【感想・ネタバレ】裁判所の正体―法服を着た役人たち―のレビュー

あらすじ

原発差止め判決で左遷。国賠訴訟は原告敗訴決め打ち。再審決定なら退官覚悟……! 最高裁を頂点とした官僚機構によって強力に統制され、政治への忖度で判決を下す裁判官たち。警察の腐敗を暴き、検察の闇に迫った『殺人犯はそこにいる』の清水潔が、『絶望の裁判所』の瀬木比呂志とともに、驚くべき裁判所の荒廃ぶりを抉り出す。

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Posted by ブクログ

日頃、接することがない裁判官の日常、生活、官舎、給与。最高裁判所をトップとするヒエラルキー、政府との結びつきと忖度、法務省や検察官とのつながりなどが対談形成で語られている。

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2019年02月18日

Posted by ブクログ

これは必読! 原発訴訟や冤罪など、裁判官の世界から見る現実は生々しく、空恐ろしい。対談形式で読みやすく、エリートと呼ばれる人たちの悲しき生態が見て取れる。

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2018年05月24日

Posted by ブクログ

清水氏との対談であるために、「絶望の裁判所」で聞いていたことが具体的でより納得できるものとなっている。

さらに、法務省と裁判所つまり行政と司法が一体運営されていることは、裁判官経験者には「当然のこと」だったらしく、本書で初めて知った。

統治機構と共に「報道」機関も劣化していることを、具体的事例と共に示されると、残された道は絶望しかないと思わされる。
韓国が日本を他山の石としている事例を見ると、そこに僅かに日本の存在意義が残っているかと、複雑になる。

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2018年02月11日

Posted by ブクログ

原発メーカー東芝に天下っていた最高裁判事がいる。
裁判官の再任制度には一部の左翼弁護士も協力した。『法服の王国』はこれら左翼弁護士たちの影響を感じる。
検察は、検事総長すら決定権を持たない小僧と言われるくらい、OBの影響力が強い。
恵庭OL殺人事件の最新裁判に、元啓示裁判官の弁護士が入っているが、あまりのずさんな裁判に怒り、瀬木氏と同じ意見ではないがこんなことがまかり通れば彼と同じ意見だと書いたくらい。
昔は最高裁事務総局が裁判官協議会を開催して統制することもあったがあまりに露骨ということで、司法研修所による裁判官研修会によって統制する。
瀬木氏がアメリカに留学した際アメリカの学生から日本の憲法判例はstupidと言われた。
★全く園通りだと思う。
『絶望の裁判所』が出た直後、韓国最高裁は留学中の裁判官に至急10冊送るよう指示。

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2017年06月30日

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三権分立の制度の中で,司法はそれなりに独立して動いているものと予想していたが,全く違うことが良くわかる.最高裁判所が権力をチェックする機構ではなく,権力を補完するものだとの説明には唖然とするばかりだ.冤罪が起こるのもありうることだと認識した.メディアの対応も不十分なのは,司法ばかりでないと思うが,ジャーナリストの奮起に期待する.第8章の提案で,法曹一元化があったが検討に値するものだと感じた.

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2018年11月15日

Posted by ブクログ

『犯人はそこにいる』などの冤罪ルポで有名な清水潔と、元裁判官の瀬木比呂志による対談本。
清水が瀬木に裁判所や裁判官の実態を聞く形で進んでいく。

誰もが裁判所や裁判官に対して漠然と抱いていた信頼感(もちろん冤罪などはあるがごく一部の例外はあったが)が、この本を読んで崩壊した。
裁判官も普通の人間だし、裁判所はその性質が故に通常の官公庁以上に官僚的だということがよくわかった。

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2017年10月29日

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元裁判官学者と独立系ジャーナリストの対談、もともと両者とも日本の司法制度には経験的に否定的であるが、それが強調されている。大岡裁きのようなものは期待するものではなく、なるべく捕まらないことが大事と思われる。
基本的には政治を見ている役人であり、外の世界とは触れ合わず、堅いヒエラルキーの中で一生を終える仕組みになっているため、広い視野や一般性を持つことが難しく、政治に逆らうことはない。特に刑事事件は99.9%有罪になり、特に権力が絡むものは絶対である。地裁で画期的な判決を出したとしても現在の原発裁判のように統一見解が出され、当裁判官は左遷されていることもある。(がそれをメディアは報じないような記者クラブ内の癒着構造がある)。

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2017年08月19日

Posted by ブクログ

裁判官とはいえ人間。過剰な期待を求めてはいけないし、完全性も求めてはいけない。
しかし、この国の司法制度は正すべきところが多すぎる。

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2017年10月29日

Posted by ブクログ

「絶望の裁判所」の著者、元裁判官の瀬木比呂志と、「殺人犯そこにいる」の著書でジャーナリストの清水潔の三日間にわたる対談をまとめた一冊。基本的には清水さんが質問者でそれに瀬木さんが答えるという形式。両者の著書を読んでいる読者にはそこまで目新しい内容ではないかもしれないが、お互いに突っ込んだり質問したりしながらの対談の内容をそのまま対話形式でまとめてあるので、内容はより分かりやすくなっていると思う。最高裁に統制された日本の裁判所は「権力の監視機関」ではなくて「権力の補完機関」になっていると言うのは、なかなか重い事実のようだ。記者クラブ制度によって政府権力の広報機関に成り下がっているマスコミもしかり。行政裁判の弁護士は法務省に出向している民事系の裁判官が担っているとか、一般人には驚きの事実もたくさん。どこが三権分立じゃ。現在の最高裁がいかに権力よりで期待できないか、と言う事実も正直驚きと同時に失望を感じた。テレビを置いただけでNHKとの受信契約を結ばなければならないとする放送法の是非を問う最高裁の判断が今年中になされようとしているので、「契約の自由」との整合性がどう判断されるか楽しみだったのだが、こりゃ期待してもダメだな、と言うことが良く分かった。

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2017年07月21日

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