小浜逸郎のレビュー一覧
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著者は老いを曇りない
目で見つめている。
老いてますます盛んに、
社会の一隅を支える力
になれと言われたとて、
人は各々の私的関心と、
きびしい生活条件とに
規定されて生きるほか
ないのだ。
あることを語ることは
同時に何かを語らない
ことでもある。
長寿至上主義で鳴らす
イケイケ思想の多くは、
その先にある介護負担
などの側面を語らない。
本書は普通の人たちを
代弁する名著であると
思います。
どうあがいても自分は
こんなもの。
そう開き直ったところ
に生まれる自由がある。
青年期の自由は行動の
自由だが、
熟年期の自由は態度の
自由である。 -
Posted by ブクログ
■フェミニズム思想の欠陥。それは私たちの実生活において差し障りなく流通している男女「差異」の深い意義を認めずそれらをすべて「差別」の指標の方に引き付けて解釈していしまう点である。そこには抽象的な観念で思想を立ち上げてきた人たちに特有の現実に対する鈍感さが見られる。
■フェミニズムはすべての女性が社会進出して男性と対等の待遇や地位で働くことを推奨し、それがかなえられていない場合があると「女性差別」として告発することを思想原理にしている。
■かつてユング派の心理学者・林道義氏がフェミニズムのこうした思想を「働けイデオロギー」と批判していた。フェミニストたちに刷り込まれた、そして今ではほとんどの人が -
Posted by ブクログ
君臣情誼の空気
伝統的な日本人のメンタリティがここにあると福沢諭吉はおっしゃってます。
合理主義的な福沢諭吉でも国の安寧は皇室に委ねないと維持できないという主張です。
さらに学問においては
私徳
公徳
私智
公智
に分けて論じています
徳と智
徳義至上主義のように智を軽んじるだけでなく排斥するような考え方はナンセンスです。
しかし今は逆に智に走るところがあります。
道徳の教科化で軍国主義やと騒ぎ立てるのは論外ですが。
どちらを重んじるということなくバランスなんやろなと。
明治期の人物で一番好きな方です。
もちろん
小栗上野介
河合継之助
横井小楠
も惹かれる人たちです。 -
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文の難易度が簡単すぎるわけでもなく、読みごたえがあり、内容も面白かった。フーコーやバタイユなどの評論は正直に言って、難しすぎるのか言っていることが良く分からない部分が多い。そのような難しいものについての内容も紹介してあり、分かりやすく表現してくれていたので良かった。書かれている内容も、身体論については大学の講義で初めて聞いて興味を持っていたもので、エロティシズムについても興味があり、かなり関心のある内容だった。
性愛に対する多くの人々が抱く「いやらしいもの/すばらしいもの」というアンビヴァレントな感情に対する考察や、男女の性に対する認識の違いなどについての考察、女性がセックスが好きでもな -
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分かり合えない、というと寂しい気もするけど、この人たちはある意味「分かり合ってる」と思う。互いに相手のことを分かっているが、受け入れないという意味で分かりあっていない。
でも、中川義道さんの方が子供だと思った。まあ、そんな人も好きだけど、彼の意見は集積体としてしか役に立たない。その考え方についてはスペシャリストだが、他の事は理解しようとしない。誰でも彼でもその傾向はあるけどね。彼を見る人は、彼の特徴を汲み取るだけで、彼を否定したりする必要はない。彼も自分の考えを人に押し付けるような事はしないだろうし、そこが素敵なところだよね。
そう思うのは自分の心の弱さと、それに付随する自己顕示欲のせいなん -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の結婚に際して、期待や予感を誰しもいだくと思う。
また、自分の生き方についてのイメージや理想型を形づくると思う。
重要なのは、
◎結婚生活は絶え間ない努力の連続であること、
◎結婚生活は個人の自由意思だけでなく、個人を取り巻く周囲の現実と、強固に結びついていること、
◎結婚生活は企画の実現過程であるということ、
◎結婚生活は互いの存在を「理想」から、常在的なものに変えるということ(舞い上がりから、地に足をつける)
◎結婚前の不安や心配をどれだけしたって、わからないものはわからないし、起こったら仕方ないものは仕方が無い。しかし、腹がためは必要。
わたしは、結婚をしたいと思う。
だけど、