あらすじ
国を大きく揺るがしたクーデターから約二年。第二十八代皇帝となったシャミーユは、反発の気運漂う国内を、トルウェイ中佐やマシュー少佐を従えつつ、強硬な手段をもって治めようとしていた。 一方、隣国のキオカ共和国でも内紛が起こる。その鎮圧にあたったのは、当世の麒麟児ジャン少将。そこで彼は科学者アナライと出会い、進化の兆しを見せ始める。 歪みを抱えたままの新生カトヴァーナ。日の出の勢いのキオカ。二国間の熾烈な戦いは、新たな局面を迎えることになる。 そしてイクタは……。
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Posted by ブクログ
この作品には新刊が出る度に圧倒されっぱなしだが、新章となった今作でもその勢いは衰えるところを知らない。
やはり今作で最も印象的なのは王女から女帝となったシャミーユだろう。作中で二年という月日が経ったとはいえ、その変容ぶりには唖然とさせられる。
前章では目覚ましい活躍をした騎士団たちも、前章の悲劇から各々立ち直ることが出来ず、過去、そして現実と向き合いながら生きている姿が印象的だ。
とはいえ、そこで読者をがっかりさせたままにしておかないのがこの作者の素晴らしいところ。後半の後宮での一幕には思わず涙させられるし、何よりこの巻ラストの展開、大きな伏線が回収された瞬間には得も言われぬ高揚感があった。
次はどんな展開で読者を圧倒してくれるだろうか。
Posted by ブクログ
シャミーユは心を捨てて畏れられからっぽイクタだけを持ってる/キオカ主任執政官アリオ・キャクレイ《平等の概念は人間と折り合いが悪い。》p.98/シャミーユの恐怖政治。《そなたらの君主はとうの昔に正道を歩んでおらぬ。》p.152/トルウェイ《イグセムの代わりに、ヤトリさんの代わりに……!》p.219/サザルーフ准将《何も聞こえなーい!》p.220/ナナク《あては会いたい。》p.230/ポルミ《アンタの話を聞きに来たんだ、マシュー》p.239/シャミーユ《イクタ・ソロークは余のものだ。》p.243/マシュー《おまえらがいない戦場で、おれはひとりぼっちだ》p.253/ハロ《夢の時間はこれでおしまい》p.280
・あれから二年。
・イクタは本来アナライと一緒に亡命したかったのだろうがヤトリのため残ったと思われるだけにどう復活するのか? が今回の関心事のはずだけど? なかなか登場してくれない。
・多民族国家キオカもまた内に火ダネを抱えておりちょいちょい厄介事が起こり対応にジャンも駆り出されている。
・ジャンとアナライ。アナライ《科学はここにあるのじゃよ。戦争亡き後も残るものとして、な》p.94/ジャン《あの老人の存在を無視し続けられる気がしないんだ》p.95
・シャミーユは恐怖政治を敷き、皆に恐れられる存在となっていた。
・ついに帝国とキオカの戦争が本格的に始まりそうだ。
Posted by ブクログ
前巻の衝撃があまりに大きすぎて、実はずっと続きを読むのを避けてきた。
でも、アニメが始まったこともあり、恐る恐る手に取った。
その結果は……そうだよなあ。そうなるよなあ。
今巻では、まず敵方であるキオカの事から物語が始まるのだけど、これは前巻の衝撃にひとつのクッションを置いて、心の準備をさせる意味で作者の用意周到さを感じる。
でも、その内容はジャンとアナライとの出会いという今後の物語的には非常に重要な出来事。
これで、ますますジャンは手強くなるのが目に見える。
一方、帝国の方は変わり果てたみんなの姿がー姫さんの姿が、胸を突く。
2年の月日は失ったものの大きさを何も癒すことはなく、寧ろより大きく心を縛り付けている。
弱音を吐けるマシューはまだマシなほうだろう。
真面目なトルウェイは全てを抱え込み、姫さんは一人だけで帝国を背負おうと悪も辞さない。
誰にも相談できず、ただ魂の抜けたイクタにだけすがっている。
そんな状況で、最後の絆だったハロに遂に隠れた役割が回ってくる。
これはもうどうなるんだろうか?
ヤトリが退場した今、次はハロの番だとしても何も驚かない。
いやむしろ、姫とイクタ以外全てが退場する可能性だってあるのだ。
そんな最悪な展開の中、いったいイクタの復活はいつになるのか?
復活の鍵は多分、ヤトリに託されたものを彼が思い出せるかどうかだろう。
次巻でそんな場面があるのか?
それともまだ、この状態が続くのか。
続きを読むしかない。
Posted by ブクログ
第二章導入。ジャンとアナライが出会い、悪シャミーユのお披露目の話。
マシュー可哀想、ハロのフラグはついに回収されるようだし、どんどん暗い方向になってく感じでした。
イクタはどこぞやのキリトさんを彷彿とさせる状態に。
明るい話になりそうにないから、早くイクタ起きてくれ!
Posted by ブクログ
イクタの屍っぷりが尋常じゃない
両親死んでも、常識的な反応だった人が
ヤトリが死んだからと言って、その反応はどうなのか?
実はヤトリ死んでなくて、イクタのそれも全部芝居でした
ってオチなら、納得だけど
Posted by ブクログ
がんばれシャミーユ陛下。
トルウェイの追い詰められっぷりがやばい。これはイッくんの復活が待たれる。
そして「彼女」は…いや確かに疑ってたこともあったけどもまさかここにきて…!このダメージは大きくなりそうだ…。