清水潔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ南京事件について丁寧に事実を検証し関係者からの証言を聞いて書かれている本。読んでよかった。
南京事件を始め、戦争中に日本人が加害者となった事件も被害者となった事件も両方書かれている。
これだけ日本人からも中国人からも矛盾のない証言が出てて、日本軍が捕虜や民間人を大量に殺害した理由も南京市民が日本軍を歓迎している写真が残っている理由も明らかなのに「南京事件はなかった」と言い続けてる人は一体なんなんだろう…
自国の被害ばかりでなく加害の歴史にも目を向けるべきなのはその通りだけど、それは日本だけでなく中国含め大抵の国でもできてないので、どこの国の権力者にとっても都合の悪いことなんだろうなと思った。
短く慰安婦問題で韓国に補償を行ったことも書かれてたけど、自国の女性たちには謝罪も補償もしていないことにも触れて欲しかった。日本は他国の人だけじゃなく自国民に対しても残酷だった。
戦争で一番被害を被るのは弱い立場の一般市民。
権力者が戦争したがっても絶対にNOと言い続けなきゃいけないと改めて感じた。 -
Posted by ブクログ
NHKの未解決事件ファイル19の事件のノンフィクション作品。テレビ見た。酷い事件だ。
筆者は真犯人と思しき人に接触している。またどうやら筆者が動かなければ、管家さんは釈放されていなかったのかもしれない。執念の取材だ。
17年の間に5人の幼女が姿を消している。ところが警察は連続犯と見做さず、一件は足利事件として冤罪を作った。管家さんは17年ぶりにDNA再鑑定で釈放された。そして既に真犯人は時効を迎えている。
79年、万弥ちゃんは神社境内からいなくなった。84年、有美ちゃんはパチンコ店からいなくなる。管家さんはこの二つの事件を自供したが、あやふやすぎると立件されていない。
科捜研が使ったのはMCT118法というDNA鑑定を使った。真実ちゃんの殺人事件での話だ。ビデオを調べたが、ロリコン物などない。靴底の足跡も管家さんのものとは合わなかったらしい。目撃証言もない。
しかし他の目撃証言なら2つあった。漫画のルパン3世に似ている男だ。
真実ちゃんの遺族に会う。真実ちゃんは自転車の荷台には乗れないという。
次にあったゆかりちゃん事件の映像の男はルパンだとわかった。
足利事件のDNA再鑑定が始まる。不一致の結果が出る。管家さんが釈放される。ルパンのDNA型も完全一致した。しかし真犯人のDNAが2種類出ていたのだった。
MCT118法を使って鑑定した飯塚事件はすでに死刑執行されていた。MCT118法に疑義が入るようなことはしたくないようだ。
飯塚事件は犯人のDNA型再鑑定は無理なのだ。全部証拠を使い切ってしまったのだ。
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Posted by ブクログ
読んでいて、日本の司法や警察に対する不信感を覚えた。まるで陰謀小説のような話なのに、これが実際に起きていたことだというのが信じられないし、こんなことがあってはいけないと思った。
当時のDNA型鑑定の危うさ、捜査データの改ざん、違法な取り調べによって逮捕された人、そして何より、子どもを亡くした遺族の方々の苦しみ。読んでいて本当にやりきれない気持ちになった。
警察だけでなく、マスコミの報道にも問題があったと思う。警察から聞いた情報をそのまま報じ、遺族にも執拗に取材する。間違った情報や報道によって人生を壊された当事者からすれば、たまったものではないよなと思った。
そんな中で、既に決められた犯人像を疑い、現場検証や聞き込みを重ねながら独自に調査を続けた清水潔さんの姿勢は本当にすごいと思った。「本当にこの人が犯人なのか」と疑問を持ち続け、事実を追い続けたからこそ見えてきたものがあったのだと思う。
この本を読んで、捜査機関や報道が発表する情報をそのまま事実として受け取るのではなく、「本当にそうなのか」と疑うことの大切さも感じた。
亡くなった子どもたちのご冥福を心よりお祈りします。
そして、二度とこのような事件が起こらないこと、残された遺族の方々が少しでも救われること、そして一日も早く真相が明らかになることを願います。 -
Posted by ブクログ
かなりの衝撃を受けた一冊だった。
文庫Xの存在を知って手に取ってみたが、本当にノンフィクションかと疑いたくなる内容
著者の執念のすさまじさをとても感じた
これは単に検察や科警研、マスコミが悪者というだけの話ではなく、自分が日々受け取っている情報の危うさを感じた
二次情報三次情報にはどうしても主観によるフィルターが入り込むものだと再認識した、それが公的な情報だとしても意図が入り込む余地があるのだということを見せつけられたと思う
自分が受け取る情報には誰かの都合や意図が入り込んでいないかといったことを意識したいと感じた
事件が今後全面解決に向かって進むことを祈るばかりだ -
Posted by ブクログ
本書は足利事件の冤罪と真犯人追跡を描いた調査報道ノンフィクション。魅力に感じた点は、単なる冤罪事件の記録ではなく、「なぜ誤りが正されなかったのか」という構造的な問題に迫っている点。
著者の清水潔氏は、警察発表を鵜呑みにせず、自ら取材を重ねて事実を検証していく。その過程で見えてくるのは、DNA鑑定や目撃証言そのものの問題ではなく、それを扱う人間や組織の保身。誤りを認めず隠蔽しようとする姿勢が、冤罪を長期間放置する原因となっていた。
また本書は、冤罪の恐ろしさだけでなく、情報を受け取る側の責任についても考えさせられる。一度「犯人」と報じられれば、その印象は簡単には消えない。だからこそ、一つの情報源だけで判断せず、複数の情報に当たり、自分の思い込みも疑う必要がある。
本書は優れた調査報道の記録であると同時に、情報社会を生きる私たちに「その情報を本当に検証したか」と問いかける一冊だった。 -
Posted by ブクログ
オーディオブックで聴きました。
めっちゃ面白かった。こんなストーリーがフィクションであったらどんなに良かったことか。
日本の警察の能力は素晴らしい。なぜなら99.9%の検挙率を誇るから。。とドラマなどでよく聞くが、この中にどれほどの冤罪が含まれるのだろう。どれだけの無実の人が逮捕され、どれだけの人が死刑になったのだろう。怖すぎる。トクリュウとかより悪い集団。警察。
中には、というか、大半の警官はいいお巡りさんなのだと信じたいが、上の方の人たちが、人の命よりも自らのプライドを優先する団体に属していて、しかも徹底した縦社会だから希望はない。
警察に近寄ってはいけない。少しでも関わりを持ったらいいことなどひとつもないし、きっと一生後悔することになる。全力で逃げよう。
⋯と思わされる内容だった。
何もしていないのに死刑になった人がいる一方、ルパンは何人もの幼女を殺して今も自由にパチンコしている。あり得る??
人の命よりも自信の組織の保身を優先する警察。どこの怪しい小国の話??⋯それは日本というのが怖い。警察に近づかないで済む人生であるよう祈るのみ。
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Posted by ブクログ
息子の部屋の本棚に並んでいる中から本書を見つけて手に取った。高校の時に学校の推薦書となっていたとの事。
埼玉に住んでいたのでストーカー規制法のきっかけになったこの事件のことは知っていたが、詳しくは知らなかった。
FOCUSという写真週刊誌の記者が、
被害者の「遺言」をきっかけにこの事件にのめり込み、サイコパス的な犯人を最後まで追い詰めるまでにいたる執念。
杜撰な埼玉県警上尾署を追い込む事になる報道の力。
警察に操作されるマスコミの報道に対して、被害者家族が感じる憤り。
様々な社会的メッセージが盛り込まれているノンフィクション小説の傑作です。
事件からかなり時間は経っていますが、学ぶ事が多い本です。今更でも、是非皆さんに読んで欲しい。
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Posted by ブクログ
ノンフィクションを読んでいると、「すごい謎があって色々調べたんですけど、結論わかりませんでした。」という終わり方のものにたくさん出会います。もちろんノンフィクションの性質上、綺麗に終わらせることが難しいことはわかっているんですが、モヤモヤした終わりにはなりがちです。
そんな中この作品は、無期懲役囚の冤罪疑惑という激重で難解なテーマに切り込んで、真相まできっちり辿り着いています。この人の取材が大きな貢献をして、再審無罪という判決が出たんだと思います。
そこで綺麗に終わらせずに、司法に喧嘩を売る形で本を締めたところに気骨を感じます。あるべきジャーナリズムを感じました。
「小さな声に耳を傾ける」