竜徹のレビュー一覧
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ネタバレ評価:☆5
今度の舞台は海ということですが、海戦でもイクタの采配は光る。
爆砲を積んだキオカ艦隊に対抗するために作戦は勿論、船乗りの技量のぶつかり合いもあって燃えた!
この作品は敵も一筋縄でいかないっていうのがいいね。
「この土壇場で選ぶなら――いちばん大きな失敗を犯して、それと正面から向き合ったやつに命運を預けたいと思う」
このマシューのイケメンさといったらもう・・・マシューが主人公でいいんじゃね?w
更に海戦の後はヒオレド鉱山に籠城するキオカ軍の攻略へ。
ここでは再びジャンとイクタが邂逅し、頭脳戦を繰り広げるのが面白かった。
そして今巻は何と言ってもラストのイクタの演説でしょう。鉱山攻略途中で起こったレミオン派のクーデター、イグセムとレミオンで帝国は二分される形になる。そこでイクタが第三勢力としてバダ・サンクレイの息子であることを明かして仲裁に入るとかもうこの先どうなっちゃうんだ!?
誰かが誰かを殺す展開とかだけはやめてくれよ・・・? -
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壮絶、としか言いようのない、最初から最後まで圧倒されっぱなしの1冊だった。このシリーズはいつも分量の割に中身が濃厚なのだけれど、この巻はいつもにも増してそれが顕著だ。
主人公イクタと、ヒロインというより、主人公の座をイクタと分け合っているという表現の方がしっくりくる少女ヤトリ。
いかなる時も手を携え、文字通り互いの全てを知り尽くした連携で、鬼神のような戦果を上げつづてきた二人。その二人が、国を巻き込んだ大きな流れ、陰謀によって戦地にて対立する、よりにもよってその時に、今まで語られてこなかった二人の過去が明かされる……。
物語は過去と現在を交互に行き来しながら、未来に対する予感を孕ませながら進んでいく。「自分の半身」とまでお互いを呼ぶほどの二人が、敵同士として正義も何もない無意味な戦いにおいて相見える。その心中の葛藤はいかほどのものか。自分の心を、記憶を切り刻み、ただ一人の軍人として最愛の者へ刃を向けるその苦しみはいかほどのものか。その境遇を見て、自らの運命に立ち向かう二人の健気な姿に、涙が堪え切れなくなる。
戦闘は神によって差配されているかのような鮮やかさで進み、クライマックスへと突き進む。どうあがいても絶望しかない状況で、イクタが打った一手は?悲劇は止められるのか?
この巻は1章の最終巻という位置付けで、エピローグという形で2章への導入も含むのだが、そのエピローグがまた壮絶さに拍車をかけている。
結末は是非ご自身の目で確かめてほしい。 -
購入済み
在れば覧たかったもう一つの伝説
読み物としてとてもワクワクさせて頂きました。
で、途中ふと思い出したんです。
(決して非難ではなく)よく似た「と在る宇宙の伝説」を。
成りたくなかったのに成ってしまう軍属、そして政治に利用されて成らされてしまった「創られた英雄」、でも結果を見れば部下達も皆納得。
体力面では劣り、精神面では「軍属」の対局に在る「常怠」でありながら皆が考えつかない視点から『ミラクル』な「勝利」を味方にもたらし、必要なためにはあっさり降伏してしまえる辺り。
味方を普通の上官じゃ言わない内容で鼓舞しちゃう『ペテン師』。
数え上げれば切りが無いんですが…
「ってあれ?コレもし帝国側にヤ◯ ウェンリーが生まれていれば…的な?」
それに脇役達もキャラたってます。
はい、私は絶対最終巻まで読み続けますよ、最後の1ページまで。
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Posted by ブクログ
物語のクライマックスに登場する言葉を借りれば、「全身に鳥肌が立つのを感じた。」といったところだろうか。
この本について、何よりも特筆すべきはその内容の濃さだ。印象的なプロローグに始まり、息もつかせぬ展開には、読者としてただただ圧倒されるしかない。なにしろ最初に巻き込まれた事件のくだりを読んでいるときは、この事件だけで1巻が終わると思っていたほどなのだ。
魅力ある文章も物語に華を添えている。主人公イクタが語ってみせる台詞には、登場人物だけでなく読者の私達をも、理屈をすっ飛ばして本能で頷かせる摩訶不思議な力がある。
その内容の濃さ故に、次巻から内容が薄くなってしまうのではないか――物語が佳境に差し掛かる頃にふと頭をよぎる不安さえも、本書のシメに待っている壮大なストーリーにひとたび触れてしまえば、杞憂だと断言できるだろう。
こんな本との出会いがあるから、読書はやめられない。最大限の賛辞を込めて、そうエールを送りたくなる一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまずあれやね、ちゃんと陣形を図面で見せてくれるのは素晴らしいよね。
ファミ通のお気に入り異世界架空戦記の最新刊はそれで戦術がイマイチピンと来なくてテンション上がらなかったんだけど、
丁寧な戦術の説明に細かな戦闘の描写のおかげで、
臨場感あふれる脳内描写で楽しめました。
海戦のオチはしまらなくてそれこそ面白かったですしねw
で、海戦終了時点でまだ100Pあって「長げえよ!」
ってちょっと思ったんですが、
ふっ飛ばすぐらいの急展開ですね。
目の前にライバル置いといて逆方向に引っ張られる的な。
一本道ですまないのは当たり前ですが、
まさかライバル目の前にして…放置するのかなコレ?
いやいや、だとしたらジャンかわいそすぎやろ…
どーすんの??
にしてもイクタ親父の英雄譚は熱かったなー
あの演説でテンション上がらないなら
もうこの作品読まなくていいんじゃね?ってくらい
イクタの行動原理が詰まった演説でした。
今後の展開、楽しみであり恐いですね。
またしんどい展開がてんこ盛りしてそう。
ここでジャンを無視したらそのツケがあとで回ってきそうだし…
さー…、どーすんのか。 -
Posted by ブクログ
隣接するキオカ共和国と戦争状態にあるカトヴァーナ帝国。
その国にある事情で嫌々高等士官試験をしようとしている戦争嫌いで怠け者で女好き少年イクタ。
そんな少年がのちの名将となるとは誰もが予想してなかった。
戦乱渦巻く世界で生きるイクタ少年の半生を描いた作品。
最近、こういったファンタジーの作品が増えていて、脱力系の主人公の作品も結構あると思う。
この作品もその系統なんですけど、構成力、キャラなど頭1つでてる気がします。
主人公が強いわけじゃないけど、知恵を絞って闘う姿もいいし、脇を固めるキャラ達も一癖、二癖あって読んでいて飽きない。
変にコメディに走るのではなく、シチュエーションや言葉のやり取りで笑わせられる。
今後の展開に大いに期待したい作品です! -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆5
本格派ファンタジー戦記第3弾。
圧倒的な戦力差、そして現れる「不眠の輝将」ジャン・アルキネクス。絶望的な状況の中での撤退戦に果たして勝機はあるのか――!? と言ったところです。
いやーホント面白い!安定しすぎてて怖いw
始めはかなり成り行き感が出てたイクタだけど、もうすっかり名将としての風格が出てきてるね。
いつもの軽い感じが消えてた分、読んでるこっちにも緊張感が伝わってきた。
序盤のマシューがかっこよすぎて涙腺熱くなってしまった・・・。
「だったら!――ここで仲間にかける言葉は、『先に逃げろ』じゃないだろうが!」
いつの間にこんなイケメンに(ノД;)
イクタとジャンの戦略のぶつかり合いが面白かった。
時間と共に推移していく戦場の様子も頭の中で容易に思い描けるのは、それだけ文章がしっかりとしている証拠でしょう。
イクタやヤトリ、二人の息の合いすぎなコンビプレイはもちろんだけど、この戦闘で一番褒め称えられるべきはサザルーフ大尉だよね。
自分の能力の限界をきっちりと認めることができる上官なんてそうそういないよ。
サザルーフ大尉にはこれからも出番あって欲しいw
最後に姫様が出てきて、「あ、そういえばいたなぁ姫様」と思ったのは秘密(笑) -
Posted by ブクログ
異世界ファンタジーの戦記物というと往年の名作「ロードス島戦記」を始め「空ノ鐘の響く惑星で」「火の国、風の国物語」などの傑作がありますが、この「天鏡のアルデラミン」もそのリストに加わってくる作品でしょう。それほど面白く、また今後を期待させる作品でした。
個人的に、何よりの魅力は主人公イクタのキャラクター。
基本的に怠けたがりで軍を嫌っており、しかし指揮官としての才能に溢れ軍人の道を歩む様はかの魔術師ヤン・ウェンリーと重なります。。
まぁ女たらしという点でヤンとは決定的に違うわけだけどw
「怠け者で女好き」という言い方をするとどうしようもないキャラな気がするけど、そんなイクタが機転を利かせて道を切り開き知を武器に戦に勝利していくのはまさに痛快。
また、そんなイクタと周りのキャラとの関係も見どころです。
軍閥の名家出身であるヒロインのヤトリとの信頼関係は他人には計り知れぬところがあり、また12歳にして気丈にふるまう皇女シャミーユとの微妙な距離感も見ていてニヤニヤします。
キャラだけでなく、集団対集団の模擬選の展開も見事。
怠けるためには全力を尽くすことを厭わないイクタの部隊捌きは、ドキドキハラハラとはまた違った楽しさがあります。
「戦術と戦略」に注目する集団戦は銀河英雄伝説を彷彿とさせ、目が離せません。
極端なジャンル、癖のある主人公故好き嫌いがはっきり分かれそうな作品だけど、それだけに好きな人にはたまらない作品です。
それこそ往年の名作を引き合いに出すほど。
今後も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「このラノ2013」で全くのノーマークだったところでなんと13位。
確かにとても面白かったと思いますが、既刊2巻(というか対象期間内では1巻)の段階でここまで評価されるのはさすがに過大。いかにも「ここから物語が動き出す!」みたいな終わり方するので。
これが評価されるなら、「エスケヱプ・スピヰド」とか「烙印の紋章」とかももう少し評価されてもいいと思うんだけどな。
六花の勇者もそうだけど、協力者層は「今は地味でも今後に期待」な作品を推す傾向ですよねー。
内容としては、まあこのラノのコメント通り。
戦争嫌いの怠け者の主人公が、運命に翻弄されて一国の英雄に祭り上げられていく。しかも主人公には軍師として天才的な才覚があって、バンバン味方を勝ちに導いちゃうっていう。1巻は士官学校に入学して、先輩相手の模擬戦闘で活躍するところで次巻に続く。
主人公の作戦とか先読みの技術は読んでてワクワクする。まあ勝つように書かれているから当然だし、ちょっと主人公無双過ぎる感じもしたけど、1巻ということを考えれば良いキャラ紹介になったかも。
一癖ありそうな主人公の仲間たちも、良い意味で個性的でいい仲間。
誇り高きエリートヒロイン、みくるちゃんタイプの優しいいじられキャラ、臆病だけど実力は確かな爽やかイケメン、才能に劣りながらも着実に努力を重ねるデブ、腹に一物抱える王妃殿下。
主人公含めると男女比3:3というのも好感度アップです。
大人たちもきちんと活躍しているところもイイ。ラノベだと一方的に少年少女が正義、大人たちは頭の固いアホか腹黒い自己中ばかり、というのがよくありますが、この作品はそうではなかった。
世界観も、結構作り込まれていそうだけど、スっと頭に入ってくる感じ。オリジナルっぽい舞台ながら、余計な部分は現代日本のものを取り入れていて、解説過多にならなかった点は高く評価したい。
前作「神と奴隷の誕生構文」の失敗点は、世界観の説明が下手だったのと、ヒロイン含めキャラの魅力が全くなかったところだと思うので、今回は相当改善されてる感じです。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
とまあ褒めちぎってみました。
ですが、冒頭にも言った通り、1巻でこの水準の作品は他にもたくさんあります。その中で、これだけがこのラノ13位という高評価を得たことは、なんだか納得いかない。