あらすじ
イクタの推挙によって、三等文官として国政に携わることになる少女ヴァッキェ。アナライ博士の弟子で、イクタの妹弟子でもある彼女は、とても子供っぽく、見た目は愛らしいのだが、たしかに尋常な人材ではなかった。厳粛な空気が流れる国政の場では、誰もが畏れる女帝が相手であっても理路整然と反論を声高に唱えて周囲を凍りつかせ、日常生活の中では、シャミーユが一人静かに食事をしている場に乗り込んでいって「一緒に楽しく食べよう」と女帝の顔をひきつらせる……。その無邪気さと人懐っこさと狂気を発揮する彼女は“劇薬”として、硬直した帝国や女帝シャミーユを、どのように変えていくのか?一方、元帥となったイクタをはじめ、トルウェイ、マシュー、ハロたちも、カトヴァーナ帝国を変えるべく、新たな地位に見合った行動をそれぞれ始めていた――。いよいよ新展開へ向かって物語が転がり出したXI巻から目を離すな!!
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世界に二つと無い名作
1冊1冊の重みが凄まじい(語彙力)
急な設定や登場人物、
例えばハロの話は初めは後設定かな。と思わされましたが、
後設定の真偽はどちらにしろ蛇足になら
作品を高みへと導くものだと感じざるを得ません。
「……サザルーフ准将。……この先ずっと、あなたには(ネタバレの略)」の台詞には
この巻までに築きたげてきた世界観、登場人物同士の関係など、数々の要因が重なり
自分の中でも格別な名シーンとなりました。
Posted by ブクログ
いやあ、今巻もまた面白かった。
11巻はいわば新キャラ、ヴァッキェの巻。
その勝手御免空気読まないハイテンションなキャラは今までなかった。
確かに彼女は劇薬だ。
ヴァッキェとシャミーユのやり取りが非常に愉しい。
子供のケンカかよ!
いいね。もっとやれ!(笑)
そんな中、クーデター後のいろんな人たちがその過去を胸に、ようやく未来へ向かって進みだしている姿を見るのは、ちょっと胸が熱くなる。
メグ少佐しかり。メトランシェ中尉しかり。
そしてハロもまたしかり。
ただ、シャミーユだけが深い闇に足を取られて抜け出せないわけだけど、さて、劇薬ヴァッキェの影響で少しは変わっていくのだろうか?
恐ろしいのは、ヴァッキェと宰相イザンマとの邂逅。
いや、これどういう化学反応が起こるのかとても興味がある。
でも、そう簡単に何かがよくなるほど甘くないんだろうな。
だって囚われたハロのエピソードを見ても相変わらずこのお話は甘くないなと再認識したもの。
さて、口絵で三国会議が描かれていたので、それがメインになるのかと思ってたんだけど、さわりだけだった。
でもアナライ博士の介入でこれは会議の行方がまったく予想がつかないな。
ただ、ヴァッキェは正しく博士の弟子だと認識した(笑)
Posted by ブクログ
今作も超面白かった!新しいキャラの存在感がもう抜群で、シャミーユのヒロインらしさを引き出すのに一役も二役も買っている。この作品の特徴である物語の密度の濃さも相変わらずで、一冊で他の小説3冊分を読んだような気にすらさせてくれる。
今回は良かった
今回は話はあまり動かず、キャラクター達の内面を描いた巻でした。 個人的には今までの巻の中でも比較的気軽に読めたって感じですね。
Posted by ブクログ
救いたいんだよ、あの子を。その地獄から。片割れとそう約束した。……それに比べれば、帝国の今後をどうこうなんておまけみたいなもんだ。(p.109)//ミルバキエvsシャミーユ/イクタとシャミーユのイチャラブ/イクタの副官探し/ミルバキエvsトリスナイ。さすがのトリスナイも平静ではいられなかった/ハロの決心/ミルバキエの生い立ち《祝福っていうのはね、有るか無いかと同じくらい、気付くか気付かないかが問われることも多い。》(p.221)/アルデラ本国(イェナ、アクガルパ)、帝国(シャミーユ、イクタ)、キオカ(アリオ、ジャン)の三国会談。ついでにアナライ乱入。
Posted by ブクログ
ヴァッキェとシャミーユ回。
と、新生ハロの頑張り回。
なんだか途中、学園ラブコメか?はたまた官能小説か?みたいな展開。
宿敵と合間見えたラストで、博士とも再会。
次の巻から期待しましょう。
Posted by ブクログ
お姫様に初めてのお友達が出来る…というようなお話のような。彼女が活躍するとイクタがかすむな(笑)
とは言え彼女の古キツネに対する態度は良い感じだな。嫌いなヤツから出たアイディアだから却下とかそう言うのは実に科学的ではないから。
でもここでキツネさんが良い奴になっちゃうと色々と困る事もあったり無かったり。帝国をあと少しで滅ぼしかねなかったクーデターとかねぇ。もっと享楽的な人かと思ってましたよ。