを自分の艦として運用し少しずつ彼我の戦力に差をつけていき勝つという戦法が得意なので海賊。御三家のひとつ、ユルグスがトップ。
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【カンロン】ダンミエ・カンロン。エリーネフィン・ユルグスの副長。黄龍号の航海士。冷静な毒舌家。エリーネフィンのプレッシャーにも負けない飄々とした態度。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【キオカ軍】イクタ《愚将に当たることはまずない。凡将と期待することさえ虫がいい。爆砲よりも正直、僕はそっちのほうが恐ろしいんだ。自分に全軍の指揮権がない状況ではなおさらに……》第五巻p.55
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【旭日連隊】バダ・サンクレイ率いる全域鎮台。要するに遊撃部隊で困ったことが起きたところに駆けつける。
【グイハン】旭日連隊少佐(バダ・サンクレイ存命の頃)。イクタの落とし穴に落とされることいくたび。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。普通の精霊よりも世慣れた、こなれた会話ができる。フリーの精霊だったときに行き倒れていたイクタを発見し孤児院に保護させた命の恩人でもある。
【クッチ】ラギエシー・クッチ。海佐。「暴竜号」艦長。
【クバルハ・シバ】→シバ
【グレーキ】キオカ海軍の兵のようだ。ケンカでハッラーに負けたことがあるようだ。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【黄龍号】海軍第一艦隊旗艦。最大乗員は千四十人の巨大帆船。艦長はエリーネフィン・ユルグス海軍大将。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サザルーフ★】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【サリハスラグ・レミオン】イクタにバカにされて根に持っている。小物すぎる。いつか獅子身中の虫になりそう。
【ザルルの飢餓城】レミオンのクーデター時、イグセム派が拠点にした。怪談話がたくさんある。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。かつてイクタの父バダ・サンクレイの「旭日連隊」で「日輪の双璧」と呼ばれた。もう一人は亡きハザーフ・リカン。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。
【ジャンと仲間たち】ジャン・アルキネクス、ミアラ・ギン、タズニヤド・ハッラー、ミタ。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。どうやら人類を援助するためのシステムらしい。ということは人工的なものかもしれない。
【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26。ヤトリの父《互いの弾が尽きて矢が尽きて、それからようやく言葉が交わされる。この順番は決して逆にならない》第七巻p.175
【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
【想戦】イグセムのトレーニング法。単なるイメージトレーニングではなくほぼ実戦。仮想の敵をほぼ実在にまで練り上げ、ダメージを受けたら痛みまでリアルに感じ傷すら発生する。これによりイグセムは果てしなく実戦経験を増やしていくことができる。
【傍付精霊/そばつきせいれい】カトヴァーナ王の精霊。
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
【ダンミエ・カンロン】→カンロン
【忠義の御三家】イグセム、レミオン、ユルグス。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テイゼニ・ハマトイエ】子爵。エボドルク州勅任官。
【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。中立性を矜持としている。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。思考の堂々巡りに陥りがちなのを副官のルシーカ・クルツクが元に戻してくれる。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも? 《イグセムを滅ぼしなさい。》第七巻p.97
【トルウェイ・レミオン★】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。《ぼくにだけ厳しくて、ぼくにだけ素っ気なくて、ぼくにだけいじわるで。――そんなイッくんが、ぼくはずっと大好きだよ》第七巻p.337
【ナナク・ダル★】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
【ネジフ・ハルルム】キオカ軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【馬鹿っぽいふるまい】ヤトリ《目の前のことにだけ一喜一憂してみせればいいんでしょう、要するに》第七巻p.277
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。疲れると変な顔になる。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。飄々としており真面目すぎるソルヴェナレス・イグセムやテルシンハ・レミオンの間を唯一取り持つことができた存在でもある。「旭日連隊」を指揮していた。その部下として「日輪の双璧」ハザーフ・リカンとクバルハ・シバがいた。《戦争ってのはね、軍師とか猛将とか天才とかがやるもんじゃなくて、みんなでやるもんなんだ》第七巻p.155。《全ての子供には、夢を見る権利があるんだ》第七巻p.205。
【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官としては優秀な部類。
【遥か南海の神酒】伝説の銘酒。カトヴァーナ海賊軍海兵垂涎の的。
【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
【ハローマ・ベッケル★】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。キオカのスパイの可能性がある。
【ハンナ】マシューの母、ミルトーグの妻。女傑。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【ヒオレド鉱山】カトヴァーナとキオカの間にあり取ったり取られたりを繰り返している鉱山。爆砲など武器を作るために必要な鉄が採れる。長年の攻防戦の挙げ句、守りやすく攻めにくいものとなっている。
【ヒゴルム】カトヴァーナ海賊軍海佐。「槍魚号」艦長。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
【フルシラ】イクタによくしてくれた、ソローク孤児院の職員。《どうか気を付けてね、イクタ。武運なんて祈らない。あなたが自分自身と、あなたの大切なものを守りきれることを……私はずっと、それだけを祈ってるから》第4巻p.215
【暴竜号】カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦。艦長はラギエシー・クッチ海佐、副長はポルミニュエ・ユルグス。
【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。マシューと仲良くなる。
【マクテカ花街】エボドルク州の花街。帝国最大。
【マシュー・テトジリチ★】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【マリバン・スサ】旭日連隊の炊飯長。通称「マリ婆」。基地で三番目に恐ろしい人物。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。王族は水精霊の加護を受けているようだ。
【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
【ミルトーグ・テトジリチ】マシューの父。シナーク族を管理する部隊のトップにイクタたちが推薦した帝国南西部のエボドルク州の連隊指揮官。息子同様ぽっちゃりしている。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【メグ】ヌーダッカ・メグ。ヤトリの部下。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。
【ヤトリシノ・イグセム★】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。ヤポニク人。今上がキオカから召し取りバダに賜った。黒髪ロングの気品ある美女。ちょっと天然入ってる。
【ユスクシラム・トァック】→トァック
【ユナクラ州】帝国東域の地。キオカに近いので住民が逃げ出し過疎化が進んでいた。そこに山を追われたシナーク族が入りトウモロコシの生産を始めた。
【ユルグス家】エリーネフィン・ユルグス、
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【ヨルンザフ・イグセム】名誉大将。イグセムの現トップであるソルヴェナレスの叔父。隻腕。騎馬隊を率い極めて好戦的。トルウェイとマシューを震え上がらた。
【ラギエシー・クッチ】→クッチ
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
【ラフシェンカ】旧帝都。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっていたが立場上撤退できず戦死するしかなかった。元旭日連隊で「日輪の双璧」と呼ばれた。双璧のもう一人はクバルハ・シバ。
【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。レミオンの反乱以降シャミーユを守護することになった。
【ルシーカ・クルツク】テルシンハ・レミオンの副官。「氷の女」の異称を持つ。
【レミオン陣営】テルシンハ・レミオン、サリハスラグ・レミオン、スシュラフ・レミオン、ルシーカ・クルツク。 -
Posted by ブクログ
レミオンの反乱/イクタはレミオン、イグセムとの三すくみに持ち込むことには成功したが王の確保ができていない/トリスナイの策に釣り出さざるを得ない三陣営/トリスナイの目的は、というより利益は?/トルウェイvsヨルンザフ・イグセム。今回はトルウェイが主役。《戦場は、臆病者(ぼくたち)のための場所なのだと。》p.281/ヤトリvsルシーカ・クルツク/そしてイクタvsトリスナイの神経戦が始まる。
■簡単なメモ
・レミオンの反乱。
・ソルヴェナレス、ヨルンザフ、ヤトリのイグセムは飢餓城に集結。
・「ヤトリを喪いたくない」とイクタは言いレミオン、イグセムの戦いをかつての「旭日連隊=グラ・メストリエ」を復活させ仲裁に赴く。
・三すくみはイクタのペースだが王の確保ができていないことを知り愕然。
・そこにトリスナイ・イザンマによる王の勅、三陣営は旧帝都ラフシェンカに向かわざるを得ず、トリスナイのペース。
・トルウェイが戦う意味。
・ヤトリが戦う意味。
■カトヴァーナ帝国についての簡単な単語集
【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。
【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イグセム家】ソルヴェナレス・イグセム、ヤトリ・イグセム、ヨルンザフ・イグセム。
【イクタ・ソローク★】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
【イクタ陣営=旭日連隊】イクタ・ソローク=イクタ・サンクレイ、ヤトリシノ・イグセム、トルウェイ・レミオン、マシュー・テトジリチ、ハローマ・ベッケル、センパ・サザルーフ、シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク、クバルハ・シバ、スーヤ・ミットカリフ
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エボドルク州】帝国南西部の例外的な比較的湿潤で穏やかな気候の土地。グナ米の産地。
【エリーネフィン・ユルグス】海軍第一艦隊旗艦の黄竜号艦長。要するに、海軍の実戦部隊のトップ。ユルグス家の係累。男か女か不明だが副官によると「おカマ」らしい。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ海賊軍】カトヴァーナ海軍の異名。戦闘中に敵の艦を奪いそれを自分の艦として運用し少しずつ彼我の戦力に差をつけていき勝つという戦法が得意なので海賊。御三家のひとつ、ユルグスがトップ。
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【カンロン】ダンミエ・カンロン。エリーネフィン・ユルグスの副長。黄龍号の航海士。冷静な毒舌家。エリーネフィンのプレッシャーにも負けない飄々とした態度。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【キオカ軍】イクタ《愚将に当たることはまずない。凡将と期待することさえ虫がいい。爆砲よりも正直、僕はそっちのほうが恐ろしいんだ。自分に全軍の指揮権がない状況ではなおさらに……》第五巻p.55
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。
【クッチ】ラギエシー・クッチ。海佐。「暴竜号」艦長。
【クバルハ・シバ】→シバ
【グレーキ】キオカ海軍の兵のようだ。ケンカでハッラーに負けたことがあるようだ。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【黄龍号】海軍第一艦隊旗艦。最大乗員は千四十人の巨大帆船。艦長はエリーネフィン・ユルグス海軍大将。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サザルーフ★】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【サリハスラグ・レミオン】イクタにバカにされて根に持っている。小物すぎる。いつか獅子身中の虫になりそう。
【ザルルの飢餓城】レミオンのクーデター時、イグセム派が拠点にした。怪談話がたくさんある。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。かつてイクタの父の「旭日連隊」で「日輪の双璧」と呼ばれた。もう一人は亡きバダ・サンクレイ。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。
【ジャンと仲間たち】ジャン・アルキネクス、ミアラ・ギン、タズニヤド・ハッラー、ミタ。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。
【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26
【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
【ダンミエ・カンロン】→カンロン
【忠義の御三家】イグセム、レミオン、ユルグス。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テイゼニ・ハマトイエ】子爵。エボドルク州勅任官。
【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。中立性を矜持としている。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。思考の堂々巡りに陥りがちなのを副官のルシーカ・クルツクが元に戻してくれる。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも。
【トルウェイ・レミオン★】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。
【ナナク・ダル★】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
【ネジフ・ハルルム】キオカ軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。「旭日連隊」を指揮した。その部下として「日輪の双璧」バダ・サンクレイとクバルハ・シバがいた。
【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官としては優秀な部類。
【遥か南海の神酒】伝説の銘酒。カトヴァーナ海賊軍海兵垂涎の的。
【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
【ハローマ・ベッケル★】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。
【ハンナ】マシューの母、ミルトーグの妻。女傑。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【ヒオレド鉱山】カトヴァーナとキオカの間にあり取ったり取られたりを繰り返している鉱山。爆砲など武器を作るために必要な鉄が採れる。長年の攻防戦の挙げ句、守りやすく攻めにくいものとなっている。
【ヒゴルム】カトヴァーナ海賊軍海佐。「槍魚号」艦長。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
【フルシラ】イクタを育てた。ソローク孤児院の主。《どうか気を付けてね、イクタ。武運なんて祈らない。あなたが自分自身と、あなたの大切なものを守りきれることを……私はずっと、それだけを祈ってるから》第4巻p.215
【暴竜号】カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦。艦長はラギエシー・クッチ海佐、副長はポルミニュエ・ユルグス。
【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。
【マクテカ花街】エボドルク州の花街。帝国最大。
【マシュー・テトジリチ★】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。
【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
【ミルトーグ・テトジリチ】マシューの父。シナーク族を管理する部隊のトップにイクタたちが推薦した帝国南西部のエボドルク州の連隊指揮官。ぽっちゃりしている。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【メグ】ヌーダッカ・メグ。ヤトリの部下。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。
【ヤトリシノ・イグセム★】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。今上がキオカから召し取った美女をバダに賜った。
【ユスクシラム・トァック】→トァック
【ユナクラ州】帝国東域の地。キオカに近いので住民が逃げ出し過疎化が進んでいた。そこに山を追われたシナーク族が入りトウモロコシの生産を始めた。
【ユルグス家】エリーネフィン・ユルグス、
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【ヨルンザフ・イグセム】名誉大将。イグセムの現トップであるソルヴェナレスの叔父。隻腕。
【ラギエシー・クッチ】→クッチ
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
【ラフシェンカ】旧帝都。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっているが立場上撤退できず戦死するしかなかった。
【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。レミオンの反乱以降シャミーユを守護することになった。
【ルシーカ・クルツク】テルシンハ・レミオンの副官。「氷の女」の異称を持つ。
【レミオン陣営】テルシンハ・レミオン、サリハスラグ・レミオン、スシュラフ・レミオン、ルシーカ・クルツク。 -
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凡庸なマシューが凡庸なまま、だからこそ輝きはじめているのを読者は応援するのでは? イクタは元々評価していたようだが/イクタは「爆砲」に近いものを設計し戦局を互角にすることもできそうに思うが作る気はなさそうだ。兵器開発競争をしたくないのかもしれない/イクタ、決心す。
■この巻の簡単なメモ
・ダンミエ・カンロンはハロを「同志」と呼んだ。ということは二人はキオカのスパイなのかもしれない?
・海戦開始、イクタの策は成功するか?
・「常怠」と「不眠」二度目の、低レベルな邂逅。
・中央に異変!? ヤトリ離脱する。ジャンの相手なんかしてる場合じゃない。
・イクタは自己の出自を明かし解決に乗り出す。
・次巻はターニングポイントとなるか。
■カトヴァーナ帝国についての簡単な単語集
【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。
【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イクタ・ソローク★】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エボドルク州】帝国南西部の例外的な比較的湿潤で穏やかな気候の土地。グナ米の産地。
【エリーネフィン・ユルグス】海軍第一艦隊旗艦の黄竜号艦長。要するに、海軍の実戦部隊のトップ。ユルグス家の係累。男か女か不明だが副官によると「おカマ」らしい。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ海賊軍】カトヴァーナ海軍の異名。戦闘中に敵の艦を奪いそれを自分の艦として運用し少しずつ彼我の戦力に差をつけていき勝つという戦法が得意なので海賊。御三家のひとつ、ユルグスがトップ。
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【カンロン】ダンミエ・カンロン。エリーネフィン・ユルグスの副長。黄龍号の航海士。冷静な毒舌家。エリーネフィンのプレッシャーにも負けない飄々とした態度。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【キオカ軍】イクタ《愚将に当たることはまずない。凡将と期待することさえ虫がいい。爆砲よりも正直、僕はそっちのほうが恐ろしいんだ。自分に全軍の指揮権がない状況ではなおさらに……》第五巻p.55
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。
【クッチ】ラギエシー・クッチ。海佐。「暴竜号」艦長。
【クバルハ・シバ】→シバ
【グレーキ】キオカ海軍の兵のようだ。ケンカでハッラーに負けたことがあるようだ。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【黄龍号】海軍第一艦隊旗艦。最大乗員は千四十人の巨大帆船。艦長はエリーネフィン・ユルグス海軍大将。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サザルーフ★】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【サリハ・レミオン】トルウェイの長兄。イクタにバカにされ根に持っている。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。
【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26
【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
【ダンミエ・カンロン】→カンロン
【忠義の御三家】イグセム、レミオン、ユルグス。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テイゼニ・ハマトイエ】子爵。エボドルク州勅任官。
【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。中立性を矜持としている。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも。
【トルウェイ・レミオン★】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。
【ナナク・ダル★】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
【ネジフ・ハルルム】キオカ軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。
【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官としては優秀な部類。
【遥か南海の神酒】伝説の銘酒。カトヴァーナ海賊軍海兵垂涎の的。
【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
【ハローマ・ベッケル★】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。
【ハンナ】マシューの母、ミルトーグの妻。女傑。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【ヒオレド鉱山】カトヴァーナとキオカの間にあり取ったり取られたりを繰り返している鉱山。爆砲など武器を作るために必要な鉄が採れる。長年の攻防戦の挙げ句、守りやすく攻めにくいものとなっている。
【ヒゴルム】カトヴァーナ海賊軍海佐。「槍魚号」艦長。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
【フルシラ】イクタを育てた。ソローク孤児院の主。《どうか気を付けてね、イクタ。武運なんて祈らない。あなたが自分自身と、あなたの大切なものを守りきれることを……私はずっと、それだけを祈ってるから》第4巻p.215
【暴竜号】カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦。艦長はラギエシー・クッチ海佐、副長はポルミニュエ・ユルグス。
【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。
【マクテカ花街】エボドルク州の花街。帝国最大。
【マシュー・テトジリチ★】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。
【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
【ミルトーグ・テトジリチ】マシューの父。シナーク族を管理する部隊のトップにイクタたちが推薦した帝国南西部のエボドルク州の連隊指揮官。ぽっちゃりしている。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。
【ヤトリシノ・イグセム★】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。今上がキオカから召し取った美女をバダに賜った。
【ユスクシラム・トァック】→トァック
【ユナクラ州】帝国東域の地。キオカに近いので住民が逃げ出し過疎化が進んでいた。そこに山を追われたシナーク族が入りトウモロコシの生産を始めた。
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【ラギエシー・クッチ】→クッチ
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっているが立場上撤退できず戦死するしかなかった。
【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。 -
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おもろいです。ずっと以前アニメおもろかったので原作もと思ってました/後に「常怠常勝の智将」と呼ばれるイクタ、自らを剣とするヤトリ、イクタすら驚愕した計画を秘めているシャミーユ皇女を軸にカトヴァーナ帝国の滅びが描かれる(たぶん)/かなしい結末が予測されるが?/ちょっと不安定なところもあるけどイクタの現実的かつ飄々とした態度などキャラと会話が魅力的/イクタの作戦も魅力のひとつ。
/幹部候補生試験に向かう船が沈没、嵐の闇夜にボートひとつで投げ出されたイクタ、ヤトリ、ハロ、マシュー、トルウェイ
/なんとか流れ着いた島は敵国キオカ共和国の領地だった
/シャミーユ姫を救った件で異例の帝国騎士の称号授与、軍人にならざるを得なくなったイクタ
/えーかげんなことと口の悪さと実技の悲惨さと女癖の悪さで士官学校での信頼を失っているイクタはそれでも飄々とした態度は崩さない
/イクタを嫌う現役士官&ヤトリ隊との模擬戦
/シャミーユ皇女の考えていたことはイクタですら驚愕するものだった
/かなしい結末を予感させる始まり方…どうなる?
■カトヴァーナ帝国についての簡単なメモ
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。
【イクタ・ソローク】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で女好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、不安定で脆そうだ。
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サリハ・レミオン】トルウェイの長兄。イクタにバカにされ根に持っている。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーラ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トルウェイ・レミオン】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ネジフ・ハルルム】生丘軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。
【ハローマ・ベッケル】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【マシュー・テトジリチ】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【ヤトリシノ・イグセム】通称「ヤトリ」。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。今上がキオカから召し取った美女をバダに賜った。
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっているが立場上撤退できず戦死するしかなかった。 -
ネタバレ 購入済み
今回は良かった
今回は話はあまり動かず、キャラクター達の内面を描いた巻でした。 個人的には今までの巻の中でも比較的気軽に読めたって感じですね。
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Posted by ブクログ
そういえばそろそろ新刊出てるかな~と思って調べたら、2年も前に発行になってた。なんてこと。本屋にすぐに行ったらもう棚になかったので、まぁラノベは発行数も多いし2年前に完結したシリーズはもう置いてないのか…じゃあ通販するかと調べたら、そちらでも売り切れていた。重ねてなんてこと(笑)
という訳でようよう手に入れた最終巻です。
読み始めてそうそうこうだった~と思い出しました。戦記だから戦争はあるんだけど実際は戦争が終わった後の国の方向転換と、さらに言えば皇女様との対決の方を気合入れて読みました。個人的には結局皇女様は好きになれずに終わったのですが、まぁ読み終わってみたら彼女も可哀想な子だったのかな…と思ったり。
あれだけ気にかけてもらっていても、それを本人が意識…ではないな、自覚できないというのは悲劇だよなぁ。まさに呪いである。
個人的にはイクタと二人幸せに暮らしました、だったらそのまま本をすっとじしたかもしれませんが(笑)
という訳で最初から読み直してみるか!と一巻から積んでみましたがいつ読めるやら… 面白かったです。 -
Posted by ブクログ
電撃文庫で戦記ものという帯の文句からして
いつもの実は有能な主人公が影で大活躍するようなのかと
あんまり手が伸びないような引きだが
内実はわりとかなりちゃんと戦記ものしていて驚き
キャラクタの役分けも一風変わって
戦記ものとして重要な
複数に主人公視点を置ける群像ものとしても
対応でき得るようになっているようみえる
科学と宗教の対比は扱いが難しそうだが
改革を促す戦争目的のところははったり利いて楽しい
『皇国の守護者』という良い例があるのだから
ライトノベルでももっと戦記ものがあってもよいと思うが
半端なく決着つけるのが難しそうに見えるのも確か -
購入済み
内容はいい!
まず内容から。
1巻~6巻途中まで一気読み。
軍に依存してしまった腐敗した自国に諦めと嫌悪を抱く主人公がとある事件により他の4人と共に『 騎士団』として所属したくなかった軍に所属することになってしまう。
主人公の頭の回転や機転もさることながら、
他の騎士団の4人やそれぞれの部下の奮闘や成長が巻を追うごとに面白くなっていく。
最後は自国である帝国がどのような形で終わりを告げるのか、その後はどのような物語を展開するのか。
各巻事の戦いでは戦いでハラハラしたり気持ちいい展開に爽快な気分になる一方、今後の展開に不安と期待が膨らみます。
個人的にはとても好きな本でぜひこのまま中途半端に終わること無く最後まで書き切って頂きたいと思います。
ただ、5巻は挿絵がほぼ無く、
6巻に関しては挿絵が急に雰囲気が変わってしまってガッカリです。
1巻~4巻までは作風に合った挿絵だっただけに戸惑いと失望でした。
絵師さんには申し訳ないですが、やる気がないなら他の人と変わってください。って思わざるを得ません。