あらすじ
軍事クーデターが起こり、カトヴァーナ帝国内でイグセム派とレミオン派が激突する。それはイクタたちにも影響を及ぼし、イグセム家のヤトリは父のもとに戻るべく、騎士団を離脱。またレミオン家のトルウェイは、父と対峙することを決意。そしてイクタは、父バダ・サンクレイの残した独立部隊「旭日連隊」を率いて、内戦を収めようと立ち上がる。 激しく揺れる帝国で、それぞれの想いを胸に戦場を走る少年少女たち。彼らの未来に希望はあるのか…? 本格ファンタジー戦記、待望の6巻!
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Posted by ブクログ
クーデター編。マシュートルウェイvsヨルンザフ。
いつの間にやらイクタは2人のお父さんと三つ巴な関係になっちゃって、、ガンガン成り上がってますねえ
サリハ兄さまはあんなキャラにする予定だったの?最初の登場のときはひたすら悪キャラだった気がするけど、、
また出るにしても憎んで敵として出てくるのかと思いきや、トルウェイ大好きお兄さんでした。
今回はイクタ少なめだったし、ヤトリがどんどん孤立してくし、その辺が次から掘り下げられてくのかな?
という期待で次に。
Posted by ブクログ
9/10.
シバ少将がイクタの副官になったのは少し納得がいかなかった。相変わらずイクタが関連する事は御大層で、それ以外の事はほぼ完璧なバランスで書かれている。
Posted by ブクログ
評価:☆5
前回、イクタが旭日連隊を立ち上げたので三すくみの状態からスタート。
トリスナイの企みによってクーデターは泥沼状態に陥ってしまう。
イクタは何とか争いをコントロールし、レミオン派有利の痛み分けにすることによってイグセムの、ひいてはヤトリの職責を減らそうとするが…といったところ。
両大将にも引けを取らずにガンガン攻めていくイクタのカッコよさは安定してますな。
隻腕のイグセムことヨルンザフの跳騎兵部隊の戦いっぷりは鳥肌ものだった。
そしてそのヨルンザフとトルウェイの戦いも大きな見所だったのではないかと。
マシューもそうだけどこうやって戦いを経験することで逞しくなっていくのがいいね。
トリスナイがラスボスって感じですが一体どうなるか。
「命を狙えなかったから……だから、代わりに誇りを狙ったんです」
「ねぇ、ヤトリシノ・イグセム。……あなたは、何のために戦うの」
Posted by ブクログ
レミオンの反乱/イクタはレミオン、イグセムとの三すくみに持ち込むことには成功したが王の確保ができていない/トリスナイの策に釣り出さざるを得ない三陣営/トリスナイの目的は、というより利益は?/トルウェイvsヨルンザフ・イグセム。今回はトルウェイが主役。《戦場は、臆病者(ぼくたち)のための場所なのだと。》p.281/ヤトリvsルシーカ・クルツク/そしてイクタvsトリスナイの神経戦が始まる。
■簡単なメモ
・レミオンの反乱。
・ソルヴェナレス、ヨルンザフ、ヤトリのイグセムは飢餓城に集結。
・「ヤトリを喪いたくない」とイクタは言いレミオン、イグセムの戦いをかつての「旭日連隊=グラ・メストリエ」を復活させ仲裁に赴く。
・三すくみはイクタのペースだが王の確保ができていないことを知り愕然。
・そこにトリスナイ・イザンマによる王の勅、三陣営は旧帝都ラフシェンカに向かわざるを得ず、トリスナイのペース。
・トルウェイが戦う意味。
・ヤトリが戦う意味。
■カトヴァーナ帝国についての簡単な単語集
【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。
【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
【イグセム家】ソルヴェナレス・イグセム、ヤトリ・イグセム、ヨルンザフ・イグセム。
【イクタ・ソローク★】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で年配の女性好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
【イクタ陣営=旭日連隊】イクタ・ソローク=イクタ・サンクレイ、ヤトリシノ・イグセム、トルウェイ・レミオン、マシュー・テトジリチ、ハローマ・ベッケル、センパ・サザルーフ、シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク、クバルハ・シバ、スーヤ・ミットカリフ
【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
【エボドルク州】帝国南西部の例外的な比較的湿潤で穏やかな気候の土地。グナ米の産地。
【エリーネフィン・ユルグス】海軍第一艦隊旗艦の黄竜号艦長。要するに、海軍の実戦部隊のトップ。ユルグス家の係累。男か女か不明だが副官によると「おカマ」らしい。
【エルルファイ・テネキシェラ】キオカ海軍第四艦隊司令官で少将。旗艦「白翼丸」艦長。キオカ海軍唯一の女性司令官。ジャンと似たような立場で、故国ラオ、鷹匠の民出身。相棒はミサゴのミザイ。すぐに男をくわえこむが魔性の女ではなく母性の女。「白翼の太母」と呼ばれる。
【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
【カトヴァーナ海賊軍】カトヴァーナ海軍の異名。戦闘中に敵の艦を奪いそれを自分の艦として運用し少しずつ彼我の戦力に差をつけていき勝つという戦法が得意なので海賊。御三家のひとつ、ユルグスがトップ。
【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
【カンロン】ダンミエ・カンロン。エリーネフィン・ユルグスの副長。黄龍号の航海士。冷静な毒舌家。エリーネフィンのプレッシャーにも負けない飄々とした態度。
【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
【キオカ軍】イクタ《愚将に当たることはまずない。凡将と期待することさえ虫がいい。爆砲よりも正直、僕はそっちのほうが恐ろしいんだ。自分に全軍の指揮権がない状況ではなおさらに……》第五巻p.55
【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
【クス】イクタのパートナーである光精霊。
【クッチ】ラギエシー・クッチ。海佐。「暴竜号」艦長。
【クバルハ・シバ】→シバ
【グレーキ】キオカ海軍の兵のようだ。ケンカでハッラーに負けたことがあるようだ。
【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
【黄龍号】海軍第一艦隊旗艦。最大乗員は千四十人の巨大帆船。艦長はエリーネフィン・ユルグス海軍大将。
【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
【サザルーフ★】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。イクタたちにかつぎあげられ苦労している。
【サリハスラグ・レミオン】イクタにバカにされて根に持っている。小物すぎる。いつか獅子身中の虫になりそう。
【ザルルの飢餓城】レミオンのクーデター時、イグセム派が拠点にした。怪談話がたくさんある。
【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配に反発していたがパートナーの精霊を奪う施策により憎むようになった。
【シバ】クバルハ・シバ。カトヴァーナ軍少将。言葉少なくいかめしい。口癖は「くだらん」。かつてイクタの父の「旭日連隊」で「日輪の双璧」と呼ばれた。もう一人は亡きバダ・サンクレイ。
【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク★】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。《憎悪ですら愛しかったと、ヒメギミハ言う》第4巻p.183。人質としてキオカに滞在していたことがありその間になんらかの洗脳を受けていたようだ。
【ジャン・アルキネクス★】キオカの将校。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。常に冷静沈着で上から目線だがイクタに対するときだけはどうしても感情的になってしまう。
【ジャンと仲間たち】ジャン・アルキネクス、ミアラ・ギン、タズニヤド・ハッラー、ミタ。
【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
【スーヤ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。
【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26
【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
【ソルヴェナレス・イグセム】カトヴァーナ帝国軍元帥。ただ「元帥」というときは此の人を指す。赤髪。ヤトリの父親。
【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
【ダンミエ・カンロン】→カンロン
【忠義の御三家】イグセム、レミオン、ユルグス。
【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
【テイゼニ・ハマトイエ】子爵。エボドルク州勅任官。
【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。中立性を矜持としている。
【テルシンハ・レミオン】カトヴァーナ帝国軍大将。トルウェイの父親。思考の堂々巡りに陥りがちなのを副官のルシーカ・クルツクが元に戻してくれる。
【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
【トリスナイ・イザンマ】カトヴァーナ帝国宰相。文官のトップ。宮廷に巣食う腐敗貴族の筆頭。イクタが「キツネ」と称した。皇帝に薬でも盛って無力化しているようでもある。帝国の実権を握りたがっているようだ。あるいは軍人に理不尽な命令をくだし楽しんでいるようだ。まっとうな軍人たちからはかなり嫌われている。キオカと通じている可能性すらあるのかも。
【トルウェイ・レミオン★】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。
【ナナク・ダル★】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
【ネジフ・ハルルム】キオカ軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
【バジン】アナライの弟子。
【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。「旭日連隊」を指揮した。その部下として「日輪の双璧」バダ・サンクレイとクバルハ・シバがいた。
【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官としては優秀な部類。
【遥か南海の神酒】伝説の銘酒。カトヴァーナ海賊軍海兵垂涎の的。
【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
【ハローマ・ベッケル★】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。
【ハンナ】マシューの母、ミルトーグの妻。女傑。
【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
【ヒオレド鉱山】カトヴァーナとキオカの間にあり取ったり取られたりを繰り返している鉱山。爆砲など武器を作るために必要な鉄が採れる。長年の攻防戦の挙げ句、守りやすく攻めにくいものとなっている。
【ヒゴルム】カトヴァーナ海賊軍海佐。「槍魚号」艦長。
【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
【フルシラ】イクタを育てた。ソローク孤児院の主。《どうか気を付けてね、イクタ。武運なんて祈らない。あなたが自分自身と、あなたの大切なものを守りきれることを……私はずっと、それだけを祈ってるから》第4巻p.215
【暴竜号】カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦。艦長はラギエシー・クッチ海佐、副長はポルミニュエ・ユルグス。
【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
【ポルミニュエ・ユルグス】一等海尉。エリーネフィン・ユルグスの姪。ユルグス家の係累。カトヴァーナ海軍第一艦隊十三号巡洋艦「暴竜号」副官。一見可愛いが、艦に乗るとほぼ女海賊。イクタは「ぽるみん」と呼ぶ。
【マクテカ花街】エボドルク州の花街。帝国最大。
【マシュー・テトジリチ★】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317。父はミルトーグ、母はハンナ。
【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。優秀だが、兄のニルヴァ・ギンを倒したヤトリに対すると冷静ではいられなくなる。今のところミアラはヤトリに遠く及ばない。
【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。
【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
【ミルトーグ・テトジリチ】マシューの父。シナーク族を管理する部隊のトップにイクタたちが推薦した帝国南西部のエボドルク州の連隊指揮官。ぽっちゃりしている。
【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
【メグ】ヌーダッカ・メグ。ヤトリの部下。
【メルーザ】ミナイ・メルーザ。カトヴァーナ帝国陸軍少佐。アラサーでイクタのどストライク。
【ヤトリシノ・イグセム★】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。今上がキオカから召し取った美女をバダに賜った。
【ユスクシラム・トァック】→トァック
【ユナクラ州】帝国東域の地。キオカに近いので住民が逃げ出し過疎化が進んでいた。そこに山を追われたシナーク族が入りトウモロコシの生産を始めた。
【ユルグス家】エリーネフィン・ユルグス、
【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
【ヨルンザフ・イグセム】名誉大将。イグセムの現トップであるソルヴェナレスの叔父。隻腕。
【ラギエシー・クッチ】→クッチ
【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
【ラフシェンカ】旧帝都。
【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっているが立場上撤退できず戦死するしかなかった。
【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215
【ルカーンティ・ハルグンスカ】カトヴァーナ帝国陸軍准尉。騎士道に満ち溢れた暑苦しい乙女。デインクーン・ハルグンスカの妹。水精霊のニキを受け継いだようだ。レミオンの反乱以降シャミーユを守護することになった。
【ルシーカ・クルツク】テルシンハ・レミオンの副官。「氷の女」の異称を持つ。
【レミオン陣営】テルシンハ・レミオン、サリハスラグ・レミオン、スシュラフ・レミオン、ルシーカ・クルツク。
内容はいい!
まず内容から。
1巻~6巻途中まで一気読み。
軍に依存してしまった腐敗した自国に諦めと嫌悪を抱く主人公がとある事件により他の4人と共に『 騎士団』として所属したくなかった軍に所属することになってしまう。
主人公の頭の回転や機転もさることながら、
他の騎士団の4人やそれぞれの部下の奮闘や成長が巻を追うごとに面白くなっていく。
最後は自国である帝国がどのような形で終わりを告げるのか、その後はどのような物語を展開するのか。
各巻事の戦いでは戦いでハラハラしたり気持ちいい展開に爽快な気分になる一方、今後の展開に不安と期待が膨らみます。
個人的にはとても好きな本でぜひこのまま中途半端に終わること無く最後まで書き切って頂きたいと思います。
ただ、5巻は挿絵がほぼ無く、
6巻に関しては挿絵が急に雰囲気が変わってしまってガッカリです。
1巻~4巻までは作風に合った挿絵だっただけに戸惑いと失望でした。
絵師さんには申し訳ないですが、やる気がないなら他の人と変わってください。って思わざるを得ません。
Posted by ブクログ
登場時は嫌なヤツだったのが、後に良い人になって仲間になるってパターンは
何であのバカを許せるの?とか、何であのクズが急に改心するの?とか
納得出来ない事が多くて好きじゃなかったんだけど
今回のサリハスラグは、その辺の展開が上手くて良い!
Posted by ブクログ
今回も面白かった。イクタの出番が少ないのが残念。展開的に仕方ないけど。
そして、本屋で見つけられなかったほどに表紙の雰囲気変わっていて、何だかなーって思いました。ヤトリとか殿下とか別人な気が。挿絵にこだわるわけではないけど、今までのイメージというものがあるので、もう少し元の方に近づいた作風の方にして欲しかった。最初からこの絵だったら、見なかったことにして進むんだけど……。前の方の絵が好きだったからなぁ。イクタの造形とか。
Posted by ブクログ
トルウェイ巻だった。
これは確実に…レミオン家の言い合いに割って入るイクタの辺りがすごく…えーと…女子層にも受けるなと思いました!
レミオン大将かわいい。ルシーカ…っ好き…。
絵の人変わったのねー。まだ慣れないけどそういう事情では致し方ない。しかし作者あとがき・旧イラストレーターあとがき・新イラストレーターあとがきと、こんなに丁寧に説明してくれるなんて改めて人気と愛を感じるなあ。
Posted by ブクログ
前巻末で急にもたらされたクーデター終結へ向けて皆それぞれに奔走する中で、トルウェイの成長に重きを置かれてた感のある今回。とどめを刺せなかったトルウェイと刺せたヤトリの対比が鮮明になってたように思えた。イクタの想いとは裏腹に、もうヤトリは戻れないところまで来ちゃってるんじゃないかなぁ…。個人的にはヨルンザフの武人然とした戦闘凶ぶりは好みです。今回はあまり目立たなかった印象のあるイクタだけど、ようやくラストで出てきた狐との対面がどう展開するか、智謀の激突を楽しみに次を待ちます。
絵の雰囲気変わったなぁと思ったら絵師さんごと替わってたのね。あとがきまで気付かなかった(苦笑)