清水潔のレビュー一覧

  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    FOCUS編集部を経て日本テレビに移ったジャーナリストが手掛けた調査報道の裏側に迫る。疑問を持ったらとことん追いかける。そして常に「裏取り」を慎重に行う。正義と言うよりは、権力側の都合や思惑で泣く人が出てしまうことがよほど許せないという取材姿勢が見える。

    時に危険な目に逢いながらも、一旦司法が下したことさえも疑問があれば覆そうと真実に迫る過程がドキュメンタリー風に綴られていて読みごたえがある。桶川ストーカー殺人事件など、筆者の執念で警察の怠慢や勝手な推測で事件を歪曲化したマスコミを糾弾した有名な事例もその裏側が語られている。

    成功例だけでなく失敗やボツになった事案にも触れている。失敗した場合でも、「片方だけの意見だけに惑わされない」姿勢は同じだ。

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    2023年09月22日
  • 「南京事件」を調査せよ

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    戦争は悲劇しか生まれない。命の尊厳や人権を蹂躙されて精神が蝕まれる。それは加害側・被害側双方であり、どうもこの国は被害側の視点でしか語ろうとしない。それでいいのか、日本の加害もしっかと過去に刻み込まれている。そこを看過するのは罪深い。私たちは加害の出来事を知る学びを大切にすべきである。それが歴史、平和につながる歩みではないか。民族という大雑把なカテゴリーに固執する思想に持続可能性などあるものか。

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    2023年06月27日
  • 桶川ストーカー殺人事件―遺言―

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    ネタバレ

    こんな酷いことがあったのかと読むのが嫌になるくらい胸が痛くなった。今後同じことが起こらないようにストーカー規制法ができてよかったとも思うけど、被害者が声に出して助けを求めていたからどうにかできたんじゃないかという思いとあって、複雑な気持ちになったし、犯人と警察がどうしようもなくて、怒りが込み上げた。私は報道をする側でも事件の解決に尽力する側でもないから、当時生きていたとしても、事件の本質はわからずメディアの好き勝手な情報を信じてしまったかもしれない、この本を読んで目の前の情報の捉え方を気をつけようと思った。

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    2023年06月08日
  • 桶川ストーカー殺人事件―遺言―

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    こうやって、単なる捜査ミスとも違う理由で冤罪にされた人は本件だけにあらず、多々存在するのだと思うと警察とは何なのだろう?報道とは何なのだろう?何を信じたらいいのだろう?と色々考えさせられた。

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    2023年04月06日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    官公庁や企業から発表されたことを伝える「発表報道」の中には、それぞれの都合のいいように発表したり、都合の悪い事は隠したりする事がある。事件や地震など迅速に報道しなければならない場合もあるので全てを調査報道するのは難しいのだろうが、著者は「調査報道」をモットーに取材をされていて、桶川ストーカー殺人事件や足利事件をはじめ、警察でも解明できなかった事を調べ上げ、犯人に行き着いたり、冤罪を証明した。著者の事件解明への執念は尊敬に値する。

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    2023年02月12日
  • 鉄路の果てに

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    積読2年笑

    著者とお父様が、私と私の父のちょうど10歳上で、色々と考えました。私の父は旧制中学3年が敗戦の年で、8月後半は、動員先で戦争協力の証拠破棄していたそうです。

    親族でシベリア抑留された人はいないので、通り一遍の事しか知らなかったですが、元気があれば関連書籍も読みます。

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    2022年07月29日
  • 「南京事件」を調査せよ

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    清水潔が南京事件(敢えてそう呼ぶ)の調査報道をしてるってそりゃ読むでしょう。素晴らしい一冊。 NNNドキュメントの該当の回も併せて観たのでわかりやすかった。南京事件は高校の頃に知って、歴史は語る側によって幾つもあるんだという事を理解できた思い出深い話題なので興味深く読んだ。まあ捕虜は1万人単位で殺してるなあというのが合理的な判断だと思う。この調査報道のスタイルはとても素晴らしいと思う。

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    2022年03月30日
  • 「南京事件」を調査せよ

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    南京大虐殺は中学校の時に5行ぐらい登場した。先生が「あまり深堀りしません」と、ほとんどスルーだった。

    大人になって、テレビで知って「嘘だ…信じたくない」と思って、祖母に聞いたのを思い出す。「日本人は悪いことしたの?」と。返事は「うーん、確かあったんだと思うよ。戦争は人が狂うから。」だった。

    それから「第二次世界大戦は、日本がアジア圏を守るための戦争だったけれど、勝者に歴史を書かれて悪者にされた。」という説を容易く信じた。
    おそらく、「信じたいものを信じてしまう」というやつだったと、この本を読んだ今は思う。かくいう私も、清水氏がいう「一点突破派」だったのだ。
    人数がありえないから「捏造に違いない」と。
    そして、日本人を何かと陥れようとしたり、敵視してくる中国人をどこか侮蔑の思いで見ていた。
    近場に中国人がいてもどこか「日本人に、憧れる下級民族」みたいな思いがあったと思う。

    そして、この本を手に取ったのも「捏造を肯定してくれるだろうから」という動機が潜んでいたのは否めない。

    だけど、だけど。
    読んでいる最中に、がっくり心が折れた。
    この中のことに一つ一つ裏付けがあるのも、否定しようがない。何より、日本が「なかったことにしたい」ときの方法が今と全く変わってない。
    愕然だった。

    「自分の見たいものを見たいように見たい」や
    「明確になっていないものを知りたい事実に基づいて早くジャッジしたい」という気持ちは、本当に「知る」ことに結びつかない、ということを、この本(清水氏)はしっかり教えてくれた。
    事実がしっかりと中立に明確になったとき、それは自分にとって不都合な事実かもしれない。だけど、それこそを受け止めるということ。それが「知る」ことなのかもしれないと感じた。

    日本人として、人間として、「過ちは繰り返せない」と痛切に感じた。心に残った1冊。

    YouTubeに、この本が映像になった番組が出ていて、リアルに目視で内容を確認出来て、戦争は本当に人間を人間ではなくしてしまう、と感じました。

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    2021年08月17日
  • 鉄路の果てに

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     筆者は、亡き父が残した本の中に貼りつけられたメモ用紙から、生前は戦争や抑留体験についてほとんど語らなかった父親のシベリア体験の痕跡を見つける。筆者は、メモに残された「だまされた」の一言にまるで追い立てられるように、長年取材を共にしてきた友人と共に、父が強制労働に明け暮れたシベリアの地に出掛けることを決意する――。

     戦争や抑留の記憶をほとんど語らなかった「父」の語りの不在から、いわゆる「第2世代」の記憶の実践が駆動する。どちらかといえば韓国・中国・東シベリアと続く鉄道紀行というべき内容だが、その鉄路がまさに戦争の手段であり、戦争の目的でさえあったことが、車窓からの風景に重ねて書きつけられる。軍事力で変更された境界は戦争によって再び引き直されるが、そのはざまで多くの人びとがいともたやすく見捨てられ、生命を奪われていく。「知る」ことで、更地になった土地からも、茫漠と広がる森林や草原からも、氷結したバイカルの湖面からでさえ、人びとの生きた痕跡を浮上させることができる。『南京事件――兵士たちの証言』の著者らしいノンフィクションだと思う。

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    2021年05月10日
  • 殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―

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    ネタバレ

    フィクションミステリーと思い購入したけれど、まさかのノンフィクション未解決事件。でも、読んで良かったです。オススメ作品。

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    2026年09月30日
  • 鉄路の果てに

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    亡き父の戦争体験を追って。釜山からイルクーツクへ。朝鮮半島から満州、シベリアを辿る旅。

    亡くなった父の残したメモ。多くを語らなかったシベリア抑留を追体験するため筆者は旅に出る。

    父は鉄道連隊に所属し満州へ。終戦直前のソ連軍の突然の侵攻。捕虜となりシベリアへ送られていた。

    日本から大陸を渡る筆者。ちょうど明治維新後の日本が日本が大陸に進出していく道と重なる。複雑な歴史を筆者は簡潔にまとめて描写している。特に鉄道の占める役割が強調されている。

    南京大虐殺であったり政府の姿勢を追求する筆者。日本政府の暴走により名も無き庶民が犠牲となるという構図。もちろん父もその犠牲者。本書で終始変わらぬ視点。満州やソ連の人々から見た残虐な日本の軍人。逆に進行したソ連軍による略奪行為。被害者目線が強い。昔も今も政府が悪く民衆が正しいという一方的な視点が多い。筆者の父も当時の中国人から見れば残酷な日本軍人の一人であったと思うのだがそのような視点はない。

    筆者の紀行にはセンセイという同行者がいる。重いテーマの紀行に余計な挿話が雑音となっている。スジの通った内容が阻害されており残念。被害者、加害者の視点は個々の思想もあるので許容範囲だが、こちらは気になる。

    日本人として知っておくべき歴史。戦争という大きなテーマを史実もコンパクトに解説しつつも、見事にまとめた紀行でした。

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    2020年10月02日
  • 鉄路の果てに

    購入済み

    旅がしたくなる

    韓国から中国東北部を経由し、シベリア鉄道で亡父の辿った鉄路を行く。シリアスでありつつ、微笑ましくもある道中記。形は変わり、時は流れても、そんな旅に出てみたくなる人間の性を感じる。それにしても私はあまりにも日露の歴史に疎い。勉強したい。

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    2020年08月16日
  • 鉄路の果てに

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    清水潔さんの本を初めて読んだ。「桶川ストーカー殺人事件」や「殺人犯はそこにいる」を読みたいと思っているのだが未読。
    暗く重いものを想像して読み始めたが、思っていたより軽いタッチ(と言ってしまっていいのか)だった。ユーモアを感じさせ、クスリと笑える部分と現実の歴史の厳しさ、戦争の残酷さ、国家の薄情さを描く部分が共存していた。ご自身の父親の足跡を辿る旅なので、情緒的になりそうだが、そんなことは一切なかった。暗く重く描かれなかったからこそ、実際の苦難を想像し、考え、感じる力を発揮すべきなのだろう。
    旅に出られない今、著者と青木さんと西へ西へ向かうシベリア鉄道の旅に同行させてもらった気分で、それはそれで今読んで良かった本であった。

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    2020年08月10日
  • 「南京事件」を調査せよ

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    1937年12月、日本軍による南京大虐殺はあったのか、なかったのか。詳細な調査報道により事実を明らかにする著者の真骨頂がここにある。ただ、第5章以降は正直いらないかな...。事実を集積し、クリティカルに論ずることからは若干乖離している。また、他の虐殺についての言及もいらない。それは読者が考えるべきことだからだ。

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    2020年05月31日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    調査報道の真髄を、過去作を概観する形で整理。こちらを読んでから他の著作に当たるのも良。色々と読み返したくなった。ただこれ、一歩間違えば命を失いかねない...。バランス感覚をどのように取っているのだろう。
    「記者に“真意”を読み取る力がなければ、情報は簡単に操られるということだ。」

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    2020年04月19日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    桶川ストーカー殺人事件や、足利幼女殺人事件などで有名な清水潔の一冊。

    上記の話はもちろん、それ以外の失敗談なども含めて本当に内容が濃くて面白かった。
    そして警察とメディアの恐ろしさを改めて知った。

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    2020年02月10日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    生半可な好奇心ではここまでできない。サラリーマンなのにここまでできるのは信念のなせるわざなのだろう。清水さんの著作を読むと調査報道のすばらしさや正義について考えることができる。そして、もうひとつ天職ということも著作を読んで考えることができるテーマとしてあるような気がする。誰もがこれをできるわけではない。各人が清水さんにとっての調査報道のようなものを見つけて社会に貢献できたら素晴らしいと思う。
    憧れているだけでなかなかその道に進めないし、余力を残してしまう。

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    2019年09月15日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    「殺人犯はそこにいる(足利事件の菅谷さん冤罪事件)」、「桶川ストーカー殺人事件」の調査報道で社会に大きな影響を与えた著者が調査報道のありかたについて、これら2冊の著作以外の案件も踏まえて述べたノンフィクション。
    発表報道(対象が報道して欲しい内容を伝える)の対局としての調査報道(対象が報道して欲しくない内容を裏付け捜査をもとに伝える)の重要性、調査報道の現場で遭遇する種々の困難について著者のリアルな体験をもとに描かれています。「記者クラブ」という権力を保持する側の御用ジャーナリズムと化す発表報道の現場、記者会見現場で発表者の発言の真意を汲み取る努力ではなく、ただ”正確”にノートパソコンで発言をトレースすることだけに注力する昨今の報道現場など、著者が問題視する報道の在り方と、著者が重要視するポリシーが様々な事例を絡めて述べられています。
    「100取材して10を書け。10しか分からなければ、1しか書くな」という著者のポリシーは説得力があります。報道とプライバシーの関りとか、報道の自由とか、政権との距離感など報道をめぐる問題が昨今は本当に多い気がします。それらに対して、1本筋の通った回答を述べられているのが本書の著者清水氏ではないかと思います。
    本書にも触れられていますが、著者のスタイルを貫き通すと、様々な軋轢を生んだり(時には同業他社の報道関係者から)嫌がらせを受けるというのが今の日本だということですが、それに負けずにこれからも一本筋の通った調査報道を続けていただきたいですし、清水氏の次の著書を楽しみにしたいと思います。

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    2019年06月04日
  • 騙されてたまるか―調査報道の裏側―

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    本作は著者の清水潔氏のジャーナリズム姿勢を明確に表した一冊で、都合の良い政府や警察などの発表を鵜呑みにして記事にするのではなく、自らの調査で得た事実に基づき報道していくという姿勢なのですが、やはり何が真実かということを判断するには、自らが関係者などに直接耳を傾けた声をベースに冷静に判断する眼というのが大事だということに気付かさせられます。
    でも深いなぁと思ったのは、死人に口無しですが、殺人事件の被害者は事実を言う術がないことを加害者が自分都合で正当化するという話で、これも一方的な言い分をどこまで信憑性があるかは、被害者周辺の声にも耳を傾け双方の声から判断する姿勢が大事なのだということも頷けました!

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    2019年03月09日
  • 桶川ストーカー殺人事件―遺言―

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    嗚咽の波が何度も来て、鼻水で鼻が詰まり、泣きすぎて目が腫れ、大変なことになりました。同県で同時代を生きていた身として、言葉にならない思いが溢れて、人体の反応としてそうなりました。

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    2023年03月13日