あらすじ
若き優秀な精神科医ディックは、富豪の美しい娘ニコルと出会う。医師と患者という垣根を越えて、恋に落ち、結婚した二人。富も名声も持ち、人を惹きつけて止まないこの夫婦は、多くの友人から敬われ慕われていた。二人の子に恵まれ結婚生活も順調に思われたリヴィエラでの夏、若き女優ローズマリーが現れディックに激しい恋をしたことから、彼らの運命が大きく揺さぶられ始める――。自伝的色彩を強く放つ、著者最大の長篇傑作。
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Posted by ブクログ
妻の狂気、友人のアルコール依存、女優の世界などが描かれる。他の作品とはまた違うフィッツジェラルドならではの世界。チューリッヒ、リヴィエラ、パリなど作品を彩る土地の空気、狂人や心の傷痕についてのフィッツジェラルドならではの描写に引き込まれる。下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
ある若き夫妻の、出会いから夫婦関係の崩壊、そして別れまでを描いた長編小説。
上下巻を全て読み終えた後、寂しくも暖かな気持ちとともに、不思議とこの表紙の絵が思い出されて来たが、それらはやがて渾然一体となって、大きな感動に変わっていった。
本書では物語に大きな変化が訪れる場面が全部で4箇所ある。そう、主人公の妻ニコルと、女優のローズマリーのそれぞれが主人公に惹かれ、やがて気持ちが遠ざかっていく(本書の内容に即した言葉で表現すると、彼女たちが『目覚める』)場面である。
本書の表紙は、まさに、この物語の全てを象徴しているように見えてならない。
Posted by ブクログ
シェイクスピア書店の本を読んで、もともと映画『ミッドナイトインパリ』大好きだし、20年代のヨーロッパを知りたくなって。フィツジェラルドの自伝的小説だけど、うなるほどの金を振るいながら、少しずつ壊れていく心と関係がもの悲しい。