フィツジェラルドのレビュー一覧

  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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    表題作の醒めた感じもいいけれど、『最後の美女』と『異邦人』がたまらなかった。
    フィッツジェラルドの描く永遠に失われた時とイノセンスに対する切ない郷愁に、胸が締め付けられそうになる。

    個人的にホッパーのこの絵はイメージじゃない…NYなんだもの…!
    もっと南部っぽい絵にしてくれれば良かったのに!と思いました。

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    2009年11月01日
  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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    久しぶりに『ベンジャミン・バトン』を見たらずいぶんカットされているにもかかわらず進むのまったりで『フォレスト・ガンプ』のマイナー版って感じであんまり乗り切れなかったので原作を読んでみることにしました。

    50ページのお話を3時間近い映画にするってのはなかなかに難しいやね。映画はこの本のほとんど翻案っていうくらいでした。また映画ではより現実に近い形にしないと見る人を説得できないとも踏んだのでしょうね。たとえばいきなり70歳のお爺さんが生まれてくるとかねぇ。

    たしかに本でもそこは違和感あるけど映像がないぶん脳みそはすんなり受け入れちゃった。それでもすっげぇおもしれーとはならなかったな。私的に1番

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    2025年09月25日
  • グレート・ギャツビー

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    当時みんなが憧れていた理想を掴み、生まれた環境関係なく上流階級へ成り上がる、希望溢れるアメリカンドリームが題材となっている。お金持ちの煌びやかで視覚聴覚共に刺激を受ける豪華な生活などの描写が多く散りばめられている反面、呆気なく淡々と展開される現実や登場人物の強欲さ、汚い人間らしさ含めたギャップが面白いと思う。私は各々が都合よく相手を解釈していないか、相手の「本質」を捉えられているのかどうか、という著者の問いを見出した。人間って怖い

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    2025年08月29日
  • フィツジェラルド短編集

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    短編を読もう!第三弾はフィツジェラルド。

    たくさん短編を書いてる中、新潮文庫では選りすぐりの6遍を収録。

    「氷の宮殿」は南部に住む女の子が北部にすむ婚約者について行く話。南北の違いがよく表されていたように感じた。
    「金持の御曹司」は、何でも手に入ると思い込んでいる青年が、愛は手に入れられないと悟る話。上流階級の話は新鮮だった。
    「乗継ぎのための三時間」は内容を書くとネタバレになっちゃうので…。でも1番面白かったかも。短いので乗り継ぎの時間に読める!
    「バビロン再訪」は過去の失態により別居している娘ちゃんを引き取って育てたいと、親戚と話し合いをする話。結論は、なんだかやるせなかったな。

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    2025年02月13日
  • グレート・ギャツビー

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    ネタバレ

    世田谷の駒澤にある「snow shoveling」のblind book「美しき、光と影」というキャッチコピーに惹かれ、手に取った。
    ギャッツビーの夢、見かけ上の栄光と、それと対局にある彼自身の精神の闇、不安定さを感じさせられ、まさに「美しき、光と影」を感じた。
    生前は、多くの人を家に招き盛大なパーティをしていたギャッツビー、しかし彼の死後、葬式には、彼の父と語り手のキャラウェイ、そして書斎にいた男しか来なかった。
    愛するデイジーすら訪れなかったのである。
    見かけ上の煌びやかさ、華やかさにはなんの意味もない。周りに人がいることが、必ずしも、人望があるということではないのだと気付かされた。
    良い

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    2024年12月09日
  • 夜はやさし(下)

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    ネタバレ

    上下巻通しての感想。

    当時の世相とか、ヨーロッパとアメリカの確執?とか、上流階級のつきあい方とか、がよく分からん…となって斜め読みしたところも多い。
    そういうのを咀嚼するより、ディックどうなっちゃうの?が先に立って読み進めてしまったと言うか…
    ディックが少しずつ壊れていくのが辛い。
    せめてフランツが…フランツと決別しなければ…

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    2024年10月23日
  • 夜はやさし(上)

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    ネタバレ

    あらすじをざっくりとしか知らないのに、最初のページを読んだ時点でもう、あっこれバッドエンドだな…って思うのなんでだろう…

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    2024年10月23日
  • グレート・ギャツビー

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    始:ぼくがまだ年若く、いまよりもっと傷つきやすい心を持っていた時分に、父がある忠告を与えてくれたけど、爾来ぼくは、その忠告を、心の中でくりかえし反芻してきた。

    終:こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。

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    2024年01月04日
  • グレート・ギャツビー

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    言葉の扱いが魅力的だと思った人の愛読書だと知り購入
    今まで海外文学はシェイクスピアしか読み切れたことがなく、他の小説は読む度に挫折していたが、時間をかけてでも読み切れた。モチベーションが違ったのだろう。
    読む前は翻訳独特な言葉選びを期待していたが、読み始めるとドンドンその世界に魅せられて、言葉選びの面白さに注目できなかった。次に読むときはしっかり注目して読みたい。

    読んでいるだけでまるでその場にいるように思えた。季節の空気感、雨の冷たさ、現代よりは優しいけれどやはり暑い夏、それが終わるのに妙に寂しく思える秋の始まり。
    そこで生きて、近くに生きる他人のような気持ちで読むことができました。
    この

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    2023年08月05日
  • グレート・ギャツビー

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    いつか英語が読めるようになったら、本家を読んでみたい。英語で読むと美しい表見がたくさんあるのだと思う。

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    2023年01月31日
  • 夜はやさし(下)

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    前半の好感度抜群のディックがアルコールで身体も人格も破綻していく様が非常にリアルに描かれていた。ディックとニコル夫妻が行く先々で事件が起こり、それが物語を二転三転させて面白くしている。その辺のもって行き方も上手いなと感心した。

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    2022年12月10日
  • グレート・ギャツビー

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    舞台は狂乱の二十年代。東部の軽薄な人々と交際しながらそこに馴染めないギャツビーの人生を描く。昔同じ立場であったデイジーが東部人と同じ思考に染まっていく中、ギャツビーの純粋さが滑稽に見えて来る。フィッツジェラルドも当時の売れっ子として名を馳せたが、心にどこかでその風潮に疑問を持っていたのではないか。そしてその疑問を皆が持っていたからこそ当時売れたのであろう。
    角川版は表紙がレンピッカでまさにピッタリである。

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    2022年11月08日
  • グレート・ギャツビー

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    愛情に身を焦がし破滅した男の生き様に圧倒される。
    ディズィを巡る2人の男の一触即発の緊張感がたまらず、ページをめくる手が止まらなかった。

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    2022年10月10日
  • グレート・ギャツビー

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    100ページくらいまではよくわからず苦痛。役者が揃って物語が動き始めてからは引き込まれたが、終盤の人物の動きがピンと来なかった。
    30歳で「歳を取りすぎた」というのはつらい

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    2022年08月29日
  • グレート・ギャツビー

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    英語読めないからダメだけど
    きっと流れるように美しい文書で
    書かれてるんじゃないかなと思った
    当時のアメリカの世相の知識とか
    そういうものがあれば
    もっとイメージしやすかったかもしれない
    海外の作品はそういう意味でも難しい
    主人公の立ち位置や雰囲気が
    村上春樹の小説に出てくるタイプに
    似てる気がする
    村上春樹の翻訳バージョンの
    グレートギャツビーもいつか読んでみたい
    2022年新潮文庫の100冊のうちの1冊

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    2022年08月08日
  • グレート・ギャツビー

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    ネタバレ

    【感想】
    いわゆる男性チックな考え方の方であると、登場するニックとギャッツビーに深く共感でき彼らの中に自分を見出すことができる点に、作品の素晴らしさがあるように思った。そのうえで、特に本編の最後の締めくくり方が美しく、名作たる所以であるように思われた。私は野崎孝訳で読んだのだが、解説の洞察に非常に読み応えがあり、本書の半分ぐらいの価値はそこにあるように思えた。

    【おすすめの鑑賞の仕方】
    個人的なおすすめの楽しみ方は、この小説を読んだ後にレオナルドディカプリオ主演の映画、『華麗なるギャッツビー』を鑑賞することである。この本を読んでいると、自分が集中して読めているのかどうか不安に思う事があると思

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    2021年11月14日
  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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    先に映画を見てから読んだ。「ベンジャミン・バトン 数奇の人生」に関しては原作は非常にリアルだが、派手さのない内容であった。映画は巨額の費用でストーリーも派手に改編されて作っているからすごい出来だが、原作は文学としては良かったと思う。他の短編も虚無感を抱かせるものが多かった。推理系のミステリー短編もあるが、基本的には読後に虚無感を感じるようなものが多く、村上春樹に似てるものを感じた。

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    2020年11月03日
  • フィツジェラルド短編集

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    青春時代の情熱の恋愛模様。5組のカップルが登場する。あの青春時代の疑うことを知らない情熱はどこから来るのか、どこへ消えてしまうのか。お祭り騒ぎが終わったあとの余韻と驚き。愛の反対が無関心であるのと同様に、貧乏でも多忙でもなく、世の中からの無関心ーー必要とされないことを、人は一番おそれているのではないか。

    編者の意図もすばらしい。バランスのとれた短編集。

    1. 氷の宮殿
    アメリカの北と南。出身地と男女の相性。

    2. 冬の夢
    主人公がよい。暗い。女性の虚勢とそれに気付きながらも受け入れる男性。

    3. 金持の御曹子
    すばらしい。幸せとは何か、問いかけてくる。青春と家庭とその先に待っている老い

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    2019年02月11日
  • 夜はやさし(下)

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    10年積ん読やったのを思い立って読んでみました。いや、10年置いといて良かった気がする。10年前、もしくは初めてフィッツジェラルドを読んだ20年前やったらハマらんかった。気がつけばオイラもフィッツジェラルドが死んだ年に近い。前半はどうってことないんやけど後半が刺さる。海でダンナが若い頃みたいにムチャしようとして失敗するのを嫁さんが冷ややかに見てるシーン、ツラすぎる。酒で身を持ち崩す展開、身につまされ過ぎる。
    あと、解説で狂ったとか発狂したとか書いててすげーなと思ったけど昭和三十五年刊行の復刊か。時代やなぁ。

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    2018年12月18日
  • 夜はやさし(上)

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    ある若き夫妻の、出会いから夫婦関係の崩壊、そして別れまでを描いた長編小説。
    上下巻を全て読み終えた後、寂しくも暖かな気持ちとともに、不思議とこの表紙の絵が思い出されて来たが、それらはやがて渾然一体となって、大きな感動に変わっていった。
    本書では物語に大きな変化が訪れる場面が全部で4箇所ある。そう、主人公の妻ニコルと、女優のローズマリーのそれぞれが主人公に惹かれ、やがて気持ちが遠ざかっていく(本書の内容に即した言葉で表現すると、彼女たちが『目覚める』)場面である。
    本書の表紙は、まさに、この物語の全てを象徴しているように見えてならない。

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    2016年11月23日